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No.706の一覧
[0] うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/05/23 09:54)
[1] Re:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/05/23 09:46)
[2] Re[2]:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/05/30 00:08)
[3] Re[3]:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/06/05 07:19)
[4] Re[4]:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/06/08 02:51)
[5] Re[5]:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/06/09 21:52)
[6] Re[6]:うちはオビト異聞録[あかねこ](2007/06/08 03:13)
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[706] うちはオビト異聞録
Name: あかねこ◆8537b42b 次を表示する
Date: 2007/05/23 09:54
うちはオビト異聞録






「おい、大丈夫かオビト?」

目覚めていきなり覆面をした怪しさ100%な少年が俺を見下ろしていたら誰だって驚くさ

そりゃあ、思わずパンチしちゃうくらいに

いや、すかさずかわされて逆にアームロック決められたんだけどね

激しく間接の痛みに悲鳴をあげながら思ったわけですよ

いててて!…どこだよ、ここ!?






オス、メス、刺す、俺、うちはオビト

9歳になる木ノ葉の里の下忍してます

何の因果か精神だけNARUTO世界に来てしまった哀れな魂ですがヨロシク

なんでもオビト君、任務の最中にわけわからん罠に引っかかって昏倒してしまったらしい

三日間眠ってようやく目覚めたと思ったらわけわからん他人が頭の中に入っていましたのですよ

俺が目覚めて一週間が過ぎ、周囲の人々も俺自身もようやく落ち着いてきましたが

はじめの頃は酷かったですよ、混乱してカカシに殴りかかって返り討ちされたり

なぜか『有る』うちはオビトの記憶や知識がばっちり残っているんですもの

そりゃ混乱しますよ、自分が何者かわからないんだから

結論からいうと人格が融合?というか上乗せみたいな感じらしい

憑依系ってやつ?

いや、実感とかないからわかんないけど

カカシとか先生(後の四代目火影ね)、リンなんかは俺が変な言動するもんで本気で狂ったと思ったらしい

……失礼な、ちょっとテンパってただけなのに

さて、そんな状況でもポジティブな男うちはオビト、ここ一週間いろいろ考えてました

まず最初に考えたのは現実世界に帰れるかどうかということ

答えはNO、こっちに来た原因もわからないし、どうすれば帰れるかも見当つきません

よって、俺は死ぬまでこの世界で頑張らなければならないということ

次に考えたのは原作の知識について

なんか所々で霞がかかったようにおぼろげだが、大体の展開は記憶している

大蛇丸の木ノ葉崩し以外はナルト達に関わらなければ平気かなー、なんて思っていました

しかし、そこで気が付いた

オビト(俺)ってたしか13歳で死ぬじゃん!?

確か、カカシが上忍になってすぐの任務で戦死してましたよ

えーと…たしか神無毘橋の戦いだったっけ?

カカシに片目譲って、生き埋めになってあぼーんしたはず

さらに、うちはイタチ君もやばい

たしか彼によって弟を除き、うちは一族は皆殺しにされてしまったはず

俺、うちはオビト、一応うちは一族の人間なんでスコっと殺されてしまいそう

他にも九尾の襲来とか危ない致死量イベントてんこもり

やベー、死亡フラグ乱立しまくりじゃんよ………

でも絶望的なことばっかりじゃない、少しだけ希望もある

まず『時間』、次に『原作の知識』、最後に『俺自身』だ

最初の死亡イベントまで4年、4年しかない、4年もある、どう考えるかでこれからの行動が決まる

俺は断然後者、4年もあれば修行でも策謀でも逃亡でもなんだってできる

原作の知識だって大きなアドバンテージだ、ある意味で反則的とも言える

だってこれからの出来事がわかってるんだもんよ、そりゃ俄然有利さ

俺自身だって捨てたもんじゃない、なんといったってうちは一族、木ノ葉最強の血継限界持ちの一族

写輪眼を覚醒させればいろんな術をコピーしまくりである、敵の動きも見切りまくり、マジ無敵

血継限界持ちだから原作のカカシみたいに副作用でしばらく寝たきりになるとかもないだろうしね

ざっと考えただけでもこれだけ好材料が揃っている、どうして料理できないはずがない!

