「父さん…こんな…こんなことって…」
「…すまねー…あたしが駆けつけていたら…いや、せめて山本と変わってたら…こんな結末にはならなかった」
「ううん、ヴィータのせいやない、私がもっと…もっと早くたどり着いてれば…」
「やむ負えない…これはある意味、決められた結果だ」
「…っ!シグナム!そんな…なのは!なのはは?!」
「…なのはちゃんな。今、法務局のほういっとるんや…どうして…一緒に食らったヴィヴィオは大丈夫だったのに…」
「…あとで聞いたのですが。レアスキルによるリンカーコアそのものを変調させて、一時的な出力アップを行ったせいで…」
「そんな!無茶な!」
「あの…なのはの時の治療でも父さんは寝込んだのに…」
「すまん…ここまでだとは思っていなかったのだ…そうだと分かっていれば止めれたのだが…」
「っ!フェイトちゃん!どこいくん?!」
「なのはのとこ!こんな…こんなのって酷いよ!」
「フェイトちゃん!またあの時みたいに繰り返すつもりなん?!」
「…っ!でも…」
「フェイトちゃん、もうええやん…これは、みんな覚悟してたことなんやから…」
「…父さん…」
「…お前ら…人が激痛でつっこみ入れれないと分かっての小芝居か…っ!」
「あ、おきてるやん」
「不思議そうにするな!この子狸が!」
――――父と死ねる闘病?生活との憂鬱――――
「はぁ…分かりきった結果とはいえ…ぼろぼろだな」
まあ、あのSの数でしか表せない戦闘に紛れ込んでしまえば、いっぱんぴーぽーな俺だとこんなもんか
「あれ?そういえばなのはとヴィータは?」
「なのはちゃんはあの事件の最終的な事を法務局ではなしとる」
「まあ、ヴィヴィオに話させるわけにもいかんしな、いくらミッドとはいえ責任の所在がなぁ…」
保護者でもあるなのはが呼ばれてもしょうがないだろうし…
「ヴィータは…重症やけど、もう峠は越えたし、大丈夫や」
「そうか…ってやっぱなんかあったのかよ?!」
「やっぱって…どうしてしっとん?」
「え?いや分かれたあと魔力が揺らいでたっていうか…一応注意してたから気が付いたんだけど」
「へーふーんほー…?今まで私らの誰にもそこまで気がつけへんかった朴念仁が?へぇーーーー」
なんだよ?朴念仁って、そこは関係ないだろ?
ナニいっとるん、それ本気で?
すいません許してください
「流石に異世界にいってるヤツまでトレース出来ねえよ、それに広いっつったって一つの船の中だったから出来たようなもんだし」
まあ、使い道の少ないスキルだよな。基本見えるとこいりゃ分かるし、念話が普通通じるし
「まあ…そのへんはヴィータが起きたら聞いてみるわ」
きししし、と意地が悪そうに笑う子狸、くっそう!いつか舌いれちゃる!
「父さん!父さん!父さん!!」
「ああフェイト、心配かけたな」
「うん!うん…もう三日も起きてこないから…私本当に…」
「8年前みたいなこと言ってんじゃねえよ、もう娘も息子もいるんだぞ?しゃっきりしろ」
「…無理…」
無理?!無理といいなすったか愛娘!?
「…育て方、どこで間違ったんだろう…?」
「最初からだろう」
「うるせえシグシグ、お前にだけは言われたくない」
ああもう…
「はぁ…いでで…麻酔切れてきた…もしかして俺、重傷?」
「もしかしなくても、重傷だよ…」
聞いたところによると
左手、前腕部亀裂骨折、手のひらなんかは複雑骨折、とうぜんギブスである
頭部、てか脳はすげぇ酷使されたらしくって、まあ後遺症が無いのは奇跡に近いってさ…後々でるかもだけど
あとはまあ…全身?数箇所神経がおかしかったらしい、もし外科手術だったら元には戻らなかったって、あと数えられないくらい筋肉破損
「…よく生きてるな、俺」
「普通に死んどるよ?地球なら」
出血が少なかったのと、直に局のブラックジャック(仮)先生とかいなかったら死んでたそうだ
あのシャマルが驚くほどだったらしい、名前知らないからBJと呼んどこう
「まぁ…近年稀な事件やったからなぁ…その功績者にやもん、それなりに設備も人員も割いたわ」
じゃなかったらマズかったのか…あれ封印、もう絶対しねえぞ
…ちょっと心残りだけど、帰ったらシャーリーと進める計画が…
『ファイナルベントォ』
ギューンギューンギューン
『ララララストォ』
とか言わせたかったのに…うちのデバイスに
儚い夢でしたか…
そのあとはまあ、フェイトをなだめて。遅れてやってきた死ぬ気で謝るなのはに、なんでもないって痛みでまた気を失いそうな中話し合って。車椅子でやってきたヴィータとお互いを指差しあって笑って。それを見てから忙しそうにはやては帰っていった…てか、よくここ居れたな?忙しくねぇ?
