飛んでいる鳥が分からない苦労だとしても、地上を歩く亀だって鳥の苦労は分からない。
『12話・ナデポの修行』
なんだか知らないけど、神竜とやらに近々会いに行くフラグが立った。
なので、手土産とか持って行った方が良いのかなぁという結論に。
「よぉ、今日は一人かい?」
「魔女様と聖魔様はどうした?」
「あれ? 珍しく一人だな」
「おおぅ! どうした? ついに見限られたか?」
そんな訳で一人街へと繰り出した僕である。
昼間は活気が良く、道を歩けばあちこちから声がかかる。
「あー! 変態が一人で歩いている!」
「御目付け役の聖魔様と魔女様はどうしたんだ?」
「ついに見捨てられたか……」
「さしもの変態には、堪忍袋の限界だったということか……」
……なんだか、とっても失礼な事を云われている気がする。
そんなこんなと色々あって、街を散策中なのである。
*****
そこそこの土産を手に、僕はさらに街を散策する。
適当に歩いていたら、公園に出た。
そこで数人の児童が遊んでいた。その児童の中には幼女も居た。
故に、僕が突撃するのは当然であるのだ。
「きゃっほ~い♪」
両腕を広げ、とても良い笑顔で児童達に駆け寄る僕。
「きゃあああ!」
「うわあああ!」
「うえ~ん!」
「やああああ!」
何故か泣き叫びながら逃げ出す児童達。
一体どうしたというのか。
「ははは、待ってよぉ~」
「来るなー!」
「来ないでー!」
「お母さーん!」
「パパー!」
僕が追い駆け回したら、さらに悲鳴が倍増した。
逃げ惑う児童達を良い笑顔で追いまわす僕。
どうして僕から逃げるのか理解できない。
気付けば、公園から児童は姿を消した。
人っ子一人いない。
「むぅ、解せん」
児童達が僕から逃げた理由を考えてみたが、全然分からなかった。
全く以って、これっぽちも解せぬ。
「あれー? 誰もいないよー?」
「あら、ホントね」
ふと、そんな声が公園の入口から聴こえた。
振り返れば、二人の幼女が其処に居た。
ふわふわっとした藍色の長髪の幼女と、肩口まで伸びた赤色の髪をした幼女。しかも二人とも頭に獣耳が付いている。
藍色長髪の幼女は、おそらく猫耳だろう。赤色の髪の幼女は、なんだろうか。おそらく狐耳?
さらには、二人とも尻尾まで生えている。
有り得ない髪の色とか獣耳とか、素晴らしすぎる。しかも美幼女。流石は異世界。こうでなくっちゃ。
萌え要因は必須だよねー。
「うっひょ~い♪」
取り敢えず跳びかかってみた。
「ほえ?」
「なっ!?」
藍色の髪の子はぽかーんとこちらを見て、赤色の髪の子は驚愕の表情でこちらを見る。
「このっ!」
「ぐはぁ!?」
「おお!」
赤色の髪の子がカウンター気味に僕の顎を蹴りあげ、僕が思いっきりのけ反る。それを見て感嘆の声を上げる藍色の髪の子。
蹴りを喰らった僕は、どさりと地面に仰向けに倒れ伏す。
「ななな、なに!?」
「だいじょーぶですかー?」
「ぐふぅ、中々の良い蹴りだったぜぇい……」
顎をさすりながら起き上がる。
赤色の髪の子は凄く警戒している。なんというか毛が逆立っている。尻尾もぴーん! と張って、こう、子狐が必死で威嚇している様な印象を受ける。
一方、藍色の髪の子は僕の心配をしてくれている。その子の身に纏う雰囲気が、ぽや~んとしていて凄く和む。
総じての評価は、二人とも実に可愛らしい。
これは仲良くせねばと思うが、警戒されているので容易に近寄らせてくれない。
どうやら僕を不審人物として認識しているらしい。
やれやれ、どうしたものか。
*****
どうにかこうにか、二人とは仲良くなった。
ぶっちゃけ、土産に買ったお菓子で釣っただけだが。
藍色の髪の子は「わーい」と云いながら僕に駆け寄り、赤色の髪の子も「くっ、ぬうぅ!」と唸っていたが陥落した。
げに怖ろしきはお菓子の魔力なり。幼女を容易く陥落させるとか、お菓子様様である。
お菓子を食べる二人に名前を尋ねたのだが、中々教えてくれなかった。
まだ、少しの警戒心があるようだ。僕の隣でお菓子をもふもふ食べている愛らしい姿からは想像できない警戒心の強さだ。
「それで、二人のお名前は何ていうのかな?」
「……なんで、アンタに教えなきゃいけないのよ。もう3回目よ、それ」
「えっとねぇ、あたしはね……」
「ノエル、教えちゃ駄目よ!」
「え~、でもアリカちゃん。この人お菓子くれたから悪い人じゃないと思うよ」
「バカね。お菓子くれたくらいで善人とは限らないわよ。警戒するに越した事はないのよ」
「分かったよ、アリカちゃん」
「それでいいわ、ノエル」
「なるほど、ノエルちゃんにアリカちゃんって云うのか」
「なっ!? どうして、わたし達の名前を……っ!?」
「すごーい! おじーちゃんってエスパー?」
「はっはっは、おじいちゃんは止めようねー?」
本当に可愛い子達である。
おじいちゃんと呼ばれて傷ついた僕の心が癒される程に微笑ましい。
しっかりしているようで、きっちりと幼女をしている。
うむ、素晴らしい。
「こ、これで勝ったと思わないでよね!」
赤色の髪の幼女、アリカちゃんが僕を睨みつけながら云う。どうやら名前を当てられたのが悔しかったらしい。
しかし、口元にお菓子の食べカスが付いているのが、もう、こう、萌えええええ!!
