<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

とらハSS投稿掲示板


[広告]


No.8085の一覧
[0] リリカル・とらいあんぐる転生日記  【完結しました】[satuki](2009/11/06 10:47)
[1] リリカル・とらいあんぐる転生日記 00[satuki](2009/06/19 17:02)
[2] リリカル・とらいあんぐる転生日記 01[satuki](2009/06/19 17:02)
[3] リリカル・とらいあんぐる転生日記 02[satuki](2009/06/19 17:02)
[4] リリカル・とらいあんぐる転生日記 03[satuki](2009/06/19 17:02)
[5] リリカル・とらいあんぐる転生日記 04[satuki](2009/06/19 17:02)
[6] リリカル・とらいあんぐる転生日記 05[satuki](2009/06/19 17:02)
[7] リリカル・とらいあんぐる転生日記 06[satuki](2009/06/19 17:03)
[8] リリカル・とらいあんぐる転生日記 07[satuki](2009/06/19 17:03)
[9] リリカル・とらいあんぐる転生日記 08[satuki](2009/06/19 17:03)
[10] リリカル・とらいあんぐる転生日記 09[satuki](2009/06/19 17:01)
[11] リリカル・とらいあんぐる転生日記 10[satuki](2009/06/19 17:01)
[12] リリカル・とらいあんぐる転生日記 11[satuki](2009/06/19 17:01)
[13] リリカル・とらいあんぐる転生日記 12[satuki](2009/06/19 17:01)
[14] リリカル・とらいあんぐる転生日記 13[satuki](2009/06/19 17:01)
[15] リリカル・とらいあんぐる転生日記 14[satuki](2009/06/19 17:00)
[16] 元ネタ帳(00~14)[satuki](2009/04/30 21:34)
[17] リリカル・とらいあんぐる転生日記 15【前編】[satuki](2009/06/19 00:04)
[18] リリカル・とらいあんぐる転生日記 16【後編】[satuki](2009/06/19 00:04)
[19] リリカル・とらいあんぐる転生日記 17[satuki](2009/06/19 00:04)
[20] リリカル・とらいあんぐる転生日記 18[satuki](2009/06/19 00:03)
[21] リリカル・とらいあんぐる転生日記 19[satuki](2009/06/19 00:03)
[22] リリカル・とらいあんぐる転生日記 20[satuki](2009/06/19 00:03)
[23] リリカル・とらいあんぐる転生日記 21[satuki](2009/06/19 00:02)
[24] リリカル・とらいあんぐる転生日記 22[satuki](2009/06/19 00:02)
[25] リリカル・とらいあんぐる転生日記 23[satuki](2009/06/19 00:02)
[26] リリカル・とらいあんぐる転生日記 24[satuki](2009/06/19 00:01)
[27] リリカル・とらいあんぐる転生日記 25[satuki](2009/06/19 00:01)
[28] リリカル・とらいあんぐる転生日記 26[satuki](2009/06/19 00:01)
[29] リリカル・とらいあんぐる転生日記 27[satuki](2009/06/19 00:01)
[30] リリカル・とらいあんぐる転生日記 28[satuki](2009/06/19 00:00)
[31] リリカル・とらいあんぐる転生日記 29[satuki](2009/06/19 00:00)
[32] リリカル・とらいあんぐる転生日記 30[satuki](2009/06/19 00:00)
[33] リリカル・とらいあんぐる転生日記 31[satuki](2009/06/19 00:00)
[34] リリカル・とらいあんぐる転生日記 32【注:糖分過多】[satuki](2009/06/18 23:59)
[35] リリカル・とらいあんぐる転生日記 33[satuki](2009/06/18 23:59)
[36] リリカル・とらいあんぐる転生日記 34[satuki](2009/06/18 23:59)
[37] リリカル・とらいあんぐる転生日記 35[satuki](2009/06/18 23:59)
[38] リリカル・とらいあんぐる転生日記 36[satuki](2009/06/18 23:59)
[39] リリカル・とらいあんぐる転生日記 37[satuki](2009/06/18 23:58)
[40] リリカル・とらいあんぐる転生日記 38【少年編】[satuki](2009/06/18 23:58)
[41] リリカル・とらいあんぐる転生日記 39【歯車戦士編】[satuki](2009/06/18 23:58)
[42] リリカル・とらいあんぐる転生日記 40【大将と愉快な仲間たち①】(分割しました)[satuki](2009/06/18 23:58)
[43] リリカル・とらいあんぐる転生日記 41【大将と愉快な仲間たち②】(分割しました)[satuki](2009/06/18 23:58)
[44] リリカル・とらいあんぐる転生日記 42【歪んだ物語・その修正方法】[satuki](2009/06/18 23:57)
[45] 【オヤジ】狩り[satuki](2009/06/05 17:07)
[46] 【オヤジ】狩り-01  【続いた。続いてしまった】[satuki](2009/05/18 23:29)
[47] 【オヤジ】狩り-02  【また続いてしまった】[satuki](2009/05/26 20:02)
[48] 【オヤジ】狩り-03  【またまた、続いてしまった……】[satuki](2009/06/02 01:26)
[49] 【オヤジ】狩り-04  【狩るべきオヤジは、まだまだ存在するのだ!!】[satuki](2009/06/07 19:31)
[50] 【オヤジ】狩り-05  【アンリミティッド・オヤジワークス……ソレは地獄絵図でしかないな……?】[satuki](2009/06/29 21:16)
[51] 【オヤジ】狩り-06  【覇王少女のファンには、彼女が女神に見えるらしい……視力検査したら?】[satuki](2009/06/09 18:10)
[52] 【オヤジ】狩り-07  【イロモノはイロモノを呼ぶ…………奇跡の開幕!?】[satuki](2009/06/11 20:03)
