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No.7779の一覧
[0] 【ネタ完結】Fate/stay night ~IF・緩い聖杯戦争~[熊雑草](2009/05/16 02:23)
[1] 第1話 月光の下の出会い①[熊雑草](2010/08/27 00:09)
[2] 第2話 月光の下の出会い②[熊雑草](2010/08/27 00:09)
[3] 第3話 月光の下の出会い③[熊雑草](2010/08/27 00:10)
[4] 第4話 月光の下の出会い④[熊雑草](2010/08/27 00:10)
[5] 第5話 土下座祭り①[熊雑草](2010/08/27 00:11)
[6] 第6話 土下座祭り②[熊雑草](2010/08/27 00:11)
[7] 第7話 赤い主従との遭遇①[熊雑草](2010/08/27 00:12)
[8] 第8話 赤い主従との遭遇②[熊雑草](2010/08/27 00:12)
[9] 第9話 赤い主従との遭遇③[熊雑草](2010/08/27 00:13)
[10] 第10話 後藤君の昼休みの物語[熊雑草](2010/08/27 00:13)
[11] 第11話 赤い主従との会話①[熊雑草](2010/08/27 00:14)
[12] 第12話 赤い主従との会話②[熊雑草](2010/08/27 00:14)
[13] 第13話 素人の聖杯戦争考察[熊雑草](2010/08/27 00:15)
[14] 第14話 後藤君の放課後の物語①[熊雑草](2010/08/27 00:15)
[15] 第15話 後藤君の放課後の物語②[熊雑草](2010/08/27 00:16)
[16] 第16話 後藤君の放課後の物語③[熊雑草](2010/08/27 00:16)
[17] 第17話 天地神明の理[熊雑草](2010/08/27 00:16)
[18] 第18話 サーヴァントとアルバイト①[熊雑草](2010/08/27 00:17)
[19] 第19話 サーヴァントとアルバイト②[熊雑草](2010/08/27 00:17)
[20] 第20話 サーヴァントとアルバイト③[熊雑草](2010/08/27 00:18)
[21] 第21話 帰宅後の閑談①[熊雑草](2010/08/27 00:18)
[22] 第22話 帰宅後の閑談②[熊雑草](2010/08/27 00:19)
[23] 第23話 帰宅後の閑談③[熊雑草](2010/08/27 00:19)
[24] 第24話 帰宅後の閑談④[熊雑草](2010/08/27 00:20)
[25] 第25話 深夜の戦い①[熊雑草](2010/08/27 00:20)
[26] 第26話 深夜の戦い②[熊雑草](2010/08/27 00:21)
[27] 第27話 アインツベルンとの協定①[熊雑草](2010/08/27 00:21)
[28] 第28話 アインツベルンとの協定②[熊雑草](2010/08/27 00:21)
[29] 第29話 アインツベルンとの協定③[熊雑草](2010/08/27 00:22)
[30] 第30話 結界対策会議①[熊雑草](2010/08/27 00:22)
[31] 第31話 結界対策会議②[熊雑草](2010/08/27 00:23)
[32] 第32話 結界対策会議③[熊雑草](2010/08/27 00:23)
[33] 第33話 結界対策会議④[熊雑草](2010/08/27 00:24)
[34] 第34話 学校の戦い・前夜[熊雑草](2010/08/27 00:24)
[35] 第35話 学校の戦い①[熊雑草](2010/08/27 00:24)
[36] 第36話 学校の戦い②[熊雑草](2010/08/27 00:25)
[37] 第37話 学校の戦い③[熊雑草](2010/08/27 00:25)
[38] 第38話 学校の戦い④[熊雑草](2010/08/27 00:26)
[39] 第39話 学校の戦い⑤[熊雑草](2010/08/27 00:26)
[40] 第40話 ライダーの願い[熊雑草](2010/08/27 00:26)
[41] 第41話 ライダーの戦い①[熊雑草](2010/08/27 00:27)
[42] 第42話 ライダーの戦い②[熊雑草](2010/08/27 00:27)
[43] 第43話 奪取、マキリの書物[熊雑草](2010/08/27 00:27)
[44] 第44話 姉と妹①[熊雑草](2010/08/27 00:28)
[45] 第45話 姉と妹②[熊雑草](2010/08/27 00:28)
[46] 第46話 サーヴァントとの検討会議[熊雑草](2010/08/27 00:29)
[47] 第47話 イリヤ誘拐[熊雑草](2010/08/27 00:29)
[48] 第48話 衛宮邸の団欒①[熊雑草](2010/08/27 00:30)
[49] 第49話 衛宮邸の団欒②[熊雑草](2010/08/27 00:30)
[50] 第50話 間桐の遺産①[熊雑草](2010/08/27 00:30)
[51] 第51話 間桐の遺産②[熊雑草](2010/08/27 00:31)
[52] 第52話 間桐の遺産③[熊雑草](2010/08/27 00:32)
[53] 第53話 間桐の遺産~番外編①~[熊雑草](2010/08/27 00:32)
[54] 第54話 間桐の遺産~番外編②~[熊雑草](2010/08/27 00:33)
[55] 第55話 間桐の遺産~番外編③~[熊雑草](2010/08/27 00:33)
[56] 第56話 間桐の遺産④[熊雑草](2010/08/27 00:33)
[57] 第57話 間桐の遺産⑤[熊雑草](2010/08/27 00:34)
[58] 第58話 間桐の遺産⑥[熊雑草](2010/08/27 00:34)
[59] 第59話 幕間Ⅰ①[熊雑草](2010/08/27 00:35)
[60] 第60話 幕間Ⅰ②[熊雑草](2010/08/27 00:35)
[61] 第61話 幕間Ⅰ③[熊雑草](2010/08/27 00:36)
[62] 第62話 キャスター勧誘[熊雑草](2010/08/27 00:36)
[63] 第63話 新たな可能性[熊雑草](2010/08/27 00:37)
[64] 第64話 女同士の内緒話[熊雑草](2010/08/27 00:37)
[65] 第65話 教会という名の魔城①[熊雑草](2010/08/27 00:37)
[66] 第66話 教会という名の魔城②[熊雑草](2010/08/27 00:38)
[67] 第67話 教会という名の魔城③[熊雑草](2010/08/27 00:38)
[68] 第68話 幕間Ⅱ①[熊雑草](2010/08/27 00:39)
[69] 第69話 幕間Ⅱ②[熊雑草](2010/08/27 00:39)
[70] 第70話 聖杯戦争終了[熊雑草](2010/08/27 00:39)
[71] 第71話 その後①[熊雑草](2010/08/27 00:40)
[72] 第72話 その後②[熊雑草](2010/08/27 00:40)
[73] 第73話 その後③[熊雑草](2010/08/27 00:41)
[74] 第74話 その後④[熊雑草](2010/08/27 00:41)
[75] 第75話 その後⑤[熊雑草](2010/08/27 00:42)
[76] 第76話 その後⑥[熊雑草](2010/08/27 00:42)
[77] あとがき・懺悔・本当の気持ち[熊雑草](2009/05/16 02:22)
[78] 修正あげだけでは、マナー違反の為に追加した話[熊雑草](2010/08/27 00:42)
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[7779] 第30話 結界対策会議①
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:9b88eec9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/08/27 00:22
 == Fate/stay night ~IF・緩い聖杯戦争~ ==



