はじめましてSS執筆経験のないド素人です
書き方がおかしい、文章になっていない部分も見受けられると思いますが温かく見守ってやってください
俺は鈴木 秀治
酒があればどこでだって生きていける
そう自負して生きてきた二十代だ
俺はある日、異世界へと召喚された
意味が分からない、ありえない
科学で解決しない問題は多いが、流石に異世界はないだろう
しかも手違いだった
悲しいことに、手違いだった
俺を召喚した奴は、書物を召喚するはずだった
しかし俺が召喚されてしまった
彼女は俺を恐れた 彼女にとって俺は”本”なのだ
彼女は人型の本として俺を認識した
”本”が”人”の姿をしている――
俺は化け物として扱われ、とある屋敷で生活させられることになった
彼女は認めたくなかったのだ
自分が召喚に失敗したことを、化け物を召喚してしまったことを
だから彼女は俺を、俺という存在を隠蔽した
ヒステリックに何か喚きながら、俺を屈強な男たちに屋敷へと運ばせた
異常な事態が発生しすぎて俺も混乱していた
しかしそこは俺、頑張った
大人しく生活することと引き換えに酒を要求し、静かに暮らし始めた
元の世界に戻してもらう、そんなことは考えなかった
正直未練なんてない
両親も既に亡く兄弟も友人もいない、
人付き合いが悪すぎて親戚との仲も壊滅的だったこの俺に、未練なんてなかった
ひきこもり生活万歳、俺は浴びるように酒を飲んだ
テレビもネットもなく、暇で暇で仕方がなかったが・・・
彼女から届けられる酒を次々に飲み干し、引きこもり生活を満喫するのだった
それから何ヶ月、いや何年経ったことか
いつも酒を運んでくるメイドから珍しく手紙を渡され驚愕した
彼女が亡くなった
・・・まだ30代後半だったのに、早すぎるだろう
手紙を読み進めると、困ったことになっていた
この手紙を寄越したのは彼女の息子たち
どうも息子達は、俺を彼女の愛人だと思い込んでいるらしい
屋敷から出て行くよう、書かれていた
俺の事情を知るメイドは、元の世界に帰ることはできないと言った
召喚した人間が死んでしまっては、元に戻ることは出来ない
酷く同情した様子でメイドは呟いた
息子達に事情を説明し、この屋敷で保護してもらえるよう手配する
そういってメイドは帰っていった
その夜、俺は酒と装身具を持てるだけ持って屋敷を出た
屋敷の麓にある町で装身具を売り払って路銀を作り、隣町へ乗り合い馬車で旅立った