[53] 【オヤジ】狩り-08  【奇跡は続く!?遅れてきた漢……!!】[satuki](2009/06/18 23:39)
[54] 【オヤジ】狩り-09  【漢女と乙女……オトメ同士の決闘!】[satuki](2009/06/19 17:00)
[55] 【オヤジ】狩り-10  【死亡フラグをブチ折ったモノ……!】[satuki](2009/06/20 00:19)
[56] 妖精00 【良く考えたら、コレが全ての始まりなのかもしれないなぁ……?】[satuki](2009/06/05 16:52)
[57] 妖精01 【妖精爆弾……じゃなかった。爆誕!!】[satuki](2009/06/05 16:52)
[58] 妖精02 【やって来たのは運命にかぶれたロリジャイと、その家族】[satuki](2009/06/05 16:53)
[59] 妖精03 【蝶人になった日】[satuki](2009/06/07 19:32)
[60] 妖精04 【淫獣殲滅作戦――全ては清い【なのちゃん】のために】[satuki](2009/06/10 00:10)
[61] 妖精05 【遠足。それは至上最強の闘い!?】[satuki](2009/06/20 00:20)
[62] 妖精06 【掟破り!?……覇王の蘇る日!】[satuki](2009/06/27 20:12)
[63] 真・転生日記【オヤジ】風味 ――『妖精は覇王の夢を見る!』 01[satuki](2009/06/29 21:17)
[64] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 02  【復活したイレギュラー】[satuki](2009/06/29 21:25)
[65] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 03  【お約束は突然に】[satuki](2009/07/03 18:58)
[66] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 04  【突撃、となりの小学校!?】[satuki](2009/07/12 18:30)
[67] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 05  【誕生!?養護教諭プレシあ!?】[satuki](2009/07/14 20:13)
[68] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 06  【予定とは、乱される為にあるのだ!】[satuki](2009/07/16 21:43)
[69] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 07  【イレギュラー戦隊、参る!!】[satuki](2009/07/24 16:48)
[70] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 08  【仮面対仮面(オマケ付き)】[satuki](2009/07/27 16:53)
[71] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 09  【隣の市は危険がいっぱい!?】[satuki](2009/07/31 21:08)
[72] デザイア!?[satuki](2009/08/02 16:08)
[73] リリカル・とらいあんぐる転生日記 43【本筋は、忘れた頃にやって来る】[satuki](2009/08/04 23:55)
[74] デザイア!? 02[satuki](2009/09/04 19:03)
[75] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 10  【近付いてくる真相!?】[satuki](2009/09/04 19:04)
[76] デザイア!? 03 【女(装)王、誕生】[satuki](2009/09/07 02:14)
[77] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 11  【混沌の始まり】[satuki](2009/09/13 12:20)
[78] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 12  【長い伏線(その一)】[satuki](2009/09/18 00:37)
[79] リリカル・とらいあんぐる転生日記 44【長い伏線(そのニ)】[satuki](2009/09/19 19:34)
[80] リリカル・とらいあんぐる転生日記 45【アインヘリアル?何それ、美味しいの?】[satuki](2009/09/25 21:50)
[81] リリカル・とらいあんぐる転生日記 46【少しだけ本気を出した。後悔はしている】[satuki](2009/09/27 21:52)
[82] リリカル・とらいあんぐる転生日記 47【もう少し本気を出してみた。さらに後悔している】[satuki](2009/10/02 21:46)
[83] リリカル・とらいあんぐる転生日記 48【ついに登場、最高評議会!?】[satuki](2009/10/09 11:11)
[84] リリカル・とらいあんぐる転生日記 49【三人目は…・・・グハッ!?】[satuki](2009/10/11 22:41)
[85] リリカル・とらいあんぐる転生日記 50【歯車戦士、愛の決闘】[satuki](2009/10/16 18:38)
[86] リリカル・とらいあんぐる転生日記 51【人生は闘いだ!!】[satuki](2009/10/17 21:59)
[87] リリカル・とらいあんぐる転生日記 52【魔神の生まれちゃった日】[satuki](2009/10/22 22:08)
[88] リリカル・とらいあんぐる転生日記 53【アニキ+ナイスミドル=???】[satuki](2009/10/27 16:33)
[89] リリカル・とらいあんぐる転生日記 54【変形する揺り籠!?至上最悪の悪魔の登場!!】[satuki](2009/11/06 10:46)
[90] リリカル・とらいあんぐる転生日記 55【ラスト・ラストをキミに……】[satuki](2009/11/06 10:47)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[8085] リリカル・とらいあんぐる転生日記 37
Name: satuki◆b147bc52 ID:e8e44021 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/18 23:58


