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No.7678の一覧
[0] Muv-Luv 帝国戦記 ~第1部 完結~  [samurai](2012/01/15 00:56)
[1] 北満洲編1話[samurai](2009/03/31 02:40)
[2] 北満洲編2話[samurai](2009/04/12 14:43)
[3] 北満洲編‐幕間その1[samurai](2009/04/02 03:33)
[4] 北満洲編‐幕間その2[samurai](2009/04/02 23:49)
[5] 北満洲編-幕間その3[samurai](2009/04/04 02:31)
[6] 北満洲編3話[samurai](2009/04/04 22:33)
[7] 北満洲編4話[samurai](2009/04/05 19:23)
[8] 北満洲編5話[samurai](2009/05/16 17:22)
[9] 北満洲編6話[samurai](2009/04/11 02:17)
[10] 北満洲編7話[samurai](2009/04/12 03:34)
[11] 北満洲編8話[samurai](2009/05/05 23:46)
[12] 北満洲編9話[samurai](2009/04/18 21:28)
[13] 北満洲編10話[samurai](2009/04/18 22:35)
[14] 北満洲編11話[samurai](2009/04/19 01:16)
[15] 北満洲編12話[samurai](2009/04/24 02:55)
[16] 北満洲編13話[samurai](2009/04/25 22:53)
[17] 北満洲編14話[samurai](2009/05/06 00:47)
[18] 北満洲編15話[samurai](2009/05/10 04:08)
[19] 北満洲編16話[samurai](2009/05/10 03:42)
[20] 北満洲編17話―地獄の幕間[samurai](2009/05/13 19:48)
[21] 北満洲編18話[samurai](2009/05/16 03:31)
[22] 北満洲編19話[samurai](2009/05/16 03:59)
[23] ちょっとだけ番外編(バカップル編)[samurai](2009/05/17 03:25)
[24] 北満洲編20話[samurai](2009/05/19 23:48)
[25] 北満洲編21話[samurai](2009/05/20 00:32)
[26] 北満洲編22話[samurai](2009/05/24 02:21)
[27] 北満洲編23話[samurai](2009/05/24 04:25)
[28] 北満洲編最終話[samurai](2009/05/24 03:36)
[29] 設定集(~1993年8月)[samurai](2009/05/24 23:57)
[30] 国連極東編 満州1話[samurai](2009/06/09 02:02)
[31] 国連極東編 番外編・満州夜話[samurai](2009/06/09 02:03)
[32] 国連極東編 満州2話[samurai](2009/06/09 02:03)
[33] 国連極東編 満州3話[samurai](2009/06/09 02:03)
[34] 国連極東編 満州4話[samurai](2009/06/09 02:03)
[35] 国連極東編 満州5話[samurai](2009/06/09 02:04)
[36] 国連極東編 番外編 艦上にて―――或いは、『直衛君、弄られる』[samurai](2009/06/09 02:04)
[37] 国連極東編 満州6話[samurai](2009/06/09 02:04)
[38] 国連極東編 満州7話[samurai](2009/06/09 02:04)
[39] 国連極東編 満州最終話[samurai](2009/06/10 07:33)
[40] けっこう番外編(かなりバカップル編)[samurai](2009/06/12 23:53)
[41] 国連欧州編 英国[samurai](2009/06/14 10:27)
[42] 国連欧州編 イベリア半島1話[samurai](2009/06/17 23:46)
[43] 国連欧州編 イベリア半島2話[samurai](2009/06/18 00:38)
[44] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 1話[samurai](2009/06/20 23:34)
[45] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 2話[samurai](2009/06/21 13:54)
[46] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 3話[samurai](2009/06/26 00:07)
[47] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 4話[samurai](2009/06/28 03:55)
[48] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 最終話[samurai](2009/06/28 10:30)
[49] 国連欧州編 シチリア島1話[samurai](2009/07/01 00:59)
[50] 国連欧州編 シチリア島2話[samurai](2009/07/01 01:28)
[51] 国連欧州編 シチリア島3話[samurai](2009/07/05 00:59)
[52] 国連欧州編 シチリア島4話 ~幕間~[samurai](2009/07/05 22:09)
[53] 国連欧州編 シチリア島5話[samurai](2009/07/10 02:30)
[54] 国連欧州編 シチリア島最終話[samurai](2009/07/11 23:15)
[55] 国連欧州編・設定集(1994年~)[samurai](2009/07/11 23:25)
[56] 外伝 海軍戦術機秘話~序~[samurai](2009/07/13 02:52)
[57] 外伝 海軍戦術機秘話 1話[samurai](2009/07/17 03:06)
[58] 外伝 海軍戦術機秘話 2話[samurai](2009/07/19 18:39)
[59] 外伝 海軍戦術機秘話 3話[samurai](2009/07/21 23:41)
[60] 外伝 海軍戦術機秘話 最終話[samurai](2009/08/13 22:32)
[61] 国連欧州編 北アイルランド[samurai](2009/07/25 17:47)
[62] 国連欧州編 スコットランド1話[samurai](2009/07/27 00:36)
[63] 国連欧州編 スコットランド2話[samurai](2009/07/28 00:28)
[64] 国連米国編 NY1話[samurai](2009/08/01 04:13)
[65] 国連米国編 NY2話[samurai](2009/08/06 00:03)
[66] 祥子編 南満州1話[samurai](2009/08/13 22:31)
[67] 祥子編 南満州2話[samurai](2009/08/17 21:26)
[68] 祥子編 南満州3話[samurai](2009/08/22 19:19)
