「あぁ~疲れた…また検査かよ…だりぃ…」
「父さん!!!」
「あ?どうしたフェイト?」
「父さん…シャマルさんの話、本当なの…?」
「ん?ああ本当だと思うが。てかいつも言ってるだろうが。主語と言うか、何なのか喋らないとわからんと!」
「…父さんのリンカーコアが…」
「それなら本当だが」
「…!そんな」
「いやそういわれても…別に困らんが。むしろ楽になったくらいだけど」
「でもでも…」
「コアの変調で魔法が大幅ランクダウンってだけだろ?いやぁ、これで武装隊とかに五月蝿くいわれなくてラッキー!としか思えんのだが」
「…でも…」
「まあよく考えろフェイト…俺って魔法使えないと困るか?」
「…でも、私たちを助けてくれたのはいつだって…」
「そんなの過去だろ、よく考えろ…俺がこれから使う必要性ってどうよ?普通にスバルとかでいんじゃね?」
「そ…それは…」
「つか、むしろ俺が鉄火場いって欲しいのか?そう考えるならそれなりに要望に従って、リハビリプログラム組んで一年くらい山に篭るが。その間会えなくなるけど」
「駄目無理」
「無理って…いいけど駄目はともかく…0,1秒以下で無理って言い切ったような…」
――――父と一般人?の憂鬱――――なのはルート
「山本さんっ!」
「おまえもか」
ブルータス、じゃないなのはよ
「そんな…魔法が使えなくなるって…本当ですか!?」
「EとかDランクってだけだよ、まあよくて飛行とか?バリアジャケットはギリらしいぞ?」
そんだけ出来れば十分だろ?俺地球人、地球人には元々イラン力だし
「それは…そうかもですけど」
「お前もミッドに染まりすぎ、てかミッドでも殆どがこんなもんだろ?」
いやもうこれでもいいほうだぞ?ミッドの全員がこのランクが最低だったらだな…装飾関係が軒並み死ぬ
バリアジャケットで済ませれるからなぁ…いいとこデザインだけ?あとはデバイスマスターになるしかねぇな
あと飛行制限もなくなるんじゃね?全員飛べるんだし、歩くのと同じだろ?だからまあ…ましなほうだよ
「でも…どうされるんです?六課があるうちは兎も角、資料室でも復職難しいはずですし…」
まあ…検索魔法とかが使いにくくなるしなぁ…だがな
「伝説の3提督って人がな、便宜はかってくれてさ。ミッドに店でも出そうかと」
うん、飯屋でも作ろうかとな。フェイトに作ってて楽しかったし、いいんじゃねえかと。3提督のバックアップあればなんとかなるし、正直手切れ金ともいうが
「フェイトも来るって言ってたんだけど、流石にしがらみがあるしな。丁重に断ったけど」
うん、やめて欲しい。なんかそこで『詰みです、正さん』フラグ立ちそうで怖いし
…フラグってなんだよ、重傷で頭まだ疲れてるのか?
「そういうわけで、何も困ってない」
うん、ある意味ついに俺フリー!すげえフリー!フリーダム!って気分
「…なんか今までで一番輝いてますね…」
そりゃあもう!俺魔法とか大嫌いな人だもん!つっか平凡な生活大好き!
「…でも…従業員とかは?」
「なんか責任感じて六課の面子が交代で手伝ってくれるんだって、軌道に乗るまでだけど」
まあ、従業員とか入ったらこさせないけどな、おまいら仕事しろよ。いや心遣いは嬉しいが。素直に貰っとくが
「…私に…なんの相談もない…」
「そりゃそうだろ?お前忙しいじゃん」
だってお前、いまだにあの『なのは式』資料作ってるじゃん。無理だろ暇とか作るの、暇があったら寝るかちょっとは年頃の楽しみ覚えなさい
そう延々と語った。そりゃあもう語ったさ、口紅のことをグロスって言ったら『そんなに買うんですか?』とかいうんだぞ?
なんていうか…フェイトとは違った保護欲とか感じるよな。うん
で、廊下で小一時間説教した
そしたら
「…いい。私、辞める」
「だからお前はいつまでも魔法少女の気分でいるかとか、いったい歳というものを…何?」
「私!管理局辞める!」
「はぁ?」
いきなり切れられても困るんだが、これが噂の切れやすい十代?…ちょっとサバ読んだけど
そこ、古いとか言わない
「いや無理だろ?!おまえエースオブエースだろうが!六課だって出向なんだし元の部署でも」
「いい!私だって!私だって!」
それからなのは様の独白が始まった
「私だって女の子らしくしたんだけど休暇だって海だと知らない場所だったり船の中だけだったりするし半舷上陸とかも教導とかの資料読んで終わるけどそれでもやっぱり女の子なんだからおしゃれだって興味あるしそれよりそろそろお兄ちゃんに子供生まれそうでこの歳でおばさんになるかもしれないとか色々危機感は持ってるけどどうしようもなくてエイミィさんとかの子供とかあやしてるのとかすごい憧れてああもう女の子の幸せってこれなのかな?とか思うけど次の日には男の人をノックアウトする日常でそんなの思い出しても悲しいだけだし教導初日とかは輝いた目で見てくれてた人とかがだんだん怯えとか混じった目になってその比率が増えていくの見てるともう私は」(以下略させてもらいます、ええ)
…なんなんだ
なんなんだよこの展開
いや色々フラストレーション溜まってるのは知ってたがこれほどか
「だから山本さん!」
「はいぃぃぃぃ!」
「私を雇ってください!」
「イエス!マムッ!」
あれ?
