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No.7678の一覧
[0] Muv-Luv 帝国戦記 ~第1部 完結~  [samurai](2012/01/15 00:56)
[1] 北満洲編1話[samurai](2009/03/31 02:40)
[2] 北満洲編2話[samurai](2009/04/12 14:43)
[3] 北満洲編‐幕間その1[samurai](2009/04/02 03:33)
[4] 北満洲編‐幕間その2[samurai](2009/04/02 23:49)
[5] 北満洲編-幕間その3[samurai](2009/04/04 02:31)
[6] 北満洲編3話[samurai](2009/04/04 22:33)
[7] 北満洲編4話[samurai](2009/04/05 19:23)
[8] 北満洲編5話[samurai](2009/05/16 17:22)
[9] 北満洲編6話[samurai](2009/04/11 02:17)
[10] 北満洲編7話[samurai](2009/04/12 03:34)
[11] 北満洲編8話[samurai](2009/05/05 23:46)
[12] 北満洲編9話[samurai](2009/04/18 21:28)
[13] 北満洲編10話[samurai](2009/04/18 22:35)
[14] 北満洲編11話[samurai](2009/04/19 01:16)
[15] 北満洲編12話[samurai](2009/04/24 02:55)
[16] 北満洲編13話[samurai](2009/04/25 22:53)
[17] 北満洲編14話[samurai](2009/05/06 00:47)
[18] 北満洲編15話[samurai](2009/05/10 04:08)
[19] 北満洲編16話[samurai](2009/05/10 03:42)
[20] 北満洲編17話―地獄の幕間[samurai](2009/05/13 19:48)
[21] 北満洲編18話[samurai](2009/05/16 03:31)
[22] 北満洲編19話[samurai](2009/05/16 03:59)
[23] ちょっとだけ番外編(バカップル編)[samurai](2009/05/17 03:25)
[24] 北満洲編20話[samurai](2009/05/19 23:48)
[25] 北満洲編21話[samurai](2009/05/20 00:32)
[26] 北満洲編22話[samurai](2009/05/24 02:21)
[27] 北満洲編23話[samurai](2009/05/24 04:25)
[28] 北満洲編最終話[samurai](2009/05/24 03:36)
[29] 設定集(~1993年8月)[samurai](2009/05/24 23:57)
[30] 国連極東編 満州1話[samurai](2009/06/09 02:02)
[31] 国連極東編 番外編・満州夜話[samurai](2009/06/09 02:03)
[32] 国連極東編 満州2話[samurai](2009/06/09 02:03)
[33] 国連極東編 満州3話[samurai](2009/06/09 02:03)
[34] 国連極東編 満州4話[samurai](2009/06/09 02:03)
[35] 国連極東編 満州5話[samurai](2009/06/09 02:04)
[36] 国連極東編 番外編 艦上にて―――或いは、『直衛君、弄られる』[samurai](2009/06/09 02:04)
[37] 国連極東編 満州6話[samurai](2009/06/09 02:04)
[38] 国連極東編 満州7話[samurai](2009/06/09 02:04)
[39] 国連極東編 満州最終話[samurai](2009/06/10 07:33)
[40] けっこう番外編(かなりバカップル編)[samurai](2009/06/12 23:53)
[41] 国連欧州編 英国[samurai](2009/06/14 10:27)
[42] 国連欧州編 イベリア半島1話[samurai](2009/06/17 23:46)
[43] 国連欧州編 イベリア半島2話[samurai](2009/06/18 00:38)
[44] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 1話[samurai](2009/06/20 23:34)
[45] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 2話[samurai](2009/06/21 13:54)
[46] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 3話[samurai](2009/06/26 00:07)
[47] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 4話[samurai](2009/06/28 03:55)
[48] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 最終話[samurai](2009/06/28 10:30)
[49] 国連欧州編 シチリア島1話[samurai](2009/07/01 00:59)
[50] 国連欧州編 シチリア島2話[samurai](2009/07/01 01:28)
[51] 国連欧州編 シチリア島3話[samurai](2009/07/05 00:59)
[52] 国連欧州編 シチリア島4話 ~幕間~[samurai](2009/07/05 22:09)
[53] 国連欧州編 シチリア島5話[samurai](2009/07/10 02:30)
[54] 国連欧州編 シチリア島最終話[samurai](2009/07/11 23:15)
[55] 国連欧州編・設定集(1994年~)[samurai](2009/07/11 23:25)
[56] 外伝 海軍戦術機秘話~序~[samurai](2009/07/13 02:52)
[57] 外伝 海軍戦術機秘話 1話[samurai](2009/07/17 03:06)
[58] 外伝 海軍戦術機秘話 2話[samurai](2009/07/19 18:39)
[59] 外伝 海軍戦術機秘話 3話[samurai](2009/07/21 23:41)
[60] 外伝 海軍戦術機秘話 最終話[samurai](2009/08/13 22:32)
[61] 国連欧州編 北アイルランド[samurai](2009/07/25 17:47)
[62] 国連欧州編 スコットランド1話[samurai](2009/07/27 00:36)
[63] 国連欧州編 スコットランド2話[samurai](2009/07/28 00:28)
[64] 国連米国編 NY1話[samurai](2009/08/01 04:13)
[65] 国連米国編 NY2話[samurai](2009/08/06 00:03)
[66] 祥子編 南満州1話[samurai](2009/08/13 22:31)
