<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

SS投稿掲示板


[広告]


No.7678の一覧
[0] Muv-Luv 帝国戦記 ~第1部 完結~  [samurai](2012/01/15 00:56)
[1] 北満洲編1話[samurai](2009/03/31 02:40)
[2] 北満洲編2話[samurai](2009/04/12 14:43)
[3] 北満洲編‐幕間その1[samurai](2009/04/02 03:33)
[4] 北満洲編‐幕間その2[samurai](2009/04/02 23:49)
[5] 北満洲編-幕間その3[samurai](2009/04/04 02:31)
[6] 北満洲編3話[samurai](2009/04/04 22:33)
[7] 北満洲編4話[samurai](2009/04/05 19:23)
[8] 北満洲編5話[samurai](2009/05/16 17:22)
[9] 北満洲編6話[samurai](2009/04/11 02:17)
[10] 北満洲編7話[samurai](2009/04/12 03:34)
[11] 北満洲編8話[samurai](2009/05/05 23:46)
[12] 北満洲編9話[samurai](2009/04/18 21:28)
[13] 北満洲編10話[samurai](2009/04/18 22:35)
[14] 北満洲編11話[samurai](2009/04/19 01:16)
[15] 北満洲編12話[samurai](2009/04/24 02:55)
[16] 北満洲編13話[samurai](2009/04/25 22:53)
[17] 北満洲編14話[samurai](2009/05/06 00:47)
[18] 北満洲編15話[samurai](2009/05/10 04:08)
[19] 北満洲編16話[samurai](2009/05/10 03:42)
[20] 北満洲編17話―地獄の幕間[samurai](2009/05/13 19:48)
[21] 北満洲編18話[samurai](2009/05/16 03:31)
[22] 北満洲編19話[samurai](2009/05/16 03:59)
[23] ちょっとだけ番外編(バカップル編)[samurai](2009/05/17 03:25)
[24] 北満洲編20話[samurai](2009/05/19 23:48)
[25] 北満洲編21話[samurai](2009/05/20 00:32)
[26] 北満洲編22話[samurai](2009/05/24 02:21)
[27] 北満洲編23話[samurai](2009/05/24 04:25)
[28] 北満洲編最終話[samurai](2009/05/24 03:36)
[29] 設定集(~1993年8月)[samurai](2009/05/24 23:57)
[30] 国連極東編 満州1話[samurai](2009/06/09 02:02)
[31] 国連極東編 番外編・満州夜話[samurai](2009/06/09 02:03)
[32] 国連極東編 満州2話[samurai](2009/06/09 02:03)
[33] 国連極東編 満州3話[samurai](2009/06/09 02:03)
[34] 国連極東編 満州4話[samurai](2009/06/09 02:03)
[35] 国連極東編 満州5話[samurai](2009/06/09 02:04)
[36] 国連極東編 番外編 艦上にて―――或いは、『直衛君、弄られる』[samurai](2009/06/09 02:04)
[37] 国連極東編 満州6話[samurai](2009/06/09 02:04)
[38] 国連極東編 満州7話[samurai](2009/06/09 02:04)
[39] 国連極東編 満州最終話[samurai](2009/06/10 07:33)
[40] けっこう番外編(かなりバカップル編)[samurai](2009/06/12 23:53)
[41] 国連欧州編 英国[samurai](2009/06/14 10:27)
[42] 国連欧州編 イベリア半島1話[samurai](2009/06/17 23:46)
[43] 国連欧州編 イベリア半島2話[samurai](2009/06/18 00:38)
[44] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 1話[samurai](2009/06/20 23:34)
[45] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 2話[samurai](2009/06/21 13:54)
[46] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 3話[samurai](2009/06/26 00:07)
[47] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 4話[samurai](2009/06/28 03:55)
[48] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 最終話[samurai](2009/06/28 10:30)
[49] 国連欧州編 シチリア島1話[samurai](2009/07/01 00:59)
[50] 国連欧州編 シチリア島2話[samurai](2009/07/01 01:28)
[51] 国連欧州編 シチリア島3話[samurai](2009/07/05 00:59)
[52] 国連欧州編 シチリア島4話 ~幕間~[samurai](2009/07/05 22:09)
[53] 国連欧州編 シチリア島5話[samurai](2009/07/10 02:30)
[54] 国連欧州編 シチリア島最終話[samurai](2009/07/11 23:15)
[55] 国連欧州編・設定集(1994年~)[samurai](2009/07/11 23:25)
[56] 外伝 海軍戦術機秘話~序~[samurai](2009/07/13 02:52)
[57] 外伝 海軍戦術機秘話 1話[samurai](2009/07/17 03:06)
[58] 外伝 海軍戦術機秘話 2話[samurai](2009/07/19 18:39)
[59] 外伝 海軍戦術機秘話 3話[samurai](2009/07/21 23:41)
[60] 外伝 海軍戦術機秘話 最終話[samurai](2009/08/13 22:32)
[61] 国連欧州編 北アイルランド[samurai](2009/07/25 17:47)
[62] 国連欧州編 スコットランド1話[samurai](2009/07/27 00:36)
[63] 国連欧州編 スコットランド2話[samurai](2009/07/28 00:28)
[64] 国連米国編 NY1話[samurai](2009/08/01 04:13)
[65] 国連米国編 NY2話[samurai](2009/08/06 00:03)
[66] 祥子編 南満州1話[samurai](2009/08/13 22:31)
[67] 祥子編 南満州2話[samurai](2009/08/17 21:26)
