空港火災の時にフェイトちゃんが見たという犬のようなもの。
監理局のデータベースに登録されている魔法・レアスキルには該当するものは見つからず、捜査は暗礁に乗り上げています。
「あと、可能性がありそうなのは…」
「聖王教会、だね」
「ベルカ式の総本山やな」
聖王教会。
遠距離系魔法を多様するミッドチルダ式とは逆に、近接系の魔法やデバイスによる攻撃を主に使うベルカ式を統べる組織。
ベルカ式の総本山という事でテロ組織との関わりを疑っている監理局と、戦いよりも享楽に耽る人間が多い監理局を嫌う聖王教会の中は険悪で、お互いに詳しい情報は得ることが出来ない。
一応治安とかの問題である程度の調和ある対立に落ち着いてるみたいだけど、何か火種があればすぐに爆発しかねないとのこと。
基本的にベルカ式、特に古代ベルカ式は猟奇的なものを好む傾向があるから、実際戦争になったら向こうが有利かもしれない。
「古代ベルカのレアスキルか…」
「ヴィータちゃん、リインさん、記憶にありませんか?」
「あたしは…似たようなレアスキルは見たことがあるぞ」
「私はそのものを知っているな」
「ヴィータ!リイン!ほんまか!?」
流石は長年戦ってきたヴィータちゃんとリインさん。
ベルカ式の情報を得るときは実際にベルカ式に聞いてみるのが一番だから、凄く頼りになるね。
「恐らく無限の猟犬と呼ばれるレアスキルだ。魔力で構成された猟犬を作り出す能力で、その名の通り無限に作り出せる。魔力で構成されているせいで物理攻撃は通用しないが、普通に魔法で攻撃すれば問題ない。ちなみに、攻撃は不可能だが捜査・探索用に不可視になる事も出来る。まぁ魔力は感知出来るが」
「ちょ、ちょっと待って!とんでもないレアスキルじゃないそれ!?」
「無限に作れるとか卑怯過ぎるやろ!?」
「そ、それに不可視って…」
と、とんでもない敵が出てきちゃったよ…
そんな物騒な人、逮捕出来るのかな…
「そいつが教会にいるならヤバいな。教会には予言のレアスキル持ちもいるらしいし」
「予言に不可視の捜査犬…あかん、どう考えても教会を探れん」
うぅ…こ、これから大丈夫なのかなぁ…?
いきなり襲われたりしないよね?