[69] 祥子編 南満州4話[samurai](2009/08/30 19:03)
[70] 祥子編 南満州5話[samurai](2009/08/28 07:52)
[71] 祥子編 南満州6話 ―幕間―[samurai](2009/08/30 18:45)
[72] 祥子編 南満州7話[samurai](2009/09/06 00:08)
[73] 祥子編 南満州8話[samurai](2009/09/16 23:35)
[74] 祥子編 南満州9話[samurai](2009/09/19 03:15)
[75] 祥子編 南満州10話[samurai](2009/09/21 22:59)
[76] 祥子編 南満州最終話[samurai](2009/09/22 00:42)
[77] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その1[samurai](2009/10/01 23:43)
[78] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その2[samurai](2009/10/01 22:02)
[79] 国連米国編 NY3話[samurai](2009/10/03 13:42)
[80] 国連米国編 NY4話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/11 12:38)
[81] 国連米国編 NY5話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/14 22:32)
[82] 国連米国編 NY最終話~Amazing grace~[samurai](2009/10/17 03:10)
[83] 国連番外編 アラスカ~ユーコンの苦労~[samurai](2009/10/19 21:28)
[84] 国連欧州編 翠華語り~October~[samurai](2009/10/23 22:58)
[85] 国連欧州編 翠華語り~November~[samurai](2009/10/24 15:34)
[86] 国連欧州編 翠華語り~December~[samurai](2009/11/01 23:21)
[87] 国連欧州編 翠華語り~January~[samurai](2009/11/09 00:17)
[88] 国連欧州編 翠華語り~February~[samurai](2009/11/22 03:05)
[89] 国連欧州編 翠華語り~March~[samurai](2009/11/22 03:38)
[90] 国連欧州編 翠華語り~April~[samurai](2009/11/22 04:13)
[91] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 1話[samurai](2009/11/24 00:29)
[92] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 2話[samurai](2009/11/29 02:20)
[93] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 3話[samurai](2009/12/06 22:19)
[94] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・前篇[samurai](2009/12/11 22:37)
[95] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・後篇[samurai](2009/12/12 21:38)
[96] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 5話[samurai](2009/12/13 20:58)
[97] 国連欧州編 最終話[samurai](2009/12/13 23:06)
[98] 帝国編 ~序~[samurai](2009/12/19 05:05)
[99] 帝国編 1話[samurai](2009/12/20 12:06)
[100] 帝国編 2話[samurai](2009/12/24 00:16)
[101] 帝国編 幕間[samurai](2009/12/25 04:22)
[102] 帝国編 3話[samurai](2009/12/30 05:15)
[103] 帝国編 4話[samurai](2010/02/08 02:09)
[104] 帝国編 5話[samurai](2010/02/22 01:03)
[105] 帝国編 6話[samurai](2010/02/22 01:00)
[106] 帝国編 7話[samurai](2010/03/01 00:28)
[107] 帝国編 8話[samurai](2010/03/13 22:53)
[108] 帝国編 9話[samurai](2010/03/23 23:37)
[109] 帝国編 10話[samurai](2010/03/28 00:51)
[110] 帝国編 11話[samurai](2010/04/10 21:22)
[111] 帝国編 12話[samurai](2010/04/18 10:47)
[112] 帝国編 13話[samurai](2010/04/20 23:21)
[113] 帝国編 14話[samurai](2010/05/08 16:34)
[114] 帝国編 15話[samurai](2010/05/15 01:58)
[115] 帝国編 16話[samurai](2010/05/17 23:38)
[116] 帝国編 17話[samurai](2010/05/23 12:56)
[117] 帝国編 18話[samurai](2010/05/30 02:12)
[118] 帝国編 19話[samurai](2010/06/07 22:54)
[119] 帝国編 20話[samurai](2010/06/15 01:06)
[120] 帝国編 21話[samurai](2010/07/04 00:59)
[121] 帝国編 22話 ~第1部 完結~[samurai](2010/07/04 00:52)
[122] 欧州戦線外伝 『周防大尉の受難』[samurai](2009/09/12 02:35)
[123] 欧州戦線外伝 『また、会えたね』 ~ギュゼル外伝~[samurai](2010/12/20 23:16)
[124] 設定集 メカニック編[samurai](2010/12/20 23:18)
[125] 設定集 陸軍編(各国) 追加更新[samurai](2010/05/15 01:57)
[126] 設定集 海軍編(各国) [samurai](2010/05/08 18:23)
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[7678] 欧州戦線外伝 『周防大尉の受難』
Name: samurai◆b1983cf3 ID:3fa3f4a1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/09/12 02:35
【注意!】
この駄文はフィクションであり、登場する人物、団体、組織、現象はすべて架空のものです。
『帝国戦記』のいかなるものとも、一切の関係は、多分、恐らく、関係しないかも・・・ しれません。








