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No.8085の一覧
[0] リリカル・とらいあんぐる転生日記  【完結しました】[satuki](2009/11/06 10:47)
[1] リリカル・とらいあんぐる転生日記 00[satuki](2009/06/19 17:02)
[2] リリカル・とらいあんぐる転生日記 01[satuki](2009/06/19 17:02)
[3] リリカル・とらいあんぐる転生日記 02[satuki](2009/06/19 17:02)
[4] リリカル・とらいあんぐる転生日記 03[satuki](2009/06/19 17:02)
[5] リリカル・とらいあんぐる転生日記 04[satuki](2009/06/19 17:02)
[6] リリカル・とらいあんぐる転生日記 05[satuki](2009/06/19 17:02)
[7] リリカル・とらいあんぐる転生日記 06[satuki](2009/06/19 17:03)
[8] リリカル・とらいあんぐる転生日記 07[satuki](2009/06/19 17:03)
[9] リリカル・とらいあんぐる転生日記 08[satuki](2009/06/19 17:03)
[10] リリカル・とらいあんぐる転生日記 09[satuki](2009/06/19 17:01)
[11] リリカル・とらいあんぐる転生日記 10[satuki](2009/06/19 17:01)
[12] リリカル・とらいあんぐる転生日記 11[satuki](2009/06/19 17:01)
[13] リリカル・とらいあんぐる転生日記 12[satuki](2009/06/19 17:01)
[14] リリカル・とらいあんぐる転生日記 13[satuki](2009/06/19 17:01)
[15] リリカル・とらいあんぐる転生日記 14[satuki](2009/06/19 17:00)
[16] 元ネタ帳(00~14)[satuki](2009/04/30 21:34)
[17] リリカル・とらいあんぐる転生日記 15【前編】[satuki](2009/06/19 00:04)
[18] リリカル・とらいあんぐる転生日記 16【後編】[satuki](2009/06/19 00:04)
[19] リリカル・とらいあんぐる転生日記 17[satuki](2009/06/19 00:04)
[20] リリカル・とらいあんぐる転生日記 18[satuki](2009/06/19 00:03)
[21] リリカル・とらいあんぐる転生日記 19[satuki](2009/06/19 00:03)
[22] リリカル・とらいあんぐる転生日記 20[satuki](2009/06/19 00:03)
[23] リリカル・とらいあんぐる転生日記 21[satuki](2009/06/19 00:02)
[24] リリカル・とらいあんぐる転生日記 22[satuki](2009/06/19 00:02)
[25] リリカル・とらいあんぐる転生日記 23[satuki](2009/06/19 00:02)
[26] リリカル・とらいあんぐる転生日記 24[satuki](2009/06/19 00:01)
[27] リリカル・とらいあんぐる転生日記 25[satuki](2009/06/19 00:01)
[28] リリカル・とらいあんぐる転生日記 26[satuki](2009/06/19 00:01)
[29] リリカル・とらいあんぐる転生日記 27[satuki](2009/06/19 00:01)
[30] リリカル・とらいあんぐる転生日記 28[satuki](2009/06/19 00:00)
[31] リリカル・とらいあんぐる転生日記 29[satuki](2009/06/19 00:00)
[32] リリカル・とらいあんぐる転生日記 30[satuki](2009/06/19 00:00)
[33] リリカル・とらいあんぐる転生日記 31[satuki](2009/06/19 00:00)
[34] リリカル・とらいあんぐる転生日記 32【注:糖分過多】[satuki](2009/06/18 23:59)
[35] リリカル・とらいあんぐる転生日記 33[satuki](2009/06/18 23:59)
[36] リリカル・とらいあんぐる転生日記 34[satuki](2009/06/18 23:59)
[37] リリカル・とらいあんぐる転生日記 35[satuki](2009/06/18 23:59)
[38] リリカル・とらいあんぐる転生日記 36[satuki](2009/06/18 23:59)
[39] リリカル・とらいあんぐる転生日記 37[satuki](2009/06/18 23:58)
[40] リリカル・とらいあんぐる転生日記 38【少年編】[satuki](2009/06/18 23:58)
[41] リリカル・とらいあんぐる転生日記 39【歯車戦士編】[satuki](2009/06/18 23:58)
[42] リリカル・とらいあんぐる転生日記 40【大将と愉快な仲間たち①】(分割しました)[satuki](2009/06/18 23:58)
[43] リリカル・とらいあんぐる転生日記 41【大将と愉快な仲間たち②】(分割しました)[satuki](2009/06/18 23:58)
[44] リリカル・とらいあんぐる転生日記 42【歪んだ物語・その修正方法】[satuki](2009/06/18 23:57)
[45] 【オヤジ】狩り[satuki](2009/06/05 17:07)
[46] 【オヤジ】狩り-01  【続いた。続いてしまった】[satuki](2009/05/18 23:29)
[47] 【オヤジ】狩り-02  【また続いてしまった】[satuki](2009/05/26 20:02)
[48] 【オヤジ】狩り-03  【またまた、続いてしまった……】[satuki](2009/06/02 01:26)
[49] 【オヤジ】狩り-04  【狩るべきオヤジは、まだまだ存在するのだ!!】[satuki](2009/06/07 19:31)
[50] 【オヤジ】狩り-05  【アンリミティッド・オヤジワークス……ソレは地獄絵図でしかないな……?】[satuki](2009/06/29 21:16)
[51] 【オヤジ】狩り-06  【覇王少女のファンには、彼女が女神に見えるらしい……視力検査したら?】[satuki](2009/06/09 18:10)
[52] 【オヤジ】狩り-07  【イロモノはイロモノを呼ぶ…………奇跡の開幕!?】[satuki](2009/06/11 20:03)
