碇ゲンドウ
僕、碇シンジの父親である
とりあえず『まだ』この人以外の父親はいない
母さんには3度目にもかかわらずほとんどあっていないのでどうでもいいのだが
父さんは付き合いが長い割りにイマイチ考えている事が分からない
いや、もしかして何も考えてないのか?
Episode『14』
碇シンジは空を見た
南雲慶一郎は空を見た
藤堂校長も空を見た
大門高校生徒全員が空を見上げただろう
パッと見ただの軍用ヘリ・・・そして横には『ねるふ』の象徴とも言えるイチジクの葉のマークである。しかし・・・・
「なんでネコやねん!!」
いつのまにか復活した静馬が突っ込みを入れた。
そのヘリはヘリなのに柔らかな毛に包まれ『ネコ耳』と『尻尾』もで常備していた・・・・ちなみに三毛猫だった。
――――――――――――――――――――
そのヘリはネコである。よく見れば手の部分にミサイルが標準装備されているのが分かるがソレを分かるものは少ない。
そしてそのネコに『赤木リツコ作』という銘がきざまれていたのに気がついたのは慶一郎だけであった。
バン
ヘリの扉が勢い良く開くと一人の男がその姿をあらわし大門高校の校庭に向かって飛び降りた。
ベキョ
「ブハァ!?」
「ああっ!?静馬さん!?」
「フ・・・・問題ない。」
勢い良く飛び降りた男『碇ゲンドウ』は見事に着地した・・・・静馬の上に。
「フ・・・大作・・・オ・・俺はもうあかん・・・・羽根のついた姉やんが俺をお迎えに来とるんや・・・」
「し、しっかりしてください!静馬さん!!それは幻覚です!!気を確かに!」
「グハッ!」
ガクッ
「し、静馬さ~ん!!」
「ふっ・・・・軟弱者が・・・」
死にかけの静馬とソレを見取る大作を尻目にゲンドウは冷酷に言い放つ。ちなみに静馬の姉は存命である。ソレを見た生徒たちの反応といえば・・・
『ま、魔王だ!!ついに魔王が降臨したんだ!!』
『きゃあ!!なんて凶悪そうな顔なの!?』
『これで大門高校も・・・いや地球も終わりか!?』
口々に言いたい放題である。そんな事はまるっきり無視し(凶悪な顔というところで少しむかついた)ヘリのパイロットに携帯で指示を出す。
PiPiPi
「加持か・・・とりあえずもう用はない。しかし私が呼んだら20秒以内に来い。」
『いや司令・・・いくらなんでも20秒は・・・』
「出来なければ君の大事なスイカとメロンついでに葛城くんの命はないと思え。」
『ちょっ!司令そ』
ブチッ・・・ツーツーツーツー
「ふむ・・・・」
ゲンドウが携帯をしまい辺りを見回すとほぼ全員がゲンドウを凝視している。慶一郎とシンジが一番強い(殺気を含んだ実戦的な)視線を浴びせてくるがどこ吹く風である。
『あの~失礼ですが・・・どちら様でしょうか!?』
満を持して中村が『突撃インタビュー』。その行動に固まっていた藤堂が復活した。
『その通りだよ!!君!!ここは公立の高校だソレを軍用ヘリなんかで乗り込んでくるとは何事かね!?』
「フ・・・」
勢い良くゲンドウに食って掛かる藤堂鷹王。しかしソレを見ていた生徒たちの目は冷たかった。
『なんかあの校長とあの男を対比すると年食った中年のヤクザの三下と世界征服を狙う悪の首領のように見えるな。』
『ああ・・・なんていうか・・・・『人間としての格』が違うって言うか・・・そう・・・』
『よくみると結構体格良いわね・・・それにあの渋い顔・・・そうとうな使い手と見たわ!校長と違って。』
『まあ・・・なんていうか『大物』って感じですねぇ・・・校長と違って。』
ボロクソに貶される校長だが彼はこんな所でくじけたりはしない。かなり頭にきているが今はそんな問題ではない。ゲンドウを問い詰める事に必死である。そんな藤堂をゲンドウは無情にも一言で玉砕した。
「文部省の許可は得ている。」
『な!?』
「ここは邪魔だ。席へ行くぞ。」
『ま、待ちたまえ!』
強引に藤堂を引き連れ実況席に居座るゲンドウ。隣で藤堂が赤い顔で立っているが国家権力にはさからえないらしい。そして再び中村がゲンドウにインタビューする。
『では・・・改めて、お伺いしますか何をしにここへ?』
『フッ・・もちろん息子の応援だ。』
『息子さん?』
『ああ。あそこにいる・・・』
『なるほど・・シンジさんのお父さんですか。・・・・・・へ?お父さん?誰のですか?』
『あそこにいるシンジのだ』
『え・・・え~~~~~~~~!?』
中村の絶叫が校庭に木霊しざわめきが生徒たちに広がる。皆驚愕を隠せないようだ。