「はっはっは、可愛いなぁ」
「ちょ、なに勝手に人の頭に……うっ、ふにゅう……」
僕がアリカちゃんの頭を撫で撫でする。手触り抜群です。
そのアリカちゃんは、最初僕に吼えかかろうとしていたが、すぐにトローンとした目つきになる。
なでなで。
「はうぅ」
なでなで。
「ふにゃああ」
なでなで。
「くぅ~ん」
ちょっ、なにこれ、超絶可愛い……。
ふにゃふにゃ~とした顔のアリカちゃん。狐耳が垂れて、尻尾がだらしなく揺れている。
この可愛さはリアルに犯罪だ。
僕の手が離れる。もう悶えるのに忙しい。僕は萌えの真髄を見た。
しばし、ぽけーっとしていたアリカちゃんだが、はっ!? と我に返った。
そして、一気に僕と距離を取る。
「あ、危なかった……」
「なにが~?」
「あまりの気持ち良さに、もう少しで惚れるとこだったわ……」
「え、そんなに気持ち良かったの?」
「ええ。……くっ、このわたしが撫でられただけで、あんな醜態を晒すなんて……っ!!」
「そんなに気持ちいいんだ……」
戦慄して震えるアリカちゃん。
藍色の髪の子、ノエルちゃんがそんなアリカちゃんを羨ましそうに見ている。
そして、ノエルちゃんが僕の方にトコトコと寄って来た。
「ねぇ~、あたしも撫でて~?」
「はっはっは、いいですとも!」
ノエルちゃんの言葉に即座に悶えるのを止めて復活した僕。
その頭に手を置き、撫でまくる!
なでなで。
「ふわぁ!?」
なでなで。
「はにゃあぁ……」
なでなで。
「ふにぃー」
そろそろ僕の限界でスパークが理性しそうです。
僕の思考回路に重大な負荷がかかった。上手に言葉を紡げません。
トローンとした目つきになって、脱力するノエルちゃん。耳がくたぁと垂れて、尻尾がゆらゆらと揺れている。
口元がだらしなく半開きになっている様など、もう、もうっ、あああああああああ!!!
ごろごろと悶える僕。
なんだろうね。僕は今日死ぬかも知れない。
死因は悶絶死。原因は幸福過多。
なんて斬新な死に方だ。
「ふわぁ、も、もう一回……」
「ダメよ、ノエル!」
「ふぇ?」
「あれは麻薬と一緒よ……とりこになっちゃダメ」
葛藤しているノエルちゃんとアリカちゃん。
必死で自分を押し留めている。
それも無理のない話だ。なにせ、元の世界に居た頃にナデポに憧れた僕が必死で習得しようと修行を積んだのだから。
ある時は公園に赴き、ある時は幼稚園に乗り込み、ある時は散歩中の犬を撫で、ある時は塀の上にいる野良猫を撫でまくった。
何回、警察のお世話になったことか。最終的には、警察のおじさんと仲良くなって応援して貰うに到った程である。
そんな偉業の果ての習得技能だ。
抗えるものならば抗ってみせろ。
「なんなら、もっと気持ち良くなってみるかい?」
息を荒げながら僕が云う。
息切れしているのは、悶えたからだ。興奮している訳じゃない。ああ、ホントだとも。嘘じゃないよ!
「どんなの?」
「……これ以上?」
ノエルちゃんとアリカちゃんが、警戒3割、興味6割、危機感1割な割合で僕に尋ねてくる。
「そう。具体的には、先ずは服を脱いで、僕が君達の身体を、まさぐるぼわあがああああああ!!!!!」
「なにを云っとるか貴様わあああああああ!!!!」
僕がとんでもない衝撃に吹きとんだ。超痛い。
何が起こったのかと、僕が一瞬前まで居た場所を見る。
そこに、三毛の子猫が居た。ジジだ。
「あ、聖魔さまー」
「聖魔さまが何故ここに?」
「うむ。お主等無事じゃったか?」
ジジとノエルちゃんとアリカちゃんが、なにやら話していたが、僕はジジの一撃で意識が朦朧としているので上手く聞き取れなかった。
……お、おのれぇ、本気の一撃だったなぁ……。
頭から血がダクダクと流れている。もはや滝だ。
薄れゆく意識の中、僕は親指を突き立てた。
あ、アイルビーバック……っ!!