[53] 【オヤジ】狩り-08  【奇跡は続く!?遅れてきた漢……!!】[satuki](2009/06/18 23:39)
[54] 【オヤジ】狩り-09  【漢女と乙女……オトメ同士の決闘!】[satuki](2009/06/19 17:00)
[55] 【オヤジ】狩り-10  【死亡フラグをブチ折ったモノ……!】[satuki](2009/06/20 00:19)
[56] 妖精00 【良く考えたら、コレが全ての始まりなのかもしれないなぁ……?】[satuki](2009/06/05 16:52)
[57] 妖精01 【妖精爆弾……じゃなかった。爆誕!!】[satuki](2009/06/05 16:52)
[58] 妖精02 【やって来たのは運命にかぶれたロリジャイと、その家族】[satuki](2009/06/05 16:53)
[59] 妖精03 【蝶人になった日】[satuki](2009/06/07 19:32)
[60] 妖精04 【淫獣殲滅作戦――全ては清い【なのちゃん】のために】[satuki](2009/06/10 00:10)
[61] 妖精05 【遠足。それは至上最強の闘い!?】[satuki](2009/06/20 00:20)
[62] 妖精06 【掟破り!?……覇王の蘇る日!】[satuki](2009/06/27 20:12)
[63] 真・転生日記【オヤジ】風味 ――『妖精は覇王の夢を見る!』 01[satuki](2009/06/29 21:17)
[64] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 02  【復活したイレギュラー】[satuki](2009/06/29 21:25)
[65] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 03  【お約束は突然に】[satuki](2009/07/03 18:58)
[66] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 04  【突撃、となりの小学校!?】[satuki](2009/07/12 18:30)
[67] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 05  【誕生!?養護教諭プレシあ!?】[satuki](2009/07/14 20:13)
[68] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 06  【予定とは、乱される為にあるのだ!】[satuki](2009/07/16 21:43)
[69] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 07  【イレギュラー戦隊、参る!!】[satuki](2009/07/24 16:48)
[70] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 08  【仮面対仮面(オマケ付き)】[satuki](2009/07/27 16:53)
[71] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 09  【隣の市は危険がいっぱい!?】[satuki](2009/07/31 21:08)
[72] デザイア!?[satuki](2009/08/02 16:08)
[73] リリカル・とらいあんぐる転生日記 43【本筋は、忘れた頃にやって来る】[satuki](2009/08/04 23:55)
[74] デザイア!? 02[satuki](2009/09/04 19:03)
[75] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 10  【近付いてくる真相!?】[satuki](2009/09/04 19:04)
[76] デザイア!? 03 【女(装)王、誕生】[satuki](2009/09/07 02:14)
[77] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 11  【混沌の始まり】[satuki](2009/09/13 12:20)
[78] 真・転生日記【オヤジ】風味 (以下略) 12  【長い伏線(その一)】[satuki](2009/09/18 00:37)
[79] リリカル・とらいあんぐる転生日記 44【長い伏線(そのニ)】[satuki](2009/09/19 19:34)
[80] リリカル・とらいあんぐる転生日記 45【アインヘリアル?何それ、美味しいの?】[satuki](2009/09/25 21:50)
[81] リリカル・とらいあんぐる転生日記 46【少しだけ本気を出した。後悔はしている】[satuki](2009/09/27 21:52)
[82] リリカル・とらいあんぐる転生日記 47【もう少し本気を出してみた。さらに後悔している】[satuki](2009/10/02 21:46)
[83] リリカル・とらいあんぐる転生日記 48【ついに登場、最高評議会!?】[satuki](2009/10/09 11:11)
[84] リリカル・とらいあんぐる転生日記 49【三人目は…・・・グハッ!?】[satuki](2009/10/11 22:41)
[85] リリカル・とらいあんぐる転生日記 50【歯車戦士、愛の決闘】[satuki](2009/10/16 18:38)
[86] リリカル・とらいあんぐる転生日記 51【人生は闘いだ!!】[satuki](2009/10/17 21:59)
[87] リリカル・とらいあんぐる転生日記 52【魔神の生まれちゃった日】[satuki](2009/10/22 22:08)
[88] リリカル・とらいあんぐる転生日記 53【アニキ+ナイスミドル=???】[satuki](2009/10/27 16:33)
[89] リリカル・とらいあんぐる転生日記 54【変形する揺り籠!?至上最悪の悪魔の登場!!】[satuki](2009/11/06 10:46)
[90] リリカル・とらいあんぐる転生日記 55【ラスト・ラストをキミに……】[satuki](2009/11/06 10:47)
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[8085] 真・転生日記【オヤジ】風味 ――『妖精は覇王の夢を見る!』 01
Name: satuki◆b147bc52 ID:af7c659b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/29 21:17



