「えっと・・・それはどういうことでしょう?」
「それはフリードだけでいいってことですか?」
「いやそうじゃない、まず大人の事情からになるんだけど」
「父さん・・・まだエリオたちには早いと思うんだけど・・・何言うか知らないけど」
「いや、前線に出る以上大人も子供もない、テスタロッサ、まずは話を聞こう」
「そうしてもらえるとたすかる、まず最初に言っとくと、この小隊は特に隊長二人を生かすための部隊だ、ということだ」
つまり・・・とずらずらと隊員の名前を連ねていき、フェイトとシグナムを35、35と書きエリオキャロを15,15と続ける。
「ライトニングの戦力をあいまいにだけど書いてみたものだ、ぶっちゃけ二人がかりでもフェイト一人にも勝てないわけで」
「まあ・・・潜在的にはともかく、現状はそうだろうな、ところでお前の名前がないようなんだが?」
「だまれ、俺をださせるんじゃねえよ?」
----父と子供二人の憂鬱---
「まあ、とりあえず俺は抜いて、だ、冷静に考えてこの戦力比なんだから、当然フェイトとシグナムをフリーにするのが最低ラインのお前らの仕事、となるんだ」
いいか?別に馬鹿にしてるんじゃないんだぞ?と念を押しておいてから。
「戦いの上では基本的に数字で考えなきゃいけない、そこに悔しさとか愛とか友情とか数値化出来ないものは入っちゃだめなんだよ」
「それは・・・どうしてですか?」
「たとえば、100の戦力に100をぶつけるとしよう、そのときな、100が勝手に愛で50、友情で200とか変動されると使い物にならないんだよ、勿論戦いなんか水物だし、見込み違いも相性もあるが、それでも、せめて100が90~110とかさ触れ幅は少なくないと使いようがないんだよ」
「はぁ・・・」
「まずは自分の役割を過不足無く理解してくれ、まあ二人とも潜在的には隊長を超えることは不可能じゃない、エリオ無双とかはキッチリ訓練していけば出来るようになる」
エ・・・エリオ無双・・・等という呟きが聞こえるが、心躍るな、まだ早いぞ。
「まあ、キャロもそうだ、やる気があれば才能は俺やフェイト、シグナムだって確約してやる」
「うむ、特にエリオは騎士としても光るものを感じる、誇っていいぞ」
「キャロも10歳とかでそれだけのブーストが出来るのはすごいことだよ、いまだに私にはできないもん」
「俺なんか騎士もブーストも無理だ、ふはははは」
などとフォローをしつつ机をばしばしと叩いてから。
「つまり、現在出来ることは・・・『倒されないこと』だ、倒されればどうしても誰かがフォローに向かう、そうなるとこの表でいうと35の戦力のシグナムかフェイトがいかねばならん、そうなると倒された15と35が救助にとっかかるから戦力が半減だ」
ちなみにこれは戦力が偏った少人数だからであって、もうちょっと普通の部隊だと
一人倒れて救助に向かう一人と、それをサポートするやつが必要でさらにあいた二人分をどっかで誤魔化す訳で泥縄になったりする、てか救助が一人とか撤退サポートが一人ですむとかありえねえし、と補足してから。
「だから、絶対『倒れるな』、エリオも勿論だがバックスだからってキャロも気をつけるんだぞ、とりあえずキャロは明日から走りこみだ、まずは避ける、防ぐ、ができてからだ、エリオはキャロの位置や状態を必ず把握すること、お前がいなくなったらキャロを守る者はないと思っとけ、一応隊長もいるが別行動がどうしても増えるはずだしな」
「そうだな・・・陸空と分かれる場合が考えられる、バランスが悪いがテスタロッサと私は空で頭を抑えることになるだろう、フォローは遅れがちになろうな」
「ああ、だから最悪はその場で防ぎきるだけでいい、空が終わったらライトニング全員で向かえばいい、さらに最悪の場合、どちらかが倒れた場合は」
「救助して即撤退・・・ですか?」
「いや、それはエリオのときだけだ、キャロは連絡だけして、逃げろ」
シン・・・と沈黙が流れる、シグナムも、あのフェイトだって反論したいんだが思いつかないのだろう、彼女達だってもう厳しい現実を知っているのだから
「そ・・・そんなこと出来ません!フリードだっているし!」
「キャロ、エリオがやられた場合、エリオより柔らかくて遅いお前とフリードでなにか出来るのか?基本的にバックスは前衛がいないとなにもできん、出来る場合もあるが殆ど出来ないと思っていい」
「・・・・」
「いやか?キャロ」
「は・・・はい・・・」
きゅーとフリードと一緒に肩を落としているがな、キャロ。
「だから、エリオを見捨てたくなかったら、お前がエリオを守れ」
「え・・・?
「バックスってのは後ろにいる分、広く視界を持てる、エリオの背後からの不意打ちを教えるとか防ぐっていう物理的な視界な広さも、武器振り回し続けない分、心理的にも余裕があって広く深く考えることが出来る」
すう、と息を吸い込み、キャロの両肩に手を置いた。
「お前が守れ、エリオの『相棒』だろう?』
「は・・・はい!絶対エリオ君は私が守ります!」
「ああ、キャロ、我々も守る、当然お前たちの親であるテスタロッサも思っているぞ」
「勿論よ、父さんもそうでしょ?」
「もちろん俺たちも守る、これは絶対的なものだと思え、少なくとも」
「助けられる仲間を見捨てる事は、無い、お前たちは一人前の仲間なのだから」
「「はい!」」
・・・とはいえ見捨てなきゃいけないときはいけないんだろうけど・・・まあそんな時は皆で何とかするしかない、よな、なんだかんだいっても子供だもの、理解は出来ても納得はしないだろう。
・・・具体的にはフェイトとシグナム、なのはとヴィータに期待、かぁ。
まあ、しゃあない、とりあえず飯まで少しだ、資料と本人で特性を確認して、家に用意した幼年期の教導書みて明日から実地のカリキュラムくまねえと・・・今日は徹夜かぁ・・・あ、小隊連携も急いで組んどかないと・・・てか現場出るってのに連携なしはありえねえしな・・・ああ・・・明日も徹夜かなぁ・・・
ちなみにここから新作、深夜に数時間で感想来てたんでびっくりして書いてみた。
カッとしてやった、推敲はしていない。