[68] 祥子編 南満州3話[samurai](2009/08/22 19:19)
[69] 祥子編 南満州4話[samurai](2009/08/30 19:03)
[70] 祥子編 南満州5話[samurai](2009/08/28 07:52)
[71] 祥子編 南満州6話 ―幕間―[samurai](2009/08/30 18:45)
[72] 祥子編 南満州7話[samurai](2009/09/06 00:08)
[73] 祥子編 南満州8話[samurai](2009/09/16 23:35)
[74] 祥子編 南満州9話[samurai](2009/09/19 03:15)
[75] 祥子編 南満州10話[samurai](2009/09/21 22:59)
[76] 祥子編 南満州最終話[samurai](2009/09/22 00:42)
[77] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その1[samurai](2009/10/01 23:43)
[78] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その2[samurai](2009/10/01 22:02)
[79] 国連米国編 NY3話[samurai](2009/10/03 13:42)
[80] 国連米国編 NY4話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/11 12:38)
[81] 国連米国編 NY5話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/14 22:32)
[82] 国連米国編 NY最終話~Amazing grace~[samurai](2009/10/17 03:10)
[83] 国連番外編 アラスカ~ユーコンの苦労~[samurai](2009/10/19 21:28)
[84] 国連欧州編 翠華語り~October~[samurai](2009/10/23 22:58)
[85] 国連欧州編 翠華語り~November~[samurai](2009/10/24 15:34)
[86] 国連欧州編 翠華語り~December~[samurai](2009/11/01 23:21)
[87] 国連欧州編 翠華語り~January~[samurai](2009/11/09 00:17)
[88] 国連欧州編 翠華語り~February~[samurai](2009/11/22 03:05)
[89] 国連欧州編 翠華語り~March~[samurai](2009/11/22 03:38)
[90] 国連欧州編 翠華語り~April~[samurai](2009/11/22 04:13)
[91] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 1話[samurai](2009/11/24 00:29)
[92] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 2話[samurai](2009/11/29 02:20)
[93] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 3話[samurai](2009/12/06 22:19)
[94] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・前篇[samurai](2009/12/11 22:37)
[95] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・後篇[samurai](2009/12/12 21:38)
[96] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 5話[samurai](2009/12/13 20:58)
[97] 国連欧州編 最終話[samurai](2009/12/13 23:06)
[98] 帝国編 ~序~[samurai](2009/12/19 05:05)
[99] 帝国編 1話[samurai](2009/12/20 12:06)
[100] 帝国編 2話[samurai](2009/12/24 00:16)
[101] 帝国編 幕間[samurai](2009/12/25 04:22)
[102] 帝国編 3話[samurai](2009/12/30 05:15)
[103] 帝国編 4話[samurai](2010/02/08 02:09)
[104] 帝国編 5話[samurai](2010/02/22 01:03)
[105] 帝国編 6話[samurai](2010/02/22 01:00)
[106] 帝国編 7話[samurai](2010/03/01 00:28)
[107] 帝国編 8話[samurai](2010/03/13 22:53)
[108] 帝国編 9話[samurai](2010/03/23 23:37)
[109] 帝国編 10話[samurai](2010/03/28 00:51)
[110] 帝国編 11話[samurai](2010/04/10 21:22)
[111] 帝国編 12話[samurai](2010/04/18 10:47)
[112] 帝国編 13話[samurai](2010/04/20 23:21)
[113] 帝国編 14話[samurai](2010/05/08 16:34)
[114] 帝国編 15話[samurai](2010/05/15 01:58)
[115] 帝国編 16話[samurai](2010/05/17 23:38)
[116] 帝国編 17話[samurai](2010/05/23 12:56)
[117] 帝国編 18話[samurai](2010/05/30 02:12)
[118] 帝国編 19話[samurai](2010/06/07 22:54)
[119] 帝国編 20話[samurai](2010/06/15 01:06)
[120] 帝国編 21話[samurai](2010/07/04 00:59)
[121] 帝国編 22話 ~第1部 完結~[samurai](2010/07/04 00:52)
[122] 欧州戦線外伝 『周防大尉の受難』[samurai](2009/09/12 02:35)
[123] 欧州戦線外伝 『また、会えたね』 ~ギュゼル外伝~[samurai](2010/12/20 23:16)
[124] 設定集 メカニック編[samurai](2010/12/20 23:18)
[125] 設定集 陸軍編(各国) 追加更新[samurai](2010/05/15 01:57)
[126] 設定集 海軍編(各国) [samurai](2010/05/08 18:23)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[7678] 帝国編 5話
Name: samurai◆b1983cf3 ID:3fa3f4a1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/22 01:03
1997年2月15日 1050 遼東半島 瓦房店北東35km 韓国軍第5軍団 第102機械化歩兵旅団