 前回のあらすじ:皆が待ってた【覇王少女】。常識破って、ただ今復活!



「……覚悟するんだね?この姿になったら、前ほど優しくはないからねぇ……?」

 そこに居たのは。
 今ココに居るのは……。
 紛れも無くその存在は……!

「……元【時空管理局特殊治安維持部隊】部隊長――――【シズカ・ホクト】。ボクがキミたちを【お掃除】しよう!!」

 かつて【覇王少女】と呼ばれた存在だった。























「さ~て、レッツお仕置きタ~イム♪」

 小脇に抱えたのは【魔砲少女】。
 既にレイジングハートさんは待機状態に戻っており、淫獣は逃げないようにケージに入れました。
 えっ?何でバトルパートが飛んでるかだって?

 だって意味が無いんだよ?
 たった一行で終わるモノを、延々と書き綴れと?
 そう。本当にたった一行で済むんだ。



 【顔を合わせた瞬間に、勝負は付いていた】



 ホラ?たった一行だろ?
 大体基本スペックからして違うんだ。
 魔法がないと運動音痴な少女と、屈強な歴戦の勇士なボク。

 一瞬で間合いを詰めて、レイハさんを叩き落す。
 そして首に手刀一発。
 ……ってしたかったんだけど、最初に対峙した時には既にケリが付いてしまっていた。

 ボクの顔は凶暴です。
 すっかり忘れかけてたけど、ボクの顔を初見で気絶しなかったのはリンディ嬢のみ。
 つまり如何に未来の【魔王】とて、ボクの【顔撃】からは逃れられなかったという訳さ。

「良~し。それじゃあ、【オシリペンペンの刑】の執行だぁぁぁぁっ!!」

 古来より、悪いことをした子にはコレが一番。
 ただ従来のモノと比べると、ボクのはもっと恐ろしいモノだけどね?
 一応手加減はしてるんだけど、ソレでもこの刑の受刑者は素晴らしいヒップの持ち主になる。

 つまり【腫れてる】とも言うべき現象。
 小さな子どもでも、大人顔負けのヒップに大変身。
 ……どうだい?スゴイだろう……?

「いたい!痛い!」
「痛くなくちゃ、罰にならないだろうが……!」

 悪い子には容赦の無いボクであります。
 ともかく、コレでなのはサイドは抑えた。
 それじゃあ…………フェイトの方に行くとしますか?