次こそは成し遂げてみせる。
そんなことを思いながら、僕の意識は完全に堕ちた。
今度はジジを撫でまくってやる。
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後書き
もう、これ以上、文章が浮かばない……っ!!
きっと、これからしばらく間が空くでしょう。頭の中の物を文章にするのって難しいね。心が折れそう!
そんなこんなで、ほのぼの書くのって大変だな~と痛感致しました。無駄にシリアスっぽいのやらバトルっぽいのやら切ない系統っぽいのやら、そんな展開になってきている今日この頃。
あくまでこの作品は「ほのぼのでハートフル」なのです。それ以外は駄目絶対!そういうのはもう少し後にしましょう!……続くか分からないけど!
▼感謝の波が寄せては引き引いては寄せ。波に攫われて溺死しないように注意!
>甘い。甘いよ。サッカリンの塊蜂蜜漬けのクリーム和えよりもスウィートだぜお嬢さんズ。
美味しいですね、サッカリンの塊蜂蜜漬けのクリーム和え。凄く甘かったです。食べたこと無いですけど。
>主人公は紳士だからな。全ての行いは「変」なことじゃないんだよ!
全ての行いは「熊吉」になると、主人公は言っていたり言っていなかったりした気がします。あくまで気がするだけです。
作者には主人公の考えが全く分かりません。まったく、羨ましい。
>主人公ホントいいキャラしてるわw
>まぁ美幼女と同居なんて「紳士」にならざるをえないよなwww
現実的に有り得るんですかねぇ、美幼女との同居なんて素敵シチュ。……シチューじゃないよ? 食べないよ?
>本板行ってもこの調子でいてくれw
本番(板)への挑戦は15話まで書いてからなのっさ!だからまだこっちにいるのっさ!
一番の問題は、果たして15話まで作者のモチベーションが持つのかという……。打ち切りの可能性が無きにしも非ずな状態です。
でも、ぼくちんガンバル!ガンバったらロリの王国に逝ける気がするんだ!
>>本気を出せば7秒で賢者
>早ぇよw
>主人公が変態すぐる。だがそこがいいw
>今回も楽しませていただきました!
変態じゃないよ!紳士だよ!
お楽しみ頂けたようでなによりでございます。
今後ともご贔屓にお願い致します。かしこ。
>PV数が見たいなら一回自分の作品を検索かけてみるといいよ!
>それにしても、こいつバカすぎるw
素敵情報ありがとうございます!早速検索するんよ!!……え?PVが18000も回ってる……どういう、こと…なの?やだなにこれ怖い…。いっても4000程度と予想していた作者に、電流走るっ…!
それと、バカはきっと人を幸せにすると思っています。どこぞの吉井くんの様に。
>竜の巣でクマ無双だと……何故そのネタを知っている!?
>あれは某動画サイトでも一部の者しか知らないはずなのだが……
激しく続編を希望している作者です。モザイク邪魔よっ!…でも取ったら消される悲しい結末……。
個人的にはクマンが素敵すぎると思います。あのクマンには惚れる。
>貴方は神か……
いいえ、ケフィアです。嘘です。ヨーグルトです。
衝撃の事実!作者は人間じゃ無かった!
む。しまった!金曜日の奴等に嗅ぎ付けられた……っ!!
>>本気を出せば7秒で賢者
>は確かに早すぎる。
>でもそんな紳士な主人公が好きですw
紳士ともなれば、その所作の一つ一つが機敏なのです。故に7秒という偉業を達するのです。人の気配に怯える必要のない素敵スキルですね!
>ところで、10話の
>>【僕の解答】── 正解。
>>1+1=2+2-3×4-2+1-2+12=1
>>【先生のコメント】
>> 正解……ですけど……もっと簡潔に書きましょうね?
>で、
>1+1=(中略)=1
>…?
>ここで疑問を持つ俺は小学生からやり直してきます。
では、その姿を作者が写真に収めましょう。嘘です。
これについては、普通に間違えていました。やだ、なにこれ、恥ずかしい……。でも、ビクンビクンとならないのが作者クオリティー。
指摘に感謝です!訂正しておきます。
>7秒に挑戦したが準備で既に過ぎていた……。自分の紳士道はまだ先が長い。自称ジョンブルの留学生(日本→イギリス→日本……帰国子女?)に相談したら切れられた。お前もオタクの癖に。
なにやってんすか……。
そんなことしたら「世界紳士共同組合本部協会」の一員として社交界デビューしちゃいますよ?それでもいいんですか?セレブな人妻とめくるめく官能世界にダイブしちゃうよ!?
畜生!ネタのつもりだったのに書いてて羨ましくなってきた!!
是非頑張ってください。ファイト、だよ!