『ザフトレッド!!!』
『ファントムピンク!!!』
『グ、グローリーブラック!!!』
ルナマリアの部屋にシンが入った後、中からそんな声が聞こえてきた。部屋の外にも響く彼女たちの元気な声に、偶然部屋の前を通りがかった破瀾万丈は足を止める。
なるほど。どうやら彼女たちのセレクトはヒーローものか。
シンの気分を盛り上げようと頑張る3人と困った顔のシンが簡単に想像できて、彼の口許からは思わず笑みがこぼれた。
彼らの話は聞いている。ナーバスになったシンとそれを元気付けようとする少女たち。あのぶんなら大丈夫だろう。
しかし周りの者に聞いた限りでは、皆口々に「やばかった」「修羅場だった」と連呼していたのだが、全然そんなものは感じられないじゃないか。
むしろ仲が良くて、見ていると微笑ましく感じてしまうほどだ。自分も歳は大して変わらないけど。
『『『ZEUTH戦隊、セツルナステラ!!!』』』
………それにしてもヒーローものねえ。
まだ少女と言っても過言ではないステラやルナマリアはともかく、セツコがいながらその選択は無いとは思うんだが。いや、2人に引き摺られたのか。
だがまあ彼らなど年相応な方だ。他の者たちときたら、名有りでもモブでも人目もはばからずいちゃいちゃする者が続出しているのだから。
無論仕方ない部分もある。世界が崩壊に向かっている非常事態という重圧や自分たちの前に立ちふさがる強大な敵との熾烈な戦闘で、戦士たちの疲労はピークを迎えているし、
いつ誰が死ぬかわからないこの状況で、縋り合えるのは仲間だけ。
まして人間は子孫を残す為に、危機的状況になるとそういう欲求も強くなる。有名な「吊り橋効果」などに代表されるようにだ。
一人一人の精神的ケアを完璧に行える手段や余裕がないため、首脳陣もそういった傾向に関しては黙認するほかなかった。
だがそれでも今のZEUTH内の風紀は乱れすぎているように思う。戦闘に入ると気が引き締まるが、それ以外との落差が明らかに目立つのだ。
そこまで堅くない性格の自分がそう思うくらいなのだから、周囲から見ると相当なものなのだろう。現に先程からも仲間の部屋の前を通るたび、男女の声がよく聞こえてきた。
例えば、
1、エイジの部屋
「「「エイジさま!!夜のご奉仕に参りましたぁ!!!」」」
「10年早ぇ!!ったく、またミヅキあたりにそんな言葉吹き込まれたな!?……ほら、部屋で絵本くらいなら読んでやるから、お前らもう寝ろ」
「ぱよ。じゃあ、私もっと後に来ますね、エイジさま」
「「「後に!?」」」
「構わねぇけど、わざわざちび共の前で言わんでくれ……」
2、鉄也の部屋
「しまった!!やられちまったか。……だがなジュン、俺は再攻撃のプロだぜ」
「せめて技量育成してからそーゆー事言って貰える?」
3、ハマーンの部屋
「もうこんな時間か。話はここまでだシャア。そろそろミネバ様にお休みのご挨拶をする時間なのでな。今から通信を繋ぐから少しの間黙っていろ」
「待てハマーン、まだ話は終わっていない。ミネバ様を偏見の塊にしたことを……」
「ミネバ様、お休みなさいませ」
『お休みハマーン。それと寝る前に聞きたいことがあるのだが、エマ中尉は何が好きなのだろう?今度会った時にプレゼントを』
「……ヘンケン?」
「……………私とて辛いのだよ」
4、ゲッターチームの部屋
「お前それで何回目だ隼人。そろそろ弁慶と替わってやれよ」
「はっ、ふぅっ。……まったく、仕方ないな。オープンゲェェット!!」
「チェーンジ、ポセイドン!!行くぜミチルさん!!」
「すごい、これがゲッターチームのコンビネーションなのね!?」
5、ロランの部屋
「はあ、はあ、ロランなんかに負けられるものですか!!ああっ!!」