後は俺の覚悟だけだ、よっしゃ! いっちょ頑張ってみるか!






「というわけで、さっそく修行につきあって欲しいんですが」

「いや、全然説明とかないし、わけわかんないから」

俺のお願いをあっさりと断ち切るカカシ、ちょっとは話合わせろよ、ノリが悪いやつめ、あとそのマスクキモ!

「聞こえてるから、口に全部でてるから、喧嘩売ってるなら買うぞ」

「ちっ!」

「…よーし、わかった、今すぐ殺してやるからなオビト」

すちゃ

殺気をドバドバだしながらクナイを構えるカカシ、物騒なことこのうえない

確実に負けるとはわかっているんだが俺もクナイを構えてカカシに対峙する

無言でにらみ合う二人

「すとーっぷ! 二人とも落ち着いて、同じ仲間なんだからさーあ」

「「う…」」

止めにはいったリンの『仲間』、という言葉に急速に落ち着きを取り戻す

どうやら主人格だったオビト君はこの『仲間』とか『チーム』とかいう言葉が大好きだったらしく

この言葉を聞いただけで幸せな気分になってしまうらしい、当然俺にもその影響はくる、相当くる

また、発作的にカカシに喧嘩を売ってしまうなどの性格面での影響も受けてしまっている

そのうち矯正していきたいが、すぐには無理そうなので今は諦めている

「やあおまたせ、って二人とも何してるの?」

未だチンピラよろしく睨み合う俺とカカシを見て遅れて来た先生は呆れたような声をだす

いや、俺が一方的にカカシに詰め寄ってるといったほうが正しいんだが

「まあいいや、でオビト、オレ達に頼みたいことって何?」

先生が相変わらず少し天然入った笑顔で聞いてくる

この人あんまり空気読まないんだよな、読めないんじゃなくて読まないだからよけい質が悪い

「…修行に付き合って欲しいんです、ちょっと一人じゃ無理そうなキツイヤツを」

先生に向き直って頼みごとを言う、続けてカカシやリンにも振り返り話を聞いてもらう

こういう時は気分が乗らなくても頼みごとをするときは相手の顔をしっかり見てはなすべきだと思っている

それが最低限の礼儀でもある、ちょっとにやけ顔のカカシがムカツクけど

「この前、俺はドジッて皆の足を引っ張っちまった、それどころか任務を途中放棄させちまった」

それは記憶だけでの出来事だったが、確かな屈辱感や悔しい恥ずかしいといった気持ちもある

そして何よりこれから生き残るための必須最低条件を身につけるためであるのだから

「…だから俺は強くなりたい、仲間の足を引っ張らない、むしろ仲間を助けることができるくらいに!」

こぶしを強く握って決意を固める、決してこれからの修行で弱音を吐かないための覚悟を確認するように

「俺、うちは一族だけど落ちこぼれだ、だからこそよけいに強くならなくちゃいけない、頼む!協力してくれ!!」

ばっと、三人に頭を下げる、皆が驚いて息を呑む様子がわかる、でもこんなの屈辱でも恥じでもない

本当に恥ずかしいのは頭を下げることもできずに自己弁護だけして何もしないことだ

弱いから悪いんじゃない、強くなろうとしないから悪い

俺はそう思っているからこそ頭を下げる






「わかった、頭を上げてくれオビト、カカシもリンもいい?」

先生からの尋ねに二人はコクコク頷く、未だにオビトの突然の行動で脳みそが再起動中なのだ

「ありがとうございます!」

「うん、修行に協力するのはいいんだけど、どんなことをするんだい?」

「修行内容じたいは簡単です、皆で俺を殺す気で襲ってくれればいいんです」

「「「えっ!!?」」」

三人が目を見開いて驚く、そりゃそうだ、自分を殺しにかかってくれと言っているのだ

だけどそれにもちゃんと理由がある、俺だってそんな無茶な修行はしたくない

「修行の目的は俺の写輪眼を覚醒させること、でもそれには条件があるんです、それは―」

「―開眼条件は、危機的状況に陥った場合に突如として開眼、全ての忍・体・幻術を見抜き、また、見ただけでその技をコピーし、自分のものとすることができる、だろ?」