「・・・2ポスト、異常無し。 監視継続する、オーヴァー」

『1ポスト、異常無し』 『3ポスト、BETA確認されず』 『4ポスト、異常無し。 監視続行』

『シックスよりオール・ポスト、引き続き監視を続行せよ。 戦術データリンクの指定チャンネル変更無し。 オーヴァー』

寒風が吹き付ける。 粉雪までちらほら舞い散る寒々しい天候だ。 冬の太陽は弱々しく、周囲の禿山からは微細な黄塵が舞い光を遮っていた。
そんな千山の西端付近、遼東半島の南北両戦線を繋ぐ接点である山間部は、まことに奇妙な平穏状態にあった。

「・・・北も南も、ご苦労なこった。 日本軍も中国軍も、今頃はBETA相手に血みどろの、反吐塗れの激戦中だってぇのに。 俺達のトコへは1匹も来やしないなんて」

「まったくですよ、安兵長。 このままさっさと大連まで後退して、さっさと国に帰してくれりゃいいのに」

安兵長の妙に不安げな独り言に、黄一等兵が阿る様に相槌を打つ。 

韓国陸軍第102機械化歩兵旅団第3大隊第11中隊に所属する前哨偵察小隊。 
彼らの所属する部隊は、現在激戦が展開されている遼東半島の南北両戦線、その両方の側面を護る為の中間地点に配置されていた。
他に、韓国軍第30師団(戦術機甲)が配置されているが、この部隊は両戦線への側面支援に積極参加している。

「くっちゃべってないで、しっかり見張れ! 目視、音響、震動! ひとつも見落とすんじゃねぇぞ!
手を抜きやがってみろっ! 貴様等、軍じゃ下士官様はBETAより恐ろしいって、もう一度思い出させてやるぞっ!」

分隊長の呉中士(軍曹)が傍からがなる。

(―――いちいち、怒鳴らんでもいいのによ!)

思わず舌打ちしそうになりながらも、安兵長は分隊長の言葉の意味を理解して、無言でデジタル双眼鏡を取り直した。
場所は千山山脈の中。 標高は低いが、険しい山並みがなお続く。 BETAが侵攻してきにくい半面、もし侵攻されたら防御に苦労する。
何せ地形が地形だ。 戦闘車両は進むにも苦労するし、直協支援火力も満足に展開できない。 歩兵だって移動しにくい!

頼みの綱は戦術機部隊だが、連中だって万能じゃない。 こんな足場も定かでない場所での戦闘機動などお断りだろう。
満足な足場が無いと言う事は、満足な水平面機動が出来ないと言う事だ。 跳んだり跳ねたりしっぱなしでは、光線級の餌食になるだけ。

だから本当の、そして最後の頼みの綱は自分たち自身。 捕捉が遅れれば、その代償は自分たちの命。

「・・・黄、複合センサー、しっかり見張れ。 見落とすんじゃないぞ」

「了解ッス」

コンビを組む黄一等兵とて、昨日今日に軍に入った新米じゃない。 既に遼東での地獄の様な撤退戦を経験しているヤツだ。
複合センサーの表示パネルに目を落とし、僅かの変化をも見落とすまいと真剣な表情に変わった。

幾重にも急峻な山並みが続く千山。 BETAから身を隠せるが、それが逆に発見のしにくさにもなる。 皮肉なものだ。


(・・・ん?)

