「なあ、お見合いせえへん?」
「…春だな。はやて」
「地味に馬鹿にしてへんか?!いや真面目な話、そういう話あるんやって!」
「そういわれても…俺35だぞ?見た目若いけど、ただでさえミッドでは20とかで結婚してるのに…相手はどんな行き後れだよ」
「いやいや、ぴっちぴちやで?」
「いやいや、体とかじゃなくてね?分かるか狸」
「そういわへんと承諾してぇな。いっとくけどちゃんとしたお見合いなんよ?」
「いや…お前の目が光ってる時は要注意なんだよ」
「う…ほなこれでどうや?!」
「ハイライト!ハイライト忘れてる!なんか中の人とか探されそうな目だよ?!」
「これでも駄目なんか…頑張って修行したのに」
「どんな修行だよ…」
「マナマナルートを一週間見続けた」
「普通に尊敬できるぞそれ?!」
「冗談やけど。でもお見合いは本気なんや、一度騙されたと思って…」
「いやそういわれてもなぁ…」
「フェイトちゃんにも了承とっとるんや、お母さん欲しいっていってたし。ええんやない?本気で身を固めて家庭を築くっていうのも?」
「んー…まぁそろそろフェイトもプレシアの呪縛から逃れてもいいけど…まぁ、受けるだけだぞ?なんだかんだいってお前には借りもあるしな、で、相手は」
「ありがとう!いやぁ一応フェイトちゃんには了承とったとはいえ、どうなるかわからへんかったからなぁ」
「うんうん、まあ受けるだけだからな?…で、相手は?」
「それじゃあ日時決まったら連絡するわ。ほならよろしゅうー!」
「…相手はだれやねん」
「山本さん…あんたも修行を…目が見事なレイプ目なっとるよ?!」
――――旦那と侍の憂鬱――――シグナムルート
「…で…これですか…」
それから二日後、紋付はかまで超和室に放りこまれました
うんまあ相手を聞いたときからこうかと思ってたんだが…いやそれの斜め上を行かれるとは思わなかったよ
「うむ、今回は無理をいってすまないな、山本」
「いやはやて関連なだけで無理を言われるのはもう基本になってるけどさ…お前、その格好だれに聞いたよ?てかはやてに見せた?」
「いや、これは店で『私に似合う和服を』と頼んだだけだが…似合わないか?私は気に入ってるのだが」
「…恐ろしいくらい似合ってるけどな…はやて止めれなかったのか…」
「?主は似合ってるとしか言わなかったが…」
「…そうか…」
うん、いや本気で似合ってるけど。似合ってるんだけど…
お前も紋付はかまってどういうことだ!?
しかも俺より似合ってるじゃん?!あれか?俺が帯しめてこないといけないわけか?!俺が間違ってるのか?誰か教えてくれ!
「…なにこのファーストアタック…もう倒れそうなんですが…」
「い、いや…そんなに私は魅力的か?」
「違うから!似合ってるけどそういう意味じゃないから!?」
どこまで常識ないのん?!てか若武者みたくて凛々しいけどさ!止めろよ誰か、ここだけ時代劇なんすけど!
カコーンという鹿威しの音がなんか間抜けに響き渡ってる…どうしようこれ…新人芸人の出オチ失敗を見た心境ってこんなのか?
「むぅ、どこかおかしいのか?和装といえば私はこの服なのだが」
分かってないのは貴様だけだと思う…そしてどこの和服の集まりにいったか聞かせてくれ、出席者にちょっと小一時間説教だ
「いや…まあいいや…うん、あとではやてと一緒に説明するよ…それよりはやては?」
普通、こういう場にはもう一人場を進める人がいるもんじゃないんだろうか…仲人だっけ?俺知らないけど
「あ、主か?いやそれはおいといてだな…それでこれからどうすればいいか…知らないんだが」
「そういわれてもな、俺も初体験だから…テレビとかだと趣味とか話すらしいけど…今更感が…」
「そ、そういうものか。では…趣味は模擬戦です」
「人の話聞けよ!てかその趣味もどうなん?!少なくとも見合いで言う言葉か?!せめて将棋とかそのへんだろ?!」
「む、そうなのか…で、では将棋で」
こいつ…こいつここまで駄目駄目なのか…?てかなに緊張してんのよ…微妙に顔赤いんですけど…てか緊張してんのか?え?まさかマジで見合いしてるのコイツ?!どうせ『そろそろ身を固めるとかも考えてな』とかいつも人間扱いしてるシグナムに忠告でもして、それを受けてとりあえずやってみよう!とか思ってきてるんじゃないの?