『マジか!?全然似てない!?・・・いや、似てるかな?』
『奥さんが美人だったのか!?ちくしょう殺してやる!』
『良く見れば似てるわ!?顔かたちとか!あの人も雰囲気無視すれば結構整った顔形してる!』
生徒たちとゲンドウが『戯れている中』シンジと慶一郎はじわじわと戦いの気配を感じ取っていた。
―――――――――――――――――――――――
『え~碇シンジの父親の碇ゲンドウ氏が登場するというハプニングがありましたがゲンドウ氏をゲストとして加えいよいよ試合を開始したいと思います!』
『おい、君!私はそんな事を許可しては』
『問題ない。黙れ。』
『・・・・はい。』
『それでは南雲慶一郎VS碇シンジ!レディーGO--!』
言動の登場であやふやになっていた試合がようやく始まる。シンジはシンジでゲンドウの登場に驚いていたが実は慶一郎もかなり動揺していたのである。
(シンジの父親とはゲンドウのオッサンだったのか!?くっいかん!今は目の前の闘いに集中せねば・・・・)
若い頃・・・親戚中をたらい回しにされていた時、慶一郎はゲンドウの元で世話になるかといわれた事が合った。しかし慶一郎は断った。ゲンドウと共にいれば鉄斎のところ以上に好きに生きれたかもしれないがゲンドウと対峙するとどうしても『支配』されているような感覚になってしまうのだ。慶一郎はそんなゲンドウの掌から逃げるようにその話を断った。
そんな事を思い出しながら精神を統一しシンジに対して構えを取る慶一郎。それでもどことなくぎこちなさが残る。そんな慶一郎にシンジが声をかけた。
「先生・・・・父さんの事は気にすることないですよ?何考えてるか分かったもんじゃありませんが・・・特に邪魔しに来たわけじゃないと思いますし」
柔らかに笑いながら慶一郎に語るシンジを見て慶一郎は肩の力を抜いた。
(・・・・確かにな・・・少し気にしすぎたかも知れんな。)
そう思うと慶一郎は今度は気合の入った構えを取る。シンジを倒す気なのは間違いない。
「確かにお前の言うとおりだ・・・・戦うのは俺とお前だったな。では俺からも忠告だ。戦いの中で片目をつぶるのはどうかと思うぞ。」
シンジは涼子と戦ったときも静馬と闘ったときも左目を閉じたままで闘っていた。哀れ古賀は両目ともつぶったままでやられた。慶一郎にはシンジの紫がかった右目が気になっていた。
「これは良いんですよ。・・・・まあ、僕なりの願掛けみたいなものです。」
「そうか。では・・・いくぞ!!」
慶一郎が『神威の息吹』を使い『神気』を一気に溜め込む。
「む・・・」
それをみてシンジは顔を引き締め自らも体内に『神気』を充実させる。
「ふッ!」
「・・・・・?」
グシッ
「あぐっ!?」
慶一郎が『神威の拳』の高速移動術『旋駆け』を使い神事の後ろを取ったのだ。そして威力を込めた。蹴りをシンジに放ちすんでのところでシンジはソレを受け止めた。
「まだまだッ!」
慶一郎はシンジの体勢が不安定なうちにさらに蹴りを加える。シンジは慶一郎の思った以上のスピードに動きが取れない。そして慶一郎はシンジを蹴り上げ・・・・
「<飛龍三連脚>!!」
空中で旋風脚の三連脚で追撃する。
弾き飛ばされたシンジはリングの隅まで吹き飛んだ。
(動きはいい。やはり草よりも筋がいい・・・・がまだまだ俺の敵ではない。)
すぐに立ち上がるシンジ。想定していたダメージよりもずいぶん少ない。それに慶一郎が驚く。
「何っ!?」
そしてシンジが慶一郎に飛び掛った。
「はあっ!!」
『神気』を纏ったシンジの蹴りが自分の腕に突き刺さるのを見ながら慶一郎は合点がいった。シンジの纏った神気に触れたとたん慶一郎の神気が消えたのである。慶一郎はシンジの足を掴むと力任せに頬リ投げる。
「ハァッ!!」
「くっ!」
シンジは受身を取りながら着地する。すぐに慶一郎にたいして構え直すが慶一郎が口を開く。
「なるほど・・・攻撃の時に使った俺の『龍気』を吸収したのか・・・それでいて吸収した分を自分の『神気』として蓄積するのか。厄介なもんだな『月』ってのは」
慶一郎がシンジを挑発するように言うがシンジはやや口を歪め思案顔で慶一郎に問いただす
「・・・・先生ってもしかして『天』ですか?」
「ああ、詳しい事は分からんが大別すれば『天』だ。ソレがどうかしたか?」
そのことを聞くとシンジはふいと嫌そうな顔をするがそれは一瞬だけだ。しかし慶一郎はその一瞬を見逃さない。
(なんだ俺が『天』だと何かまずい事でもあるのか?)