[67] 祥子編 南満州2話[samurai](2009/08/17 21:26)
[68] 祥子編 南満州3話[samurai](2009/08/22 19:19)
[69] 祥子編 南満州4話[samurai](2009/08/30 19:03)
[70] 祥子編 南満州5話[samurai](2009/08/28 07:52)
[71] 祥子編 南満州6話 ―幕間―[samurai](2009/08/30 18:45)
[72] 祥子編 南満州7話[samurai](2009/09/06 00:08)
[73] 祥子編 南満州8話[samurai](2009/09/16 23:35)
[74] 祥子編 南満州9話[samurai](2009/09/19 03:15)
[75] 祥子編 南満州10話[samurai](2009/09/21 22:59)
[76] 祥子編 南満州最終話[samurai](2009/09/22 00:42)
[77] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その1[samurai](2009/10/01 23:43)
[78] 祥子編 南満州番外編~後日談?~ その2[samurai](2009/10/01 22:02)
[79] 国連米国編 NY3話[samurai](2009/10/03 13:42)
[80] 国連米国編 NY4話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/11 12:38)
[81] 国連米国編 NY5話~Amazing grace~ [samurai](2009/10/14 22:32)
[82] 国連米国編 NY最終話~Amazing grace~[samurai](2009/10/17 03:10)
[83] 国連番外編 アラスカ~ユーコンの苦労~[samurai](2009/10/19 21:28)
[84] 国連欧州編 翠華語り~October~[samurai](2009/10/23 22:58)
[85] 国連欧州編 翠華語り~November~[samurai](2009/10/24 15:34)
[86] 国連欧州編 翠華語り~December~[samurai](2009/11/01 23:21)
[87] 国連欧州編 翠華語り~January~[samurai](2009/11/09 00:17)
[88] 国連欧州編 翠華語り~February~[samurai](2009/11/22 03:05)
[89] 国連欧州編 翠華語り~March~[samurai](2009/11/22 03:38)
[90] 国連欧州編 翠華語り~April~[samurai](2009/11/22 04:13)
[91] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 1話[samurai](2009/11/24 00:29)
[92] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 2話[samurai](2009/11/29 02:20)
[93] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 3話[samurai](2009/12/06 22:19)
[94] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・前篇[samurai](2009/12/11 22:37)
[95] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 4話・後篇[samurai](2009/12/12 21:38)
[96] 国連欧州編 バトル・オブ・ドーヴァー 5話[samurai](2009/12/13 20:58)
[97] 国連欧州編 最終話[samurai](2009/12/13 23:06)
[98] 帝国編 ~序~[samurai](2009/12/19 05:05)
[99] 帝国編 1話[samurai](2009/12/20 12:06)
[100] 帝国編 2話[samurai](2009/12/24 00:16)
[101] 帝国編 幕間[samurai](2009/12/25 04:22)
[102] 帝国編 3話[samurai](2009/12/30 05:15)
[103] 帝国編 4話[samurai](2010/02/08 02:09)
[104] 帝国編 5話[samurai](2010/02/22 01:03)
[105] 帝国編 6話[samurai](2010/02/22 01:00)
[106] 帝国編 7話[samurai](2010/03/01 00:28)
[107] 帝国編 8話[samurai](2010/03/13 22:53)
[108] 帝国編 9話[samurai](2010/03/23 23:37)
[109] 帝国編 10話[samurai](2010/03/28 00:51)
[110] 帝国編 11話[samurai](2010/04/10 21:22)
[111] 帝国編 12話[samurai](2010/04/18 10:47)
[112] 帝国編 13話[samurai](2010/04/20 23:21)
[113] 帝国編 14話[samurai](2010/05/08 16:34)
[114] 帝国編 15話[samurai](2010/05/15 01:58)
[115] 帝国編 16話[samurai](2010/05/17 23:38)
[116] 帝国編 17話[samurai](2010/05/23 12:56)
[117] 帝国編 18話[samurai](2010/05/30 02:12)
[118] 帝国編 19話[samurai](2010/06/07 22:54)
[119] 帝国編 20話[samurai](2010/06/15 01:06)
[120] 帝国編 21話[samurai](2010/07/04 00:59)
[121] 帝国編 22話 ~第1部 完結~[samurai](2010/07/04 00:52)
[122] 欧州戦線外伝 『周防大尉の受難』[samurai](2009/09/12 02:35)
[123] 欧州戦線外伝 『また、会えたね』 ~ギュゼル外伝~[samurai](2010/12/20 23:16)
[124] 設定集 メカニック編[samurai](2010/12/20 23:18)
[125] 設定集 陸軍編(各国) 追加更新[samurai](2010/05/15 01:57)
[126] 設定集 海軍編(各国) [samurai](2010/05/08 18:23)
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[7678] 国連欧州編 イベリア半島 『エース』 最終話
Name: samurai◆b1983cf3 ID:3fa3f4a1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/28 10:30
1994年7月28日 1610 バイレン