錯覚か?―――最初はそう思った。 だが、思い込みで物事を決めるヤツは戦場では長生きしない。 そして安兵長は生き残ってきたベテランだった。
もう一度、じっくり見なおす。 デジタル解析された画像に、一瞬何かが蠢いた・・・

「ッ! BETA! エリアB9D!」

安兵長の報告と同時に、複数の報告が一斉に上がる。

「震動、音響、共にアクティヴ! 推定数、約2000から3000!」

「B9EにBETA群! 北西より南西方向へ移動中!」

「先頭、突撃級! 後続に要撃級、戦車級、その他多数視認!」

「2ポストよりシックス! BETA群確認! 峡谷を突進してくる、データ転送する!」

分隊長の呉中士が小隊指揮班へデータ転送を行っている間に、分隊の各員は各自の兵装をチェックする―――OK、頭上はこっちが取っている。
迫撃砲手がKM181-60mm迫撃砲を地表に突き立てる。 機銃手はK3-5.56mm分隊支援火器を手に、丁度眼下を見下ろせる岩肌に身を寄せた。

やがて、小隊指揮班から通信が入ってきた。

『シックスよりオール・ポスト、確認した! 1ポスト、4ポストは本部まで下がれっ! 2ポスト、3ポストは現在地で待機!
重火器中隊が『神弓(KPSAM携帯対BETAミサイル)』を突撃級のケツにブチ込む! 同時に旅団砲兵がクラスターを撃ち込むが、光線級が居ないとも限らん!
各分隊、『パンツァーファウストⅢ(対BETAロケットランチャー)』を用意しておけ! それと迫撃砲もだ!』

分隊員全員が、岩肌にへばりつく様に伏せて反対側を覗きこむ。 BETA群が移動中だった。
山間部ではBETAの移動速度も落ちる。 平地に比べて起伏が激しい上に狭い。 物量が武器の連中に取ってはラッシュアワーで身動きが取れないようなものだ。

「・・・逆に、こっちには願ったりかなったりだぜ」

「何か言いましたか? 兵長?」

安兵長の呟きに、黄一等兵が反応する。
別段、臆病と言う訳じゃないのだが、このイチイチ反応する所はちょっとばかり鬱陶しくも感じる・・・

「何でもねぇ・・・ 来るぞっ!」

地響きを立ててBETAが下方を通過しようとする。 音だけでは無い、その震動たるや・・・

(―――うっ! くっ、じ、地震かよっ 相変わらず、節操が無ぇぜ!!)

狙いがブレる。
だが、そんな精密射撃の必要は無い。 BETAは真下を固まって蠢いていやがる!
唐突に気の抜けたような発射音が立て続けに発生した。 同時に白煙をあげて高速で飛来する―――対BETAミサイル群!

「―――よしっ! ヒット!」

突撃級BETAの数は200体前後。 普通なら機械化歩兵部隊には手に余り過ぎる相手だ。
だが、固まってケツを晒している今なら・・・!

「ヒャッホウ! やれ、やれ! クソッたれのBETAにブチかませっ!!」

脇で黄一等兵が狂ったように喚き始めた。
だが、その彼の視線は用心深く周囲を確認している。 最早、本能と化した行動と言うべきか・・・
やがて、群がり始めた後続のBETA群に対する攻撃も開始された。 迫撃砲の発射音が鳴り響き、12.7mm重機の射撃音が木霊する。

数が多い小型種BETA―――闘士級や兵士級―――には、これでも十分対応できる。
今は中隊どころじゃない、旅団に属する5個大隊の内、BETAをそのキル・ゾーンに捉えた3個大隊が全力で火力を叩きつけているのだ。

対BETAミサイルが飛び交い、その度に突撃級、要撃級と言った中型BETAを始末してゆく。
迫撃砲弾や重機の嵐は、小型種BETAを薄汚い体液に塗れた汚物と化すのに十分だ。

「ッ! チュキゲッタ(畜生)! 戦車級だ! やつら、群がって登って来やがる!!」

赤黒い死神共が急速に迫ってくる。
思わず心臓を鷲掴みにされたような恐怖を覚えるが、応戦は体が自然に行っていた。

―――ボヒュ!

案外気の抜けた発射音だ。 そんな場違いな感想を抱いたパンツァーファウストⅢ・対BETA携帯ミサイルを目前の戦車級に向けて発射する。 直後に命中、そして炸裂。 
同時に分隊支援火器が猛烈な射撃を浴びせかけ、他の分隊員もK2・アサルトライフルに取り付けたK201 40mmグレネードランチャーを発射する。
―――戦車級相手に、アサルトライフルの5.56mmは豆鉄砲以下だ。

「くたばりやがれっ!」

「シッパル(クソッたれ)! 数が減らねぇぞっ!!」

「撃て! 撃て! 撃て!」

あちこちの尾根筋から、盛大に火力が下方のBETA群に向けて叩き込まれる。
当初戦闘に参加できていなかった残り2個大隊も、先遣隊の一部が間に合ったか後方や側面から激しく攻撃を仕掛けてきた。

無数の曳光弾が飛び交い、白煙をたなびかせ、連続する重低音が殷々と木霊し、爆発音が鳴り響く。
そして徐々に数を減らしてゆくBETA群に、何とかなるかもしれないと思ったその矢先・・・

『旅団本部より全部隊! 後退しろ、B7Dの尾根筋に光線級!!』

(―――チュキゲッタ(畜生)!!)

