初めまして。ここのSSに触発され、初めてではありますが書いてみました。
宜しくお願いします
尚、転生→オリジナルな主人公です。
初めてSSを書くので駄文です。
一人称で書いています。書いている本人はそのつもりです。
√は魏。
よかろう読んでやる。という方はそのまま下の本編へどうぞ。
それ以外の方は、回れ右でお願いします。
では、どうぞ。
「へい!お待ち、皮十本ともも十本。」
どうも初めまして。徐晃です。
え?武将が何で焼き鳥焼いてるかって?
話すと長いんですけどね、要約すると転生したんですよ、俺。
元々は只の学生だったんですけど。
事故にあって死んだら、徐晃になっていた訳ですよ。
「はい、そちらさん。もも十本、お待ち!」
最初の頃は、武将もいいかなー、とか思っていましたけど。
死にたく無いじゃないですか、やっぱり。
で、いろいろ考えた挙句に屋台を出しています。
ああ、焦げちゃう。
「へい、追加分お待ち!」
まあ、そんな訳です。
今日も今日とて忙しいです。
焼き鳥という文化が無いらしく大賑わいですよ。
最後のお客が勘定を済ませたので、カウンターを拭きます。
やはり飲食業は清潔感がないといけませんからね。
「徐晃、また来たぞ」
暖簾をくぐって姿を見せたのは、うちの常連さんの一人。
夏侯惇さんです。
綺麗な人ですよ。言うなればボン・キュッ・ボンですよ。
え?元譲さんは男だろって?
知りませんよ、んな事は。
だって目の前の夏侯惇さんはどう見ても女ですから。
「いらっしゃい。元譲さん。今日はどうしますか?」
「そうだな、適当に見繕ってくれ。あと、他の客も連れてきたぞ。感謝しろよ?華琳様、こちらです」
姿を見せたのは少女。どう見ても少女です。
でも、元譲さんは様付けしましたね。
てー事は?
「春蘭、屋台なの?美味しいといっていた店は?」
「はい、ここの焼き鳥は絶品です。秋蘭もそう思うだろ?」
さらに奥から顔を出したのは、妹の夏侯淵さん。
これまた美人さんです。この人も良く来てくれます。
「徐晃、遅くに済まんな」
「いえいえ、お客様あっての商売ですよ。妙才さん」
俺の屋台は小さい。三人がゆったり座ればそれこそ満席に近い。
「元譲さんはタレ焼ですか?妙才さんは塩で?」
「ああ、そうしてくれ。華琳様は如何しますか?」
キョロキョロと見渡す華琳さん。恐らく真名なので呼んじゃいけません。
「採譜は無いのかしら?」
「無いですよ、綺麗なお嬢さん」
「じゃあ、一番美味しいものを頼むわ」
「はいよ。少々お待ちを」
そう言って仕込みの串を取り出し、ガンガン焼きます。
とにかく元譲さんは良く食います。無茶苦茶食います。
この前はありったけの仕込みを食べられました。
あれにはビックリです。
「今日は盗賊退治か何かですか?」
「分かるか?」
「血の匂いがしますよ」
そうか?と服をくんくん嗅ぐ元譲さん。
この人は面白いです。
ネタの宝庫ですね。
団扇でガンガン炭火をいこして行きます。
「へい、お待ち」
良く来てくれる二人の感想は美味いとの事。
問題はこのお嬢さん。
恐らくは曹操さんでしょうか。
良いとこの出の人でしょうから、舌は肥えているはず。
ちょっと、ドキドキしますね。
「この塩は何かしら?」
「当ててみませんか?」
「何かしら?食べた事が無いわ・・・塩なのに甘い。香りも良い。・・・こちらのタレも・・・初めてだわ・・・甘辛い?醤油だけじゃない。とても丸い・・・とでも言うのかしら?」
一口二口、口にして目を閉じる。
今までの記憶を呼び起こしているのでしょう。きっと。
「食べた事無いでしょう?まあ答えは秘密って事でお願いします」
「そう・・・店主がそう言うなら仕方ないわね」
「すみませんね。そうそう、元譲さん。今日は珍しいものありますよ。行っときますか?」
「おうおう、いくらでも出してくれ。お前が出すのは何でも美味い」
ニコニコしながら次々に串を食べていきます。
ペースが速いです。
追いつきませんよ。
「はいよ、お待ち。こちらの柚子を軽く絞ってどうぞ」