『隊長! 増援はまだですかっ!?』

『もう、残弾が有りませんっ!!』

アリッサとフローラの悲鳴が聞こえる。 俺も、既に突撃砲は残弾無し。 とうにパージして、今はクレイモアとナイフでの近接格闘戦に移行していた。
目の前の戦車級を、右のクレイモアで薙ぎ払う。 咄嗟にバックステップで距離を取り、要塞級の触手の1撃をギリギリで交わした。

『直衛・・・! 増援の状況はどうなっているのっ!? 本隊は!?』

ギュゼルも、余裕が無くなっている。 もう10分以上、要塞級と戦車級の混成BETA群を相手に、格闘戦を続けているのだ。
群れの中から飛び出す訳にはいかない。 光線級のレーザー照射を浴びてしまう。 この事も、かなりのストレスになっていた。

「第193連隊の到達は10分後! 何とか耐えるんだ! 無理に攻撃するな、動きまわれ!
要塞級の攻撃圏内には、不用意に入り込むな! 当面は戦車級の排除に専念する!」

2体の要塞級が目前に迫る。 咄嗟に噴射滑走で2体の間に突っ込む。 要塞級が俺の機体に目をつけ、その隙に他の3機が右に迂回移動を開始する。
触手が2本、同時に迫ったその瞬間、右噴射滑走で要塞級の多脚部の隙に潜り込み、そのまま反対側へ突き抜ける。
抜けた先の戦車級を、噴射滑走の勢いをそのままに、クレイモアを横殴りに振り回して5,6体を始末した。
後続の3機が迂回して合流する。

『うわっ! 集られたっ! くそぉ!!』

「フローラ! 左右を払い除けろ! アリッサ!」

『了解です! フローラ、そのまま! 今、後ろの奴を削ぎ落すからっ!!』

フローラの機体、右の跳躍ユニットに背後から戦車級が取り付いた。 アリッサが咄嗟に、ナイフで削ぎ落とす。

『アリッサ、あ、有難う・・・ 助かったよ・・・』

『しっかりしなさいよっ! アンタがドジ踏んだら・・・』

「2人共、連帯責任で扱くぞ」 

『『・・・小隊長~・・・ 勘弁して下さいよぉ・・・』』


成程、まだ嘆く元気はあるか。 結構。 まだいける。

部下の嘆きを耳に、緩やかな角度の噴射滑走移動で要塞級の周りを移動する。 無理な突入は出来ない。
相変わらず小型種の数は多い。 途中で噴射滑走を中断して、クレイモアで薙ぎ払い、ナイフで切り倒す。
俺の横にはギュゼルが位置し、後方にアリッサとフローラが続く。 新米2人に、移動しながらの近接格闘戦は、今のこの状況ではまだ無理だ。

