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No.9631の一覧
[0] 「助けて上条さん」(とある魔術の禁書目録、現実からオリキャラ憑依)[凪砂](2010/09/18 15:40)
[1] はじめましてセシリアです。[凪砂](2009/06/18 01:13)
[2] 学園都市へ向けて。[凪砂](2009/06/18 01:11)
[3] とある一室[凪砂](2009/06/20 02:23)
[4] 血の代償(compensation)[凪砂](2009/06/20 05:50)
[5] いざ学園都市[凪砂](2009/06/22 01:52)
[6] 波乱の一日終了に向けて[凪砂](2009/06/29 23:39)
[7] 助けて青髪ピアス[凪砂](2009/06/29 23:40)
[8] みんなのアイドル[凪砂](2009/06/29 23:41)
[9] とうとう終了!波乱の一日[凪砂](2009/06/29 23:42)
[10] 接触前日[凪砂](2009/06/24 22:45)
[11] 上条さん[凪砂](2009/06/25 23:32)
[12] 前日[凪砂](2009/06/29 23:43)
[13] 襲撃 [凪砂](2009/06/30 23:28)
[14] 襲撃2[凪砂](2009/06/29 22:44)
[15] 襲撃3[凪砂](2009/06/30 23:20)
[16] 襲撃4[凪砂](2009/07/01 23:46)
[17] 決着[凪砂](2009/07/03 05:34)
[18] 終結しました。[凪砂](2009/07/06 03:40)
[19] 戦えるように[凪砂](2009/07/07 22:47)
[20] インデックスさんが魔術についてガッツリと説明してくれたみたいです。[凪砂](2009/07/09 01:09)
[21] みんな仲良く[凪砂](2009/07/10 00:16)
[22] 偶然と必然1[凪砂](2009/07/13 01:26)
[23] 偶然と必然2[凪砂](2009/07/14 02:44)
[24] 偶然と必然3[凪砂](2009/07/15 02:01)
[25] 偶然と必然4[凪砂](2009/07/20 12:39)
[26] 偶然と必然5[凪砂](2009/07/20 12:39)
[27] 偶然と必然6[凪砂](2009/07/20 12:36)
[28] 偶然と必然7[凪砂](2009/07/23 01:59)
[29] 偶然と必然8[凪砂](2009/07/24 01:14)
[30] 偶然と必然9[凪砂](2009/07/28 00:57)
[31] 偶然と必然10[凪砂](2009/07/28 00:56)
[32] 偶然と必然11[凪砂](2009/07/29 03:37)
[33] 偶然と必然12[凪砂](2009/07/30 03:07)
[34] 番外編 『白黒黒写真』[凪砂](2009/07/31 06:10)
[35] 東城 歩[凪砂](2009/11/28 15:12)
[36] 歩と上条[凪砂](2009/08/04 03:40)
[37] 前日[凪砂](2009/08/05 04:11)
[38] 御使堕し1[凪砂](2009/08/06 03:54)
[39] 御使堕し2[凪砂](2009/08/13 04:06)
[40] 御使堕し3[凪砂](2009/08/13 04:05)
[41] 御使堕し4[凪砂](2009/08/13 04:08)
[42] 御使堕し5[凪砂](2009/08/17 03:31)
[43] 御使堕し6[凪砂](2009/08/17 03:19)
[44] 御使堕し7[凪砂](2009/08/19 03:46)
[45] 御使堕し8[凪砂](2009/08/19 03:45)
[46] 御使堕し9[凪砂](2009/08/25 05:54)
[47] 御使堕し、終[凪砂](2009/08/25 05:53)
[48] 番外編『セシリアとみんな』[凪砂](2009/08/26 06:14)
[49] 始まりの前日[凪砂](2009/08/29 03:21)
[50] 始まりの前日2[凪砂](2009/08/31 10:57)
[51] 始まりの前日3[凪砂](2009/09/03 07:00)
[52] 始まりの前日B1[凪砂](2009/09/04 06:54)
[53] 始まりの前日4[凪砂](2009/09/09 06:57)
[54] 始まりの前日5[凪砂](2009/09/10 12:23)
[55] とある魔女たち、31日[凪砂](2009/09/14 03:58)
[56] とある魔女たち、31日2[凪砂](2009/09/14 03:57)
[57] とある魔女たち、31日3[凪砂](2009/09/19 04:43)
[58] とある魔女たち、31日4[凪砂](2009/09/19 04:43)
[59] とある魔女たち、31日5[凪砂](2009/09/22 10:33)
[60] とある魔女たち、31日、終[凪砂](2009/09/26 06:13)
[61] とある不良の31日[凪砂](2009/09/28 06:20)
[62] とある不良の31日2[凪砂](2009/09/28 06:12)
[63] とある不良の31日、終[凪砂](2009/09/30 06:14)
[64] ゴーレムなんて気にしない(東条歩)[凪砂](2009/10/01 05:57)
[65] ゴーレムなんて気にしない(セシリア・アロウ)[凪砂](2009/10/05 01:33)
[66] ゴーレムなんて気にしない(セシリア・アロウ、東条歩)、終[凪砂](2009/11/15 16:17)
[67] 番外編『四位の憂鬱』[凪砂](2009/10/05 01:13)
[68] グリゴリとセシリア[凪砂](2009/10/09 12:18)
[69] グリゴリとセシリア2[凪砂](2009/10/14 06:00)
[70] グリゴリとセシリア3[凪砂](2009/10/17 05:01)
[71] グリゴリとセシリア4[凪砂](2009/10/31 13:43)
[72] グリゴリとセシリア5[凪砂](2009/11/08 02:52)
[73] グリゴリとセシリア6[凪砂](2009/11/15 16:16)
[74] 途中人物紹介グリゴリ編(いんでっくすたんvsあれいすたん)[凪砂](2009/11/15 15:55)
[75] グリゴリとセシリア7[凪砂](2009/11/19 16:55)
[76] グリゴリとセシリア8[凪砂](2009/11/19 16:51)
[77] グリゴリとセシリア9[凪砂](2009/11/24 06:07)
[78] グリゴリとセシリア10[凪砂](2009/12/01 00:06)
[79] グリゴリとセシリア、終 ~思惑と欲望~[凪砂](2009/12/05 23:55)
[80] 番外編『東条歩参上まで』[凪砂](2009/12/12 04:05)
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[9631] とある魔女たち、31日、終
Name: 凪砂◆54b74ba8 ID:dbd3eb5b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/09/26 06:13
「え! やっぱり、しろりーたんじゃおかしいですか!」