思わず北北東の方角を見る、そしてその瞬間―――

「―――ッ!!」

直撃では無い。 自分達はまだ無事だ、そう、まだ・・・

『第8中隊がまともにレーザー照射を喰らった! 全滅だっ!』

『退避! 退避!』

『・・・熱い、熱い・・・ 見えない、何も見えない・・・』

多分、レーザーは20本近く飛び交っていた・・・ 筈だ。
第8と第11中隊が直撃された様だ。 その2個中隊が布陣していた尾根筋は真っ赤に焼け爛れている。

「野郎共! 撤収だ! 歩兵で光線級と遣り合えるか―――逃げろっ!!」

呉中士の銅鑼声に、分隊員全員が弾かれた様に身を翻す。
転びながら駆け下りた先にはK200装甲兵員輸送車が停止している。 あれに乗り込めれば、少しは助かる可能性が高まる筈・・・

「―――くそうっ! 戦車級だ! 尾根を越えてきやがったっ!!」

誰かが叫んだ。 はっとして上を見る、そこには頭上から飛びかかってくるクソでかい大きな口―――安兵長の意識はそこで終わった。
















1997年2月15日 1200 遼東半島 瓦房店北東30km 北部防衛線・南部防衛線境界地帯


NOEから下方へ向け、突撃砲弾が降り注ぐ。 1機だけでは無い、都合12機、1個中隊が掃討射撃を行っていた。
無防備になる上面へ砲弾を叩き込まれ、無数の弾痕から体液を弾け飛ばして停止する要撃級。 
36mm高速弾の着弾衝撃で胴体を2つに引き裂かれた戦車級。 最早原形を止めない程に無数の断片と化した闘士級に兵士級。 辺り一面、BETAの残骸が散らばっている。

少し目を向ければ、炭化した何か―――レーザーが間際を掠めたのだろう―――真っ黒に炭化した兵士の戦死体が硬直して転がっている。

『こちらフラッグだ、残敵掃討完了。 所定位置に展開した。 ≪ゲイヴォルグ≫?』

『ゲイヴォルグより≪フラッグ≫、展開完了。 ≪ドラゴニュート≫、≪ブルーバード≫、≪レッドハート≫、間もなく所定位置に展開完了です』

数個大隊の戦術機甲部隊が、周囲に展開していた。
1時間ほど前にこの『戦線の狭間』に進入してきた3000体近いBETA群を、韓国軍第102機械化歩兵旅団が迎え撃ったのだが。
如何に地形を利用しようとも1個旅団では、しかも歩兵部隊では押し止める事は敵わない。 しかも、光線級まで現れる始末。

僚隊の韓国軍第30師団(戦術機甲)が、全力で南部戦線への側面支援攻撃に取りかかっていたのが災いした。
機械化歩兵と榴弾砲部隊しか無く、戦術機や戦車・自走砲の支援も無い歩兵旅団は初めこそ善戦したが、途中からBETAに取り付かれる羽目に陥ったのだ。

悲鳴のような支援要請に、距離的に近かった南部方面部隊(日本第11軍団、中国軍第61集団軍)は咄嗟の対応が取れなかった。 
BETAの猛攻に晒されていたのだ。(本来、協同すべき韓国軍第30師団もその防戦に手が一杯だった)

北部方面部隊(日本軍第9軍団、中国軍第56集団軍)が支援に動けたのは、単に南部より若干余裕が有ったからに過ぎない。
北部は渤海湾南岸に展開した国連太平洋艦隊・第2艦隊(日本帝国海軍第2艦隊)の支援を受けられる位置にあった。

急遽、重戦術機甲師団編成である日本軍第14師団から戦術機2個大隊と、中国軍第118戦術機甲師団から1個大隊を急派。
喉元を喰い破られる寸前だった、韓国軍第102機械化歩兵旅団の窮地を救う事に成功した。
同時に南北両戦線の間の調整が行われ、第6軍直轄の予備部隊や南部に展開した韓国軍部隊からの抽出も含めて、戦術機甲戦闘団を臨時編成する事になった。

基幹は韓国軍第102機械化歩兵旅団(4個機械化歩兵大隊+支援部隊。 4個中隊欠)
戦術機部隊は日本軍から第141戦術機甲旅団第1、第3大隊(フラッグ、ゲイヴォルグ)
中国軍第118戦術機甲師団から第1182戦術機甲大隊(ドラゴニュート)、南部の韓国陸軍第30師団から2個中隊(ブルーバード、レッドハート)で構成される。