―――いつか どこか  第88独立戦術機甲大隊の駐屯地


「え~っと、これはユーティライネン少佐で、こっちはアルトマイエル大尉・・・ で、ウェスター大尉は・・・ ああ、奥様からね」

「ウェスター大尉って、新婚なんだろ? 良く我慢できるぜ、なぁ?」

「ファビオ、アンタと一緒にしなさんな」

「ひでぇなぁ、ヴェロニカ・・・」


今週の部隊充て郵便物収集係、ファビオ・レッジェーリ中尉と、ヴェロニカ・リッピ中尉が管理事務所の郵便物集配所で、部隊充ての郵便物を確認していた。
最前線で戦う将兵にとって、家族や恋人からの便りと言うものは。 それだけで戦う気力が増すと言うものだ。
家族にとっても、戦地での身内からの便りを心待ちにしている。 軍はそう言った相互の便りを重視して、最優先で配達するものだ。

「おっと、こっちはアジアからだな。 趙中尉に、文怜、翠華宛て。 お? 圭介に、直人は家族から・・・ と、これは・・・?」

「ファビオ、イチイチそんな事確認しなくてもいいの! 失礼でしょ!」

「・・・おいおい、直衛の奴。 『また』、恋人からの手紙だぜ?」

「・・・直衛の、恋人?」

「気になるかぁ?」

―――キシシ・・・ 

微妙な笑みを浮かべて、その手紙をヒラヒラと振って見せるファビオ・レッジェーリ中尉。

「べっ、別にっ? あの無節操男に恋人がいようがいまいが、私には関係ないもんねっ!
―――それより。 翠華には黙ってなさいよ?」

「へっ? なんで?」

「鈍感っ!! あの娘が、あの無節操男の事、好きだって事は知っているでしょ!?」

知っているというより。 既に大隊中では公然の事なのだが。 因みに、新任少尉の中にも密かに、と言う者はいるらしい。

(―――しっかし。 なんであいつばっかモテる? 俺様にした所で、そう素材は悪くないぞ?)