 ホントに……また何を言ってるんだ……。
 歩は、そう思いながらも部屋へと入り。紅へと近づく。セシリアは、まだ、なにか考えているようだ。紅は、恐怖に怯えジリジリと下がっていく。
 なんだ……セシリアは相手してくれないのか、途中でワザワザ生首、確保した意味がなかったな。まあ、今は怪我があるし、いいか。
 歩はセシリアは無視して紅へと足を進める。セシリアは、まだ入り口付近で何か考えて、唸っている。その横を歩が通り過ぎる。とそこで、紅が声を上げた。

 「セシリア! なにやってんノ?」

 それは、何に、対してなのだろうか。もしかしたら、紅の精一杯の助けを呼ぶ声なのかもしれない。歩は、セシリアに助けを求めたところで無駄だと思った。
殺されそうになって、助けを求めるか……。セシリアが助けるのは、気まぐれだ、そんな声、届くわけがない。
だが、歩の考えとは裏腹に、セシリアは答えた。

「はい? どうかしました?」
「どうかしましたっテ! 今絶対絶命なのヨ!」

実は、紅はもう魔術が使えない。魔術を使うための力。魔力と言われるものは、個人の資質によって、精製出来る量が決まっている。それは、努力によって多くすることはできるが、それでも殆どは生まれたときから決まっているのだ。紅のそれは極端に少ない。一度寝て、体力を回復させない限り、魔術は、もう使えない。歩との戦闘で魔力は使い切った。魔力が極端に少ない。それは紅が黒魔術に手を出した時の、1つの理由でもあった。黒魔術は生贄を使うことによって、少ない魔力で大きな術を使うことができるからだ。