『全くッ・・・! 私、苦手なのよねッ! こう言うのッ!』

「ぼやくな、ギュゼル・・・ 新米2人に、これ以上の無理はさせられんさ。 
グラムBよりエスパーダ! そちらはどうか? まだ無事か!?」

『こちらエスパーダB02! 必死に追いかけっこしています! 何とか生きていますよ!!』

「ああ、それは何より。 もう少し気張ってくれよ。 ―――エスパーダ・リーダー?」

―――どうした? 真っ先にあの大声が聞こえると思ったんだが・・・

『・・・エスパーダ・リーダーだ。 跳躍ユニット、左右全損。 主機出力は60%しか上がらん。 ちょいと、戦車級に齧られ過ぎたな・・・』

―――くそ。 

「・・・グラムBリードより、エスパーダ・リーダー。 くたばるのは10分待ってくれ。 それまでは、這ってでも引きつけてくれ」

『ちょっ・・・! グラム・リード!!』
『なんて言う事を・・・!!』

『うるせぇよ、レベロ、イサベル。 周防の言う通りだぜ。 ここの責任は俺様だ。 逆だったら、俺も同じ事を言いうぜ? ―――なぁ、周防中尉?』

「―――ああ。 そうだな、アンディオン中尉。 
レベロ・アコスタ少尉、イサベル・バヤリ少尉。 アンディオン中尉を信じろ。 ≪ダンディライオン≫ をな」

陽気で、不敵で、ふてぶてしい。 どんな時も豪快に笑い飛ばして死地を切り抜ける、アンダルシアの獅子。

『へっ! そこまで持ち上げられたんじゃなっ! んじゃ、一丁、気張ってみっか!?
―――糞BETA共! 手前ぇら糞虫共が、獅子を喰えると思っていやがんのかぁ!!』





戦術MAPに表示されるアンディオン中尉の居る場所は、既にBETAの赤で埋まっていた。
最初から単機で突入したのだが、当初に比べて戦術機を示す青のマーカーの動きが鈍い。

「―――ッ!!」

戦術MAPに気を取られた隙に、5,6体の戦車級に詰め寄られた。
咄嗟に逆噴射をかけ、着地と同時にクレイモアを横殴りに払う。 左のナイフで左9時方向から向かってきた戦車級を、そのまま地面に突き刺して始末する。

『・・・直衛、そろそろ、主機も限界よ。 ビンゴ・フュエルが近い・・・』

ギュゼルの声も、スクリーンに映った顔も、絶望の色が濃かった。

「ああ・・・ 最悪の場合は勘弁な、ギュゼル。 殿軍は俺がやるから」

増援は未だ来ない。 しかし、俺達の機体はそう限界が近い。 なによりも、ビンゴ・フュエルぎりぎりだった。
なにしろこの2時間以上、無補給で戦闘を続けてきたのだ。

『1人で美味しい場面、持っていかないでよ。 ・・・あの2人は、何とかして本隊へ合流させてあげたいけれど・・・』

小隊の機体ステータスを再確認する。
アリッサとフローラの燃料消費がやはり大きい。 このままでは、BETAの群れの中で身動きがとれずに、喰い殺される事になる。

どうする? 今ならまだ間に合う。 ここで2機を一旦後方へ下げるか? 
増援の到着予定まで、あと5分。 しかし、あの2機は今の機動を続けると、あと2、3分しか保たない。 増援も、5分で来る保証は無い。

「よし・・・ アリッサとフローラは下げる。 ゆっくりと、主脚走行で良い、迂回路を使って、本隊まで戻らせる」

『判ったわ。 ―――アリッサ、フローラ。 あなた達、一旦下がりなさい。 ここは隊長と私で維持します』

『そんな! 2機でなんて、無理ですよっ!』
『隊長! 中尉! 僕はまだやれます!』

―――必死な顔だな。 まるで、親犬に逸れまいとする仔犬のようだ。 何て言ったら、怒るかな? この2人・・・
いや、純粋に上官を助けようとしているんだ。 少なくとも、戦場で怖がって逃げだそうとする態度じゃない。 それは純粋に嬉しいが・・・

「はっきり言う。 このまま、お前達の面倒を見ながらでは、戦えない。 自機のフュエル・ステータスを確認しろ」

『えっ? ・・・あっ!』 『い、いつの間に・・・』

「噴射跳躍は使うな。 噴射滑走もだ。 多少時間がかかっても良い、主脚走行で行け。
ルートは今転送した。 これなら、BETA群を盾にできる。 レーザー照射の危険性はかなり低い」

『『た、隊長・・・!』』

「同じ事を言わすな、命令だ。 本隊に戻り、中隊長に状況を報告しろ。 それまでがお前達の任務だ、いいな?」

『さあ、アリッサ、フローラ。 命令は達せられたわ、早く行動を開始しなさい!』

「ギュゼル、君もだ。 君も行け、小隊先任として」

『・・・怒らせたいの? 直衛・・・ 馬鹿を言わないでっ!!』

「ギュゼル・サファ・クムフィール中尉、命令だ。 2機を引きつれて本隊に合流しろ。 新米達の機体も、もう限界だ。
それにギュゼル、君の機体ステータスも把握している。 右腕はもう動かないな? 左も関節部がイエローだ。 それでどうやって戦う? 
・・・君等の、今までの奮戦に感謝する。 本当に良くやってくれた」

スクリーンには、悔しさで顔を歪めているギュゼルが映っている。

―――少なくとも。 ギュゼル、君が残れば小隊の再編は容易だ。 ここで中尉2人とも死ぬ事は無い。 ここで死ぬのは、指揮官の特権だ。

『・・・了解しましたッ! クムフィール中尉他2機! 只今を以って本隊へ合流移動を開始しますッ!!
―――最悪の場合って、この事だったの!? 恨むわよッ! 直衛ッ!!』










