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No.5043の一覧
[0] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ [ゲルトマー](2009/02/06 02:49)
[1] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ プロローグ[ゲルトマー](2008/11/29 16:38)
[2] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第一話[ゲルトマー](2008/11/30 04:11)
[3] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第二話[ゲルトマー](2008/12/09 01:54)
[4] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第三話[ゲルトマー](2009/06/03 05:15)
[5] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第四話[ゲルトマー](2008/12/31 21:36)
[6] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第五話[ゲルトマー](2009/01/13 01:52)
[7] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第六話[ゲルトマー](2009/01/26 04:17)
[8] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第七話[ゲルトマー](2009/02/06 02:46)
[9] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第八話[ゲルトマー](2009/03/16 02:08)
[10] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第九話[ゲルトマー](2009/05/18 05:58)
[11] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第十話[ゲルトマー](2009/06/03 05:30)
[12] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第十一話[ゲルトマー](2009/10/11 21:24)
[13] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第十二話[ゲルトマー](2013/03/28 01:57)
[14] 人物紹介(オリキャラ・設定拝借キャラ・オリ設定追加キャラのみ)[ゲルトマー](2013/03/28 02:26)
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[5043] Muv-Luv ALTERNATIVE ~Until the vanishing day~ 第一話
Name: ゲルトマー◆4a699184 ID:b04667f4 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/30 04:11



(さて、まずは横浜基地か・・・)


 だが夕呼に会う前に、自分の状態の確認とある程度の方針は決めておかなければならない。
 



 ―――まずは自分の状態


 身体能力に衰えは感じない。あったとしても極僅か。
 救国の英雄だのなんだのと呼ばれていた頃のままだ。戦術機技術も同じだろうが、こちらは早めに確認したほうがいいだろう。

 ならば知識についてはどうか。
 まず、この世界に来て体験した重要な事件を時系列順に確認する。
 BETAの新潟上陸から桜花作戦まで―――。


(―――今何かおかしくなかったか?)


 BETA新潟襲撃、HSSTの落下、天元山噴火、クーデター、XM3トライアル。
 ここまでは良い。何度も経験しているし、違和感も感じない。

 問題はその後だ。

 甲21号作戦とその残存BETAによる横浜基地襲撃。
 自分が経験した甲21号作戦で、作戦終了後に残存BETAの襲撃などあっただろうか?
 いや、そんなことよりも桜花作戦とは一体どういった作戦だっただろうか?


(・・・桜花作戦。全人類がオリジナルハイヴ攻略のために動いた作戦・・・だよな?)


 そう、そのはずだ。
 何も不思議はないというのに違和感を感じる。
 まるで実際の体験と知識が噛み合っていないような―――!!


(―――俺は何故ここに居る?)


 違和感の正体について考えていて気が付いた。

 桜花作戦は成功しあ号標的は破壊した。
 そして自分が――白銀武が因果導体となった原因は消えた。鑑純夏が死んだ今となっては白銀武を“こちら側”に引き留める要因が無い。

 しかし、現在白銀武たる自分は“この世界”にいる。それが意味することはつまり―――


(―――つまり“俺”は白銀武ではない?)


 考えられない訳ではないが、あまり歓迎したい仮説ではない。
 自分の気持ちだけではなく、仲間から受け継いだ想いも全て借り物だなどと考えたくはない。
 自分を納得させたうえで、ある程度説明がつく理由はただ一つ。


(―――これは“俺”の記憶じゃない)


 おそらくは別の並行世界の“白銀武”の記憶。
 納得さえできれば別に悪い問題ではない。別の世界の白銀武に感謝し、ありがたく有効利用させてもらうことにしよう。


(でも・・・そっか。別の世界の“俺”は世界に希望を残したのか・・・)


 そもそも自分に記憶が流れ込んだのは、“武”が世界を去る際に散った記憶の受容体に選ばれただけなのだろう。
 それでも、自分がその記憶を得たのは“武”が望んだからだと思いたい。
 “武”が出来なかったことを託されたのだと。







 次に今後の方針―――まずは207の皆のこと。


 この世界でも皆は衛士訓練小隊に所属しているだろう。
 彼女たちを護る。これは絶対だ。
 今は政治的背景で任官できなくとも、彼女たちは必ず任官することになる。なら彼女たちを護る一番の方法は―――

(あいつらを鍛え上げる。簡単に死ぬことがないように。可能ならば超一流と呼ばれる域まで)