「…まあ、いいけどさ」
「あ?なんだよ」
「…なんです?」
「父さん?」
「なぜに此処を溜まり場にするかな?」
こっちは指動かすのもちょっと覚悟完了しないと無理なのに…
「いいだろ?どうせ暇なんだし」
「うん、私たちもりミッター解除した後遺症で、暫くは安静にって言われてるし」
流石に書類とか出頭は少しはあるが、それでも病院住まいで暫くはいないと駄目らしい
「…そういや、フェイトの方はどうだった?」
「うん…ちょっと我を忘れちゃって、ソニックでリミッター外して押し切っちゃった」
ほら、これ。とバルディっシュで映像を見せてくれた
「…お、押されてる」
ザンバーごと、何か赤い糸で押さえ込まれるフェイト
「ここでスカリエッティが、ちょっと一言多かったから」
いきなりソニック…まて、音声ないからわからんが、何があった?
ソニックはいい…しかしAMF下だよな?
…なにその5メートルくらいあるザンバー…
…ああ3?トーレか?すげえな、野球のバット振りで何メートル飛んだ?ワンバウンドで暗闇に消えていったんですが?…死んでないよな?
…セッテだっけ?これも…一撃でブーメラン粉砕されて…まて、壁にめり込んで姿みえないんですけど…?死んじゃった?破片も残らずブーメランと運命を共に?!
「…何があったんだ?てか何言われた?てかこれはやりすぎてないか?」
「え?だってスカリエッティに『言うなれば、私は君のお父さんといえる存在だよ』って」
あ、スカリエッティ、おもいっきりザンバー振り下ろされて…すげえな、漫画以外で始めてみたよ。頭以外全身が埋まるって…死んでないよな?
「?非殺傷だもん、当たり前だよ?皆今は更生施設にいるんだって」
これ…非殺傷とか関係あるのか?
「でも…そのせいで父さんの応援にいけなくて」
「そのあと崩落を止めてたんだろ?よい処置だ」
うん、うちの娘は良い子に育ってる。仕事中は市民や被害者の命を優先する、当たり前だけど…
「何人かはポットの中の人も生還出来るって」
「そりゃよかった。…体のほうは?」
りミッターカットは体への負担もでかい、俺も今回似たようなことしたしな
「うん、私は使用時間も少なかったし、ちょっとだるさが残ってる程度」
「そうか…」
くしゃくしゃと痛みに耐えて頭を撫でてやる。まるで猫のように目を細めて嬉しそうにしてくれると、この痛みもなんのそのだ
そんな話をフェイトとしてると呼び出しがかかり、執務官レベルでの話しがあるそうで出て行った
ヴィータ?医者がやってきてぼこぼこに叱られながら帰っていったよ、あいつ絶対安静って意味分かってんのか?
「…後遺症もほぼないフェイト…無理いってここに居れる様にしてないか?」
「にゃはは…」
どう考えても執務官って、今忙しいよな?まあ休めるようにはして欲しいし。…まだ疲労は残ってるはずだからな
「…で、なのは、ちょっとこい」
そらはともかく。やっと二人っきりになれた、このチャンスを逃さず、生かすとするか
「?なんなの?」
そしてぐいっっと痛むが、我慢して右手でなのはの右手を握り締め、引き寄せ。俺の上に引き倒す
「あ…」
驚く元教え子の顔が数センチ前にある、年相応のぷりっとした桜色の唇は、今が食べごろだと主張していて。最近妙に色気を感じさせる
「なのは…」
そして、その驚きに答えを出すために。俺は圧し掛かられた衝撃の痛みなんか無視して、ゆっくりと口を動かす
「先生…」
潤んだ瞳、最近妙にいい匂いをさせる死闘を共に戦った戦友。その時を思い出し…
「お前、無理してっだろ?いいから寝ろ」
「…そうですよね、ええ、そうですよね」
のろのろと身を起こして、なんだかやさぐれた感じにジョグレス進化してるはのはさん
「…お前、今の俺の握力にも抵抗出来なかったろ?」
「…そりゃあ、まぁ…でもですね、今のはちょっと」
「いいから、ちゃんとシャマルあたりに連絡して完全休養取れ」
「…なんだろう…言われてることは正しいのに。目茶目茶怒りが沸くんですけど…!」
しるか、いやまあ引き寄せるつもりはなかったんだよ!ただ思ったよりお前が抵抗しなかったからだな?そっちに動いた反作用で引き寄せちゃったんだよ!