 前回のあらすじ:ミルク砂糖緑茶の脅威は、キャプテンベラボーによって阻止された。ありがとう、キャプテンベラボー!



 フェイトそんはあの後、開き直っておチビ二人とお出かけに。
 現在彼女らは、デパートで昼食を済ませた後の……【花摘み】タイム。
 古来より男子はすぐに終了し、女子は何倍も掛かる。

 身体の造りやその施設の個数などが違うため、ソレは仕方の無いこと。
 更に言うと、その差は利用する人数に比例して大きくなり、結果として男子は相当待たされることもあるのだ。
 今日はその大当たりの日で、エリオ少年は今【スーパー手持ち無沙汰タイム】なのである。

「(…………今日は混んでるなぁ……)」

 律儀にも、直立不動で待ち続ける少年。
 彼の前を様々な人々が通り過ぎ、することのないエリオは、ソレを目で追うようになっていた。
 老若男女。本当に色々な人種が歩いているのを目の当たりにし、その中に不思議なモノを見かける。

 デパートの中の一つの店舗。
 所謂アンティークショップと呼ばれるソレ。
 そのショーウィンドゥの前に座り込んで、ずっと眺めている少女が一人。

 紫色の長髪に、ボロボロのマント。
 凡そ、デパートのような所へ来るような格好ではない。
 だが彼女は静かにソコに居た。

 見たところ、エリオと同い年くらい。
 特にすることもなく、そしてその【変わった】少女のことが気になった少年は、勇気を出して話しかけた。
 何を見ているの、と。

「…………」

 初対面なのに、馴れ馴れしく話しかけてくる少年。
 ソレは少女から見たら、ただのナンパ男くらいにしか見えない。
 そう思って最初は無視を決め込んでいたが、少年のあまりの落ち込みように、仕方なく答える。

「…………アレ」
「アレって…………あの【蝶々】の仮面、のこと……?」
「…………そう」

 少女の指し示す先には、一つの工芸品があった。
 いや。ソレはもう、美術品と言い換えた方が良いかもしれない。
 豪華な装飾を施されたその仮面は、まさしく華麗な蝶々だった。