 何度経験しようと、愛した女性との別れは辛い。
 例えそれが既に過ぎ去った思い出だとしても。




 ―――純夏のこと


 00ユニット素体候補、鑑純夏。
 香月博士の執務室の隣室のシリンダーに浮かぶ脳髄が純夏だということは知っている。
 そして、00ユニット完成に向けて最も重要な数式も記憶している。武がそれを夕呼に教えれば00ユニットはすぐにでも完成する。
 だが―――


(00ユニットの問題はどうするかだな・・・)


 00ユニットを安定化させるための調律は問題ではない。
 今までに純夏以外の女性を愛したといっても、それでも純夏が大切な存在であるのは変わりがないのだ。利害感情なく接することが出来る。

 問題は調律などとは別次元のことだ。


 ―――反応炉を介した人類側の情報の流出。


 調律時に問題が出たとしても、すぐに人類がどうの言うわけではない。
 しかし情報が流出することでBETAに対して既存の戦術が一切通用しなくなると、人類はすぐに“どうにか”なってしまう。

 オルタネイティブ4の遂行は00ユニット無しではあり得ない。
 ならば00ユニットのODL浄化作業時に情報流出が起こることも、少なくとも現状では避けることは出来ない。

 ならば、オリジナルハイヴ攻略作戦前までは00ユニットは本格起動させなければいいのだが、話はそううまく運ばないものだ。
 第四計画の成果として00ユニットが完成したとしても、起動時点では実績が存在しない。
 実績が存在しないところにいきなり「甲1号目標を攻略するから戦力を出せ」などと言ったところで通用するはずがない。
 そして、XG-70さえあれば甲1号目標攻略が成功する、というわけでもない。
 オリジナルハイブ内の正確なデータでもあれば話は別だが、流石にそこまでのデータは武には用意できない。
 つまり00ユニット安定直後にオリジナルハイヴ攻略作戦を実施するのは不可能。

 となれば現状で最良の選択肢は、佐渡島攻略で実績を得、間をおかずにオリジナルハイヴを攻略することだ。
 尤も、この程度のことは00ユニットの問題点を教えさえすれば夕呼もすぐに気がつくだろう。

 この問題に対して、自分には最良の対処案が一体何なのか判断がつかない。
 正直に言って、夕呼が情報流出そのものをどうにかしてくれることを期待するしか、今の自分に出来ることはない。









(他に整理しておく事は・・・)


 様々な思考を巡らせながら歩いていると、既に横浜基地前に辿り着いていた。

 国連太平洋方面第11軍、横浜基地。

 極東国連軍最大の基地であり、人類の反攻の起点となる拠点。
 だが、現状はまだ最前線であるという意識が薄い。
 末端の衛士から果ては基地司令に至るまで、程度の差こそあれ、この基地にいる人間の全てがそうだ。

 ただ一人、横浜基地副司令、香月夕呼博士を除いて。

 門前の衛兵が未だにこちらに気づいてないことなど、あまりに情けなくて涙が出そうだ。


(温すぎる・・・)


 戦術機の一機でもあればその意識を叩きなおしてやれるのだが、残念ながらそんなものはない。
 徒手空拳であっても門前の衛兵程度簡単に無力化できるが、それでは夕呼に会うために無駄な時間がかかってしまう。
 基地の危機意識を叩きなおすのは後に回すとして・・・。





「こんなところで何をしている?」


 ようやくこちらに気づいた衛兵が話しかけてきた。


「外出していたのか? 物好きなやつだな。どこまで行っても廃墟だけだろうに」

「隊に戻るんだろう? 許可証と認識票を提示してくれ」


 ―――この問答も何度目だろうな


 武は我知らず苦笑した。


「物好きはないだろう? 面影がないとはいえ故郷の風景なんだからな」


 やはりここはスマートにいくべきだ。
 素手では基地要員の危機意識の立て直しなど出来はしない。


「・・・そうか、それはすまなかったな」

「気にしなくて良い―――で、許可証と認識表だったな」

「ああ、面倒だろうがこれも規則だからな」

「―――許可証と認識表は持っていない」

「・・・何?」


 二人の衛兵は一歩下がって銃を構える。当然だ。許可証も認識表も持っていないのに訓練生の制服を着ているなんて、不審者もいいところだ。


「おっと、そう警戒しないでくれ。俺はある任務でこの基地に来ている。敵意は無いし、とりあえず話は聞いてくれないか?」


 両手を上げておどけた様な表情で言ってはみたが、衛兵は厳しい表情で銃を構えたままだ。


「・・・任務の内容は?」

「香月副司令に伝えることがあってきた」

「伝えること?」

「その内容は機密に属する。君たちには知る権利がない」

「・・・・・・」

「とりあえず香月博士に連絡を取ってくれないか? 一応任務で来ているんでね。会えもせずに門前払いでした、じゃ面目丸つぶれなんだよ」

「・・・分かった、連絡を取ってみよう。ただしその前にボディチェックをさせてもらうぞ」

「無論だ。それが君たちの仕事なんだからな」

「おい! いいのか!?」

「香月副司令に関することは何でも報告するように言われているだろ?」


 男の言葉に黒人の衛兵も納得したらしく、こちらのボディチェックをしている。連絡するところまでこぎつけたのなら上等だ。後は香月博士の気を引きそうな言葉を伝えてやればいい。