「ユニヴァァァァァス!!!」
「(コンコン)夜分すまんロラン、この部屋にソシエお嬢ちゃんは来てないか?探しているんだが……」
「「!!!」」
6、甲児の部屋
「う~ん、う~ん。むにゃ。……駄目ださやかさん、鉄甲鬼は駄目だ。角なんてそんなトコに入れちゃ駄目だ……!!」
「うなされてるわね、甲児」
「そのまま死んじゃえばいいと思うわ」
まあざっとこんな感じだ。悲惨な者も中にはいたが、基本的にそれぞれが親密な模様。
というか大人の時間と言って良いこんな時間に男女が部屋に2人きりともなれば、これからなにが起こるかなど簡単にわかるというもの。
自分にだって当てが無いわけではないのでうらやましいという感情はないのだが、艦内には恋人がいない者もまだ多いわけだし、もうちょっと控えてくれと思うのは贅沢だろうか。
『ちょ、撃っちゃ駄目ぇーーー!!!』
『オーケー、望むところよ!!』
『望んでも駄目ぇ!!』
「……ふふっ。やれやれ」
ルナマリアの部屋からは、相変わらず今の時刻には似合わない騒がしい声が続いている。
色気もへったくれもないが、そこには確かに彼らの幸せが感じられた。
「さてと、僕も自分の部屋に戻るかな」
首をこきこきと鳴らし、歩きを再開する。あまり聞き耳を立て続けるというのも良くないし、明日のミーティングも早い。
ビューティやトッポと軽く茶でも飲んでから休むとしよう。
万丈は廊下の曲がり角を曲がる前に、もう一度だけ彼らのいる部屋を振り返り、思った。
まったく。他の人たちも、少しはシンたちを見習って欲しいものだ。
知らぬが仏、とはまさにこの事である。
「次はこっちよ?シン。セツコさんの前に、私で練習♪」
それにしてもこのルナマリア、ノリノリである。練習なんて言葉は本気ではないだろうが、そう下手に出ればセツコが強く出れないのを知っているのだ。
まあセツコもセツコで、今は余裕がないみたいだが。
「シン君、私は後でいいから。彼女に、その……してあげて」
「わかりました。……ごめんね、セツコさん」
「シ~ン、まだぁ?」
急かしてくるルナマリア。シンは次の目標を彼女に定める。
彼女の左右に揺れるヒップを両手でしっかり掴むと、入り口に亀頭を擦り付けた。
「ふあっ!?こ、こらぁっ!!いじわるしないの!!」
「はいはい」
「もう、子供なんだから……まあいいわ。これからトーナメントの決勝戦よ。勝った方がこの部屋の支配者ってことで」
「何だそれ」
こんな受ける体勢になっても自分のペースは崩さない。だが擦るたびにびくりと反応する様や赤らむ顔が可愛かった。
一層力の入る自分の相棒を再び入り口に沿えると、先が少し沈み込む。
「んっ……」
準備良し。あとは真っ直ぐ進むだけ。息を少し乱しながら自分をみつめる彼女が頷く。
「行くよ。ルナ」
「………来て」
息を呑むルナマリア。僅かに腰が離れようとするが、逃がしはしない。
勝気な彼女への仕返し、愛情、感謝。んでもって情欲。湧き上がるいろいろな想いを乗せて、彼女の尻に一気に腰を叩きつけた。
「あぁぁぁっっ!!いきなり、奥までぇ!?」
さっきのお返し。ルナマリアは咎める声をあげたが、腰が動き始めるとすぐに嬌声に変わった。なんだかんだで準備は万端だったらしい。
ちらりと見え隠れする細いウエストや引き締まったヒップ。男にとってこれ以上無いほどの魅力的な肢体がシンの動きに応えるように動いた。
「はぁっ、はっ、んああっ!!」
美しいヒップが跳ねる。涎が唇の端から垂れる。先端が硬くなった胸が大きく揺れる。
いつもは勝気で自分を子供扱いするくせに、今は自分にされるがまま快楽に溺れているルナマリア。そのことに興奮したシンは後ろ向きの彼女と繋がったまま、その両肘を持って立ち上がった。