「御嬢ちゃん……?ココから先は、ボクが相手だよ…………って、キミもかい?」

 以下省略。右に同じ。
 フェイトもボクの【顔撃】には耐えられませんでした。
 ちなみに水河氏は、ボクが行くまでフェイトと互角の闘いをしていた。

 素晴らしい。
 地球で、それも御神とかの化け物集団でもない一般人が、【逸般人】になっているとは……。
 コレだから人間って言うのは面白いよね?












 警視庁の取調べ室。
 流石にいつまでもシズカ・ホクトで居ると、被害が甚大過ぎるので、フェアリィに戻っておりまっする。
 御母堂さまには【ホクト形態】を、能力の一つッポイと言って誤魔化した。

 流石、顔を突き合わせて説得した甲斐があるっていうモノ。
 途中で何度も気絶されたのは若干ショックだったが、ソレだけで納得してくれる(させたとも言う)なら、お安いものだ。
 さて……話を元に戻すか?

 現在この部屋に居るのは、ボクと母上さま。
 そんで、捕まえたフェイトとアルフ。
 そして……。

「……本当に申し訳ありませんでした。私の監督不行き届きで…………」

 何故か涙を流している、【プレシア・テスタロッサ】さんです。
 未成年が犯罪を行った場合、保護者を呼び出すのが通例でござる。
 だからその慣習に従い、呼んでみました。以下はその時のやり取りである。

『もしもし?テスタロッサさんのお宅ですか?』
『……そうだけど…………貴方何者?』
『警視庁の水河と申します。本日お電話したのは、娘さんであるフェイトさんの事でお電話したのですが……』

 ココは次元空間に浮かぶ、【時の庭園】。
 今この手に有るのは、何時の間にか存在していた黒電話の受話器。
 ……マテと。色々と突っ込みを入れたいが、プレシア・テスタロッサは頑張って耐えた。

 小皺が気になり始めて、はやウン年。
 四十歳という、【年齢】という名の自分との闘い。
 ソレは日々の生活の中でも行われる。

 洗顔一つとっても気を使い。ずっと引き篭もり生活をしているのに、UVカットとかにも気を遣い出す始末。
 【どっこいしょ】という言葉が無意識に出るわ、風呂に入れば【ふぃぃぃぃ、極楽極楽♪】と言ってしまう現状。
 そんな自分に嫌気が差しつつも、必死に抵抗するプレシアさん。

 だからこの程度の状況を耐えることなど、彼女にとっては造作もない。
 顔では困惑、心で涙。素晴らしい程の演技派である。
 ……でも何故だ。何でこんな状況になっているのだ……?

『……ッサさん?テスタロッサさん?』
『…………ハッ!?ご、ごめんさい……ちょっと放心してしまって……』
『いえ。無理もないと思います。娘さんがそうなったら、誰だって同じような反応をしますから……』

 内容を要約すると、フェイトが警視庁とかいう治安維持組織の本丸に突っ込んだ。
 ソレはジュエルシードを盗む為。
 ただ幸いなことに、フェイトは殆ど警官を傷付けていないので、保護者を呼んで【超】厳重注意。

 それは元々、罪がもう一方に比べて軽いというコトと、対峙した水河の嘆願によるモノだった。
 何か、【仕方なしに闘っているような眼】だったと。
 ソレを見抜いた水河氏が、保護者の話を聞いてから判断することで終結。

『……ということなので、申し訳ないのですが……』
『…………分かったわ。ソチラまで行けば良いのね……?』

 かくしてプレシア・テスタロッサの、【初めての(管理外世界第九十七番での)お出かけ】イベントが発生したのである。
 「あの人形、本当に使えないんだから……!」とか思いながらも、この事態を平然と受け入れている自分が居ることに、彼女は最後まで気付くことがなかった。
 ……余談だが、【警視庁を騙った詐欺】かもしれないとビクビクしながら出て行ったのは、彼女だけの秘密である。







 こうしてフェイトの方は意外な程あっさり片付いたのだが……。
 なのはの方は、そうは問屋が卸さない。
 彼女は傷害や公務執行妨害など、罪状を挙げればキリが無い状態だった。

 勿論フィリスやセルフィのような状況もあるので、ソレでも無罪放免にすることは出来なくも無い。
 この世界はそういったコトに寛容らしく、ソレは【リリカルなのは】シリーズでも随所に登場する。
 だから地球だろうがミッドだろうが。

