ああ、死んだな。
42歳離婚暦アリ、中小企業の係長、趣味は雑学。生活に関するものから、普段の生活には関係の無い情報を知ることだけが趣味だったその男は、唐突に心臓発作により帰らぬ人になった。
それが人生の終わり。そのはずだった
なのに、なぜ生きているのだろうか?
目が覚めて思ったことはまずそのこと
次に満足に動かせない体と、自らのではない体温の温もり。
誰かに抱えられていると感覚で知ることはできたが、開いたはずの目から送られてくる情報は霞んだように肖像を捉えることができず、そして確か自分の身長は170cmも半ばであったはずであり、それを抱えることができる人物の大きさを想像して一瞬パニックになりかけて
これは夢だと寝なおした。
それが現実であることに気がつくのは、次に目が覚めた時
目の前に2人の人物が存在していることに気がついた
ただ、開かれた目から送られてくる映像は焦点が合っていないのか、その人物の詳細な容姿を確かめることはできなかった
目の前で交わされるその2人の人物が話す言葉が理解出来ないが、にこやかに話すその様子と、声の高さから、その2人が男女であり、友人・・・もしくは家族であろうということ
その彼らが目を開けた私に気がつき、何かを語りかけてきた
当然何を話しているか理解することもできず、ただにこやかに語りかけてくる様子から自らを害しようという意思は見受けられない事だけを理解して、起き上がろうとしたところ
頭が持ち上がらない。体をうつ伏せにして踏ん張ればどうにか起き上がれるか?と、思いうつ伏せに体を転がそうとしたが、動かない
仰向けに寝転んだ姿勢のまま、なぜこんなに体が衰えているのだろうと半ば絶望じみた心象になりつつ、手を持ち上げてじっと見る
そうして霞んだ眼で見る自らの手は、紅葉の葉のように小さく
それが理解できる気がするが、理解したくない彼は
そのまま思考を凍結しながら可愛らしくなってしまった自らの手のひらを見詰め
唐突にこんな言葉を思い出した
「戦わなきゃ!現実と!」
短い。と、言われるかもしれないがこれが導入部
続きは書いてあるが何度も校正改稿練り直しを繰り返している所です
短くて感想かけねえよ!という罵声を募集。ドMですから!