必然的にシンに体重を預けざるを得ない姿勢になってしまい、ルナマリアが不安そうに振り返る。
「え、なに?なんなの…?」
「少し歩かないか?このまま」
「それって、あ、はぅぅっ!!」
返事をピストンで遮断しながら立ちバックのまま壁まで歩いていくと、シンは支えていた手を離した。思わず彼女は壁に上半身を預ける。
その際に足の位置を変えたことによってシンのペニスの横が擦られ、それに興奮したシンは行為を再開する事にした。
「ほら、このまま部屋を一周。な?」
「ええ!?ちょ、本気で言ってんの……?」
跳ねる腰を止めることなく、部屋の中を横歩きに一歩、また一歩と進む。
時々立ち止まり一段と激しい小刻みな振動をルナマリアに与えると、彼女は悲鳴とも歓喜ともつかない声を上げた。
「うああああ……っ!!ご、強引なんだから…!!」
「ごめんな、ルナ。でも後悔させて欲しいんじゃなかったっけ?」
壁に両手を付きながらの横歩きを続けているうちに、机に辿り着いた。ルナマリアがそれに上半身を預けた瞬間シンの指が乳首を軽く弾き、彼女は一際大きな声をあげる。
顔を上げると目の前には鏡が置いてあり、絡み合う2人の姿を映していた。火照った顔で髪を振り乱しながら、嬌声をあげる自分の姿。
「うわ、うわわわわ。やだ、これ恥ずかしいってばぁ」
「今さらだろ。ほら、2人にも見られてるのに」
「え……?」
「わぁ……シンもルナも、あんなにぶつかってる。……さっきのステラもそうだったのかな?」
「うん。さっきの2人もあんな感じ。今くらい」
シンの言葉に現在の状況を思い出す。ベッドに視線を向けると、寝転がったセツコとステラがこちらに見入っていた。
当たり前だがずっと見られていたらしい。恥ずかしいところも、シンに流され操られたところも、そしてそれに興奮してはしたなく喘ぐところも。
自分の顔が真っ赤になったのが、自分でも分かった。
「……………や、やだぁ!!もうこんなのほんとにやだ!!おねがい、シン。もう」
「でも今の締め付け、凄かったんだけど」
後ろを振り向き懇願するルナマリア。だがこの行為が嫌だというわけではないと思う。
今尚くねくねと自分から動いている腰がそれを証明している。
「ちょ、調子に乗るのもいい加減に………あ、そこいい、そこ好きっ!!」
「!!………わかったよルナ、俺が悪かった。それじゃベッドに戻ろうか。まあ、このまま歩いてだけど」
気持ちいいと感じているとは言え、嫌がることはしたくなかった。だからベッドに戻ろうと思ってた。だが彼女の発言を聞いた瞬間、シンの頭からそんな考えは消えてしまった。
ごめん、と心の中で謝って、シンは彼女が指摘したポイントを亀頭で擦る。
「こ、このベッドヤクザぁ!!戦場ならどこでもプッツンすれば良いってもんじゃないのよ!?」
「………ああ、そういう事言いますか。オーケー、なら優しくしてやらない。歩けないくらい突いてやる!!」
「んんーーっ!!つ、強くしないでよぉ!!………これじゃ歩けない……ベッドに、届かない…っ!!」
再び横歩きを再開する2人。脚を広げて歩幅を大きくしようとするのだが、シンの腰が許してくれそうに無い。
「ハァ、ハァ。も、もうちょっとで……」
「そうは、させない……っ!!」
「あん!!立てない、も、もう立てない、腰抜けちゃう!!抜けちゃうから……っ」
傍から見ると、自分は結構嫌なヤツに見えていることだろう。
でも仕方ないじゃないか。今の彼女はいじめたくなってしまうのだから。つまり俺は悪くない。ルナが可愛いのがいけないんだ。
「ば、ばか!!どさくさにまぎれて何言ってんのよ!!」
やべ。口にしてたのか。いかんいかん。