「絶体絶命ですか! あ! そういえば!」

今やっと、セシリアは状況を把握したようだ。歩はセシリアのその反応に、なんだかなと思ったが、口には出さない。とそこでセシリアは歩が左手に持つ、女性の生首に気づく。

「それ生首……?」
 
歩はいったん足を止めセシリアの方を向く。
 
「そうですが? いまさら?」
「生首は、知識によれば、女性、子供の方が魔術的効果が高いんですよね。そして、 まあそれは、生贄全般に言えることですけどぅうぇぇぇええええ~!」

歩は思う。
 あ……吐いた。

「セシリアー!!」

紅が、セシリアのその様子に、驚き、歩の横を駆け抜け、セシリアの傍へと寄る。そしてうずくまるセシリアの背中を擦り、「大丈夫? しっかりしテ」と優しい声をかけた。

「はぁ……はぁ、ありがございます。紅さん。だけど……私はもうこれでおしまいです」
「そんナ! 友達になったばかりじゃなイ! そんなこと言わないで! 」
「闇咲さんに、よろしくです……」
「セシリアぁぁぁああああー!!」

歩はそんな2人を見て思う。
 え……なにこの茶番……。
 実際、セシリアと紅は大いに真面目なのだが、2人とも微妙に混乱気味なのか、言ってることは意味不明だった。
 
「セシリア様……もういいですか? 終わった?」

歩のその声に、セシリアは、ハッ! となり、顔を上げる。ちょっと口元が汚れているが、暗くて他からはよく見えないので、気にしない。

「やばいです! ということで、とりあえず防御~!」

セシリアは指を噛み、床に数滴、血を垂らし、自分と紅を包むように、結界を張る。それを見た歩はごっそりと、もぎ取られた、闘争心を少しだけ回復させる。
これだ……試してみるか。

「ではいきます。死ぬなよ!」

歩がそう言った次の瞬間、歩の持つ生首から滴り落ちる血が刃となって、セシリアたちを襲う。だがそれは結界に阻まれ消える。

「……血液の流れが関係しているものではないのですか? それが間違っていたとしても、今の術式は、結構な威力があったのですが、自分の血、数滴を代償に、瞬時に出したにも関わらず、その強度さ、さすがですね。 どんな術式だよ、年の功?」

そうセシリアが使ったのは、セシリアが唯一扱える魔導書の術式、血盾。その絶対防御力は絶大だ。

(だけどもう切れるんですよね~)

セシリアの結界が消える。欠点は時間制限。これでセシリアの手は尽きた。
 歩は警戒していた。元魔女の始末はこの状況ならいつでもつけられる。だがセシリアの行動が不可解だと。結界を張ったと思ったら、もう消したのだ。歩には何がしたいのか分からない。
 それとも、もうそいつを始末していい、という意思表示なのか?
 歩はそう思うことにして、精霊魔術で紅を殺そうと感覚を研ぎ澄ます。紅は、セシリアをボーっと見ていた。先ほどの結界に驚いてでもいるのだろう。彼女も優秀な魔術師だ。しかも元魔女。セシリアの結界の凄さに、ひと目見ただけで気づいたのだろう。 歩は紅に術式を放とうとする。しかしそこでまた、セシリアがなにやら喋りだす。

