目が覚めたら
ゼルエルになってた
すごいよ!ゼルエルさん
第1話 ゼルエル大地に立つ(足ないけど)
い、今起こったことをありのままに言うぜ
”朝、目が覚めたらゼルエルになってた”
何を言ってるのかわからねぇと思うが、俺も何が起こったのかさっぱりだ
トリップとか、転生とかそんなチャチなもんじゃ断じてねえ
もっと恐ろしい何かの片鱗を味わったぜ
いやまあ正確には”味わった”じゃなくて"味わってる"なんだけどね
つうかマジで何なんだこの状況
何ですか。夢ですか。ああそうか夢か
ああよかった夢か~、よかった、よかった
・・・・なわけねぇだろ!
あれだよ、顔つねろうとしてもこれ手?がぺらぺらでつねれねえよ
ていうか刺さったよ、ぐさって
で、めちゃくちゃ痛えもん、これが
うん、だから夢じゃない。これは現実だ!
ぜんぜん嬉しくないけど現実だ!(涙)
さて現実を認識したところでこれからどうしようか考えよう
ちなみに刺さった部分はもう塞がっている
すごいね~、使徒の回復力って。あはははははは
まあそれはおいといて
先ず現在位置
どっかの沖合い
ていうか目の前に陸地見えるからね(たぶん数百メートルくらいの距離かな)
そしてたくさんの戦車に、いっぱいの戦闘ヘリもついでに見える
次に自分の状態
ゼルエル=使徒=人類の敵
ついでにいえばどうやら旧版じゃなくて新劇場版のほうのゼルエルらしい
まあ(海に映ってるのを)見た感じだけどね
総合判断
うん、ぜんぜん嬉しくない状況だね
そう思うが早いか、いっせいに目の前の戦車と戦闘ヘリから火花が飛んできた
すごいよ!ゼルエルさん 完
・・・・・になったらある意味よかったかもね~
うん、全然効果ないんだ。すまない
ていうか無駄にA・Tフィールド張ってるな
え~と何枚張ってんのかな、ひい、ふう、みい・・・うわ、十枚もある
そしてそれにありったけの火力を叩き込む戦自?の皆さん
こっちにゃ、爆風さえも届いてないがな!
うわははははは!俺TUEEEEEEE!俺SAIKYOOOOOOOOOO!
・・・・暴走初号機を抜いて
うんこのままだと初号機(と他2機)がくるよなぁ
そして電池切れ→動け、動け→初号機暴走→俺バッドエンド(ついでに捕食される?)
うんそうだよな、俺捕食されるんだよな・・・・
(想像中)
こ、
こえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
ちょ、マジで怖いんですけど
どうしようこれ、どうするよ俺
いや、落ち着け、こんなときこそ落ち着け。KOOLになれ俺
先ずは選択肢を見てみるんだ
①暴走初号機を倒す
②先にシンジを殺して無力化
③全面降伏
④捕食される、現実は無常である
③!、③!!、③!!!、全力で③!!!
ていうかこれしか活路が見出せない
①は無理。ていうかボディーはゼルエルだけど中身が一般ピーポーだから
あんな怪獣大決戦とか無理
②は心情的にもちょっと勘弁
それにたとえやったとしてもそれでも暴走しそうだし
④は論外
よし"全面降伏"決定
・・・・でもどうやって伝えたらいいんだ?
そうして俺はしばらくどう降伏するかの思案に走った
(ちなみに戦自からの攻撃はその間も休むことなく続いている)
SIDE 碇ゲンドウ
「ばかな!これだけの量の火力を受けてなぜ生きている!!」
「N2兵器はもう無いのか!残っている全部を叩き込め!!!」
無駄だ、その程度でどうにかなるような相手ではない
眼前には叫び散らしながら部下に命令をしている戦自の高官共
そしてモニターには不気味なほど静寂を保ったまま戦自の攻撃を受けている使徒
何もかもが想定外だ
まさか零号機起動実験の失敗の翌日に現れるとは
それに想定していた使徒とのあまりにも大きすぎる戦闘力の差
想定道理ならN2兵器なら足止めくらいは可能だったはず
しかし目の前の使徒には焦げ後ひとつ残せない
今からシンジをつれて来させるか?
いや、間に合うまい
ここに来るころにはとっくにやつはセントラルドグマに到達しているだろう
ではレイを初号機に乗せるか?
だめだな。戦闘どころか意識さえ戻っていない
本部を自爆させるか?
今目の前で5発同時のN2ミサイルの直撃に対して傷一つつかない化け物に対してか
無駄だな
これはどうやら
「負けたな」
「ああ、負けだ」
冬月の言葉に素直に同意した
ここまで絶望的な状況になるとかえってさめるな
「敵、移動を開始!」
「進行方向はこちらです!」
そうオペレーターが言うと高官共の顔が一様に青ざめた
「どうやら我々の現有戦力では対処できないようだ」
「よってこれより作戦権限は君たちに譲ろう」
「せいぜい頑張りたまえ」
そういうが早いか逃げていく高官共
まったくどこに逃げるというのか
どうせここが消滅した後は手当たり次第にあたりを破壊するだろうに
まあ、あとはドイツの弐号機にでも期待するしかないか
目の前の化け物を見るかぎり勝算はほぼゼロだろうがな
「敵、山中付近で停止」
「山を切り刻んでいます」
「何をしているんだろうな」
「さあな、使徒の考えなど人類には分からんよ」
冬月の疑問に力なく答える
しかし本当に何をやっているんだ
そう思っていると使徒が山から離れそのぺらぺらの腕?を上に上げた
何かの攻撃か?
「や、山に何か書いてあります」
「はあ、どういうことだ?」
「モニターに回せ」
そして出たモニターにはたしかに山に何か書いてあった
「冬月、後は頼んだ」
「待て碇!気持ちは分かるが待て!」
「仕事のし過ぎで幻覚が見える。適度の睡眠が必要だ」
「大丈夫だ!私にも見えるからな!」
「そうか。ではお前も寝ろ。以上だ」
「待て碇!現実から逃げるな!」
何を言っている冬月
こんなものが幻覚でなければなんだというのだ
そう思いあらためてモニターを見る
そこには汚い文字で「降伏します 命だけはお助けください」と山に書いてあった
うむ、やっぱり幻覚だ
視界の端に見える手を上げている使徒を無視しながら俺は司令室を後にした
「戻って来い!碇ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
あとがき
新劇場版のゼルエルが素敵過ぎて書いた
ちなみにこの世界は旧版の方
つまり旧版INゼルエル(新劇場版)憑依もあるよ♪です