激しく腰を動かすシンの妨害にも耐え、やっとの思いで彼女はベッドに辿り着いた。
ベッドに手足を着き、四つん這いで繋がったまま尻を左右に振るルナマリア。強く擦られる側面の感触に気を良くしたシンは、それまで以上に奥を突いた。
「ああっ!!そんな、奥突かれちゃ、イキそう……っ!!」
「いいよ、好きなだけ。俺ももう出すから」
「ハッ、ハッ、え!?ちょ、今、出すって」
奥を突かれ仰け反る彼女。その耳の穴を舌で攻めながらそう告げると、焦った声が返ってきた。
「ねえ、膣内はまずいって。ああっ、はっ、わ、私たち相性いいのよ!?ああんっ!!」
「今十分実感してるよ。締め付けて離さないし、もう本当にやばい。ごめんちょっとスパートに入る」
「そ、そっちじゃなくって!!膣内に出したらデキちゃああああっっ!?馬鹿っ、もう知らないっ、からぁ!!」
既に彼女の上半身はベッドに倒れこんでおり、尻だけを高く上げた状態のままシンを受け入れている。
強く握り締められたシーツが彼女の余裕の無さを物語っていた。
それに構わず腰を動かすシン。胸を揉みしだき、耳たぶを甘噛みし、腰を叩きつけ、細い女体に覆いかぶさるその姿。例えは悪いがまるで獣の交尾のようだ。
「クる……!!クるっ!!キちゃうキちゃうキちゃう!!!ああっ、ダメぇ!!」
シーツを掴んだまま、まぶたを強く閉じるルナマリア。当然、締め付けもさらに強くなって――――
「ル、ルナッ!!!」
「だめ!!もうだめ、シン!!だめぇぇぇぇっっっ!!!」
痙攣する彼女の奥にシンの先端がコツンと当たった瞬間、ルナマリアの視界は白く染まり。
シンは自分の欲望を、思う存分吐き出した。
「あ、ああ……なか、いっぱい……ハァ、出てる……。こんなの、すごいよ………」
「ふうっ……ルナ、おつかれさま」
「あっ……」
胸を優しく揉みつつ、腰をルナのヒップに押し付けたままのシン。離れる間際に彼女の頬にキスをして、そっと自分のものを引き抜いた。
そのままベッドの端に座って一息つく。大量に精を吐き出したせいか、自分の体力がごっそりと減っているのを感じる。
ルナとの決勝戦は非常にハードだった。
しばらく痙攣していた彼女だったが、そのうちむくりと体を起こしてシンの隣に座りしなだれかかってきた。タフだなほんと。首すじにかかる息が少しくすぐったい。
「ハア、ハア、シン、凄かった……。こんなに相性良いなら、余所見なんかしないで最初からシンにしてれば良かったなぁ……」
「ルナのも凄かった。俺もさすがに疲れたし」
「ほんと、こっちも元気なくなっちゃってる。けどシンのっておっきいよね」
「いや、まわりの見たらそうでもないと思うけど」
俺のは昔の小ですから。
ちなみに先日、手打ちと評してアークエンジェルの天使湯でCEパイロット大集合を行ったのだが、
その際にシンが確認した限りではキラ>>ネオ>シン>イザーク>>アスラン>>>>>バルトフェルドである。
やっぱりフリーダムはあっちの方もフリーダムだった。やたらと膨張率やテクニックを強調するどっかの虎とは格が違う。これで歌姫をベッドの中でも歌わせて「ラクスはマグロなんだ」すまん。
つかキラさん、虎の負け惜しみがマジでうざいんだけど、いつもどうしてんの?ごめん、俺にはこんなときどういう顔をすればいいかわからないんだ。
「嘲笑えばいいと思うよ」
ひでえ。
「わ、ビクビクしてる。なんかすごいねこれ」
「いや、もういじるなって。それにどうせ、変な形してるとか思ってるんじゃないのか?」
興味深げに覗き込み、シンのをいじるルナマリア。今イったばっかりなので、シンは己の戦士の銃が暴発してしまいそうで少し怖い。
できたらそっとしといてあげて欲しいのだが、彼女の顔が先程までの発情したそれから、いつものからかうような表情に戻っていた。