3機のトーネードⅡが後方へ下がって行く。

「さて。 どうケリを付けようか・・・?」

コクピットの中に自分の独り言が響く。
機体のステータス―――右腕関節部、イエロー。 左腕、レッド。 左右両脚部、イエロー。 推進剤残量、5% 主機フュエル残量、10% 
残弾―――勿論無し。 クレイモアは先程真ん中から折れた。 残る武装は、ナイフ2本のみ。

笑いたくなるほど、何も無い。―――いや、まだ戦える。 機体はまだ動く。 ナイフもまだ有る。 それに―――俺はまだ、死んじゃいないッ!!
まだ俺の牙は失われちゃいない。 まだ俺の心は折れちゃいない。 まだ俺は―――戦えるッ!

『エスパーダ・リーダーだ。 グラムBリード、まだ生きているか?』

アンディオン中尉だ。 彼もまだ生きていたか。

「何とか。 そちらは?」

『さっき1機帰した。 イサベルをな。 レベロがやられた。 単機じゃ無理だからな。 お陰で、こっちも満員御礼だ』

「・・・こっちは3機とも、帰しましたよ。 ビンゴ・フュエルで喰い殺させる訳にもいきませんので」

そろそろ、中間地点までは到達したか。
1匹、戦車級が跳びかかって来た。 咄嗟にナイフで切り裂いて始末する。

『そうか・・・ そりゃ、仕方ないな。 しっかし、増援部隊の野郎、どこで道草食っていやがるんだか・・・』

「結構、踏ん張ったんですがね。 ま、今回は残念な結果、そう言う事ですかね?」

『くくく・・・ 今回は? 次回も有るって?』

「そう思っていますよ。 そう思って戦います。 今までも、今も、これからも」

『・・・そうさ。 その通りさ。 そうでなきゃよッ!! 気に入った! お前さん、気に入ったぜッ、周防!』

「んじゃ、ひと暴れしますか? いずれ増援が来るでしょうけど、連中に獲物をやるのは業腹だ。 あれは、『俺達』の獲物だ」

アンディオン中尉。 ≪ダンディライオン≫が不敵な顔で笑う。 まるで、空腹の極限で上等の獲物を見つけたライオンの如く。

『お前ぇさんも、十分にクレイジーな野郎だなぁ・・・ 
それに、冷静に俺様に向かってくたばれっ、て言うかと思えば。 妙に部下に甘い所も有る。
ええ? ≪クレイジー・デビル≫ よ?』

「・・・なんだよ、その呼び名は」

くそ、随分と集まってきたな。 戦術MAPはもう真っ赤だ。

『お前さんの本質さ。 クレイジーな程に、諦めが悪く足掻き続ける。
時として酷薄さを見せたと思ったら、妙に甘い所も見せるその両極性。
デビルってやつは、堕天使だ。 その本質は、悪であり、その前は善だ。 その両極性がデビルだ。 
どうだ? この呼び名は?』

「・・・随分、分不相応な、大仰な呼び名だと思うよ。 でもま、呉れるのなら貰っておく」

向こうも、もう満足な機動は出来無さそうだ。
しかし、まだ諦めていないな、あのおっさんも。

左右から戦車級。 左を切り裂く間に、右の上腕部に取り付かれた。 ナイフを反転させ、突き刺す。 
痙攣じみた動きの後、戦車級の動きが止まった。

「はぁ・・・ はぁ・・・ しっかし、きつい事に変わりはないな」

『まだ、くたばるなよ? 俺達がくたばらない限り、ここのBETAは移動しない』

「判ってるさ。 でも、そろそろビンゴ・フュエルなんだよ。 さて、どうしてやろうか・・・」

正面から要塞級が4体迫ってくる。 流石に、主脚走行であの触手を4本も避けるのは、ホネだな・・・
正直、打つ手を思いつかない。 だけど、不思議だ。 こう言う時って、過去を走馬灯のように思い出すって聞いた事が有るけど。
今考えているのは、どうやって目前の要塞級を葬ってやろうか、その事だけだ。