 「やばいですね~。でも、こんな時はもうこれしかない!」

 歩は一旦術式を中止しセシリアを見る。
 ん? 何をする気だ?
 セシリアは大きく息を吸い。

 「助けて!! 上条さ~ん!!」
 「セシリア! 呼んだか!」

 入り口から、ツンツン頭の少年上条当麻が現れる。
 な! やばい!
 歩は上条を見るなり。慌てて生首を持つ手を背中にまわし、上条から見えないようにする。
 
 「紅、仕事はどうしたのだ?」

 上条の後ろから現れたのは、全身黒のスーツを着込んだ男、闇咲逢魔だった。

 「や……闇咲―!!」

 紅は大量の鈴を鳴らしながら闇咲に抱きつく。闇咲は酷く困った顔をして、上条に助けを求めていたが、上条は苦笑いだ。

 「紅さん、探しに来たんだけど、セシリアに東条、どうしてここにいるんだ? というか。東条! 大丈夫かその傷?」

 上条が歩に近寄る。だが歩は上条が近づく分上条から離れる。

 「あれ? 東条さん? なぜ逃げるんですか?」

 とそこで、セシリアがまたも声を上げる。紅はまだ闇咲に抱きつき、今度は涙まで流していた。

 「上条さん! 歩さんが、上条さんと約束したにもかかわらず、紅さんを殺そうとしていました!!」
 「な! ……いえ……あの。元魔女だから」

 歩はしどろもどろ、といった様子で、上条を見る。そんな歩の様子を見た上条は頭を掻きながら

 「紅さんと戦ったのか? まあ、紅さんの怯えようからして、東条が勝ったのは分かるが……殺しはなしだろ? まあ気に食わないなら、喧嘩はいいと思うけどな」

 そう、上条はニッコリと笑って、歩に言う。

 「殺すつもりはありません……。ホント」

 歩は俯きながら、上条に言葉を返す。とそこでまたもセシリアが。

 「上条さん! でも、歩さんの左手に「セシリア様。今から帰って焼肉にしましょう。 好きなだけ食べろ」やった~!!」
 「ん? セシリア今何か言いいかけた?」
 「なんでもないですよ~」
 
 上条は不思議そうな顔をしてはいたが、気にしても仕方ないと思ったのか、その疑問の顔もすぐに消えた。

 「とりあえず、東条、約束してから、殺しやってないみたいでよかったよ」

 上条はウンウン、と頷きながらそんなことを言う。事実を知ったら果たして上条はどんな反応を示すのか……。

 「もちろんです。約束だからな」

 歩は顔を上げ、無表情で、淡々と答える。
 あぶなかった……危なかった……あぶなかった……危なかった……。
 だが心の中は、いっぱいいっぱいのようだ。
 上条は、セシリアと歩に説明する。闇咲と和解したこと。闇咲の助けたい少女の呪いをイマジンブレイカーで破壊するため今から、少女のいる病院に行くこと。その前に紅を迎えに来たことを。一通り説明した上条は最後に、宿題……。と呟いていたが、歩にはさっぱりだった。
 上条は、今だに紅に抱きつかれて困っている闇咲の元へ行き、「行こうぜ」と言う。その間も紅は泣きながら、仕事に失敗したことや、死にかけたことを、闇咲にワンワン話している。

 「紅、行くぞ」

 闇咲がそう言うと、紅は気づいたように闇咲から離れ、顔を赤くして固まる。その様子に闇咲は戸惑うが、もう一度

 「紅、行くぞ」
 「…う、うン、闇咲、紙とペンあル?」

 闇咲のもう一度呼ぶ声で、意識が返ってきた紅は、闇咲に、紙とペンを要求する。要求された闇咲はスーツのポケットから、メモ帳とボールペンを紅に差し出した。それを見ていた上条は「持ってるんだ……親近感あるな」などと言っていたが。それについて闇咲は、何も答えない。
 紅はメモ帳に何か書き込んでいる。書き終わると、紅はセシリアの元に駆け寄ってきてメモ帳から、書いたページだけを破り取り、セシリアに渡す。

 「セシリア! ありがとウ。 何かあったら連絡ちょうだイ。これ番号とメルアドだかラ。後今度遊びましょウ。じゃあネ」
 「またですね~!」

 上条、闇咲、紅をセシリアは手を振って、見送る。
 歩は上条が見えなくなったのを 確認して、ハァーと溜息を吐いてから、生首を適当に投げ捨てる。そんな歩はどこか、先生に怒られた後の、生徒のような雰囲気だった。

 「歩さん! ビーフ! ビーフ!」

 そんな歩をよそに、セシリアはビーフコールを夜中の学園都市で声高々に叫ぶ。

 「わかってますよ……。いつか殺してやる」
 「ビーフ! ビーフ! あ!」

 と、そこでセシリアのビーフコールが急に止まる。どうした? どうせ、たいしたことじゃないだろ? と歩は思ったが、とりあえず、ウザイ、コールが止んだことに感謝する。
 セシリアは、先ほど貰った紅の番号とメルアドが書いてある紙を見つめながら、絶望に飲み込まれるかの様に膝から崩れ落ちる。

 「携帯ないです……。歩さん、買って」

 セシリアが希望を見つけたかの様に歩を見つめる。

 「嫌です。誰が買うか! ゴホッ、ゴホッ」

 歩は血を吐きながら、思う。
 うん、やはりたいしたことじゃなかった。と



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