「八番様ランチ2ですー」
「はいよぉ」
…おかしい、俺のワンダフルいっぱんぴーぽー生活はどこに?
「…ずるいずるいなのはだけずるい」
「娘よ、営業妨害するんなら食後のデザートは無しだぞ、あと帰れ」
稀に…てか結構な割合だと思うんだが、今日はお客のフェイトも手伝ってくれている我が新しい城はわりと繁盛している。まあ味は普通だと思うんだが
「…あれがエースオブエース…」
「俺、ジェイル事件の砲撃跡見たぜ、人じゃねえよ」
「もう伝説だよな…あの壁抜き砲撃」
「絶頂期で辞めたからな…少なくとも彼女に勝てる逸材は100年はでないんじゃないか?」
「しかも可愛い…」
「すいません、サインいいですか?」
「ちょっとここで砲撃してもらえませんか?」
…お客様、ここは食事するところです、ウェイトレスを眺めるとこじゃないです。そういうのしたかったら秋葉原あたりにいけっ!
あと最後のやつ、ツラァ覚えたからな?夜道に気をつけろ。世の中桜色の砲撃だけじゃないことを教えてやる
最近知り合いになったディエチの連絡先を思い浮かべる、問題はイノーメスカノンの使用許可だな
「なのはぁ!フェイトがまたフォースの不味いほうのに目覚めそうなんで砲撃よろしく」
「はぁーい」
うん、早めに手を打たないと仮面つけてザンバーされる可能性あるしな。コォーフォー
黒だし
白いけどマントだし
わりと似てるかも知れん、問題はそのときエリオが立ち向かえるかだが無理だな。もう一秒以内にわかる未来予想図
そんな事考えながらもう3ヶ月もしてればアホでも出来るってんだ!とばかりに慣れた手つきでパスタにオリーブオイルを絡めていく
「はいランチ、あと3番の客には気をつけろ、夜偶然あったりしたら俺に連絡しろよ?即座にオレンジ色の天罰が下る手はずは整えとく」
3提督に頼み込んどく、なんだかんだで頻繁に発生するあの老人会ども。仕事しろよ、毎回SPとか連れてくるから雰囲気悪くなるだろうが
「あはははは、そんなこといつものことですよ」
明るく笑って返してくるなのは、流石に元が良いので、ここでちゃんとした規則正しい生活と健康的なご飯を食べてるのと。俺監督の元、おしゃれに目覚めたこいつの破壊力はすごいぞ?
「はい、ランチセットです、飲み物は食後にお出ししますのでお待ちくださいね」
「「はい!」」
うん、衛生的にアップに纏められた髪のせいで見えるうなじがいい感じ、うちのユニフォームはシンプルな物だが、それだけに素材をある意味選び、選び出されたやつは輝きを増す
「うん、俺って時々すごいな」
そりゃあもう俺が縫いましたよ。ボタンホール以外は全部手縫いですよ?
ちなみに一番に縫ったのはフェイトのである
訳は聴くな
いやもうなのはだけえこひいきだと散々愚痴られてだな…三日くらい口聞いてくれなかったのだよ…
…そこ、弱いとか甘いとか三日かよとかいうな
「で、あの若いシェフは?」
「あ、あの…その」
「まさか…!」
「ちちち違います!小指とか立てないでください!」
なのは、そこは親指が正しい気がする。お前女に見られてなくないか?