 無罪で釈放や、保護観察処分などが可能なのである。
 ……だがそれをやる為には、彼女に責任能力がないことを証明しなければならない。
 そして登場したのは、彼女の(頭がぶっ飛んでる)父親【高町士郎】。

 保護者を呼んだので来るのは当然だが、事情を説明している内に、何だか怪しい雲行きになってきた。
 「ウチのなのはが、そんなことをする訳がない!!」とか、「貴様ら!さては御神に恨みを持つ奴らだな!!」とか。
 勝手に勘違いし、どんどんエスカレートする思考。

 ついには隠し持っていた小太刀を抜き、警官に襲い掛かる始末。
 ソコで警察は思った。
 こんな親では、この娘がこうなってしまったのは仕方が無いことだと。

 幸い、次になのはを引取りに来た人間(桃子)は常識人だったので、なのはは母と共に帰宅。
 その代わりに喫茶【翠屋】のマスター、高町士郎が逮捕されましたとさ。
 ……まぁ。彼が居なくても翠屋は普通に回るので、問題ないと言えばそうなのだが……。
 
 後日。釈放された士郎となのはは、揃ってフィリス・矢沢のカウンセリングを受ける羽目に。
 ソコでフィリスの出した結論は、【娘の方は矯正可能。父親の方は…………お気の毒ですが……】だったらしい。
 こうして警視庁のブラックリストに、【高町士郎】の項目が加わり、そしてソコには★★★★★の評価が下されたのだった。













 ――プシュゥゥゥゥ!



 地球ではない【何処か】。
 今その場所では、シズカ・ホクトの覚醒と合わせたかのように、一つの医療カプセルの扉が開いた。
 黒髪の美青年。

 まるで以前から時が止まっているかのような、老いの皆無さ。
 長い間閉じられていた双瞼が、ゆっくりと。本当にゆっくりと開かれていく。
 刻が動き出したのだ。

 彼の目覚めは、【彼の者】の覚醒が引き起こしたモノ。
 変わる物語。
 その変化の先に何が待っているのかは…………今は誰にも判らないコトだった。














 あとがき

 >誤字訂正


 俊さん。毎度ご指摘いただき、本当にありがとうございます!!
 今回は凄く多かったようで…………本当に申し訳ありませんでしたぁぁっ!


 >感想


 皆が大好き、覇王少女。
 ……の復活だったせいか、感想数が十四個も!!
 皆様、ありがとうございます!

 頂いた感想は、いつもsatukiのエネルギーとなっています。
 なので、すごい嬉しいです!
 ありがとうございました!!













―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 以下、本編とは何の関係も無いお話。
















【デザイア】






「……バブー」

 目が覚めたら赤ん坊になってました。
 コレで幾度目だろうか?
 もう数えるのも馬鹿らしい位の転生人生である。

「……ウゥ」

 今までを振り返ってみると、ボクは一体何処の聖人君子なのだろうかと問い詰めたくなる。
 思い返すと、何時も何処かでフラグらしきモノはあった。
 でもボクは気が付かなかった。

 フザけたフリをしながらも、結局ボクは何時も世界平和の為に奔走していた。
 本人はそんなツモリはないのに。
 結果としてはそんな【善】を押し付けられた人生を、幾度も幾度も繰り返していた。

 良く馬鹿は死ななきゃ直らないというけど、まさにその通り。
 死んだら理解出来た。
 きっとこの言葉を考え付いた人は、転生者だったに違いない。

 ともかくボクの人生は【エロス】の欠片もない、エロゲーからエロを抜いたようなモノだったのだ。
 ……ソレって商品価値あるのか?
 どうせだったら、最初からコンシューマ機体でのデビューがしたかった。

 まぁ、中にはエロを抜いても成立する素晴らしい作品もある。
 ……というか、エロスがオマケ程度のモノもある。
 だがソレでもその内容はスバラシイのだ!

