「おい!ロングアーチ!非戦闘員のほうはどうなってる?」
「…ヴァイス曹長がなんとか止めていますが…まだ終わっていません、それに此方を狙っているように戦線が…」
「くそ!ザフィーラのほうは?こっちはジャミングとAMFがきつくて通話できん!」
「いまだ正面で…戦闘中です!」
「くっそ…俺みたいなへっぽこはすぐに助けに行ってやるってほざいてたくせに」
「それよりそちらは?」
「1型が馬鹿みたいにきてる…っとう!キルスコア数えてないがすごいぞ?」
「へ…そりゃあすげえ。やっぱ賭けなんぞやるんじゃなかったぜ…」
「ヴァイス!…てめえが俺みたいにやる気ださねえからしたんだよ!」
「…元陸のエーススナイパーとかうまく乗せられたぜ…くそ!」
「黙ってお仕事してろ…!こっちは未分類のレリック守るので精一杯なんだ!てめえが守れ!」
「むちゃいいや…」
「ヴァイス曹長!?先輩!」
「ち…通信系どっかやられたか…ザフィーラの方はまだ通信いけるか?」
「ヴァイス!ヴァイス曹長が!」
「うるせえ!ヴァイスは仕事してんだ!てめえもてめえの仕事しやがれ!」
「う…あ…」
「六課の一員だろう?ヴァイスの自慢できる後輩だったらしゃきっとしろ!」
――――父と長い一日の憂鬱――――
アルトには厳しく言ったが…俺も折れそうだよ…
「圧縮!」
「Compression」
何度目か忘れたレアスキル起動、強化した剣でぶった切りつつその残骸を足場に速度を稼いで次に
「きりがねえ…!」
ロングアーチにキルスコアを誇ったが、なのは、フェイト、特にはやてなら10秒で出せるスコアだろう
「ってか、広域攻撃にまともなのないんだよ!くっそう!」
特にAMFがきついここでは目くらまし程度だろうなあ…
「っつか、とうとう俺無視して中は入ろうとしやがるしっ!」
幸いというか、あの幻影で水増しとかされてないが…俺に取っては楽かもしれない、と淡い期待をかけてたんだが
「…俺なら見抜ける可能性があるからな…」
レアスキルの為である
俺のレアスキルは通常でもリンカーコアが見えるほど魔力に敏感なのだ
まあ、普通の魔導師でも魔力の保有量は推測出来ているし、リンカーコアの有無も見えてるからこれが普通だろうと思っていたのだが
昔、幻覚をつかう犯罪者と戦ったとき悉く見破ったことがあり、シャマルと調べて分かったのだが
「…魔力そのものが見える、とはなぁ…」
ゆえに『魔力で』隠しているものはぶれて見える、フェイクのものはガランドウに見えた
「だからここ受け持ったってのもあるんだが…くっそう」
くそ!公開陳述会の面子とは連絡がやっと取れたがあっちも酷いらしいしな…年長者が投げ出すわけにもいかん…!
ああ、やっぱデバイス持てれないならはやてやフェイト、なのはを会議室内に入れるのは反対だったんだよ!
…とはいえ入れてないと色々面倒だからな…六課の隊長も来てないのか。とか色々と…
「ああもう…世界はもうちょい優しくても良いだろうに…!」
せっかく圧縮してたラスト・ワンを1型ガジェットに突き刺して爆破、その衝撃を食らう事を分かりながら勢いを利用して抜けていこうとするガジェットを左手の剣でぶったぎる
「てめえら…俺にも雑魚なりの矜持がある…モブ扱いすると怪我させっぞコラァ!」
「…ヤマモト」
「あ?なんだザフィーラ、こっちは雑魚っぽく戦ってるぞ?とっとと助けに来い!てか今来てくれたら裸エプロ」
「すまない…」
「…ッ?!ザフィーラ!おいザフィーラ!シャマル!そこにいるんだろ?答えろ!」
急に繋がった通信、なんとかまだロングアーチとは繋がっていたが。六課襲撃されてから暫く繋がらなかったザフィーラの苦悶の声
「…おい!ロングアーチ!」
「…はい…」
「あっちはどうなってる?」
「…陳述会のほうは」
「違う!ザフィーラとシャマルだ!」
「…反応微弱、二名とも危険な状態だと推測されます…」
「…ッ!くそ!どういうつもりだ!そうなる前にこっちに連絡…ッ!…そういうことか…!」
くそ!くそ!なんで気がつかなかった!久しぶりの魔力の大量消耗で気持ちに余裕がなかった?長期戦で?ふざけるな俺!
…おかしいんだよ!なんで『あのザフィーラとシャマル』がこんなに梃子摺るなんて!
普通ならこっちにシャマルあたりがとっくに応援に来てくれておかしくない!
「…あいつらの所きたヤツ、この前の戦闘機人か?」
「推測ですが、映像からして…」
「…3つ聞きたい、俺がザフィーラのほうに行くことは?」
「…そちらへの増援は確認されていませんが、後方に戦力が待機していません」
これ倒しきるまで動けない、か
「二つ目、この通信を制限したのは?」
AMFなどのせいと思っていたが…
「…それは」
「ルキノ、シャマルだろ?」
「…」
やっぱりか…あの医者め!オカンじゃねんだぞ!そこまで心配される必要はねぇってんだ…!
ああもうなんで俺の周りは馬鹿ばっかりなんだ…!
強敵だからって分かってて『すぐ手伝いにいってやろう、ありがたく思えよ?』だ!ザフィーラ!
