※この作品は『エヴァ』の主人公『碇シンジ+α』が小説『リアルバウトハイスクール』の世界に行くクロスオーバーな小説です。よってエヴァ本編から離れた『EOE別作品移行』ストーリーとなりますのでご了承ください。
リアルバウトハイスクール
~碇シンジの黙示録~
Episode『0』
『ざざ~っ ざざ~っ ざざ~っ』
耳に波の飛沫の音が聞こえる。
目の前にあるのは赤と白だけ。
誰もいない。
だれもいない。
ダレモイナイ。
『チガウ』
腕の中にアスカがいる。
目の前に綾波がいる。
笑いかけるカオル君がいる。
でも僕はどこにいる。
じゃあ僕はどこにいる。
僕は誰だ。
だれだ。
ダレダ。
いつのまにか誰もいない。
僕が誰か解らない。
自分の形がわからない。
解けて行く感じ。それとも、崩れていく感じ?
僕も赤い海の中に解けてしまうんだろうか。
『バカシンジ』『碇くん』『シンジ君』『シンジ』
声が聞こえる、みんなの声が・・・・。でも気持ちがいいんだ、溶けるように・・・体が・・・心が溶け合うように・・・・
『碇くん』
綾波?
『シンジ君』
カオル君?
『世界は仮初の補完を隔て新たな産声を上げるわ』
『君は世界に人がわかりあう希望を望み新たな世界は動き出す』
『でも私たちはここにはいられないの』
なぜ
『なぜならば、実質的の補完の要である僕たちは補完の外側にいるからさ。言うなれば新たな世界に僕たちは必要ないということさ。』
そっか
『つらくはないの?』
もともと死んでもいいと思ってたしね。カオル君を殺して・・・ミサトさんに怒られて無理にエヴァに乗せられるまで。
『そうかい・・・でも死にはしないよ。シンジ君も、僕も、リリスもね。』
え?
『そう、いつかまた・・・・・・』
綾波?・・・・・・・
カオル君?・・・・・・
「はっ!!」
跳ね起きた少年はグッと拳を握り締めながら心を落ち着かせるように深呼吸しゆっくりと意識を覚醒させる。
「・・・・・・・」
額に手のひらを当て立ち上がると少しよろけながらも冷蔵庫のあるキッチンまで行き中の飲料水を取り出し一気に飲み干した。
「またあのときの夢か・・・・・」
ジャッっと窓のカーテンを引くと入り込むまぶしい陽光に目を細める。
「いつになったら会えるんだろう・・・・綾波・・・カオル君・・・」
一瞬、シンジの顔に人生を悟った老人のような表情が現れるがすぐ、気を取り直す。
「中国にロシア、ドイツ、フランスにイギリス・・色々回ったからな・・・久しぶりに日本にでも行こうかな。」
フゥとため息をつくと目をつぶり思考の海に入る。数十秒すると目を開け着替えをして部屋の外に出た。そのまま外付けの階段を上ると屋上に出た。
「ん、今日も自由の女神様は腕上げっぱなしで疲れないのかな。」
さっと周りの風景を見ればそれは超高層ビル群そして女神像・・いわゆるそこは“ニューヨーク”だった。
「さて・・・・」
シュー・・・獣のうなり声のよな息吹きを立てながら朝日の中、碇シンジ日課の訓練をはじめた。
そしてその場の空気は今までの朝のさわやかさと一変し空気を切り裂くような凄惨でありながら神聖な儀式のような圧迫感が覆っていた。
続く