 とか、今受信した毒電波を言葉にしてみる。
 病気かな?病気じゃないよ?電波だよ?
 ちょっと有名な歌のリズムで歌ってみたけど、明らかに内容が浮いている。

「ブゥ……」

 何回も転生を繰り返すと、若干肉体の影響を受けるものの、その精神は達観したモノとなる。
 つまり常時賢者モード。
 ……有り得ない。我がコトながら、良くそんな人生を幾度も歩んできたものだ。

 通常の人間だったら、恋人作って結婚して……子どもを作っていることだろう。
 でもボクはそういう考えにならなかった。
 思考回路の破綻か。それとも脳に異常があったのか。

 どちらでも良い。
 今の現実として、それらを過去の自分として見られるのは幸いなこと。
 そのキッカケが看護士に頭から取り落とされたからとかいうのは、どうかと思うが。





 良し。まずは聖王教会を目指そう。
 あそこに行けば、きっと誰かしらが保護してくれるに違いない。
 時代背景は不明だが、きっとカリムはいるだろう。居るに決まっている。

 じゃないと話が進まない。
 病院をハイハイで進み、入り口までやってきた。
 ……弱った。自動ドアが反応してくれない。

 最初の敵は、無機物だった。
 それもストライクゾーンが(体重的に)小学生からご老人までというツワモノだ。
 そんな強者が、おいそれと通してくれるハズはない。

 仕方が無いのでストレッチャーの脚にしがみ付き、ソレの移動と共に病院を脱出した。
 おのれ、自動ドアめ……。
 この借りは、いつかキッチリ返させて貰うからな!!









 ――【拾ってください】



 聖王教会の門の前。
 乳幼児の入ったダンボールが一つ、ポツンと置かれている。
 中に入っているのは、厚顔美麗な赤ん坊。

 ……ウソです。
 まだそんなコトが判明する前の、猿みたいな時期です。
 何とかハイハイと強化魔法だけで、ココに辿り着いたボク。

 とりあえず転生者のスペックを活かして、人払いの結界を設置。
 こうすれば弱者は近付かず、強者が見に来る。
 そこから辿っていけば、きっといつかはカリムの所に着くでしょう。

 以前の転生の時を思い出すと、彼女はとってもグラマラスになるコトが確定済み。
 ならば変な虫が着く前に、ボクが抑えてしまおう。
 と、いう作戦なのだ。

「……?こんな所に赤ん坊が……?」

 誰かが網に引っかかったようです。
 長い髪……○。
 丁寧な喋り方……○。

 カリムか?カリムなのか!?
 ハリー、ハリー!!はやくその顔を見せてちょうだいな!!

「参ったな……。キミもボクと同じ境遇なのかい……?」

 ……チェンジ。
 ねーよ。この展開はねーよ。
 男だったら、そんな糞長い頭に何かするなよ!!紛らわしいだろうに!!

「……ブゥゥッ!!」

 将来のスケコマシ査察官を、魔力を込めた拳で殴る。
 例え赤ん坊の力でも、握る力は大したモノ。
 ソコに魔力を加えれば、腕白の小僧などイチコロよ。

「ブファァァァッ!!」

 派手に吹っ飛ぶヴェロッサとかいう人。
 良いリアクションだ。
 ミッドでお笑いを普及したらどうだい?






「ブゥゥ……(良いか?あの胸は既にボクのモノなんだ?コレで分かっただろう?義弟フラグなんてとっくにスルーで、今は【養子】フラグの時代なんだよ!)」
「な、何だってぇぇぇぇ!?」
「ロッサ……?赤ちゃんを相手に、一体何をやってるんですか……?」

 ヴェロッサにのみ伝わる念話。
 ソレが分からない周囲からすると、今の彼は頭が可哀想なヒト。
 ケッケッケ……!コレでヤツの評価は、どん底よ……!






「あのね?ボクが大きくなったら、おかーさんをお嫁さんにするの!!」
「……まぁ。ありがとう、嬉しいわ♪」

 お子様恒例の、【将来ママ(パパ)のお婿さん(お嫁さん)になる!】発言。
 当然カリムは本気にしていない。
 だがソレは、ある意味チャンス。

「……ホント?」
「えぇ♪」
「ホントにホント?」
「本当に本当よ?」
「じゃあ……コレにサインして!!」

 取り出したのは一枚の紙切れ。
 しかしただの紙切れと思うこと無かれ。
 それはある意味世界で一番重い紙なのである。



 【婚姻届】



 軽い調子でサインしてから。
 カリムはその用紙に、司祭のサインが入っていることに気が付いた。
 つまりソレは正式なモノ。

「…………きゅう」

 あ、倒れた。




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