僕の名前はエリオ・モンディアル。…正確には、エリオ・モンディアルのクローン。
PPMという計画で作り出された人造魔導師だけど、作られた後も色々と実験されたせいで普通のPPMの人造魔導師とは違うところがある。
誰に何をされても快楽に繋がるのが一番違うところだけど、その代わりご主人様を外部から決定されなくなった。
おかげで僕は主人がいないので、僕が仕えたい人を探している。
フェイトさんが言うには、
「出会ったら、この人が運命の人だってわかるよ。私もそうだったから」
らしいから焦ることは無いみたいだけど…
今日は機動六課が始動する日。
空港に着いたらフェイトさんが迎えに来てたけど、もう1人の隊員がまだ来ていないみたいだ。
仕方無いので、探しに行く事にした。
「キャロさーん!キャロ・ル・ルシエさーん!」
「はーい!すいません、遅れましたー!」
声がした方を見ると、大きな荷物を持った女の子が下りのエスカレーターに乗りながらこちらに向かって来ていた。
…遅れたと言っておきながら、全然急いでない。
でもそれが自然であるかの様な…そう、王気(オーラ)の様なものを感じる。
そんなことを考えていたら、何らかの異常があったのか、エスカレーターが急停止した。
当然乗っていたキャロさんは大きな荷物もあってか、慣性が働いてエスカレーターから落ちそうになっている。
た、助けないと!!
咄嗟にソニックムーブを使ってキャロさんを支えようとしたけど、勢い余って上まで運んだ上に倒れてしまった。
「す、すいません。失敗しちゃいました…」
「…とりあえず、手をどけて下さい」
え?…あ、む、胸に!?
「ごごご、ごめんなさい!?」
急いでキャロさんから離れる。
うぅ、いきなり失礼な事しちゃったよ…
「あ、あの…」
「ねえ」
「は、はい」
「とりあえず、落ちそうになったのを助けてくれたのもあるから…これで勘弁してあげるね」
「え?グァッ!?」
瞬間、重く鋭いボディーブローが僕を襲った。
苦しくは無い。むしろ気持ち良い。
でも…何時もと違ってそれだけじゃない?
…そっか、これが、そうなんだ。
「キャロさん」
「なに?」
その場に片膝をついてキャロさん…いや、キャロ様と向かい合う。
この方こそ…
「僕の名前はエリオ・モンディアル。…僕を、貴方の騎士に、下僕にして下さい」
この方こそ、僕が仕えるべき御人だ…!!