突然だが、ヴィータと結婚した
……え?
うん、理由とかそのへんは聞いて欲しくない、あえて言うなら…
『酒』
うん、そこ最低とかいわない。いや分かってる、分かってるんだけどさ!なんていうか…酒の飲み方教えて欲しいとか言われてて、『こうだ!こう!』とかいいつつお互い呑んでたら
朝、二人とも裸で同じベットで寝てた
なんていうか…スタンドとかの可能性を本気で考えそうな事態が…いや、六課が解散してもなんでかフェイトとなのはが今まで以上に付きまとうので、溜まってたのは間違いないんだが…よく思い出すと
『てめー…この体に欲情とかしねーのかよ!』
『普通はしない、てか呑め』
『あんだとぉーー!見ろこのすべすべの肌を!…うぃっぷ』
『いきなり立つなよ、いいから座って呑め』
『うっせえ!これからどんだけイイ女なのか見せてやる』
『ああもう…大人ってのがどんだけか見せてやるから納得しろよ?そして呑め』
…そのまま全力でやってしまった…
なんていうか、焼酎とブランデーとスコッチはカクテルにして呑むもんじゃない。そんなトラウマを作った一夜だったわけだが…あとはあれだ。まあ放置はどうかと、ヴィータと話し合った結果
『どうするよ…まあ勢いだけだったしなーわたしはいーけど』
『ぐむむ…正直俺らは兎も角、周りが怖いんだけど』
『…フェイトとなのはが…』
『俺は大魔王はやてだな』
『…無かったことにするか?』
『ぶっちゃけお互い社会的に大人だし、それもありっちゃありなんだけど』
『…ばれたときが怖いか?』
『まあ、なのはは分からないけど、フェイトは俺の女性遍歴知ってるしな。大丈夫だと思うんだけど…』
『…とりあえず、婚約とかで手ぇ打っとくか』
『…お前、地味に積極的だな?』
『う、うるせえ!やっちまった責任を少しは取りやがれ!初めてだったんだぞ!…あんまり痛くなかったけど』
で、はやてとフェイトが全面プロデュースし始めてあれよあれよというまに…こうなった、と
―――――旦那と少女?の憂鬱――――ヴィータルート
「うええ…あるきにきぃ…」
「黙って笑顔振りまいてろ、流石にここまで来ると…なんていうか、諦めしかでん」
目の前には妻らしい、ウェディングドレス姿のヴィータ。正直まだ実感がない
「なんだってこう裾とかなげーんだ?面倒くせー」
端はエリオとキャロが持つことになってるんだよ。本人たち、俺らより緊張してたけど…無理はない
「なんだってこんなに人数あつまったのか…」
俺は質素にしたかったっつーのに…いや、人数はまだいい。数十人とかだし
「…提督のじーちゃんばーちゃんまで来てくれたしな」
「頭に『伝説の』がつく提督とか呼ぶなよ」
「しょうがねーだろ!『式はいつ?』とか会うたびにいわれんだぞ!」
ああもう欝だ…管理局の誇るエースオブエース。もはや雷神とか二つ名のついた若き執務官。つか元六課のやつら全員立派なもんだから…人が集まる事
「これでもかなーり減らしたんだぜ?もう諦めろ、こっちはもう覚悟完了してんだ」
「死ねる…てかアリサとかがなんでいるんだよ…管理外だろうが。しかもカリムが教会用意とかするし…」
ああもうアリサとか『なのは!よかったわね…成長してて、あ。キャロちゃん?触ると妊娠するわよ?』とか
あからさまに見下す眼のすずか。いやもうほぼ10年ぶりに聞いたよ『死ねばいいのに』って…
「で、地球式か」
「まーはやての希望だったんだけどな」
「旦那の希望とかぜんぜんないけどな」
「そろそろ諦めろよ。おめー」
ああ、なんていうか。今この瞬間にも逃げ出したい…ああ、でも外には管理局、それもはやてと伝説らしい三提督の子飼いの武装隊員とか待機してるしなぁ…
「なんていうか、色々と…世の旦那の気持ちが分かるな」
「ああ…まーわからねーでもねえけどよー」
そういいながら胸を直している我妻、らしいヴィータ。パットの具合が悪いのだろうか?こいつこうなってからは更に胸の小ささを気にしてるんだが…やっと女っぽくなったんだろうか?