 習慣というのは恐ろしい。
 僅かな睡眠時間でも朝の気配によって目が覚める。


 「5時か……。
  起きなきゃ……。
  でも、なんで、こんなに早い時間に目が覚める習慣がついたんだ?
  ・
  ・
  ……藤ねえに朝飯作らせないためだ。」



  第30話 結界対策会議①



 生死に関わる食事のため、台所に向かう。
 向かう時には、制服に着替え鞄も持って行く。
 台所に着くと昨夜のクッキーを容器に移し、朝食と弁当の用意に入る。


 「弁当作らなきゃ、軽く体を動かすんだが……。
  そうだ、顔だけでも洗っとこう。」


 士郎は、流しで顔を洗う。


 「頭がハッキリして来た。
  セイバーって、甘党かな?
  クッキーの味付けで文句言われんのもなんだから、
  蜂蜜でも持参するか。」


 士郎は、忘れる前に鞄に蜂蜜を入れる。
 純日本風の朝食を作りながら、弁当のおかずも作る。
 衛宮邸には、朝食のいい匂いが立ち込め始めた。


 「おはようございます、シロウ。」

 「ん、おはよう。」

 「よく起きれましたね。」

 「習慣かな。」

 (悲しいな……。)


 士郎は、朝食をテーブルに運びながらテレビのスイッチを入れる。
 テレビのニュースでは、相変わらずのガス漏れ事故を伝えている。


 「そろそろ、藤ねえが来る頃かな?」


 言った側から勢いよく扉が開く音がする。
 足音は、元気よく近づき障子を開ける。


 「おっはよう! 士郎! ハマーンちゃん!」

 「おはようございます、大河。」

 「おはよう、藤ねえ。
  ちなみにハマーンじゃなくセイバーだ。」

 「ええっ!?
  名前が、また変わった!?」

 「ああ、それ俺のせい。
  苗字か名前か分からんのでハマーンになっていたが、
  セイバーと呼ぶのが正しいと判明した。」

 「え? そうなの?
  う~ん、少し混乱気味……。
  士郎もいい加減、英語に強くなって欲しいわね。
  お姉ちゃん、英語の教師なんだから。」

 「少しずつ対応するよ。」


 話を切り上げ、朝食を開始する。


 「「「いただきます。」」」

 「うん! 今日も美味しい!
  いや、いつもより2品ほど、おかずが多い。」

 「鋭いな。
  賞味期限の関係で多く作りました。」

 「理由は、兎も角。得した気分。」


 テーブルのおかずは、昨日、同様にかなりのペースでなくなっていく。


 (やっぱり、おかず増やして正解だな。)