―――祥子の事も、翠華の事も、思い浮かばなかったな、そう言えば。
なんだ―――俺って、まだ死なないな、うん。

思わず自分の内心に苦笑する。 いや、笑いたくなる。 デビル? そうかもな、別の意味で。
そう思ったその時。 1体の要塞級が触手を繰り出してきた。

「―――くそっ! 動け! 動け! 動け!」

必死に機体を操作する。 
触手の未来位置を予測して。 最短で交わす機動を計算して。 ―――失敗した。

「ぐああああ!!!」

『おい!? 周防! どうした? やられたか!?』

アンディオン中尉。 ≪ダンディライオン≫の声が聞こえる。
ああ、くそ! 衝撃で頭がふらふらする。 ―――左腕を根こそぎ持っていかれた。

「くっ! 動け! 動けよっ、相棒! まだだ、まだBETAを殺れる! まだ死んじゃいないっ!!」

何とか機体を起き上がらせたその瞬間、また触手が繰り出されてきた。
咄嗟に最後の推進剤を使って、噴射跳躍をかける。 要塞級の頭部にぶつかりそうな機動で、右腕に保持したナイフをその頭部に突き立てる。
―――そして、そのまま落下してしまった。

「っつああ!! くそっ! まだだっ! まだ戦える!」

『周防! 楽しいなぁ、おい! 俺達の独断場だぜ!!』

「観客が居ないのが、残念!」


はっ! 正直、我ながら本当にクレイジーだ! 残ったナイフはあと1本! これで本当に打ち止め!

『―――って、ヤバい! 光線級が移動を始めやがった!!』

何!? 戦術MAPを確認する。 要塞級の後方に居たBETA群が、右方向から迂回を始めている。 畜生!!

「ダンディライオン! 今から光線級の排除を行う! 連中ならナイフでも何とかなる!
そっちは任す―――ッ! うわあああ!!」

『おい、どうした!? 周防! おい、≪クレイジー・デビル≫!!』


―――畜生・・・ 機体が動かない。 どうやら、背後に要塞級の触手が接触したか。 直撃じゃ無かったようだ。

目前に戦車級が集まって来た。 要塞級も再び動き出す。 くそっ。 未だ戦う気は十分なんだがな―――剣は全て、失ってしまった。
いや―――最後の一手は、まだ残しているが。


「悪い、祥子・・・ ここが墓場のようだ。 
翠華。 良い男、見つけろ。 ・・・有難うな」


戦車級と要塞級。 ふん、俺一人殺るのに、随分大仰な事だ。


『馬鹿野郎! 諦めるんじゃねぇ! 手前ぇ、諦めやがったら、死んでも許さねぇぞ!?』

―――おいおい、ダンディライオン。 この状況見て、モノ言ってくれよ・・・
それにアンタの機体も、既にへたばっているぞ。

『死ぬ間際まで。 いや、死んでも諦めんなよっ!! それが、俺達を信頼して送り出した、仲間への礼儀だ!!
俺達なら何とかしてくれるって、信頼してくれた仲間への礼儀だ!! それを無にするんじゃねぇ!!
―――例え、例え死ぬ事になっても! 最後まで心を! 折るんじゃねぇぞ!!』

―――そうか。 そう言う事か。

『エース』 そう呼ばれる者達の在り方。 戦果でも、技量でもない。 
どんな時にも真っ直ぐ、敢然と、死にさえ立ち向かう、その姿。 その絶対的な存在感。
それ故に。 仲間は鼓舞され、奮戦する。

―――どんな時にも、その姿を顧みる。
―――どんな戦況でも、その姿は屹立する。
―――どんな危地にも、その姿は立ち塞がる。

『エース』 その者は、戦果多数でも、技量優秀でも、そうは言わぬ。
『エース』 その者は、『導く者』なのだ。


―――ああ、俺はなりたい。 俺は目指したい。 その頂を。


BETAが迫る。 現実問題、それは叶わぬ夢かもしれない。 いや、夢だろう、今の状況では。
S-11の起爆スイッチ、そのブロックガードのロックを解除する。 コクピットに起爆警報アラームが響き渡る。
網膜スクリーンには『S-11 Detonation Warning』の警報ダイアログが表示される。

―――まだだ。 まだ早い・・・ 光線級が、真横を通った時。 それがタイミングだ・・・

戦車級が取り付きやがった。 機体を齧る嫌な音が聞こえる。
だが、もう直ぐだ。 もう直ぐ、貴様等まとめて、吹き飛ばしてやる。 冥途の道連れがBETA共じゃ、味気無いが。 我慢するか。

思わず、笑みが浮かぶ。 恐怖は無論あるが、それよりもどうやってBETA共を、光線級を巻き込んで吹き飛ばしてやるか。
それを考えると、思わず心が躍りやがるッ!

―――よし、もう直ぐ。 もう直ぐだ・・・


そのタイミングが近づいたその時。
目前の要塞級が弾け飛んだ。 一瞬遅れて、砲弾の高速飛来音!