…いや、本気でいまさらだからさ…相手聞いてから全然そういう方向に考え回らなかったんですけど…なんていうか、幼馴染とかと見合い的な感じ?
「なんていうか…いいけど、お前、本気で俺と結婚したいと思ってここ来てるの?」
「え?いやその…それは…そ、そうだ…が…」
顔赤い赤い、耳まで烈火の如く赤いよ。すごいぞおぃ
「…そうか…うん、まあいいや。結婚しようか」
なんか、もうこの顔みただけでいい気がする…てかそれでいいんじゃね?フェイトも応援してくれてるなら、一時期結構本気であいつに母親とか必要か考えたし…プレシアへの思いも吹っ切れてきてるだろうし。
「うぇ?!え、それは…ほほほほほ本気か?」
「うん、まあ俺でよければ」
「武士に二言はないぞ!?」
「武士じゃねえし、お前騎士だし」
「些細な違いだ!もう引っ込みはつかんのだぞ?!」
引っ込みってなんだよ…てか些細なのかよ、武士と騎士って
「ああ、まあ俺別に結婚とかしたくないとか言ってないし、フェイトとかとは流石に年とか考えると頷けないけど」
しかも娘とか勘弁である上に15違うしなぁ…シグナムは…こいつは年とか考えなくてもいい気がするし
「そそそそ…そうか…それでは…う”ん、あぁ…」
「どうした?いきなり喉の調子なんか見だして…」
「…すぅ…主はやてぇぇぇぇ!!!!結婚の言質をとりましたぁぁぁぁぁぁ!!!」
「山本さんげっとだぜぇぇぇぇぇぇ!!!シャマル!ヴィータ!ザフィーラ!被疑者確保ぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「「「イエスマム!!!」」」
突如奇声をあげて、障子を突き破り飛び込んだ4人、いやまあ…どうなるか分かってた気がするけど…さらに気分萎えるんすけど…てかもうお見合いじゃないと思うんだ…なにこの感じ
「ふははははは!苦節10年!ついにげっとぉ!これでフェイトちゃんも家族や!ふはははははは」
なんで10年前から狙ってたとかいうか、嘘つけ
「よう山本、てめーも年貢の納め時だ、これから私がてめーに八神家のルールを教えてやるぜ」
ヴィータ、なんでお前も嬉しそうなのか
「ふふふ、やっぱりシグナムの胸には適わなかったのね、山本さん」
違う違う、なんで胸なんだよ、せめてポニテにしてくれ
「そうか…山本もついに我らの家族か…実際はテスタロッサの相手が少し怖いが…」
うん、ザッフィー、なんでお前はそう現実的なのか!…わかるけど
てか、本当にこれでいいのだろうか…?基準がフェイトの母に向いてるかどうかなんだけど…一応フェイトもシグナムのことを好敵手としては尊敬してるし…なんかお試し気分で了承しちゃったけど。とかちょっと早まったかなぁと思ってたら
「そこまでよ!山本さんは渡さないわ!」
ずばーん!って感じで飛び込んでくるエースオブエース。まさに真打登場である
が
「…はやてもだけど…障子と窓枠、弁償な」
「そんなことはどうでもいいことなの!山本さんはわたわた…私と付き合ってもらうの!」
いや…勢いで告白ッスか?てかなにその給料三ヶ月分っぽい指輪。なんで女の子にプロポーズされにゃならんのだ、それよりこの和室、修繕費すごそうなんだが…俺出さないからな
「そういうことなら私も参戦!父さん…もとい。た…た…タダシさんは渡さない!」
そして出てくる謎のマスクマン…うん謎にしといて、あんなの娘とおもいたくないんだ
「…フェイトちゃん、納得しとったんやないか?」
「ちちちちがうもん!私はフェイト・T・山本じゃないもん!謎の魔法少女りりかるフェイトだもん!」
娘よ、名前言ってる、丸々言ってる。そしてそろそろ少女はどうなのか?見ろ、なのは以外はドン引きだぞ…そしてなのは、何故に悔しそうなのだ
「…あのね、フェイトちゃん、マスクだけじゃあ正体分かっちゃうと思うの」
そして何故少女の部分に突っ込まない、自分も同じ年だからか?まさかどっかで魔法少女とか名乗ってないよな?全国ネットとかでやってたら俺お前の見方変えるよ?