むぅ・・・ 思わず唸ってしまう、ファビオ・レッジェーリ、21歳。
そうなのだ。 彼とて、ア・モーレの本場、イタリアの伊達男。 実の所、見た目は決して悪くは無い。
女の子にもマメな質だ。 何より甘い囁きなど、彼の日本人の友人達など、逆立ちしたって敵いっこない程、天性の本能である。

―――実際、きゃー、きゃー、言われるのは俺様の方が多い・・・

だが! しかし! 考えてみろ、ファビオ・レッジェーリ! 
『奴は』、極東に大本命の恋人がいる(写真で見たが、正に『ヤマトナデシゴ』とか言う言葉が似合う美人だ)
そしてこの欧州では、『奴を』追いかけてまで極東から『押しかけて来た』、美少女と言って差し支えない同僚の中国系女性衛士が、甲斐甲斐しく世話を焼いている。

翻って、俺様の身の回りは・・・?

―――だ、誰も居ない・・・ッ!?

ショックだった。 どの位のショックかと言うと。 イギリス人に料理の味で、イタリア人が負けた位にはショックだった・・・!!

―――何か、秘訣でもあるのか? 女性を引き摺り込む、秘密のレシピがっ!?

解明せねばなるまいっ!
イタリア人にとって、人生そのモノと言ってよい三大要素のひとつ、ア・モーレで。 
世界的朴念仁の日本人の後塵を踏む訳にはいかないのだ! 何より、イタリア男の名誉にかけて・・・!!

「・・・で、あれば。 まずは人選だ。 俺様一人では、如何にも手が足らん・・・」


なにやら怪しげなオーラを発し始めた同僚を、気味悪そうに眺めながら。 ま、南部男ってのは、こんなモノよね、と。
北部(ミラノ)出身の自称『アカ抜けた都会っ娘』、ヴェロニカ・リッピ中尉はさっさと自分のノルマの配達物を整理すると、同僚をほっぽって集配所を後にした。











「と、言う訳だ。 是非に諸君らには『F(ファビオ)N(長門)K(久賀)団』として、事の究明に全力投入! 奮戦敢闘! 孤立無援! 全滅必死して貰いたいっ!」

「だが、断るっ!」

「な、なにゆえぇ~!? 圭介ぇ!!」

「孤立無援に、全滅必死? お前一人でジタバタしてろ。 俺は抜けるぞ?」

「つれないじゃ~ん? 直人ぉ・・・ この間、『良いトコ』紹介してやったじゃねぇかよ? 
他にも色々あるぜぇ? バーター取引って事で、どうよ?」

「むむむ・・・」

―――これで、直人は落ちたな。 こいつは硬派ぶっている半面、お色気には弱いっ! 
『きゅーしゅーだんじ』って言ってたが、ありゃ、女に免疫のないことの裏返しだぜ? へっ、チョロイ、チョロイ。


「お前らで勝手にやってろよ。 俺は関係無いね」

「同志圭介。 これを見て欲しいのだが?」

「何だ・・・? ―――むぅっ!?」

へっへっへ。 俺様秘蔵の写真集(盗み撮りだ!) 
ウチの大隊はおろか、基地駐留の他の部隊の奇麗ドコロを余すことなく網羅した、プレミア集だぜ?