他に、第6軍戦略予備から抽出された機甲大隊が2個大隊と、機械化歩兵装甲2個大隊、自走砲1個大隊に自走機関砲2個中隊。
―――実質的に、1個戦術機甲師団の戦力に迫る。

指揮官は韓国陸軍の鄭智星(チョン・チソン)准将。 戦術機甲部隊指揮官は、日本軍の早坂憲二郎中佐が現場指揮を執る。

第102機甲戦闘団―――指揮官のネーミングから『スリー・スターズ戦闘団』―――の中核戦力である戦術機部隊の各級指揮官も、戦場経験の長い古参で構成される。
臨編された第1大隊は第11中隊『フラッグ』を早坂中佐が直率する。 第12中隊『イシュタル』水嶋美弥大尉、第13中隊『セラフィム』綾森祥子大尉。

第2大隊を構成するのは日本軍の『ゲイヴォルグ』
第21中隊『ゲイヴォルグ』は大隊長の広江直美少佐が直率し、第22中隊『グリューナク』源雅人大尉、第23中隊『フラガラッハ』周防直衛大尉。

第3大隊は中国軍の『ドラゴニュート』大隊。
第31中隊『ドラゴニュート』は大隊長・周蘇紅少佐直率。 第32中隊『ピオニー』趙美鳳大尉、第33中隊『オーキッド』朱文怜大尉。

残る2個中隊は韓国軍第30師団からの抽出だが、便宜的に第1、第2大隊の指揮下に入る。
第14中隊『ブルーバード』李珠蘭大尉、第24中隊『レッドハート』朴貞姫大尉。

機体は疾風弐型(F/A-92E)、殲撃10型D(F/A-92EC)、KF-92Ⅱ(F/A-92EK) 全てF/A-92Eシリーズ(本国仕様/輸出仕様)だった。


『先任指揮官、早坂中佐。 部隊展開完了、索敵哨戒に入りますが宜しいですか?』

『ドラゴニュート』の周少佐から通信が入る。

『宜しい、周少佐、広江少佐、索敵行動開始だ。 第2大隊は北部を、第3大隊は南部。 俺の第1大隊は山脈中央部を索敵する。
北も南も、ドンパチの真っ最中だがな、手を出すな。 手を出して戦力をすり潰せば、いざという時に阻止戦力が不足する。 主戦場は師団や軍団に任せておけ』

一見薄情にも思える物言いだが、ここは南北両戦線の側面を護り、後背への突破を阻止する重要なポイントだ。
両戦線の激戦場に戦力を投入した揚句に、いざ兵力不足で護り切れず突破されたとあっては配置された意味が無い。

―――我々の役目は、両戦線が側面と後背の憂いなく戦えるようにする事だ。

戦闘団長・鄭准将がいみじくも言った通り。
ここを押さえ続ければ、南北両戦線は正面戦闘に全力を傾けられる。 何としても護り切らねばならないポイントだった。

『戦闘領域と反撃状況については、追加ROE(交戦規定)で示した通りだ、厳守させろ』

『了解』

『はっ!』

臨時に指揮下に入った2人の少佐の姿を網膜スクリーン上で見つつ、思い立ったように早坂中佐が一言付け加える。

『ああ、それと。 もうひとつROEに追加だ―――生き残れ』

















1997年2月16日 1530 遼東半島 瓦房店 第6軍司令部


『―――ですので、閣下。 損害が未だ小さいうちに、早急に戦力を保ったまま撤退すべきと考えます』

通信スクリーン上の第11軍団長・彩峰萩閣中将は、微かに疲労の色を滲ませながらも冷静な声で具申する。

「―――彩峰君。 方面軍司令部の防衛方針は持久戦だ。 それに山東方面との兼ね合いもある。 早期の撤退は、防衛戦全体の構想を狂わしかねん」

第6軍司令官・梅津芳次郎大将もまた、静かに諭すように言う。
傍らで参謀長・笠原行雄中将も無言で頷く。

『では―――矢折れ力尽き、全軍がこの遼東の地に骸を晒すまで戦い続ける、そう仰るのですか?』

決して激しはしないが、それでも一歩も引かぬ気概を込めて彩峰中将が上官へ問い正す。
梅津大将もまた、不言実行、多くを語らぬタイプの人物である。 静かにも思えるこの作戦会議、実際は上級指揮官同士の綱引きが続いていた。

『―――抗戦が出来なくはない。 長白、蓋馬の両戦線は圧力が弱まりつつあると言う。 丹東に関しても、米海兵隊の投入が効果的に効いている。
中韓国境線のBETAどもの圧力が弱まれば、米中韓3カ国の戦力は『バックハンド・ブロー』をかけてくるのも可能だ。
そうなれば我々第6軍がこの遼東で底を護る事で、包囲殲滅戦を図る事は可能だと考える』