 黒地に赤紫の紋様。
 綺麗というよりは、妖しさを含んだ美しさ。
 少年は、自分が思った感想を素直に口にした。

「……何ていうか…………スゴク【オシャレ】な仮面だね……?」
「……!!そう、思う…………?」
「うん。何かカッコ良い気がするんだ…………」
「…………そう」

 殆ど表情が変化しない少女だったが、その仮面を褒められた時は、感情が大きく動いた。
 ソレは喜びを含んだ瞳。
 エリオはソレを見た瞬間、心臓を鷲掴みされたような錯覚に陥った。

「(な、今のは一体…………?)」

 自分でも良く分からない感覚。
 少年はソレを振り払うように、別のことを考えるようにする。
 ふと目に留まったのは、オシャレ仮面の値札。

 芸術品故にある程度は高いが、ソレでも所持金で買えるほど。
 六課に来てからの給料が丸々手付かずの身であるため、少年の財布は軽くはなかった。
 隣の少女を見る。まだ仮面をジッと見続けている。

 その熱心さは、またも少年の心を掴んで離さない。
 逡巡。
 そして出た結論を持って、エリオは店内に入っていった。

 少年から少女に渡される紙袋。
 その中には硬い箱が入っており、更に中には…………先程の【蝶々】の姿が。
 受け取れないと言う少女。だったら話し相手になってよ、と言う少年。

 暫く物欲とプライドの間を行ったり来たりしていた少女だったが、最終的には陥落。
 互いの自己紹介から始まり、少女は旅の目的を話す。
 彼女の目的は、眠り続けている母親を起こすための、アイテム探し。

 治癒力や魔力の高いモノを探し続けているという少女の話に、エリオは感心するばかり。
 自分もフェイトがそうなったら、キャロと共にアイテム探しをするかもしれない。
 そう思いながら話を聞いていると、徐々に真剣になっていることに気付く。

 そして同時に、もの凄い視線を感じてその先を見る。するとソコに居たのは…………金とピンクの夜叉だった。






















 やぁやぁ。
 何か最近、トンと忘れられているような気がする。
 ……でも気にしない。

 影の薄さは今更なコト。
 オヤジーズが居る時点で、アイツら以上に濃くはなれないのだ。
 だから気にしてなんかやらない。

 ともかく現状を分析しよう。
 フェイトそんの介入があったものの、【機動六課の休日】は進行中。
 ポンコツ執務官と分かれた後のボクは、その足で陸士一○八部隊に来ています。

 久々に会うゲンヤは、以前と全く変わらず。
 今日はギンガがトラック横転事故の調査中に、生体ポッドの残骸を発見したらしい。
 いよいよヴィヴィっ子が登場する模様。

 だが原作と一つ異なる点があり、レリックのケースが【三つ】あるようだ。
 その一つは既にエリオたちが、幼女と共に確保。
 残りの二つを現在捜索中。コレが今起こっているコトだ。

「…………行くぞ」
「オイオイ。部隊長がそんなにカンタンに、動くなよ……?」

 硬い表情に想いを籠め、スッと立ち上がるゲンヤ。
 その手に握られているのは、クイントと色違いのデバイス――――その待機状態。
 完全に覚悟完了といった状態だ。

「……オレの予想通りなら、今回は【アイツ】らが出てくる……」

 【アイツ】。
 ソレは、ゲンヤがずっと追い続けている存在。
 ソイツを取り戻すために、彼はずっと極秘裏に動き続けていた。

「…………ギンガや、スバル。ソレに六課の面子には、【アイツ】の相手は難しい。だから自分が行く、と……?」

 アイツ――――即ち【桜花】と名乗るクイント。
 S・Aを極めしモノである彼女は、不完全な娘たちの手に負える存在ではない。
 ソレは他の隊員でも同じこと。

 彼女に対抗出来る存在は、恐らく【提督ズ】とゲンヤだけ。
 カリムは戦闘型ではないし、リンディの実力は不明だ。
 となると、ボクも含めた野郎隊。ソレしか【桜花】には対抗出来ないのだ。

「……ソレもある。だが…………」
「……?だが、何だい……?」

 力を込めた握り拳。
 ソレを顔の前まで持ってくると、ゲンヤはクワッと目を見開く。
 ソコには、尋常ならざる決意が籠もっていた。

「自分の嫁を迎えに行く。ソレをするのは、夫の務めだ…………!」

 熱い。
 何か背景に、噴火中の山が見えるような気がする。
 身体から薄っすらと、光らしきモノまで出てくる始末。…………今更だけど、何か番組ちがくない……?