「ええ?!プリ○ュアとかだとマスクすらしてないのにばれてないじゃない!魔力光でばれちゃった?」
娘よ…本当にお前は執務官なのか?ミッドの未来が怖いのだが…
そんな俺の思いを裏切ってびしっと指を突きつけるなのは、まるで名探偵だけど
「そのソニックフォームで私はすぐにわかったの!」
「うう…流石親友のなのは…バルディッシュ、やっぱりマスクだけじゃなくて服も変えるほうがよかったんじゃあ」
そのマスク、バリアジャケットかよ!なんでSMっぽい蝶な仮面を登録するか!そしてバルディッシュよくやった、このノリでコスチュームを変えられてたらヘタすると裸よりエロくなってたかもしれん…!…せめて武器が鞭とかじゃないだけマシか…?
「むぅ…正体がわかっちゃったら…ここは力ずくでも…!いくよバルディッシュ!シグナムのシュランゲフォルムからヒントを得た新しい形態を…」
止めました。
限界でした。
ええそりゃあもう止めるよこんちきしょう!なんで娘がどう考えても歌舞伎町風味に変形するところをスルーせにゃならんのか!止めましたよ!!
ああもう…なんでこんなことに…いやはやて関連ってだけでありえるかと思っていたけど…なのはとフェイトは想定外だ
「…シグナム…どうでもいいけどさ…なんでまた…こんな馬鹿騒ぎに参加したんだ?いやどうせはやてに押されたんだろうけど…お前らしくも無い」
はぁ、とため息一つついて愚痴る。だがそれには以外な答えが待っていた
「何を言う、お前が好きだからに決まっているだろうが」
座り込んだ俺の前で、三人娘が口論しているのを遮るように立っているシグナムからは顔が見えないが、そんな乙女ちっくな答えが落ちてきた
「私はいつでも本気だ、最近はからかうことも覚えて丸くなったと主も言ってくれるが…それでも今回の見合いは、言い出したのは私だ。見損なわないで貰おう、冗談でこんなことをしたりはしない」
はっきりと、いつもと同じ冷静な声ではっきりと言い切った
「お前はいつでも我らより先を見ている。その背中に、その行動にいつの間にか惹かれていた。それを主が指摘してくれたに過ぎん」
は、ははは。そうかいそうかい、俺なんかにそんな気持ちを持ってたのか。闇の書事件の頃とはえらい違いだな、あのころは先なんか全然考えてなかったもんな
「そっか…俺はまた、一度お前に土付けてるからそれでだと思ってたよ」
「ふん、私とて女だ。強さで伴侶を決めたりはしない。一生を共に過ごす相手には尊敬できる者でなければ、こんな可愛げのない性格とはいえ安売りはせん」
「へぇ…可愛げないと思ってるんだ」
「自覚は、ある」
「そうか、んじゃあさ。シグナム」
「なんだ」
「こっち、向いてくれないか?」
「ッッッ!?」
「話するときは顔みてするもんだろ?なぁ」
「…う、五月蝿い。今は主から目を逸らしたくないのだ、あの三人の中では一番非力なのだからな」
「あれぇ?旦那のいうこときけないのかなぁ?」
「ううう五月蝿い!」
くっくっく…自分の顔がまた真っ赤になってるの、自覚あるんじゃねえか、それなら自分のとこちょっとは可愛げあると思っていいんじゃね?なあ、耳まで真っ赤なんだぜ?
「く…まあいいさ、よろしくな、嫁さん。飯は俺が作ってやるから、三つ指ついて俺の帰りを待つくらいはしてくれよ?」
「ぐ…ど、努力は、する…」
そんな約束を最後まで目を合わせずに、ピンクと金の光が飛び交う氷結した枯山水の前で誓い合った
ちなみに結婚までは三ヶ月かかった、いやまあ、外野がすごくてな…途中からヴィータとかスバル他まで参戦するし…
そして結婚してやっと一年したいまでも、重婚可能な所への移籍を企む団体が存在することを俺は容認してないわけですよ、ええ…
あとがき
ハーレム未遂の巻。どうでもいいけどシグナムって難しい…二度と書きたくない…!4度書き直しましたよ!模擬戦からとか得意の怪我からとか、でも全然想像できないんだよなぁ…
PS いやもう出来は一番悪いかもしれない…でもこれが精一杯。4日くらいかかってないですか?出来るまで、おかげでエロい方が書けない…
PS2 しかし、そろそろ完結しとくか。とはいえ完結しても暇を見てはなにか書くかな?ちなみに他に書いてほしいルートあります?あと書いた人の後日談とか
PS3 次の超外伝で一応の完結にしとこうか…それ以降は要望を見てで
PS4 だがユーノルートとかザッフィーとかは無理ですよ?無論キャロもですがエリオもですy