俺のターンはもう終わりか。勿体無い。
「まあね。なんていうかうーん、キモい?」
「直球だな。普通に傷付くってそれ」
「じゃあ、キモい♪」
「可愛く言っても駄目!!」
ふざけるルナと振り回されるシン。アカデミー時代に戻ったかのようにじゃれ合う2人。
メイリンやレイの件で最近2人揃って笑顔を見せるということがなかったから、なんだか懐かしい。原因はどっちも俺だが。
そういえば俺、ルナとこうやって笑いあう時間、昔から好きだったな。
「ごめんごめん。あんまりこの子が私をいじめてくれたから、仕返ししたくなっちゃって。……お返しに、きれいにしてあげるね、シン。は~む!!」
「うわっ!?」
体を倒し若干力を失くしたシンのペニスをぱくりと咥えると、顔を上下に動かすルナマリア。
いやお掃除なんてビデオとかの見過ぎだって。普通は気持ち悪がってやってくんないって。気持ちは良いから黙ってるけどな。
復活させるというよりは綺麗にするといった感じで舌と口を動かす彼女。「どう?」と言わんばかりに見上げてくる表情が可愛かった。
思わず頭を撫でると、ルナマリアは嬉しそうに目を細める。
しばらく舌を絡みつかせていた彼女だったが、ようやく口を離した。股間と口を繋ぐ一筋の糸がなんとも扇情的だ。
「ん。これで良し。んじゃ次、どんどん行きましょ」
「いや、どんどんって言われてもな。俺結構「シン君」疲れたん」
セツコの声に振り返るシンの動きが止まった。その目に映った光景に魅入られたからだ。
「だけ、ど……」
視線の先にはセツコとステラ。2人が両膝を着いて、こちらにお尻を向けていた。もう下半身には何も履いていない。
その横にルナマリアも並ぶ。いつのまにかピンクのスカートを脱いでいて、先程網膜に焼き付けたばかりの形の良いお尻が露になっていた。
「ステラ、もういっかい、ほしい……」
「シン君、私、まだしてない。今度は私に………お願い」
「もう、私のじゃなきゃ満足できないわよね?シン。こっちのみ~ずはあ~まいぞ~?」
ここは天国かもしれない。
素肌の上にそれぞれ違う制服の上着のみ+四つん這い+横一列=漢のロマン。
並行世界中を探しても絶対に見つからない、奇跡の光景がここにっ。
「くっ……」
だが、身体が言う事を聞かない。知らぬ間に己のアロンダイトが下段に構えている。
ちょっと飛ばしすぎたっていうのか。目の前には宝の山があるってのに………ッッッ!!!
絶望に覆われるシンの精神。思わず目を閉じる。網膜に感じるのは漆黒の闇。まるでシンの今の心境のようだ。
だが、この世界に明けない夜は無い。闇の中から一筋の光がシンを照らす。
――――どうしたんだい?シン。そんな情けない顔をして、君らしくもない。
え……?この声は、まさか。
――――まさか君はそれで終わりと言うんじゃないだろうね?私が認めた、君ともあろう者が。
デュランダル議長。道を別ってしまった筈の貴方が、何故自分の意識の中に……?
――――そんな事はどうでもいい。それよりも、女の子の3人がかりぐらいなんだと言うんだ。
君の身体には既に『力』が眠っているのだよ?……私が授けた、運命に討ち勝つ力。デスティニーの力が!!!
デスティニーの『力』………?SEEDではなく?一体、そんなものどこに。
――――聞けば良い。今の君になら、応えてくれるはずだ。
その言葉が終わった瞬間眩しい光が広がったかと思うと、シンの周囲に炎が吹き荒れる。目の前には巨大な影。
デスティニー。
シンより二回り大きいくらいに縮んだ愛機が、目の前でひざまずいている。
『―――力が欲しいか?』
精力ならな。てか、なにこの声?議長がアテレコしてんすか?