 「そうだ。
  藤ねえにお願いがあるんだ。」

 「わたし? 何?」

 「セイバーの服の事なんだけど。」


 藤ねえは、セイバーの服を見る。


 「あ~! 士郎の服着てる!」

 「そうなんだ。
  深い事情があって着の身着のままで
  親父を訪ねて来てしまって、1着しかないんだ。」

 (また、嘘をでっちあげて……。)

 「でも、男物の服しかなくてさ。
  藤ねえに頼みたいんだ。」

 「なるほどね。
  わたしのお下がりでもいいかな?」

 「構いません。
  恩人の好意は、ありがたく受け取ります。」

 「や~ね~。
  そんな堅苦しい言葉で。」


 藤ねえは、士郎にそっと耳打ちする。


 「ひょっとして、良いとこのお嬢さん?」

 「多分、そうだ。
  来た時から、あの口調だ。」

 (『王様でした』とは言えんしな。)


 テーブルの上のおかずは姿を消し、士郎は、片付けを始める。


 「ごちそうさま。
  美味しかったよ、士郎。」

 「ご馳走様でした。
  シロウ、貴方の朝食は、私にとても良く合う。」

 「そう言って貰うと嬉しいよ。」


 朝食を食べ終わると藤ねえは、立ち上がり伸びをする。


 「さて。
  お姉ちゃん、先に出るね。」

 「ああ、いってらっしゃい。」

 「いってきま~す。」


 藤ねえは、士郎を置いて先に学校に向かう。


 「一緒に出ないのですか?」

 「藤ねえは、教師で部活の顧問もやってるから、
  朝練する生徒のために早く出るんだ。」

 「素晴らしい。
  教師の鑑ですね。」

 (まあ、その鑑を昨日、遅刻させちまったけどな。)


 士郎は、洗い物を終えて片付けを済ますと学校に行くための準備を行う。
 何だかんだで20分ほど掛けると学校に向かう。


 「さて、行くか。
  今日は、登校時間にぶつかるから、最初から霊体化してくれ。」

 「分かりました。」


 セイバーが、姿を消すとそこに服だけ残された。


 (めんどいな……。
  この片付け、毎回やるのか?)


 服をたたんで居間に置くと士郎は、天地神明の理を竹刀を入れる袋に入れ、数人分の弁当という大荷物を持って家を出た。


 …


 学校に着くとセイバーが、霊体化したまま声を掛ける。


 「シロウ、結界が強くなっています。」

 「そうなのか?
  直ぐに発動しそうなのか?」

 「まだ、猶予はありそうですが、
  数日というより、2、3日といった具合でしょうか?」

 「遠坂の呪刻破壊より、
  敵マスターの張り切り具合が勝っているという事か。」


 校門の前で突っ立ていると凛が登校して来る。
 そして、士郎を見つけると真っ直ぐ歩いて来る。


 「おはよう、遠坂。」

 「話があるから、お昼休みに屋上で。」


 それだけ言うと凛は、去って行った。


 「流石ですね。
  彼女も事態の急変に気付いている。」

 「ホント、俺は、蚊帳の外で何も出来んな。」


 士郎は、欠伸を一つすると教室に向かった。


 …


 「おはよう、後藤君。」

 「おはようでござる、衛宮殿。」

 「なんかえらく疲れた顔してるけど?」

 「昨日、ちょっと一騒動あって、疲れが抜け切れんのでござる。」

 「そうなんだ。俺も寝不足で。」

 (今朝見たテレビの宣伝に出ていた中年のような会話ですね……。)


 授業が始まると士郎と後藤君は、死んだ様に眠り続けた。
 しかし、授業の切り替わりの礼では、ゾンビの様にふらふらと立ち上がり条件反射で返事もする。


 (何なのでしょうか? この二人は?
  シロウは、兎も角……。
  ・
  ・
  類は、友を呼ぶ?)