「…はぁ…いくか」
シンプルなウェディングドレス、ほっそりとした姿を魅せるのに俺が選んだのだが…皆には最初不評だったが、他を試した後これに決まった
ちなみに髪は解いてストレートセミロング、ちょっとシャギー入ってどことなく大人っぽくてちょっとびっくりするかも、ドレスは髪の毛に対抗してちょっとブルーの入った物をチョイス。身長を少しでも誤魔化す意味だけじゃなく履いたピンハイヒールは、大人っぽさをさらにちょっと増やしてる…どうでもいいけど、地球の式とはちょっと違ってる気がするけどまぁいいか、本人納得してるし
ちなみに初期の姿は…ティアラとか王冠みたいなので、ドレスはきらきらで…まあ想像するといい…どうみても服に着られてる感じが…すごいぞ?鏡みてぐったりしたヴィータがちょっと可愛くて萌えたけど
「そうだな…おいエリオ、キャロ!後たのんだぜー」
こっちは完全に服に着られてる二人。こっちはそれでいいけど、初々しくて…てか、凄い緊張してるなぁ
「「はイィ!」」
裏返ってる、裏返ってるぞ
「汝、健やかなる時も病める時も…」
『思うんだけど、聖王教会で、しかもカリムとかに地球の一神教とかやらせていいのか?』
『いきなり念話とかすんなよ!びびっちまったじゃねえか!』
うん、肩がびくっとしたね
『いやまあ、ここで声だせるほど空気読めないわけじゃないし』
『てか、黙ってろ!台無しだろうが』
『うるせえ!こっちは色々と大変なんだよ!』
『あー?今はだまってりゃいいだろーが』
『…アコーズの査察とか、見えないと思って今仕掛けてきてだな』
『…ちょっとまて、今はやてに念話送った』
式場入ったときはこっち見ながらなんでか涙流していたはやて、お前はお母さんか?と思っていたんだが…たしかとなりがアコーズだったはず、教会関係で固まってたはずだし
ガッ!
『『ナイスはやて』』
痛そうな音が後ろから聞こえた。
うん、尻にひかれそうだな、てかあの二人付き合ってるんだろうか?そういう噂が流れたけど…
そういやなのはが教導官を続けてる部隊に査察いったときも、コナかけてたらしいけど?…うん、ちょっと念話してみても…ああ、今は無理か。シャッハが査察官を凄い勢いで睨んでる気配が…
アコーズ、女に溺れて溺死しろ
「では、指輪の交換を」
「はい」
そんなこと考えていても式は進む。
ゆっくりと薬指にアレを嵌めていく、これも三か月分だとか四ヶ月だとか言われて行き成り貯めさせられた、もう貯金とかつかえばいいじゃんって言ったらガチの砲撃とかザンバーとかデミッションな闇とか飛んできた。ヴィータはどーでもいい顔だったが、止めなかったからこれでいいんだろうか?
『やっぱり婚約してから貯めるのが王道やろ!』とかもう…お陰で酒なんかユーノに奢って貰わないと呑めないし…そのくせヴィータは周りに押されたらしくって休日ごとに来るから金かかるし。タバコもやめちまったしな…
『色々世話かけちまうな、すまねぇ』
『あ?今更何言ってやがる』
『この金貯めるとき、苦労してたじゃねーか』
『分かってて遊びにくるんだから確信犯だろ?』
どうせはやてあたりに焚きつけられたんだろ?まあ想定内だよな
『フェイトに』
…愛娘ぇ!?
