現場に向かうと、そこは古代の血みどろな戦争風景でした。
「ご、ごめんヴィータちゃん。物凄く吐きそう…」
「あー…大丈夫だ。アタシ以外みんなヤバいみたいだから」
うぅ…映像とかでちょっとずつグロテスク耐性をつけてたんだけど、流石にリアルなのは…
ヘリコプターの中からでも臭いがする気がするよぅ…
「幸い今戦ってる場所はここ程じゃないらしい。落ち着かせておけ」
「「「「了解…」」」」
現場に到着してヘリコプターを降りると、そこで待っていたのは研究所の様なものでした。
ヴィータちゃんが今どんな状況か聞いていますが…なんで連絡役の1人しかいないんだろう…
「最悪だ…」
「ど、どうだったの?」
「首都防衛隊のゼスト隊がテロリスト殲滅に研究所へ入ってるらしい」
「え゛、ゼスト隊って…」
以前聞いたことがある。
地上の首都防衛隊の中で一番好戦的…というか古代ベルカ式とかがいる隊で、それはもうとんでもない勢いで敵を(文字通りに)粉砕する部隊。
隊長のゼスト・グランガイツさんは正々堂々と真っ正面から(弱者が相手でも)切り伏せる人。
噂では地上のレジアス・ゲイズ中将とただならぬ関係らしいです。
そして隊員のクイント・ナカジマさんやメガーヌ・アルピーノさんも色々凄いみたいです。
「だ、ダメじゃないかな、それって」
「ああ…テロリストが全滅したら資金やデバイスの流れが掴めなくなるからな」
「じゃあ…行くの?」
私と言葉と同時に研究所から凄い爆音がして、火の手が上がりました。
更に変な機械兵器が現れて周りで暴れだして、外周は凄く丈夫そうなシャッターで埋め尽くされました。
「…無理だろ」
「…無理だね」
とりあえず、このよくわからない機械兵器を倒すことになりました。
結果的にテロリストは全滅しちゃったのですが、なんとゼスト隊の皆さんも全滅してしまったらしいです。
数人の死体が見つからなかったらしいですが…うーん、何か変な予感が。
―――――
『やあ、はやて君』
「あ、ジェイルさん、こんにちわ。どないしたんですか?」
『ちょっと伝えて欲しい事があってね』
「はいはーい。何ですかー?」
『実は私の娘達が何処からか死にかけの局員を連れてきてね。とりあえず治療措置を取るから、近いうちに引き取りに来て貰いたいんだ。…治るかはわからないが』
「あらー…はい、了解しましたー」
『それじゃあ宜しく頼むよ』