「ふむ。私はタレ焼きが好きなんだがな?まあ、お前が言うのだ、食ってやろう」
出された串に軽く柚子を絞って一口で食べる。
「なんだ、これは?コリコリしてて硬いけど軟らかい?けど美味いな、これは」
「見たことないわね。私にも貰えるかしら?秋蘭は」
「頂きます。徐晃、頼めるか?」
「あんまり取れないものですからね。限りはありますけど、大丈夫ですよ」
先ほど出したものと同じものを出す。
食した二人は首を傾げる。
他にも珍しいものを何点か出す。
正体は秘密です。こういった物を食べる文化が無いんでしょうね。
やはりと言うか、何と言うか、元譲さんはモリモリ食べます。
見ているだけで気持ちいいです。
なんだかんだで食材切れまで食べましたよ。この人達は。
といっても約一名がハンパ無い訳ですがね。
「食った食った。やはり徐晃の屋台は美味い」
「ありがとう御座います。妙才さんもいつもありがとうございます・・・で、如何でしたか?綺麗なお嬢さん」
やはり初めての人の意見は大事にしたい。
「どれも良かったわ。とても屋台の料理とは思えない位ね。酒に関しては美味いとはいえないけど料理との相性が良い物ばかりを揃えていたし」
姉妹揃って驚く。
あんまり褒めない人なのかな?何と無くそんな感じの顔つきだし。
「特にあのコリコリしていた物がよかったわ」
「お口あって何よりですよ。それにいい稼ぎになりました。しばらく休業ですし」
「なんだと!」
立ち上がり声を荒げる元譲さん。
「ええ。塩も切れ掛かっていますし。仕入れに行かないといけませんから」
「やはりここでは手に入らない物なのね」
「屋台の店主も大変なんですよ。世の中物騒ですし」
「何を言っているのだ、お前は。武も立つだろうに。何度も誘っているではないか」
英雄にそう言われるとうれしいですね。
照れちゃいます。
「いやいや、皆さんには敵いませんよ」
「ふーん。まあいいわ。今日はご馳走様。秋蘭?」
「畏まりました。ここに置いていくぞ徐晃」
「はいどうも。ありがとう御座います。またどうぞ」
「私は、曹孟徳よ。孟徳と呼びなさい。徐晃」
「はい、孟徳さんですね。かしこまりました」
帰っていく三人さんを見送ってから片付けです。
置いていった袋の中身を確認・・・・・・
「なんじゃこりゃ!!!」
思わず、松田○作が出てきましたよ。
なんつー金額払うんだ!
流石に悪いぞ。でも返すのも泥を塗るみたいで悪いし。
次来た時に奢るとしますかね。
仕入れの旅から帰ってきました。
二ヶ月振りでしょうか?陳留が何と無く懐かしいです。
検問に並んで自分の番が来たと思ったら、暫くここで待てと兵隊さんに言われました。
俺、何かしたっけ?
待つこと四半刻程。
姿を見せたのは、孟徳さんと妙才さんでした。
前に会った時は刺史さんでしたが、今では太守さんらしいです。
出世したんですね。
で、着いて来いとの事です。
着いた先には一件のお店?工事中ではありますが。
「???」
「見て分からない?貴方の店よ」
うそーん。
「えーと、何故?」
「私は屋台で食事をするのはあまり好きじゃないの」
「孟徳さんの趣向はわかりましたけど・・・」
首をかしげていると、妙才さんが補足してくれました。
「華琳様はお前の料理を大変お気に召したのだ。その褒美だと思えば良い」
褒美で店一件って。
どんな金銭感覚だよ?
「まだ箱しか出来ていないがな。中身はお前が決めれば良い」
「決めればって、流石に貰えませんよ。店なんて」
と、断りますが。
普通有得ないでしょう。
「徐晃。私の顔に泥を塗る気かしら?」
こちらを見る孟徳さん。
笑ってるけど、笑ってねー。
その目は絶対笑ってねー。
「・・・・・・よろこんで頂きます」
「結構」
完成したら呼びなさい。とだけ告げて帰っていきました。
「どーするよ。これ」
あとがきです。
初めて書きましたが、難しいですね。
もっと精進していきたいと思います。
至らぬ点が多いとは思いますが、今後とも宜しくお願いします。