 …


 4時限目の終了のチャイムが鳴ると士郎は、ムクリと起き上がる。


 「昼飯だ……。」

 (本当に寝続けるとは……。)


 士郎は、眠り続ける後藤君を突っつく。


 「授業、終わったよ。」

 「まだ、寝足りない……でござる。」

 「お昼は?」

 「購買行かずに寝るでござる。
  食欲より、体が休息を求めるのでござる。
  実は動くのも、かなりしんどい……でござる。」

 「体に良くないって……。
  そうだ、これ。
  昨日のお礼に弁当作って来た。」

 「ホントでござるか!?」


 士郎は、後藤君にお弁当を渡す。


 「ありがたいでござる。
  お腹は空いているんでござるが、体が言う事を聞いてくれんのでござる。」


 後藤君は、士郎の居る前で『いただきます』を言うと30秒で食べ終えた。


 「あ、新しい特技かな?」

 「生き返ったでござる。
  でも、もう少し食べたいでござる。」


 士郎が、後藤君の食べ終えたお弁当を片していると由紀香がそっと教室を覗く。


 「あ、後藤君。」

 「由紀香女史、どうなされた?」

 「あの……昨日は、ありがとう。
  お礼にお弁当作って来たの。」

 (なんか、邪魔しちゃ悪いな……。)


 士郎は、そっと教室を出た。


 「士郎でも気を利かすのですね。」

 「人の恋路に手を出す奴は、
  風雲再起に蹴られて死んじまえってね。」


 士郎は、大きな手荷物を持って職員室に向かった。


 …


 職員室では、昨日と同じ光景が繰り広げられていた。


 「藤村君っ! 君は、一体何を考えているのかね!?
  教師たるもの、生徒の見本となるべく遅刻など言語道断だ!」

 (校長先生~。
  昨日と一字一句違ってませんよ~。
  ・
  ・
  士郎ーっ! はやく~~~っ!)


 士郎は、昨日と同じタイミングで現れる。
 職員室では、時が戻ったのではないかと思われる事象が再現されていた。


 「校長先生、その辺で許してやってください。」

 「おお、衛宮君。
  しかし、だねえ……。」

 「お昼食べる時間がなくなっちゃいますよ。」

 (何でしょう? この嫌な既視感は……。)

 「今日は、趣向を変えてデザートにしてみました。」

 「そう来ましたか。
  私は、おかずが続くと思い、ご飯を大目に持って来てしまったよ。」

 ((校長……。))


 セイバーと藤ねえは、軽い頭痛を覚える。
 校長は、士郎からクッキーを受け取ると他の先生方と昼食を開始した。


 「藤ねえ……。
  この高校、大丈夫か?」

 「わたしも、自信持って頷けないわ。」


 士郎は、昨日同様に藤ねえにお弁当を渡す。


 「士郎、ありがとう。
  じゃあ、行って来るね!」


 藤ねえは、弓道場にスキップをしながら消えて行った。


 …


 士郎は、昼の予定の大半を片付けると凛の待つ屋上へ向かう。
 凛は、昨日同様に待たされ少しイラついていた。


 「遅い!」

 「急いだ方なんだけどな。
  なあ、今日は、弁当食べながらでいいだろ?」

 「そうね。
  とりあえずの敵じゃないし。」

 「そっか。
  じゃあ、俺のサーヴァント呼ぶな。」

 「は?
  衛宮君、見せたくないんじゃないの?」

 「あれは、もういい。」

 (ハマーンと呼ばす事が出来て、からかい終わったから。)

 「弁当は、大目に摘まみ易いのにしたから、アーチャーも呼べば?」

 「あなたって、本当にマイペースね。」


 凛が、手を軽く振って合図するとアーチャーが現れる。


 「じゃあ、俺も。
  ・
  ・
  出でよ! 俺の美少女戦士!」


 凛とアーチャーが、思わず吹き出す。


 (ミニスカートの子が『月に代わってなんとか……』って
  言うんじゃないでしょうね!?)

 (この馬鹿は、何を考えているんだ!?)


 一呼吸の間を置いて、掌で額を覆って頬を赤く染めながら、俯いてセイバーは現界する。


 (落ち込みながら登場するなんて……。
  本当に不憫だわ。
  衛宮君のサーヴァント。)


 セイバーは、額に手を置いたまま、反対の手で『ちょっと、待ってください』と凛達にお願いする。
 凛とアーチャーも『どうぞ』と合図を手で返す。

 セイバーは、士郎を睨むと一気に間を詰める。
 そして、士郎の前でダッキングすると強靭な脚力で地面を蹴り、士郎のボディにパンチを突き上げる。


 「ガ……ガゼルパンチ!?」


 セイバーは、中を舞う士郎の襟首を掴むとブンブンと縦に振りまくる。


 「シロウ!
  貴方って人は……!
  貴方って人は…!
  貴方って人は!」

 (デジャヴだわ……。
  昨日のアーチャーが、ここに居る。)


 サーヴァントが違うだけの既視感に頭を抑える凛。
 その光景を見ながら、昨日の事象を再燃させ自己嫌悪に陥るアーチャー。
 セイバーは掴んだ手を放し、肩で息をする。


 「シロウ!
  何か言う事は、ありませんか!?」


 セイバーは、士郎に謝罪を要求する。
 そして、士郎は思考する。


 (何を期待してんだ? コイツは?
  ・
  ・
  そうか!)