『力が欲しいのなら――――』
聞けや。
『くれてやる!!!』
議長っぽい声に呼応するかのように、シンの身体に熱が篭る。滾る血潮。躍動する己の筋肉。SEEDとは明らかに違う力の奔流を感じた。
「こ、これは………?」
ありえない。信じられない。まさかこれほどの力が俺の中で眠っていたとは。議長は俺にこんなものを宿らせていたとは。
流石は「テクなら一等かもしんねー」と言われたデュランダル議長。子供できないからと寝取られた恋人を、テクニックのみで寝取り返したというのは伊達ではない。
声も無く女にも逃げられたどっかのグレイトとは格が違う。
――――ようやく目覚めたようだね。それで良い。今の君にならその力、使いこなせる筈だ。
ありがとうございます議長。でも俺、貴方にそんな事をされる資格は無いのに……。
――――君が選んだ道だ。何も言わなくていい。
それよりも行きなさい。あの小娘たちに、ゴッドフィンガーのパクリはアスカのお家芸だと言う事を思い知らせてやるんだ。
はい。議長。
「む……?」
「ハァ、ハァ、どうしたの?ギルバート」
「今、何かを感じてね。具体的に言えば、勝手に著作権を侵害されたような気がしたんだが……まあいい」
メサイアの自室にてタリアを抱いていたデュランダル。何かを感じたのかあらぬ方向を見上げていたが、考えても無駄だと悟り行為を再開する。
だが身体の下の彼女はもう、息も絶え絶えだった。
「ま、まだするの?私はもう10回以上……それに、貴方には聞きたいことがあって来たのに」
「それはこの勝負が終わってからだよ、タリア。君が私に勝つ事ができれば、私は君に全てを話そう。勝てればだがね。
降伏か、失神か。本来ならこの技は相手に猶予を与える慈悲に溢れた技だが、今回は勝負。容赦はしない」
「人の身体をここまで弄んでおいて、何処に慈悲あぁぁぁっっ!!!そもそもそんな技、貴方いつ」
「プラント議長としてのたしなみだよ。ちなみにこの技、私以外に使い手はいない」
多分、2代目はレイだろう。なんとなく。
「さあ、止めのアンタレスだ」
「あ、ああァァァァーーーーッッッ!!!こ、こんなのってあるのぉ!?愛のアマリリス!!恋のアマリリス!!」
なんでゴルゴ。
某聖剣の継承と某武器達の契約を足して2で割ったようなイベントが終了し、シンは己の目を開けた。目の前には自分を待つ3人の美女。時間はほとんど経っていない模様。
遠くで誰かのツッコミが入ったような気がするが知ったことではない。自分があの人を信じていたのは間違いではなかった。それだけで十分だ。
SEED覚醒。気力は数値にして200。全パラメータ回復。
パーティーの準備は整った。
運命のパワーに、SEEDの集中力。そして彼女たちへの愛情。3つが揃った今の自分は、阿修羅をも凌駕する存在だ。
(シン・アスカ。デスティニー、行きます!!)
3人に襲い掛かると、少女たちは嬉しそうな声をあげる。
真ん中のセツコを彼女が待ち望んでいたアロンダイトで貫き、両側の2人にはパルマフィオキーナで攻撃を加えるシン。
迷いを無くした彼を、果たして誰が止めることができるだろう。
「ああっ!!シン君の、固い……っ!!ずんずん来る……!!」
「はぁ、あ、んっ!!シン、凄いよぉ!!ステラ、どうにかなっちゃう!!」
「きゃあ!!ちょ、シン、そっちは違、弄っちゃダメだってぇ!!!なんで私ばっかり……もう、ばかぁ!!」
ふん………何がセツルナステラだ……とシンに戦いを挑んできた3人を見下す運命。だがシンはそんなことは思わない。
別に全部が全部、彼女たちに流されてこうなったわけでもないのだから。
そう、今こうなっているのは彼女たちの意思だけじゃない。俺が3人を欲しいから抱いてるんだ。
彼女たちが俺を望むのなら、喜んで相手になってやる。それが――――
「「「きゃああああああっっっ!!!!!!!!!」」」
――――それが俺の戦いだ!!
シンの再攻撃が百八式まであることを信じて……!!ご愛読ありがとうございました!!!
………もうちょっとだけ続くんじゃよ。