こうなることを予測して通信制限かけやがったシャマル。出撃する前の『無理するのは駄目ですよ?またフェイトちゃんに泣かれますから』だ!俺がはやてに殺されるっての!
「…申し訳ありません」
「…良い判断だ立ったと思う、俺って結構感情で動いちゃうからな…で、最後だ」
「…はい」
「ルキノ、アルトはどこに行った?…非戦闘員はどうなってる?」
「…ッ!」
「…いい、ルキノ。もう遅いんだろ?俺は冷静だ…教えてくれ」
「…アルトはヴァイス曹長からの連絡が途切れてから、非戦闘員の脱出に向かいましたが…負傷、ヴィヴィオちゃんが攫われました」
「…そうか」
そうか…ザフィーラが落ちたと聞いたとき薄々気がついてた
俺の後ろにレリック
ザフィーラの後ろに非戦闘員
そして俺には散発的にガジェットだけ、あっちには真打の戦闘機人
…それなら狙いは?
「最初っから狙いはヴィヴィオか…!」
してやられた。だが今から思うとおかしかった
戦力の殆どいない今の六課襲撃、戦力を削るため?馬鹿な、ぶっちゃけ陳述会にいってるメンバーがいれば六課は再起できる
ここを更地にしても、極論戦力はさほど減らない、ならあっちはともかく此方への襲撃は?
陳述会に出た戦力からして、いつでも…かは分からないが、なのは達がいるときも攻めれないことはないはずだ…ならなぜ今?もっと前と違うところは?
…ヴィヴィオがいるかどうか、だ…!
どちらかといえば六課と陳述会、両方とも狙いではあるんだろうが…
「…それと、先ほどジェイル・スカリエッティと名乗る人物から宣戦布告らしきものを…」
「…スカリエッティ…」
プロジェクト・フェイトの前身に深く関わる…狂った科学者…フェイトの生まれから調べたが…いきているのかよ…!
「…ガジェットの撤退が始まっている…機影が見えなくなるまではここで待機してるよ…」
「…すいません、後ほど詳しい報告を」
「ああ、お互いな」
「…してやられたな、はやて」
あのあと聞くと陳述会襲撃のほうもかなりの被害だったそうだ
「そやな…」
「六課のメンバーもスバルを筆頭にぼこぼこか」
スバルは左手が重症、残りもリィンが意識不明。ヴィータ他新人入れても重軽傷
「そやね…」
「…で、終わるか?」
「…それでええか?」
「好きにしろ」
「そうか…好きにか…」
「ああ、そうしろ。ここまできたら海も手を出す、お前じゃなくても何とかなる」
陸は猛反対するだろうが、広域次元犯罪者が関わってるんだ。海の出番はある
「取っ掛かりは作ったんだ、もういいだろ?」
ぼろぼろの六課、急いで帰ってきたはやてと共に現場検証しつつの、二人にとっては世間話
「…好きに、させてもらうわ…」
「そうしろ」
「…じゃあ、好きにさせてもらうわ!」
ゴツン。
焼けかけた壁をぐーで凹ませやがった、ぐーで
「そっか、まあ分かっていたがな」
分かっていたさ、この家族馬鹿がこんだけ家族ボコにされて黙っているわけがない
「家族馬鹿だからな…」
「ちゃうねん」
「あ?」
なんだかんだ言って、仲良くなってきてる新人どももボコボコだからか?あとから見たが、あのスカリエッティの放送みて頭にきたか?
「なあ?その左手みせてぇな?」
「ん?」
「アンタ、左利きやろ?ずっと右しか使ってへんけど」
「…使ってないのに左利きとかいうなよ」
「シグナムが教えてくれたんや、昔模擬戦で気がついたって」
どっちかといえば両手ききが近いけど、生まれつきなのは左だろう、じゃないとあの太刀筋はおかしいって
「…で?」
「見せてくれへんの?ずっとぽっけにいれっぱなしやけど?」
「…フェイトには内緒だぞ?」
「…思ってたより重症やね?」
何言ってやがる、前腕部の骨折くらい。一緒に六課にいたザフィーラとヴァイスのやつはいまだ意識不明だそうだぞ?
「あははは、倍にふくれあがっとる!」
「骨折とかはこんなもんだ、落ち着いてから医者にみてもらうよ」
「…いとうないの?」
「別に、慣れてるし。俺のようなやつはいつもこんなもんだよ」
模擬戦とかすっとどっか怪我するよ、骨折とかは珍しいがな
「ちゃんと治療しいや?」
「あたりまえだ、俺はMじゃない。それに」
「それに?」
「…それに、あいつらにちょっと現実みせてやらねえとな?」
「そやね…どこの誰に喧嘩うったか教えてやらんとね」
はやてだぞ?なのはだぞ?あのフェイトだぞ?
「馬鹿がいるもんだ、世の中分かってないヤツ多いよな?」
「そうやな?私ちょっとばかり…」
「久しぶりに ア タ マ にきたわぁ…」
いい笑顔だなォィ
…てか、六課のやつらってなんでこうも笑顔が頼もしいんだろうか?
このあといかにヴィータとリィンがひどい目にあったか、スバルや新人の決死の戦闘、フェイトやなのはの空中戦などをえんえんと語って、真っ黒いオーラを終始纏って去っていった
…ええ、その間誰も近づきませんでした、現場検証だってぇーのにデス
あとがき
さあ、クライマックス!山本の一人称なんで話早い早い…
PS さようなら数の子、君らの事は忘れない。きっと3秒くらい
PS2 さぁ、黒くなってまいりました!
PS3 …なんだろう?数の子まともに出てこない…まぁ、こんなものか、他のオリ主と違って山本って目立たないしな。外から見ると