 「殴ったね!?
  親父にもボディブロー入れられた事ないのに!」

 (このセリフを言って貰いたいんだろう?)

 「そう言う事ではない!」

 (サーヴァントが、そんなセリフ知ってる訳ないでしょう。)

 (哀れだな……。
  そもそも、子供の躾けにボディブローを入れる親など居るか!)


 屋上は、数分で妙な空間に変わった。


 …


 緩んだ空気の修復は難しい。
 士郎達は、昼食を取りながら結界の事を相談し、気を入れ直す事にした。


 「さあ、食べてくれ。」

 「随分、作ったわね。
  わたし達と話す事を想定してたのかしら?」

 「想定してた。」


 意外そうな目で凛は、士郎を見つめる。


 (衛宮君も、一応、聖杯戦争してると認識はしているようね。
  少し安心したわ。)


 それぞれ、士郎の作ったお弁当を摘まみ口に運ぶ。


 「美味しい……。」

 「ええ。
  士郎の料理の腕は、卓越しています。」

 「まあまあ、だな。」


 士郎以外の三人は、三者三様で感想を述べる。


 「摘まみながらでいいから状況を教えてくれないか?
  魔力を感知出来ないから、昨日とどう変わったか分からん。」

 「アーチャーのマスター。
  魔術師の貴女の口から説明して頂けますか?」

 「分かったわ。
  それと、それだと呼び難いでしょ?
  名前で呼んで貰って構わないわよ。」

 「分かりました。
  では、アーチャーと同じ様にリンと呼ばせて貰います。
  私の事は……。」

 「ハマーンでいいのかしら?」


 凛は、手間を省いたつもりだが、セイバーは、激しく落ち込んでいる。


 「ど、どうしたの?」

 「その名前は、シロウの悪戯で付けられた偽名です。
  ……出来れば、クラスのセイバーと呼んで頂きたい。」

 「あ、そ……そう?
  分かったわ。セイバーね。」

 「…………。」

 「セイバー!?
  衛宮君! あなた、セイバーを呼び出したの!?」

 「いや、呼んでないって言ったじゃん。」

 「凛、時期から考えて恐らく最後に残ったクラスが……。」

 「セイバーだったのね。」

 「どうしたんだ?
  お前、セイバーが良かったのか?」

 「セイバーを呼び出そうとして失敗したのよ。
  まあ、アーチャーの強さは認めているから、不満はないんだけど。」

 「リン、話の続きを。」


 名前の呼び方の了解を確認すると凛は、話し始める。


 「まず、予定より早く、多くの呪刻が作られているわ。
  わたしも放課後、呪刻を探して破壊しているけど、
  敵のマスターのペースの方が早くて後手に回ってる。」

 「もう少し急いで多くの呪刻を壊す事は出来ませんか?」

 「それは、ちょっと……。」

 「我々も懸命に呪刻を探している。
  隠すより探す方に時間が掛かってしまうのは物の道理だ。」


 急かすセイバーにアーチャーは、凛のフォローをする。


 「しかし、このままでは……。」

 「気持ちは分かるけど、
  焦らせても結果は変わらないぞ、セイバー。」


 珍しく士郎が、セイバーをなだめる。


 「呪刻を破壊出来るのは遠坂だけなんだ。
  アーチャーの言った通り、
  時間が掛かってしまうのは仕方ない。」

 (何か、シロウらしくないというか……。)

 「だって……呪刻だぞ。」

 「「「?」」」

 「小僧、お前は、呪刻を知らないのではないか?」

 「そうよね。」

 「…………。」


 セイバーは、嫌な予感がした。


 「シロウ……。
  貴方は、呪刻をどのようなものと思っていますか?」


 凛とアーチャーは、呪刻を知っているから疑問符が顔に浮かぶ。
 セイバーは、士郎が、とてつもない勘違いをしていると予想する。


 「いや、俺のイメージなんだけど。
  呪刻を破壊するのって、とてつもなく大変だと思って……。
  違うのか?」

 「まあ、それなりに魔術の知識と魔力を使うけど……。
  とてつもなく大変って訳じゃないわよ。」

 「小僧、何を想像した?」

 「え~と、だな。
  呪刻って名前から、蜘蛛みたいのを。」

 「「「蜘蛛?」」」

 「まず、呪刻の巣を探すんだ。」

 「「「巣……。」」」


 この時点で三人の頭には、嫌な予感が渦巻く。


 「きっと……遠坂は、鋭い目で巣の気配を探すんだ。
  そして……。
  巣を見つけると、おもむろに亜空間に手を突っ込む……。」


 凛の気配が変わり、セイバーとアーチャーは危機感を感じる……修羅場への危機感を。


 「巣の中で這いずり回る呪刻を掴み取ると一気に引き抜く。
  『ずりゅうぅぅぅ』とか『ズシャアァァァ』とか言って、妙な粘液の糸を引きながら。」


 凛の気配で空間が歪むような錯覚がする。
 セイバーとアーチャーは、修羅場になる事を確信する。


 「『キィキィ』言いながら手の中で暴れ回る呪刻に冷たい視線を向ける遠坂。
  視線とは裏腹に遠坂の唇の端は吊り上がる。
  ・
  ・
  そして、強靭な握力で呪刻を……握り潰す!」