いぶかしんでシンジを観察する。何か弱点がつかめれば慶一郎に有利になる。実際シンジと慶一郎では戦闘力的には慶一郎の方が上である。慶一郎が『殺す気』で戦えばシンジはすぐに殺せるだろう。だがKファイトである以上殺人はまずいし慶一郎にもその気はなかった。そうなると『月』の属性は厄介だった。あまり攻撃的ではないが『神気』を溜められると攻撃力が跳ね上がる可能性がある。
慶一郎はとりあえずシンジも攻めてこないので遠くから撃ってみる事にした。
「<神飛拳>!!」
慶一郎の腕からドッチボール大の神気弾が放たれる。シンジはソレを見ると目を細め
「<鬼哭飛燕>!!」
自らのもつ神気の技を放つ。
二種類のエネルギーは二人の中間点ややシンジよりで接触するとあっけなく慶一郎の<神飛拳>は飲み込まれた。
「な!?」
驚きながらも慶一郎は再び構えを取り二度目の<神飛拳>を放つ。しかしさらに<鬼哭飛燕>の螺旋エネルギー弾はソレを取り込み巨大化・加速し慶一郎を襲った。
「チィィィイ!」
すんでのところで避けた慶一郎だったがすぐ目の前にシンジが迫っていた。
「はぁっ!」
「フン!」
シュッ シュッ シュッ シュッ
乾いた服をこすれる音が聞こえるだけだ怒涛の勢いで攻撃するシンジだったが慶一郎はソレを全て紙一重でかわす。
(『神気』の攻撃はまずいな・・・通常攻撃力自体は草と同程度か・・・いかんせん俺とは相性が悪い。シンジを倒すには一撃で致命傷を負わせるしかない!)
慶一郎は覚悟を決めシンジの攻撃の中に隙を見つけると
「<龍剄掌>!!」
ボン
シンジの背中が大きく膨らんだかと思うとシンジの体が吹っ飛んだ。
―<龍剄掌>―
発剄に『龍気』を込めた技だが発剄自体の威力に上乗せする形で『神気』を使っているためたとえ『神気』を奪われてもクリーンヒットすれば大打撃を受ける。
(決まった!)
慶一郎はその瞬間勝ったと思った。<龍剄掌>は確実にシンジの鳩尾を直撃した。神気を吸収された分とシンジの神気の防御力を考慮してもそのはずだった。
この会場にいた誰もがそう思っただろう。しかし『ソレ』はそうはならなかった。
ストッ
『ソレ』は誰もが見ている前で警戒にリングのポストの上に着地するとまるで涼しい顔・・・・片方だけ輝く『金色の左目』を輝かせながら酷く無機質な笑みを浮かべた。
「ノープロブレムというところか?さて・・さあ始めよう!セカンドステージだ。」
慶一郎は紫銀に輝く月の龍はが『自分と同じ性質』の金色の獣になった事を目撃した。そして再び構えを取る
そんな二人をただ無言でゲンドウは見詰めていた。
続く
あとがき
微妙に加持さん登場です。たぶんミサトさんは名前だけの登場となるでしょう。ここでは加持さんはメロンにも手を出しています。ジオフロント(ねるふのある所)はまあ最先端なので育てられる(ハズ)です。この世界ではインパクト起こってないし