てか、ちったあ抵抗しろよ、ヴィヴィオでも抵抗できるくらいしか力入ってなかったよ!
「いいか?ってかもう俺がする、ラスト。シャマルに連絡…あれ?ラスト?」
あれれ?ない?気が付いて半日してから気が付く俺もあれだが、無い?
「…ラストオーダーは手術の邪魔なので、シャーリーが持っていきました」
「あー…そりゃそうか」
ギブスだもんな、俺の左手。そりゃ外されるわ…ってなんでそれから三日もたって戻ってきてない!
「…レイハさん?ちょっとシャーリーまで連絡頼める?」
「No」
「簡潔かつあっさり反対された!」
「とうぜんです、レイジングハートは私のパートナーですから!」
…意味わかんねえ…
「くそ…こうなったら最終手段…!」
いきなり最終手段かよ?とかいうな。いやもう『それよりあの時何したんですか山本さん』ってエースが五月蝿いんだよ
「ナースコールはどこだ…」
なんで左にあるんだよ…ギブスでうごかねえっつーのに…!
「逃げないで下さい、ちゃんとお話をしましょう!」
無理、てか今『お話』とかマジ勘弁、あの全力全壊は俺にトラウマを作ったんだ
「いいから離せ…!とりあえずラストを…取り戻すんだ…!」
ああ、無口なあいつが今はやたら恋しい…アームドデバイス最高!
「Set up」
「レイハさん!?ここ病院!」
なんでか臨戦態勢のデバイスを押しとどめつつ、ナースコール争奪戦が始まったわけでー
「いいから…上からどけ…!てかマジ潰れる…」
胸じゃないけど胸のリンカーコアが痛いっつーのになに馬乗りだ…
「重いってなんですか!?」
「いってねえよ…!」
この…デバイスもない今勝ちに来てるなこいつ…!体力お互い少ないからって…!!
もうやっちまうぞこのやろう!と拳を固めて必殺ギブスアタック(期間限定)を構える、普通に殴ってもカウンターなところが難点だが…ままよ!
「…お邪魔、でしたか…?」
「いやあ、シャーリーありがとう!ああラストオーダー、久しぶり!」
「そんなに喜んでもらえるとデバイスマスター冥利に尽きますが…ヒィ!」
「…ナノハサン?なに威嚇してるんですか?あとレイハさんもセットアップを提案しない」
とくにレイジングハート、お前のメンテ見てもらってる恩人だろうが
「…なんでもないです」
「むくれるなよ…ああ、シャーリー悪いけどシャマルあたりにいってなのはの完全休養を提案しといてくれ」
「は?何かあったんですか?」
「こいつ、今握力数キロだと思うぞ」
そしてこまごまと説明して、その場ではやてまで連絡がいき、なのはの猛反対を押し切って数日の入院を納得させたわけだが
「…急に暇になったな」
連行されるエース…この映像とかアングラにながしてぇ…そんくらい暇になった
…まあ、暫くはこのまま休養しようか?暫くはもう戦闘とかおなかいっぱいですよ…
そこ、元々戦闘とかしないじゃねえかって言ったやつ、アースラのフェイトの部屋に行きなさい。連絡はしとく
あとがき
生きてたか…せっかくもう新作でもと考えてたのに…(鬼)
PS 次も後日談、外伝は早くてその次ですねぇ
PS2 そのころにとらハ板に移動しまする
PS3 だから過去話は…書いても、しぐしぐサンバーされるの巻!位だと思いますよ?戦闘描写を覚えたいし
PS4 ちょっとはやてイリュージョンを回避