『エスパーダ・リーダー! グラムBリード! 生きているかッ!? 
第331大隊第2中隊、≪ランツァ≫だっ! 支援に来た! ―――野郎どもに女郎ども! 2人を死なすなッ! いいかっ!!』

『『『『『 了解!! 』』』』』

目前のBETAが弾け飛ぶ。 その脇をF-5E「タイガーⅡ」が疾走していった。 Mk-57中隊支援砲を装備してる。

―――確か第331は・・・ 突撃級の阻止戦闘を、行っていたんじゃ無かったか?

妙に白けた気分で、そんな事を考えていた。


『・・・よう、≪クレイジー・デビル≫。 さっきの事は、お互い墓の中まで、持ち込むって事でよ・・・』

「ああ・・・ 同意するよ、≪ダンディライオン≫。 思い出すだけで、こっ恥ずかしくなる・・・」


ふと、未だ生きているスクリーンを見ると。 新たな戦術機部隊が急速接近してきている。
F-16Cと・・・ トーネードⅡだ。 双方とも、大隊規模。 本隊の御到着だ。


『レオン! 生きているな!? 返事をしろ! レオン!』
『レオン! 貴方、死んでたら承知しないから! 地獄まで叩きのめしに行くわよッ!?』

『生きているよ、ファドリケ。 喚くなよ・・・ それにノエル。 なんで地獄なんだよ。 俺様だって、出来れば天国には行きてぇや・・・』

ダンディライオン。 レオン・ガルシア・アンディオン中尉のそのボヤキは、妙に俺の笑いのツボを突いた。
コクピットの中で大笑いする。 駄目だ、止まらない・・・!


『周防中尉! 生きているか?』
『周防! まさか貴様、この程度でくたばる事は、許さんぞっ!』

ユーティライネン少佐に、アルトマイエル大尉か。

「・・・くくくっ は、はい、生きています、大隊長・・・ くはっ! ま、まさか。 くたばりや、しませんって、大尉・・・!」

駄目だ、笑いが止まらなくて、苦しいッ!!

『・・・お~~い、心配して駆けつけてみりゃ、大笑いかよ? ずいぶん余裕な奴だぜ、ホント・・・』
『ファビオ、言ったでしょ!? 直衛がこんな事で死にますかって! 
・・・ふん! こんな男、戦場で献身な戦死なんて。 そんな上等な死に方、する奴じゃないわよっ!!』

「はぁはぁ・・・ ファ、ファビオ、よう、お前も無事だったようだな・・・
ヴェロニカ。 お前、いつかお仕置きしてやるぞ?」

『なっ、なによっ!』


『直衛! 直衛!! 直衛!!! 無事!? 大丈夫!? 生きてる!? ねぇ、直衛!!』

『翠華、落ち着けよ。 泣くなって。 そこに転がっている、ボロボロのトーネードⅡの残骸。 
やっこさん、生きているようだぜ? しぶといね、まるでゴキブリ並みだな』

『ああ、くそ、生きていたか。 
周防がくたばったら、葬式である事無い事、心にも無い弔辞を言ってやるつもりだったんだけどなぁ・・・』

『ちょっと! 圭介! 直人! 冗談でも承知しないわよッ!?』

『はいはい・・・』 『くわばら、くわばら・・・』

翠華が取り乱している。 ミン・メイがなんとか宥めているが。

『・・・心配するな、翠華。 大丈夫だよ。 俺はまだ生きている。 心配掛けて済まん』

『・・・よかったぁ・・・ グスッ・・・ よかったぁ・・・』

『・・・それと。 おい、圭介、久賀・・・』

『何だ?』 『ん?』

『決めた。 絶対に手前ぇらより、後に死んでやる。 お前等が先にくたばったら、大笑いしてやるからなっ! 覚悟しとけ! 畜生めっ!!』

くそ。 圭介と久賀が大笑いしてやがる。 覚えておけ?
でもまぁ、こんな風に言い合える連中の方が、助かる。

周りは既に、掃討戦の最終段階に入っていた。
気が付けば、見慣れない戦術機部隊もいる。 ―――ああ、第193連隊か。 ようやくご到着したんだな。

大きく息をつく。 ―――ああ、本当に、疲れた・・・















1994年8月20日 北アフリカ モロッコ・スペイン自治州・リーフ州 テトゥアン基地医療エリア


「・・・うん。 完治したな。 腕の方は大丈夫だ」

軍医の診断結果は、良好のようだった。

「しかし、その右頬の傷痕。 疑似生体皮膚を移植すれば、完全に消せるが。 いいのか? 周防中尉」

「ええ。 大した傷痕でもありませんし。 疑似生体皮膚移植でまた、入院期間が延びるのは勘弁ですよ」

鏡に映る自分の顔を見る。
右頬、丁度こめかみの辺りから口の横辺りまで、薄くだが傷跡が残っている。
7月28日。 あの戦闘の後に救助された俺とアンディオン中尉は、そのままテトゥアンに移送された。 2人とも負傷していたからだ。