 プチッと何かが切れる音をセイバーとアーチャーは聞いた。


 「握り潰された呪刻は、体液を撒き散らしながら、
  徐々に動きを鈍らせ、やがて絶命する。
  ・
  ・
  そして、飛び散った体液が唇に付着すると
  遠坂は、体液を舐め取り……一言。」


 セイバーとアーチャーは、アイコンタクトでお弁当の端を掴み修羅場になるであろう場所から移動させる。


 「『美味しい……』と。」


 士郎が説明を終えると凛は、お弁当のあった場所へ踏み込み、間髪入れずに士郎の顔面へグーを炸裂させる。
 続いて魔力で強化した手で、士郎にアイアン・クローを仕掛ける。


 「わたしは、悪魔か魔女かっ!」

 「ちょっ! 痛い! 食い込んでるって、遠坂!」

 「当たり前よ! 食い込ませてるのよ!
  何で、わたしが蜘蛛握り潰して舐め取らなきゃいけないのよ!」

 「岸辺露伴だって、やってるじゃんか!」

 「誰よ! それは!」

 「兎に角、放せ!
  砕ける! 砕けるって!!」


 凛に掴まれギリギリと締め付ける痛みから、バタバタと暴れる士郎。
 もう、どうすればいいか分からないセイバーとアーチャー。


 「こら! セイバー!
  コイツを何とかしろ!
  俺のサーヴァントだろう!?」

 「何か、このままシロウが、リンにやられてもいい気がします。」

 「薄情者~~~っ!」


 セイバーは、溜息をつくとリンに話し掛ける。


 「リン。
  もう、その辺で……。」

 「怒りが治まらないわ!
  衛宮君……いえ!
  士郎には、少し痛い目を合わせるべきよ!」


 アーチャーは、修羅場を目の前に頭を抱える。


 (生前の凛は、対等と認めた者だけ名前で呼んでいたが……。
  まさか、こんな展開で……。
  『君』付けで呼ぶまでもないって事だろう……。
  本当にコイツは、私の可能性の一つなのだろうか?)


 セイバーの粘り強い説得で、凛は、士郎を解放する。


 「し、死ぬかと思った……。」

 「セイバーに感謝しなさい!
  あんたの命があるのは、セイバーのお陰なんだから!」

 「お前、この程度の事で人殺してたら、
  冬木から人が居なくなるぞ?」

 「わたしをここまで怒らせるのは、あんたぐらいよ!」

 「呪刻を知らないんだから、仕方ないじゃないか。」

 「まだ、言うか!」


 アーチャーが、凛を押さえつける。


 「凛、もういい。
  真面目に相手をすると話が進まない。」

 「そうです。
  時には諦める事も大事です。
  ・
  ・
  ……私は、この2日で身に染みました。」

 (そ、そうだったわね……。
  このサーヴァントは、2日間も……。)

 「…………。」


 沈黙する凛にセイバーは、励ますつもりで話し掛ける。


 「リン。
  1回1回、気にしてはいけません。
  とりあえず、その場で1回殴って終わらせるのです。」

 「いや、セイバー……。
  お前、そんな扱いしてたのか?」

 「1回で溜飲を少しずつ下げるようにすればいいのです。
  シロウは、続けて過ちを犯すので数回は殴れます。
  そうすれば、徐々に溜飲は下がります。」

 「セイバー、間違ってるぞ。」

 「…………。」

 (やっぱり、不憫だわ……。)

 (どんな主従関係なんだ……。
  それにその都度、再燃する怒りは決して下がらないと思うが。)