「こっ、これはっ! あの伝説の・・・ッ!!」

「今なら、入団特典でお安くしますぜ? ダンナ?」

「・・・いくらだ?」

「こんなトコロで・・・」

「いや、同志ファビオ。 我々は何としても、団の目標達成の為に一致団結! 革命的精神でもって目標に邁進せねばなるまい?」

「よぉし! これで決定! 我々はかくも男の敵の秘密を暴き、これを断固粉砕せねばならない!!」

「「 おおっ!! 」」


―――かくて。 国連欧州軍始まって以来の『大馬鹿集団』が結成されたのであった・・・







【証言、その1 『いずれ本妻は私のモノ!』さん】

『えっ? 彼の魅力? う~ん・・・ 面と向かって聞かれれば、ちょっと急には・・・
好きになった理由? う~ん・・・ もう2年も前だけどね、私、彼と同じ任務に就いた事が有るの。 あ、圭介も一緒だったよね?
その当時ね、凄く不安定だったのよ、私・・・ で、そんな私を彼は受け止めてくれて。 
『俺、忘れないから』って。 『俺のこと好きになってくれた、優しい心の女の子の事、絶対、忘れないから』って・・・』

―――主よ。 奴に天罰喰らわしても宜しいでしょうか・・・?

『決定打は、あの時ね・・・ 93年の『双極作戦』終了直後。 私、戦闘後の恐怖で震えが止まらなかったの・・・
そしたら彼が、夜明けの私のテントに来てくれて・・・ 初めてだったの・・・(ポッ)』

―――天罰決定です。 いいですよね?

『えっ? 今? ああ、普段はどうしているかって事? 別に、普通よ?
私も任務が有るから、暇じゃないけれど。 それでも時間が空いたら、彼の分の洗濯もするし、ちょっとした夜食なんか、厨房に入らせて貰って作ったりとか。
美味しいって、褒めてくれたわ♪
えっ? 夜? やだぁ! ・・・毎晩じゃないわよ? でも、結構激しいかも♪ 戦闘の後とかはね?
え? もういいの? まだまだ話したいこと有るのに・・・ ねぇ? 本当にもういいの? ファビオ? 圭介? ・・・何、鼻抑えて上向いているの? 直人・・・?』






「・・・ううむ。 いきなり彼女の話は、強烈過ぎたか・・・」

「何と言っても、ここでの本命だしな・・・」

「ううう・・・」






【証言、その2 『苦労性の補佐役』さん】

『はぁ・・・ ヒマねぇ? あなた達も・・・ で? 彼の事? 言っておきますけど、私は恋愛感情なんか持っていないわよ?
確かに、仲のいい友人だし、信頼できる戦友ですけど。 それだけよ・・・
ま、今現在の心配事と言えば・・・ リュシエンヌね。 ほら、私達の小隊の新任の一人よ。 あの娘、どうやら惚れた様なのよねぇ・・・
翠華も気づいた様なのよ。 どうしよう? 部隊内で修羅場だなんて、私ゴメンよ・・・?』






「現地妻に、愛人2号候補か・・・?」

「にしても、部下の娘を・・・」

「なんばしょっとかぁ~~~ッ!!!」







【証言、その3 『部下のフランス娘&平凡な優等生のイタリア娘』さんズ】

『えっ!? 隊長の事ですかっ!? ど、どうして、中尉達が・・・ッ! え? ギュゼル中尉がっ!?
ひ、ひどいっ! 絶対内緒でって、相談したのにぃ!!』

『ま、まぁ、中尉達もそんな、言いふらす様なことはしないわよ、ね? リュシエンヌ・・・
そうですよね? 中尉? ファビオ隊長も?
・・・えっ!? わ、私ですかっ!? わっ、私はっ、そのっ! ・・・ちょっと、いいかな、って・・・』

『・・・ロベルタ?』

『ひっ! な、何!? そんな目で睨まないでよ! リュシエンヌ! ちょ、ちょっと! どこ触って・・・ きゃあ!!』

『これっ!? これなの!? この脂肪の塊が良いのっ!? ええ、ええ! どうせ私は微乳よっ! まっ平らよっ!  ええい! 半分寄こせぇ!!』

『寄こしてどうするのよっ!?』

『誘惑すんのよっ!!』

『翠華中尉にぶん殴られるわよっ!?』

『了解は取ったわよっ!!』

『ええっ!? ず、ずるいっ! 抜け駆けよっ、それって!』

『愛は奪うものよっ!!』






「・・・・・」

「・・・なあ、なんか虚しくなってこないか?」

「おうおうおう・・・・」










【証言、その4 『後任の野郎共』さんたち】

『あ、チャース! え? 何スカ? ああ、あの人の事っすか?
ま、色々聞きますねぇ・・・ こないだなんか、通信隊の未亡人の部屋から朝帰りですぜ?
これがまた、すげぇ美人でして。 へっへっへ・・・ なぁ? エドゥアルト?』