アンディオン中尉は、右足骨折と、左わき腹の肋骨2本の骨折、他打撲多数。
俺は、左腕の骨の単純骨折に、右顔面側部裂傷。 他に打撲多数。

今の医療技術じゃ、全治2週間コースか。 2人して、丁度いい休みだ、とばかりに惰眠を貪っていたが・・・ 3日で飽きた。
それからは、看護婦(いや、正確には看護科の女性下士官)の品定めをしたり。
見舞客の数を競って賭けをしたり。
兎に角、退屈だったのだ。

部隊の連中も、見舞いに来てくれた。

大隊長は、元々口数の少ない人だが。 一言「よくやった」 そう言ってくれた。
アルトマイエル大尉は、こっそりウィスキーを差し入れた後で、「私は、間違った選択をしなかったな」 そう言った。 これは嬉しかった。

オベール中尉と趙中尉は、2人連れ立って来てくれた。
おっさんが非常に羨ましがっていた。 何せ、部隊の2大美女だしな。 いっぺんに華が咲いたような感じだったなぁ・・・
しかし、何気に仲が良い。 この2人は。

ファビオが、ヴェロニカにミン・メイ、それに第3、第4小隊の連中を引きつれてやって来た時は。 
余りの騒がしさに、婦長(看護科の女性少佐殿)に、大変叱られたものだ。 全く。 

圭介に久賀が、翠華を連れてやって来た。
圭介は一言、「生存確認さ」と言って帰って行った。
久賀は、「お姫様の従者さ、今日は」そう言って、翠華を部屋に通すと、あっさり帰りやがった。
おっさんが気を利かして、「1時間、出てくるわ」 そう言って部屋を出て言った。 多分、喫煙エリアで与太でも飛ばしに行ったのだろう。
翠華はずっと、半泣きでグスついていた。 俺と言えば。 翠華をずっと、抱きしめてやっていた。 おっさんが帰ってくるまで。
(おかげでその後、散々冷やかされた)

最後に。 第2小隊の部下達―――ギュゼルとアリッサ、フローラも来てくれた。
アリッサは俺の顔を見るなり、ボロボロ泣きだした。 全く、手のかかる奴だ。 普段は呆れるくらい、元気なのにな。
フローラは、泣きだしたアリッサを見てオロオロするわ、俺の顔を見て、ホッとした表情をするわ。 もう少し、ヤンチャでも良いと思うんだけどね。
手の掛る妹と、弟みたいな気分だ。

ギュゼルは―――最初、えらく睨まれた。 兎に角、凄く怒っている事は判った。
まぁ、心当たりは有る。

「―――いや、済まん。 あんな形にした事は、謝る。 でも、最初からそのつもりだった」

「・・・だったら。 今度からは、最初から言って頂戴。 
私、凄く落ち込んだわ。 隊長にそんなに、信頼されていなかったのかって」

いや。 信頼しているよ。 信頼しているからこそ、後を託したかったんだ。

「・・・確かに、配慮が不足していた。 君には、要らぬ不安をさせてしまった、申し訳ない。
だけど、言っておくよ。 俺が部隊指揮を安心して行えるのは。 ギュゼル、君のサポートが有るからなんだ。
寧ろ、俺は君の信頼に応えれられているかどうか。 いつも自問している」

いずれ、彼女も小隊の指揮を執る日が来るだろう。
何時までも中尉の小隊先任を、部下にしていられるような幸運は続かない。
その為には。 俺は早く、本当に指揮官として、一人立ちしなければならない。

「はぁ・・・ いいわ。 今回は不問にしてあげる。 
でも、今度こんな事したら・・・ 指揮権、交替してやるんだから。 いいわね!?」

「了解」








ギュゼル達が帰った後。 病室でおっさんと二人、何する訳でなく、ベッドからボーっと外を見ていた。

「よう・・・ お前さん、判ったかい?」

「・・・ん?」

「あの時の事さ」

「・・・『エース』ってな、険しい道のりだねぇ・・・ まるで、茨の道だ」

「かははっ! だからこそよっ! だからこそ、目指す甲斐もあろうってもんだぜ?」

「そうだな。 これではっきりした。 俺は、目指してやるさ、その道の天辺をさ」

今はまだ、遥か彼方の頂上だ。 だけど、目指したい。 登りつめたい。



「はははっ、そうかい、そうかい! 判ったか! 
だからよ。 俺は、戦場に居続けるのよ。 皆と共になぁ!!」





―――レオン・ガルシア・アンディオン。 彼は確かに『エース』だった。

『ダンディライオン』―――アンダルシアの猛き獅子。




「上ってこいや、『クレイジー・デビル』 待っているぜ?」










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