 人は、自分より不幸な人を見ると怒りが静まる事がある。
 不憫なセイバーに、凛の怒りは静まっていった。


 「はあ……。
  取り乱して、ごめんなさい。
  もう、大丈夫。」

 「全く、大人気ないんだから遠坂は。」

 「あんたが言うな!」


 凛は、士郎の顔面にグーを炸裂させる。


 「なるほど……これか。
  とりあえず、1回殴れば溜飲が下がるわね。」

 「いいパンチです。リン。」


 アーチャーは、溜息をつく。


 「結界について話を続けていいか?」

 「「あ。」」


 セイバーと凛は、アーチャーの声で話が途中である事を思い出す。


 「何処まで話したっけ?」


 凛は、アーチャーに質問する。


 「正直、話が始まって直ぐに脱線した。
  結界が強まっているので
  呪刻をどう対処するかというところだ。」

 「そうだったわね。
  呪刻を破壊するのはそれ程ではないにしても、
  探し出すのに時間が掛かってしまうの。」

 「単純に二手に別れたら、どうだ?」

 「敵のマスターが、サーヴァントと行動しているかもしれない以上、
  アーチャーとの別行動は出来ないわ。」

 「そうじゃなくて、俺と遠坂で別行動。
  俺は、無理でもセイバーは、感知出来るんじゃないか?」

 「なるほど……。」

 「魔術師じゃないから呪刻の破壊は無理でも、
  位置をメモるぐらい出来るから、後で遠坂が破壊してくれよ。」

 「あんたも、まともな会話出来るのね。」

 「失礼な。
  さっきのは、セイバーが質問したから、
  思った通り答えたまでだ。」

 (素直に答えて、あれか……嫌な想像するわね。
  その都度、きっちり説明して置く必要がありそうね。)


 凛は、密かに士郎の扱いに対する注意事項を胸に刻む。
 そして、昼食を再開する。


 「じゃあ、放課後、屋上で待ち合わせで、どうかしら?」

 「上から下に攻めるのか?」

 「そう。
  そして、反対の階段から真ん中に向かって調べて落ち合ったら、
  見つけた呪刻の位置を教えて。」

 「了解。」


 この時点でお弁当は、ほぼ空になっていた。
 凛は、ある疑問が浮かんだ。


 (気のせいかしら?
  セイバーが、一番食べていたような……。)


 凛の思考の途中で、士郎が声を掛ける。


 「質問していいか?」

 「何?」

 「まず、一つ目。
  俺達が呪刻を破壊して回って、2、3日の猶予から
  3、4日に増えたりするか?」

 「それは難しいわね。
  ただ、『明日、発動する』なんて事には、
  ならないようにするつもりではいるけど。」

 「なるほど、そうなると明後日以降に
  敵マスターと必ず接触だな。」


 士郎の言葉に全員が真剣になる。


 「もう、一つ。
  結界が発動したとして、俺達は動けるのか?
  溶解するって話だと結界が完成したらアウトだ。
  学校には近づけないぞ。」

 「魔術師なら結界張られても、暫くは動けるはずよ。」

 (魔力が溶解する身代わりにでもなるんだろうか?)

 「そうなると結界が発動した時点で、俺は役立たずだな。」

 「ええ、そうなるわね。」


 士郎は、考え込む。
 凛とアーチャーは、魔術師でもない士郎が、何を考えているのか疑問に思う。


 「出来れば、今日か明日にでも敵の情報が欲しいな。
  でも、それは無理だろう。
  遠坂が、魔力を検知出来る様に相手も出来るはずだ。
  結界を張って有利な敵が、リスクを負って姿を現す筈がない。
  敵マスターが動くのは、俺達が学校を去った後と考えるのが妥当だな。」

 (意外ね。
  思ったより、的を射た事を言っているわ。)

 「そうなると相手は、暗闇の中を徘徊する事になる。
  もしかしたら、普通のブービートラップなんかが威力を発揮するかもしれない。」

 「面白い考えだな。
  サーヴァントにダメージを与えられないにしても、
  マスターに一泡吹かせられるかもしれない。」


 アーチャーが、士郎の意見に乗っかる。


 「アーチャーは、罠を仕掛けた経験とかあるか?
  俺は、公園で落とし穴を作ったぐらいしかないんだが。」

 「少しは経験があるが、屋内となると余り経験がないな。」

 「じゃあ、没かな?」

 「何も物理的なものでなくても、
  魔術的なものを仕掛ければいいのではないですか?
  魔術師の工房に罠が仕掛けてあるのは定石です。
  リン、貴女の工房の罠で、
  短期間に設置出来るものを幾つか用意出来ませんか?」

 「そうねえ、殺傷能力が低くても良いのであれば……。
  余り高度なものだと逆に警戒されるし。」

 「だとしたら、呪刻を偏って破壊しないか?
  ある1箇所だけ極端に破壊されれば、気になって調べるはずだ。
  『なんで、ここだけ?』『結界に弱点でもあるのか?』って。
  そこは敵マスターが、必ず調べなければいけない場所になる。
  そこにトラップを仕掛けるんだ。」