第9軍団長・安達二十蔵(はたぞう)中将が彩峰中将に対し、反対意見を述べる。

秘匿通信回線での軍司令部作戦会議。

余力のあるうちに遼東半島よりの早期撤退を主張するのは、第11軍団長の彩峰萩閣中将。
半島に居住する民間人の避難がほぼ完了した今、当初の派兵目的は達せられた。 そして国連軍太平洋方面総軍には、これ以上遼東半島へ派兵する意思も余力も無い。
であるならば、損害が軽く済んでいる今のうちに撤収すべきだ。 そして改めて中韓国境線のどこか―――手薄な蓋馬戦線か、重要防御戦区の丹東か―――に再展開すべき。
彩峰中将の指摘は、要約すればこの様なものであった。 理屈は合っている。

それに対し、正反対の方針を主張するのは第9軍団長の安達二十蔵中将。
地形を利用出来る遼東半島にて、能う限り持久する。 戦略情報では長白・蓋馬の両戦線はBETAの圧力が低減してきている。
丹東でも数日前ほどの活発な動きが見られないと言う。 ならば中韓国境線から一気に押し出し、遼東半島の東、丹東の北でBETAを東西と南から包囲殲滅する。
このエリアで有れば、艦隊の支援も受けやすい。 米第7艦隊に日本帝国海軍第2艦隊、韓国海軍西海艦隊。 3個艦隊の全力支援が有れば叶う筈だった。

そして第6軍司令部は―――

「彩峰も、安達も、落ち着け。 先程軍司令官が仰っただろう、山東の問題が有る。
早期にせよ、持久にせよ、向うの情勢がこちらに大きく影響する事は貴様達も判っておるだろう」

参謀長・笠原行雄中将が、やや苦虫を潰した表情で2人の軍団長を諌める。
彩峰中将、安達中将、笠原中将、いずれも陸軍士官学校第72期生。 陸士の同期生故、意志の疎通は遣り易いが反面、同期生故に互いに遠慮が無い、一歩も引かない。
この場合、軍参謀長として、そして中将の中での最先任(笠原中将は陸軍大学校第80期、彩峰中将が第82期、安達中将は第84期)として何とか言い聞かすのだが。

「現在、山東半島防衛戦の焦点は、渤海沿岸の龍口(ロンコウ)防衛戦である。 BETA群が大挙して北部へ集中してきたとの報告が有った。
莱陽(ライヤン)の韓国軍第21軍団、海陽(ハイヤン)の中国軍第2野戦軍第27集団軍も龍口に再展開した」

『莱陽と海陽からか? であれば残る中・南部防衛部隊は、中国第64集団軍だけではないか? 
たった4個師団では威海衛(山東半島最大の軍港)まで直結する中央部を護れまい!』

安達中将の声は驚き半分、諦め半分と言った所か。
山東の主導権は完全にBETAが握った。 北を護れば中央と南が薄くなる。 3か所を同時に護るだけの戦力は最早存在しない。


『・・・山東は棄兵ですか?』

彩峰中将の声に微かな怒気が含まれる。
山東に展開する戦力は中国第2野戦軍と、韓国軍大陸派遣第21軍団。 大アジア主義者でもある彩峰中将には旧知の輩、長年の親交が有る軍人も多かった。

参謀長の笠原中将が、彩峰中将の発言を遮るように言う。

「変な物言いをするな、彩峰。 見捨てるなどとは誰も言ってはおらん。 それにこれは上(国連軍第11方面軍)の決定だ。―――第6軍は山東への指揮権を有してはおらん。
海軍(第2艦隊)に話を取り付けた。 空荷で帰還途中の補給船団、面制圧能力に欠ける汎用駆逐艦、戦術機輸送に使った護衛戦術機母艦。 
そして艦隊戦力の約半数を分派して貰った。 それだけあれば、撤退支援には間に合う。
今現在、輸送船団は渤海から急ぎ煙台(イエンタイ)、威海(ウェンハイ)に既に入港して負傷者を中心に収容に入っている。
艦隊は龍口沿岸部で支援攻撃を開始する頃だ」

米第7艦隊も、韓国西海艦隊も、山東半島支援にまで手が回らない。 脱出船団を編成する余裕も無い。(第7艦隊は船団の余裕は有ったが、護衛艦艇の余裕が無かった)
そこで急遽、渤海に展開した日本第2艦隊が山東支援を行う事となったのだ。―――第6軍の要請も受けて。