「特に武器は持っていないようだな・・・。おい、何と伝えれば良い?」

「白銀武。アポイントは取っていない。香月副司令は俺が来ることを聞いていないし、俺のことも知らないだろう。直接お会いしてお話したいことがある、と伝えてほしい。
それと・・・、そうだな。四番目と五番目について、全てを知っている、とでも伝えてくれ」


 衛兵は了解した旨をこちらに伝えると詰め所に向かっていった。

 もう一人は言うまでもなくこちらを警戒中だ。


(さて、どうやって博士にこちらを信用してもらうかな・・・)


 思索にふけりながら、武は夕呼を待った。






 衛兵が夕呼に連絡してから30分ほど後、目的の人物が金髪の女性を伴ってやってきた。


 ―――香月夕呼

 極東国連最大の拠点、横浜基地の副司令でありオルタネイティブ第四計画の最高責任者。
 武にとって、絶対に接触しなければならない人物である。


「あたしを呼び出したのはあんた?」

「はい、ご足労いただいて申し訳ありません」

「で、あんた誰?」


 世間話など必要ないと言わんばかりの単刀直入な態度は何処の世界でも変わらない。
 彼女の瞳からは『くだらない用件だったら今すぐにでも殺してやる』という意思がありありと見てとれる。
 実際、彼女は目の前の男が自らに利することがないのなら、容赦なく排除するだろう。何よりも貴重な時間を浪費させる愚か者を消すことへの躊躇いは彼女には無い。そして、身元不明の人間が一人消えたところで一々大騒ぎするほどこの世界は平和ではない。


「俺は白銀武と言います。博士の研究のお手伝いをするために来ました」

「・・・あんた、あたしの研究が何か分かって言ってるのかしら?」

「ええ、よく分かってますよ。進捗状況も、これから何をすべきかも。俺が貴女に提供できるのは、空の上で作ってるものを無意味にする手伝いです」

「・・・」


 夕呼はこちらを値踏みするような視線を向けている。

 彼女の事だ。こちらの言葉が何を意味するか理解していないはずがない。

 今はどう対応するか決めかねている、と言ったところだろう。


(・・・もうひと押しかな? なら―――)


「そうそう、手伝いと言えば霞と純夏は元気ですか?」

「―――!!」

「いつまでもあんな暗い所にいては二人とも気が滅入るでしょうし、出来るだけ早くあそこから“出して”あげるべきですよね。俺はそれを望んでいますし、博士もそうでしょう?」


(―――博士ならこれくらい仄めかせば十分以上に察してくれるだろう)


 自分は社霞だけでなく鑑純夏と言う存在を知っている。そしてそれが何を意味するかも理解しているということを。

 だが夕呼は警戒心を露わにしたまま、黙して動かなかった。


「まだ信じていただけませんか。―――俺が何を語ろうとも、霞がいれば真偽は確かめられるでしょう?」

「・・・いいわ」


 夕呼は決断した。それは武が望む選択でもある。


(まずは一歩・・・)


「ピアティフ。検査が終わったら私の執務室まで連れてきなさい」

「分かりました」

「あんたもそれでいいわね。まあダメだって言っても検査は受けてもらうけど」

「ええ、それで結構です。ご決断いただきありがとうございます」



 ―――さあ、これからが本番だ。お前がとちれば仲間が死ぬぞ



(―――ああ、分かってるとも)


 たとえ仲間が死のうとも立ち止まることは許されない。そんなことをすればさらに多くの仲間が死ぬ。仲間だけではない。多くの人命が無駄に失われることになる。
 そんなことは他の誰が許しても自分が許せないだろう。
 
 仲間から受け継いだ想い。自分に託された想い。それら全てに応える道はたった一つしかない。
 そして、武にとってその道を歩むことは既に当然のことであった。






 2001年10月22日。

 この日、青年は幾度目か分からぬ人類の救世主としての道を歩み始めた。

 その先にあるのは希望の未来か絶望の果ての破滅か。

 その答えを知る者は誰一人いない。未来を知る白銀武本人でさえ、進むべき道の結末など知りようはないのだから。





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