そしてお前。ツラァ覚え…無理か、そろそろ4桁だともう流石に…ラストの持ち出し許可でてないし。局辞めると思わぬ弊害があったなぁ…たまにシャーリーのとこに会いに行くけど、コアのリハビリのときに使ったりもするから結構会ってるけど
「…エースの元同僚ですよ、お客さん」
はい、コーヒーです、とやっと余裕が出たので店に顔を出す。喫茶店に近い席数だからこその芸当だな、まあ俺の趣味が出てるんだけど、最悪コーヒーとかだけでほそぼそやってく計画だったとは言えないけど
「へぇ…じゃあ武装隊?いや同僚なら教導隊ですか?」
「いえ、六課です。末席でして、戦闘に巻き込まれてやっとナンバー貰った半端物ですが」
「…あの六課の…!もう伝説ですよ」
「そうですよ!戦術と圧倒的なキルスコア、そして理不尽な戦力ヴォルケンリッターの保有を誇るはやて部隊長」
「知ってますよ?あそこの黒いけど金髪の人、雷神と呼ばれている現役執務官フェイトさんでしょ?」
「そしてエースオブエース、なのは教導官!すごいですよね」
「それにそこから巣立っていった4人も大活躍だそうじゃないですか!」
スバルの海難救助やティアナの最近の活躍、エリキャロの密猟者の取り締まりの凄さなどを聞かされる
「まあ、たまに彼らも来てくれるんで。運がよければ会えますよ?」
そういってリップサービスをする、こうやってリピーターを地味に増やす俺。姑息とか言わない、商売って厳しいのだ。などと普通に接客していると
「そういえば…一時話題になったらLゼロってどなたなんです?」
噴いた
「ああ、あの突入隊の一人の、あれって実在なんです?」
まあ、俺が局辞めて一般人になるんで当然情報規制がかかったのだ。テロリストの標的にされても困るし、まあなのはとかはもう手遅れだけど
だから自衛って名目でいまだにレイハさんも持ってる、ほぼ詐欺である。素手でも熊とか殺せるくせに!
「たしか…フロントアタッカーでなのはさんをあのまさに『伝説』の聖王に指一本触らせなかったとかいう」
うん、嘘ではないな。ただなのはは砲撃主体なんだ、指一本掠る戦いだとこいつ負けてると思う
あと、お前らの脳内の聖王はきっと世紀末覇者だろ?それ違うからな?そろそろ学校から帰ってるちっこいのが本物だ
「え?俺はミスぺネレイションって言われる貫通射撃の使い手で、六課の全てに土をつけてるとか」
なんだミスって…いいけど、こっちは更に間違ってる、てかどこを突っ込んでいいやら…
「さぁ?私はそんな人は寡聞に知りませんが…どちらにしても機密ですので」
うん、俺そんな人しらないな。筋肉ムキムキの世紀末っぽい人と戦ったこともそんな二つ名も貰ったことないし
「そうですかぁ…失礼、私も局の陸に勤めているのに守秘義務を忘れるところでした」
うん、誠実に謝ってくれる好感の持てる人物だな。ぜひフェイトにでもくっついて欲しい
まぁ…付き合いたいなら、このミスぺネレイションを倒してからにしてもらうが…!
そして食事所にしては早めに店をしまう。もう結構たつがやはり本調子でないなのはと俺の負担を考えた末の策だ。暫くはこのままだろう
まあフェイト忙しいから、なんだかんだいってなのはがヴィヴィオ見ないといけないしな。暫くがかなり長期に及びそうだが仕方ない
「あ!なのはママ!」
「うん、今日もちゃんとしてた?ヴィヴィオ」
「うん!」
「そう、今日は学校でどんなことを学んだのかな?」
「歴史ー!」
そうかそうか、お前の前世っぽいのを習ったのか。などと思いつつ夕食の支度をする。基本的に俺が主夫で、なのははヴィヴィオ担当って感じである
それにしてもなのはの家ってでかいよな…まあ金使わないであの激務してるエースならこれくらい現金で買えるか
「山本さん、今日も泊まっていきます?」
「んー…ユーノから呼び出しあったから辞めとく」
ん、まあ部屋余ってるからって俺やフェイトの部屋まであるけど。流石にそろそろ部屋をかたずけないとな、ここって店にも近いからよく泊まるけど
それにしてもユーノ…なに気合はいって呼び出したんだ?なんか決意とかあったのか?
「ねえ?帰っちゃうの?」
「すまんな。俺にも用事があるんだ」
にしても、だ。なんというか…だんだん外堀から埋められていくこの感じ。どうなんだろうか?
「じゃあじゃあ!明日はちゃんと『帰ってくる』よね『パパ』!」
「…うん、お兄さんがんばる」
…うん、お兄さん色々がんばる
そのあとユーノに延々と説教された、そりゃあもうすごい勢いで、途中からクロノが混じってスマッシュブラザーズな展開になったが
アルフとリンディさんが更に混じって沈静化してやっぱり説教大会になったが
ちなみに、給料三か月分を持って告白されたのだけは俺の黒歴史である
あとがき
だからなのはは主人公だといったじゃないか?
PS ああ、やっぱりギャグはテンションあがるなぁ!たーのしぃ!
PS2 しかし…これはファンに喧嘩うってないか心配になる。いやなのはは大好きなんですが、本気で
PS3 無印、As見るとどう考えても主人公なんですよね、そこがこのリリカルの人気の一因だと思ってます、熱いですよ!
PS4 月曜にでも板移動をします!