「……しゃーない。ボクもお手伝いしましょう。ゲンヤにもしもがあったら、娘たちに恨まれそうだしねぇ……?」
「…………悪いな。今度何か奢るからよぉ……?」

 若干おどけて言うゲンヤ。
 いつもの調子が、戻ってきたみたいだ。
 熱くなり過ぎるのもいけないから、コレぐらいが丁度良い。

「要らない。お礼が欲しくて行くワケじゃないし、ね……?」
「そうか。だったら、ウチのギンガかスバルを…………」
「大却下。ゲンヤさ、少しでも食費の負担を減らそうとしてないか……?」

 あ。脂汗をかいてる。
 ナカジマ家のエンゲル係数は、平均の十倍以上。
 いや。以上って言うより、【異常】の方が正しいだろうな。

 彼は嫁と娘には滅法甘いけど、ソレと同時に娘たちの今後も大層気にしているのだ。
 食欲魔人で、スーパー格闘少女な二人。
 嫁に行って欲しくない反面、はやく孫の顔も見たい。

 そのジレンマを解消出来そうな人間は、残念なことに少ない。
 そして何故か彼の中では、ボクがその一人としてカウントされているらしい。
 そう考えている反面、仮にボクがそうなったらなったで、クイント・レジアスと共に決闘を挑んでくるつもり。

 ……矛盾と思うこと無かれ。
 男親とは大概、矛盾を内包した存在なのだよ。
 だからと言って、ソレに付き合ってやる義理はないのだがね……?






 ゲンヤと移動中に、六課の状況を確認する。
 そのあたりは人工衛星という目を装備した、カリムがやってくれている。
 こういう時用に提督ズには人工衛星の操作を教えたのに、先の彼女のような使い方は想定外だ。

 ……もう少し、運用形態を考えた方が良いかもしれないな。
 そんなバカなことを考えつつ、入ってきた情報を整理する。
 六課新人組は地下に潜り、隊長陣はお空へ。

 大量のガジェットⅡ型を掃討するために、はやてが限定解除して現場へ到着。
 ロングアーチのサポートを得て広域攻撃。
 その際、コレまでの鬱憤を晴らすかのように激しく攻撃し、とても【良い】カオだったらしい。

「あははは!見てみぃ、ガジェットがゴミのようや…………!!」

 表情と言い台詞と言い、コレではどちらが悪役か分からん。
 そんなイメージを払拭するように、フェイトが天使のコスプレ……のような衣装でオンステージ。
 「ウェェェェイト!!」とか言ってるトコロを見ると、またメルに乗っ取られた模様。

 そんな二人に苦労しつつ、何とかガジェットを仕留めていくなのは。
 ……おかしいなぁ。逆の光景ならすぐに想像出来るのだが、この光景は予想出来んかった。
 ハッチャケ狸&狐(原形のキャラからイメージ拝借)と、レベル不足の飼い主。

 その手に持つのが物騒なデバイスでなければ、どう見てもほのぼの風景だ。
 でも悲しいかな、ココは戦場。
 つまり敵さんの真打ちが登場、というワケだ。

 ナンバーズ。
 そのⅢ・Ⅳ・Ⅹを従えて、あの狂気の科学者が降り立った。
 いつもと変わらぬ不敵な笑み。だがいつもと違う、白いスーツ。

 【Ⅰ】と刻印されたメダル。それを手の甲に着けた黒いグローブを両手に填め、ネクタイではなくスカーフが襟元を飾る。
 普段はしていない眼鏡を着用し、ソコには王者の風格があった。
 はやてにトーレ、フェイトにディエチ。そしてなのはにクアットロを当てると、彼はその場で観戦モードに移行する。