 「それは、ダメよ。
  見つけた呪刻は、全て破壊しないと発動時期を早められかねない。
  敵と接触する準備期間が短くなってしまったら、作戦も立てられないわ。」

 「しかし、小僧の意見も一理ある。
  罠は結果的に一番多く呪刻を破壊出来た場所に設置すればよかろう。」

 「フフ……。」


 凛が、笑みを溢す。


 「意外だったわ。
  防戦一方になると思われたけど、
  一矢報いる事が出来そうだもの。」

 「では、放課後、呪刻を破壊しながら罠の設置。
  罠の用意は、リンに任せます。」

 「分かったわ。
  午後の授業中に考えて置くわ。」

 「後は、結界が発動した時の事を
  考えなければいけません。」


 士郎は、ここで空になったお弁当を仕舞い、デザートのクッキーを取り出す。


 「良ければ食べてくれ。」

 「デザートまで作ったの?」

 「それは、藤ねえの脱出用のアイテムの残りだ。」

 「分からないけど、あえて突っ込まないわ。
  また、脱線するから。」

 「そうしてくれ。
  後、人の甘味がどれぐらいか分からないから、
  甘党の人は、これを使ってくれ。」


 士郎は、蜂蜜を取り出す。
 セイバー、凛、アーチャーは、士郎に勧められて先に一口食べる。


 「わたしは、丁度いいぐらいだけど。」

 「私もです。」

 「別におかしな所はないようだが。」

 「そうか。」


 士郎も、クッキーを摘まむ。


 「実のところ、味見してなくてな。
  お前達が大丈夫って言うんなら心配ないな。」

 「「「!」」」

 「シロウ! 私達に毒見をさせたのですか!?」

 「結果的に言えば、そうなる。」

 「最低……。」

 「っ!」


 三人は、士郎を睨みつけるが、士郎は、無視して話を再開する。


 「で、結界が発動したら?」

 「シロウを真っ先に見捨てます。」

 「わたしも、そうする。」

 「私も、乗せて貰おう。」


 三人は、仕返しとばかりに息を合わせる。


 「ああ、それでいいんじゃないか。」

 「「「え?」」」

 「だって、発動したら時間との勝負だろ?
  俺を含めた学校の人間が溶ける前に
  倒さないといけないじゃないか。」

 「何か真面目に話してるのに
  わたし達が茶化したみたいになってるじゃない。」

 「自己嫌悪させるように嵌められたのか?」

 「シロウなら有り得ますね。
  一体、何処までが本気で何処からが偽りなのでしょうか?」


 士郎は、更に話を進める。


 「解決の鍵は、発動後の敵との接触だな。
  早期に接触しないと被害が広がる。」

 「うう……何かしっくりこないけど。
  真面目な話だから。コホン。
  この時ばかりは敵のサーヴァントも、姿を現すと思うわ。
  結界を操作しないといけないから。
  操作している間は、魔力を辿って発見出来るはずよ。」

 「マスターを追えない以上、敵サーヴァントの消滅が条件だな。
  問題はサーヴァントを倒しても、結界が消えなかったらってとこだな。」

 「どういう事?」

 「マスターを抑えれば、辞めさせろって脅迫して確実に止められるけどさ。
  サーヴァント倒しただけじゃ、結界が確実に止まるかどうか分からない。
  よく映画であるだろ?
  死に際に時限爆弾仕掛けて道連れにしようとするヤツ。
  あれと同じでサーヴァントが死んでも結界が動き続けたらって話。」

 「確かにサーヴァントを倒しても
  効力が消えるまで時間が掛かってしまっては……。」

 「…………。」


 最悪の事態を想像し、暫し沈黙した時間が流れる。


 「セイバー、その時は、宝具を使って結界に穴を開ける事出来ないかな?
  そして、学校の人間を外に運び出して欲しい。」

 「シロウ……分かりました。
  私は、貴方の剣です。
  貴方が望むなら力を貸します。」

 「まさか、士朗が、ここまでの覚悟だったとはね。
  ……仕方ない。
  その後のフォローは、わたし達が受け持つわ。」

 「フォロー?」

 「学校の人達の事後処理や監督役への連絡。
  宝具発動後は、セイバーの魔力は極端に落ちるはずだから、
  別のマスターが襲って来た時にアーチャーが助太刀する事よ。」

 「遠坂、お前っていい奴だな。」

 「は? これは交換条件みたいなもんよ!
  勘違いしないで!
  ・
  ・
  それにわたしだって、このマスターには頭に来てんだから。」


 凛は、フンとそっぽを向く。


 「しかし、貴様が茶々を入れなければ、
  綺麗に話しは纏まるというのに……。」

 「全くです。」

 「その通りだわ。」

 「じゃあ、放課後、屋上集合という事で。」


 昼休み終了の予鈴がなり、士郎達は、屋上を後にした。


 …


 帰りの階段で、セイバーが思い立った様に呟く。


 「しまった……。」

 「どうした?」

 「私の宝具は、威力が有り過ぎるので、
  結界に穴を開けた時、周りの民家が被害を受けてしまいます。」

 「今更……。」

 「どうしましょうか?」

 「あれだけカッコイイ事言った手前、訂正出来ないな……。
  仕方ない……。
  宝具を使わない方向で頑張ろう。」

 「失敗出来ませんね。」


 士郎は、溜息をつくと教室へと向かった。


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