俺が説明する前に先生が言いたいことを言ってくれた

あらかじめ知っていたのだろう、本を朗読するようなリズムですらすらと話す

「知ってたんですか、そのとおり、うちは一族の血継限界『写輪眼』、俺の目的はそれです」

自分の目を指差しながらカカシやリンに説明を補足していく

「危機的状況、つまり死にかけるくらいのきっつい状況にならないと駄目なんだ」

「だからオレ達に殺す気でかかってこいって言ったのか?」

カカシが真剣な表情で聞いてくる、いやマスクしてるから目線でしか判断できないけど

「そうだ、リンにはもしもの時に待機していてもらいたい、カカシと先生は俺を殺す気で攻撃して欲しい」

「先生……」

伺うように先生に顔を向けるカカシとリン、判断に困っている様子が俺にもわかる

先生はカカシ、リン、俺の順に顔を眺めて数秒目を瞑って考え込むと頷き俺に振り返った

「…わかった、ただし条件がある、それさえ守ってくれればオビトの修行に協力しよう」

「条件ですか?」

なんだろう、修行に付き合うから金よこせとか言われたらちょっと厳しいんだけど

オビトの両親は数年前に任務で二人とも死んでるし

遺産とか結構ぎりぎりで毎月ピンチなんだよね

「うん、大丈夫、たったひとつだ、『決して死なないこと』それだけだよ」

決して死なない、俺がこれからやる修行は死にかけるための修行だ

なるほど、これはきっつい条件だ、でも守らないわけにはいかない

むしろ全力で守りますよ、先生の言いたいがすべてこれに凝縮されているみたいだ

なんていうか、こういう言い方すると恥ずかしいがちょっとかっこいいと思ったよ先生

「先生…わかりました、その条件必ず守ります!」

「うん、いい返事だ、カカシもいいかい?」

「はい、いつでもいけます」

「リンは大丈夫?」

「はい、オビト、思う存分ボコボコにされてきなさい!」

リンが笑顔で限りなく物騒なことを言ってくる、まあ確定事項だけどさ

「それはちょっと酷いんでない?」

「でも事実でしょ?」

カカシまでもが便乗して俺をいぢめてくる、こいつら妙に息があってやがる

「…言い返せない自分がいるのが悔しいぜ」

「ハハハ、さてと、それじゃあ始めようか」

先生が手をぱんぱん叩きながら俺たちに召集をかける

こうして俺のこの世界での最初の試練が始まった






演習場、そこで俺をはさむような位置でクナイを構えるカカシと先生、リンは離れたところで様子を見ている

腰のホルスターからクナイを両手で取り出し油断なく二人の様子を観察

一人は若くして天才忍者と呼ばれる中忍はたけカカシ

もう一人は木ノ葉の黄色い閃光とまで呼ばれる最強の上忍

この世界に来た時にオビトの知識や経験は継承したが、実際に行使するのは初めてだ、ちょっと緊張する

勝ち目などありえない、だからこそ必要なのは防御ではなく攻撃する気概だ

攻めても守ってもどうせ負ける、ならば責めたほうが気が楽だし男らしい

「いくぞっ!」

二人へ同時にクナイを投擲、すぐさまカカシに向かって駆け出す

放たれたクナイはあっさり弾かれる、そんなことは予想済みだ、本番はこれから

走り、距離を詰めながら六個の手裏剣を投擲、前後左右の軌道を描きながらカカシに襲い掛かる

当然のように一瞬で四つが弾かれるが残り二つがカカシの脇腹と首めがけて飛んでくる

いけるか? そう思った瞬間カカシの姿がその場から消える

瞬身の術だ! 本能的な危機を感じて地面に伏せる

ぶぉん、という音が頭上を掠めたのはその直後だった

視界にうつるのはカカシの足、後ろから延髄蹴りね、なかなかえげつない攻撃してきやがる

伏せた姿勢のままカカシに足払いをかける

円を描くように体を回転させてカカシの足首に渾身の蹴りを見舞う

「くっ!?」

苦悶の声をあげながら空中へ投げ出されるカカシ、チャンスだ!