 速さに速さをぶつけるのではなく、速さには大砲。
 拡散砲にはスピード。さらに固定砲台には幻術をぶつける。
 相手の長所と同じモノで対抗するのではなく、異なったタイプ同士の戦闘。

 ソレが彼が選んだ戦術であり、コレならカンタンにはやられないだろう。
 敵ながら天晴れだ。良く考えてると思う。
 その褒め言葉が聞こえたのか、スカリエッティはカメラ目線で宣言してきた。

「……聞いているのだろう、ダイノーズの諸君……?御覧の通り、今回は個人戦だ。よって私は、レジア…………もとい、キャプテンベラボーとの決闘を所望する!!」
『…………!?』

 明らかにコチラのカメラの位置を把握した宣言。
 挑発とすぐに分かる、ヤツの態度。
 だが解せない。アイツ程の頭脳の持ち主なら、コチラがそうカンタンには応じないということも、分かっているハズなのに……。

「……どうした?今ココで私を倒せば、君の【親友】を助けることだって、出来るのだよ…………?」

 そうか。そう言われたら、出て行くしかないよな。
 レジアスという【大将】がご指名なら無理だが、相手がご所望なのは【キャプテンベラボー】。
 敵さんながら、コチラの憂いを断ってくれるとは…………何て【悪役】なんだよ……?
 
『…………シズカ。聞こえているか……?』
「……あいよ。行くんだろ?気を付けてな。あと、お土産を忘れるなよ……?」
『…………あぁ。楽しみにしていろよ……?』

 決意を胸に。
 ゲンヤと同様、レジアスも探し続けている人物のため、闘いに赴く。
 その相手は敵の総大将。どう考えても、一波乱あることは間違いない。

 だがアイツなら。
 向こうさんの思惑なんぞ、鉄拳一つで粉砕してくれる。
 そんな期待があることも確かだ。

「……行こう。レジアスにはレジアスの戦場があるように、ゲンヤにはゲンヤの戦場あるんだ……」
「…………おう。ところで、頼んであったヤツは、もう出来てるか……?」

 ボクはバッグの中から、黒いカタマリを取り出す。
 ソレは太目のグリップのようであり、小型の端末にも見える。
 中心部のやや上に金のサークルがあり、その中には液晶ディスプレイの姿が。

 サークルがダイヤルのように回るのを確認すると、ソレをゲンヤに手渡した。
 ソレはゲンヤ・クイントのリボルバーナックル用の、追加武装。
 中には数種類のデータが入っており、ソレらは心強い武器となる。

「今使えるのは、黒いウィップだけ。どうせ撃てるのは一発分のエネルギーしかないんだ。ソレでガンバってちょうだいな……?」
「……ありがとよ。コレなら、魔法が使えない分をカバー出来そうだぜ……」

 クイントとゲンヤの差。
 力はゲンヤ。スピードはクイント。
 それぞれに得意分野があり、ソレ以外は大体同じ。

 だがクイントにはもう一つ。もう一つだけアドバンテージがある。
 その一つがとても大きな壁であり、ゲンヤの行く手を立ち塞ぐモノでもあるのだ。
 ソレは【魔法】。

 ウイングロードやリボルバーシュートなど、戦局を一変するような有利なカード。
 コレの差を無くすために、ゲンヤはボクに新たな武装の依頼をしてきた。
 ソレが腕部や脚部に取り付ける、追加武装。上手く使いこなせれば、魔法の差を縮めることが出来るだろう。

 地上ではレジアスが到着し、地下ではギンガが新人たちと合流した。
 このままのペースで走っていけば、新人VSガリュー・ルーテシアの開始直後には着くと思う。
 レリックの数が一つ多い。ソレだけが気がかりだが…………とにかく今のボクたちは、走ることしか出来なかった。












 あとがき

 >誤字訂正

 ななんさん。ご指摘頂き、ありがとうございました!


 >大将日記とオーリスちゃん。

 現在色々と迷走中なので、今回はなしで。
 次回以降も、良いネタがある時限定にするかも……。
 




前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.042162895202637