『アスカル、下品な物言いだな? しかし、中尉達もどうして急に? ・・・はぁ、成程?
そう言えば、戦闘後のショックで震えていた某女性少尉の衛士のトコロに、『メンタルケアだ』とか何とか言って、ずっと朝まで・・・
え? 時系列が違う? 今はそこまで時間が進んでいない? ・・・そうでしたね、失礼しました』

『僕なんか、部屋を追い出されましたけど・・・?』

『『 シャルル、お子様は判らんでいい 』』

『どうしてですかぁ!?』






「許すまじ! 人民の敵!」

「・・・いつから、『人民の敵』になったんだよ・・・?」

「うおおおぉぉぉぉ!!!」








【証言、その5 『大隊の可愛い娘さんたち』さんズ】

『あはは~! あの人ですかぁ? 翠華中尉に、リュシエンヌに、ロベルタに・・・ 他に、誰だっけ? ねぇ、ソーフィア?』

『色々、よ。 大隊以外でも、通信隊の美人未亡人中尉とか。 主計隊の人妻主計少尉とか。 ね? ミン・メイ?』

『あの未亡人、ほかに恋人いるよねぇ・・・? 主計隊の人って、旦那様は戦地だったよね? ウルスラ?』

『そうそう! 『流石! 女の弱みを突かせたら、超一流!』って。 笑ったよねぇ!』







「・・・なぁ、もの凄く虚しいんだが?」

「ばってん! 漢たい!!」

「・・・挫けるな! 立ち上がれ! 万国の同志たちよっ!!」

「・・・駄目だ、こりゃ・・・」








【最終証言、その6 『欧州の突風』さん&大隊二大美女のお姉様方】

『ヒマだな、君らも・・・ 大隊長に言って、訓練でもするかい? ん? それはまた今度? ま、適わんが・・・
彼の事か? ・・・ああ、そう言えば、満洲を発つ直前、紹介されたよ、恋人だとね。
いや、なかなかしっかりした、良いお嬢さんだったね。 あの位の方が良いようだな、彼の様な危なっかしい男を引きとめられる娘さんは・・・
ん? 蒋中尉・・・? ああ、そう言えば、以前に言っていたな。 『愛する女性と、大切な女性』だと・・・
しかし、今の彼を見ていると。 『大切な女性』は、非常に受け入れ容量が大きいようだなぁ・・・』

『あら? 彼の事? あなた達、言ってあげて。 『紳士とは、女性に対して誠実であるべき』って・・・
ホントに。 ヤンチャが過ぎるわ、全く・・・ ね? そう思わない? 美鳳?』

『まるで、ヤンチャな弟を見る姉の様ね? ニコール? でも、そうね・・・ せめて、翠華に対しては、誠実でいてあげて欲しいわ・・・』
















「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」

「おい、圭介、直人よ・・・」
「なんだ?」
「あん?」

「俺は諦めたよ。 『種馬』ってヤツは、どこまでいっても『種馬』以外の何物でもねぇンだよな・・・」
「何がどうして、そんな『フラグ』が立ったんだろうな・・・?」
「フラグ・・・?」

「それによ、翠華にバレちまった。 『こんなモノ、日本に送っちゃダメだからねっ!』だとさ・・・」
「彼女、実は綾森さんとは仲が良いんだよな・・・」
「・・・羨ましいぞ・・・」