「・・・海軍としても、山東と遼東、双方を同時に十分な支援を行える戦力は無い。 第1艦隊が出張ってくれば話は別だが。
山東の兵力撤収をいち早く終えれば、それだけ早く遼東への全力支援を再開出来る。 我々が持ち堪えるのはそれまでの間だ」

梅津大将が軍司令部の内示を示す。 明らかに方面軍司令部の方針とは異なる内容だ。
いや、少なくとも山東半島の中韓連合軍撤退までは海軍による支援を行うし、遼東半島維持を行う。 

それまでに中韓国境線の戦況が好転すればよし。 一気に包囲殲滅戦を行う。 
だが、BETAのスケジュールがその意図にそぐわない場合は、帝国軍は全滅する愚だけは避ける。 最後の最後まで戦力をすり潰す事は行わない。

「玉虫色の行動方針だが、これで中国、韓国にも顔は立つ。 米軍も全滅するまで踏み止まれとは言えん筈だ」


















1997年2月16日 1930 遼東半島 瓦房店北東30km 北部防衛線・南部防衛線境界地帯 第102機甲戦闘団


奇妙な静寂だ。 つい2時間前まで半島全域で鳴り響いていた戦場音楽は全く聞こえない。
どうやらBETA群が一時前進を停滞させているらしい。 これが損失を受けての事か、それとも数を増やす為の待機なのか・・・

陣地から10数mほど登った尾根筋に立った周防直衛大尉は、真っ暗な闇の彼方を凝視し続けていた。
まるで、そこに何かが有ると確信しているかのように。

「・・・直衛」

振り返ると1人の女性士官―――衛士がこちらを見上げていた。 第13中隊長の綾森祥子大尉だった。
登ってくる。 が、暗い上にかなり急な登り坂だけに何とも危なっかしい(そう見えるだけかも知れないが)

手を差し伸べる。

「―――ほら」

「ん・・・ 有難う。 何を見ていたの?」

―――そう改めて言われれば、返事に困る。

周防大尉自身、何か目的があって登ってきた訳ではない。
何となく足が向いて、何となく眺めていただけなのだ。

「・・・いよいよ、この大陸ともお別れか」

「まだ、朝鮮半島は保っているわ。 ・・・でも、そうね。 92年から。 
途中で色々と有ったけれど、私は5年、あなたも4年半前の話ね、ここに初めて来たのは・・・」

お互い、この地は思い入れが多すぎた。 様々な記憶が蘇る。
隣に立つ綾森大尉の横顔を見ながら、ふと思いがけない言葉が出そうになった。

「なあ、祥子。 この戦いが終わって、もし帰国する事になったら・・・」

「え? 何?」

その先の言葉がなかなか出てこない。

「もし、無事に帰国出来たら、その時は・・・」 「祥子! 周防!」

その先の言葉を言い出す前に、唐突に他の声が2人を呼んだ―――第12中隊長の水嶋美弥大尉だった。

「祥子、周防! 何してんの? そんなクソ寒い所で? そろそろ夕食出来るよ、クソ不味い野戦食だけどね!」

「・・・美弥さん、大声でそんな。 炊事班の兵たちが聞いたら、気を悪くしますよ?」

「大丈夫だって、日本語は判らないよ。 にしても、相変わらず優しいねぇ、綾森大尉は! 支援部隊将兵の人気上位常連は違うね!」

「何を言ってるんですかっ もう!」

(―――気が抜けた、一気に・・・ ったく、水嶋さんは何か? 人の思考でも読み取れるのか!?)

唐突に出かけた言葉だが、改めて考えるとその言葉を彼女に言っても良い気がしたのだ。
それなのに、水嶋大尉の奇妙に明るい声はそのタイミングを見事に逸らせてくれた・・・

「直衛、降りよう? そろそろ食事よ?」

「―――ああ、そうだな。 そうしよう」

綾森大尉に促され、降りる直前に周防大尉は一瞬後ろを振り向き―――

(―――畜生)

何時だったか、随分前の事だ。 確か自分は任官したての少尉だった筈だ。
まだ北満州に駐留していた頃。 そうだ、あれは確か最初に所属した第21師団が壊滅した後だった。

(『―――いつか必ず、一掃してやる』)

未だ10代だった自分は、H19・ブラゴエスチェンスクハイヴを遥かに望みながら、そう誓った筈だった。
だが、実際は?―――叩きだされようとしている。 大陸から。 
共に戦った彼等の、彼女等の、何時だったか知り合ったあの幼い兄妹達の故郷から。 欧州に残った彼女の故郷から。 BETAに抗しきれず。

「―――直衛?」

「ああ、今行くよ」

あの土地は、あの暗闇の遥か向うに沈んでいる筈だったのだ。








前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.037598848342896