「うおおおっ!!」

体勢を崩したカカシの隙をついて全力の拳を叩き込む

カカシの腹にめり込む拳、勝利を予感した瞬間、カカシの目がにやりと笑った

ぼん、という音を立ててカカシの姿が丸太に変わる

「変わり身の術!?」

しかもよく見れば丸太にはご丁寧にも起爆符が貼り付けてある

やばい、これは死ぬかも

反転

走る

爆発

衝撃



痛み

轟音

「あぢゃぢゃぢゃ!!」

背中についた火をかき消すかのように吹き飛ばされた衝撃でごろごろと地面を転がりまくる

「ちくしょう! 騙された、油断した、わざと隙みせやがって、カカシの野郎!!」

悪態を吐きながらすぐに体勢を立て直す

目の前、数メートル先には余裕の表情のカカシが悠然と立っている

その隣には無表情の先生、ちくしょう! わかっていたけど実力差がありすぎる

しかし圧倒的な強者に挑戦する立場というのは、むしろ晴れ晴れしい気分にもなってくる

よし、アレを試してみるか? 本当は切り札だが、出し惜しみしている暇はない

素早くポーチから引き抜いた起爆符を縫い付けたクナイを二人の足元へ投擲

地面に突き刺さり爆発する直前に二人は上空へと飛んで逃げてしまう

だがそれでいい、俺の狙いは次にこそある

最速で印を組む―馬!―虎!―いくぞ!!

印からわかる俺の術を知って二人の表情が変わる

もうおそい、すでに術は完成している

大きく体を反らし、口腔内に大量のチャクラを溜め込む

とっておきを喰らえ!


火遁・豪火球の術!!


口から吐き出した太陽の如き巨大な火の塊が二人を包み込む

俺のチャクラ量だとたった一発で打ち止めだが威力は折り紙つきだ

うちはオビトが使える最高の攻撃力を持つ術、文字通り、切り札である

口から未だに燻る炎をゆっくりとおさめながら地面へ落ちてまだ燃え上がる炎の塊を見上げる

「…まさか勝った、のか?」

瞬間、炎の塊が爆散した

激しく降り注ぐ火の粉を散らせながら二人のいるであろうところを見るが

いない!? 

後方!? 

いや上か!? 

どこだっ!!?

キョロキョロと周囲を見渡すが二人はどこにもいない

「――下だ」

「!!」


土遁・裂穿牙!


「ぐはぁ!!」

足元の地面から突然出てきてアッパーを顎にモロ喰らってしまう

歯が二三本は折れたようでスローモーションのように吹っ飛ぶ歯が鮮血とともに見えた

ちくしょう、また騙された!

俺の火遁を隠れ蓑にして土遁で地中に潜り、油断した俺への奇襲を仕掛ける

なんというかここまでされるとカカシが天才忍者とか言われる訳がわかる

吹っ飛ばされた俺を見下ろすように無傷のカカシと先生が地面から現れる

「……降参、するかい?」

先生が口から血をだらだら流す俺を見て辛そうな表情で聞いてくる

カカシはむしろ楽しそうに見えるのだが、あえて無視する

別に先生がやったわけじゃないのに、ほんと、優しい人だと思うよ

でも、それとこれとは話が別だ

「冗談、まだまだいけますよ俺は、カカシのヘナチョコパンチなんか全然きいてませんよ」

ガクガクする足を無理やり動かし、生まれたての小鹿みたいに立ち上がる

正直情けないが、まあ見逃してほしい、男はやせ我慢する生き物だからね

震える手でクナイを握り再び二人めがけて駆け出す

まだまだ―――戦いは続けられる


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