「・・・これは、封印だな。 俺が保管しておくよ・・・」
「ああ・・・」
「結局、日の目を見なかったか・・・」









2001年某月某日 某所

「何? ああ・・・? 『N・S中尉の秘密のメンタルケア』報告書? 作成・・・『NKF団』? ああ、あったな、そんなものも・・・」

「あ、それね。 昔、兄さんから預かっていた物よね。 廃棄処分にしても良いって言われていたけど・・・」

「そうだったな。 で? それがどうかしたか?」

「この前ね、ほら、あの娘・・・ 彼女が遊びに来た時に見て、『貸して頂戴っ!』って言うから、貸したのだけれど・・・ いけなかったかしら? 兄さん?」

「ま、良いけどよ・・・ 誰かに見せるのか?」

「彼女の部隊長。 今は日本人の女性大尉らしいのだけど。 その人にって」

「・・・日本人? 衛士だよなぁ? 何歳くらいだい?」

「え!? えっと・・・? 多分、27歳位・・・?」

「ッ・・・・!!」

「に、兄さん・・・? 拙かったかしら・・・?」

「・・・ま、いいさ。 奴は悪運の強い男だったしな。 気にしないでおこう」

「・・・??」












2001年某月某日 日本帝国 某所

「あなた・・・ ちょっと良いかしら?」

「ん? どうした? 祥子。 ・・・顔が笑っているようで、笑っていないぞ・・・?」

「・・・これに見覚えは?」

「何? ・・・『N・S中尉の秘密のメンタルケア』報告書? 作成・・・『NKF団』? 
作成日時・・・ 1994年。 懐かしいな、あの頃か・・・ 所属部隊・・・ なにっ!? 『欧州国連軍第88独立戦術機甲大隊』!?
あの頃のイニシャルN・Sで、中尉って・・・ 俺かよっ!? それにこの『NKF』って・・・
あ~~~っ! 『長門』に、『久賀』に、『ファビオ』! あの3馬鹿共かっ!!」

「・・・内容に身に覚えは?」

「(ペラペラペラ・・・) お、奥さん、まずは冷静に話し合おう! そう! 衛士たる者、何事も冷静にだ! なっ!?」

「・・・今は、妻として、夫に問い質したいわ。 この内容っ!! 本当なのっ!? 翠華だけじゃなくって!? ねぇ! あなた!?」

「いっ、いやっ! そのっ! あ、そうだ! そろそろオッパイの時間じゃないのかな!? ほら、ママを呼んでるぞ!?」

「ついさっき、お乳はあげましたっ!! それより、この中身よっ!! 欧州に居る彼女が折角送ってくれたのですけどっ!?
―――何か仰る事はっ!?」

「・・・わ、若気の至りと申しますか・・・」

―――ぶちっ

「あ~なぁ~たぁ~!!!!」

「ひいぃぃ!!」









「・・・ん? あれは、周防大尉? に、綾森大尉・・・ 今は周防夫人か。 
でもどうして周防はあんな必死の形相で逃げているのだ? 何か知っているか? 伊達大尉?」

「さあ・・・? でも広江大佐、何時もの事ですよ、あの夫婦は・・・」

「そろそろ、二人して少佐昇進も近いと言うのに・・・ 何と言う事か、あの夫婦は・・・」

「でも神楽大尉、隊内じゃ、『夫婦漫才』隊長で有名ですよ? 初陣の新米衛士達でさえ、BETAを目前にして笑い転げさせる程ですから・・・」

「旦那は兎も角、奥様の方は、昔は理想的な上官でしたけどねぇ・・・」

「美園大尉、仁科大尉。 2人とも、周防大尉は以前の先任だろう? 少しは思いやってやれんか・・・?」

「無理です」「却下です」

「・・・自業自得だね、あの馬鹿は・・・」





―――後日、欧州国連軍の某部隊に、血にまみれた抗議の(文句の)手紙が日本から発送されたとか、なんとか・・・





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・・・スミマセン、本編に全く関係ないお話です。
DON氏の作品『かれとかのじょのおとぎばなし』の感想レスで頂きました小話を読んでいる内に、妄想が膨らんで破裂してしまいました・・・
未だ使用承諾を頂く前の事とて、DON氏の作中キャラは出していないつもりですが・・・
もし、抵触していたとしたら、申し訳ございません・・・


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