目を向けると凄い速度で顔を背けるフェイト。アイコンタクはいまだに健在らしい、畜生…泣きそうだ…包囲網は家族にまで…
『それでもお母さんと呼ばれるとはなー』
『色々と考えるものがあるよな…あとで元山本家で家族会議だが』
ああ。ヴィータ入れると色々と避けられそうだしな
そうやって交換が終わると大きなトラブルもなく粛々と式は進み、ライスシャワーとブーケを投げるっていう所までいったんだけど…
「…なにあの本気の人たち」
「そろそろマズいってわかってきてんじゃねーか?」
「てか、ヴィータが結婚の時点で考えないとなぁ」
うん、はやて。ザッフィーの上に待機はどうなのか?それは反則っぽいぞ
なのは、ここでは飛行許可が出てないはずだ、セットアップはやめなさい
キャロ、お前はまだ早い、だからバッシュとか履いてくるな
そしてフェイト…ソニックフォームになろうとして鎮圧されるな。色々と突っ込みどころはあるが泣ける
そして投げられるブーケ、誰が取ったかは言わぬが花だろう。そして約束された勝利への暴動
ただ後で聞くと半分はこの事態を危惧して武装隊を配備したらしい。うんはやて、その慧眼は凄いと思う、だけど参加するなよ貴様
「まあ…色々と有ったな」
ぱたり、と送られてきた結婚式のアルバムを閉める。もう指定席になってしまった俺の胡坐の上から一緒に見ていたヴィータがむずがる
「なんだよ?もう終わったみてーな顔して」
「いやまあ、そういうわけじゃないけどさ」
アルバムをわきに置いてちょうど良い大きさのヴィータを抱きしめると、分かってるように体を預けてくる
「んーそうだなぁ…見てると思うんだよ、結婚前とかとどっかちがったのかなぁ?とか」
「わかんねーでもねーな、で。どっか変わったとこあったか?」
ふむ…改めて聞かれると…
フェイトはちゃんと執務官を大過なく行ってるし、休日の度に遊びに来てお母さんとかもじもじしながら言って顔赤らめてるし
エリオとキャロは相変わらずルーテシアとも良好な関係で、お父さんはエリオが三角関係に悩まないか心配な位だし
なのははなんか吹っ切ったように仕事に精出しててちょっと怖いけど、まあ前と同じような感じで連絡くれるし
はやてはあんまり顔見せないけど…新婚だからかな?まあ今に我慢できなくなってくるだろう。シグナム情報だともうすこしで決壊するらしいし、我慢
「どうかな?周りはあんまり変わってないか」
「そうじゃねー、おめーはどうかってきいてるんだ」
腕の中でじたばたと動くので、ごろりと抱きしめたままカーペットに転がる
「うーん…変わってない…いや変わったか?」
まあ、どっちにせよ微小だろうよ、俺はあんまり変わらないと思うよ
そう答えるとまあ、そうかもな。といって暴れるのを止めてくれた
「…あたしは変わったぜ」
「ああ、そうだな」
それは分かるよ、俺みたいに鈍いやつでもな
ぐるりと体を反転させて、こっちを真面目な目で見てくる
「…変わったぜ」
「そうだな」
そういって熱い息を唇に感じながら顔を二人で重ねる。そしてゆっくりと、時間なんか無粋なモンを忘れさせる、長い一瞬が流れる
「…これは挨拶じゃねー」
「そうだな」
「だから、これはあたしのモンだ」
「そうだな、嫁さん」
そういってもう一度をせがむヴィータを。いつの間にかちっこいじゃなく、丁度いい大きさだと感じる俺ももう、結構変わったのかもしれないな…
そう思いつつ、再度あの暖かい一瞬の為に顔を近づけていった
あとがき
どうやってくっ付くか考えるのが厳しいので、その後をメインにしてみた。観想くださった方々、助かります。多少ですが後日談を望まれた方、お気に召されましたか?
PS 残りは本気で考えますね…どうしよう?
PS2 何とか最低もう一名は書かないと…区切りがつかないな
PS3 だからリインは無いと…!w
PS4 ここまでで一番楽しかったのはなのはルート、意気込んで書いたのがはやて、方向性を悩んだのがフェイト、ストーリー自体が思いつかなかったのがこのヴィータですねぇ
PS5 二三日お待たせせずに公開できました!