―???視点―
―あれ?ここどこ……?
目の前には砂漠と星空が広がっていて……なんていうか、大自然のど真ん中にいるって感じ。
とても綺麗な光景……テレビでもこんなの見たこと無いわよ、これ。
『よぉ。起きたか嬢ちゃん』
誰か呼んだ?……って誰よ、この渋いオジサマ!?
高畑先生にワイルドさを足したような素敵さじゃない!どことなく鋭い視線がグッと来るわ!
『顔洗うんならあっちだ』
『うん』
あ、オジサマが私の視界から外れていく……。
ちょっと、誰だか知らないけどもっとオジサマを見せてよ。
そしたら、今度はゆらゆら揺れる水面が見えて、そこへ小さな手が差し出された。
すると、揺れる水面には、ぼんやりとだけどこの視界の持ち主らしい顔が写りだしてきた。
―これ……私……?
信じられないけど、水面に写っているのは、小さい頃の私にそっくり。
いや、けど私こんな砂漠に行ったが覚えないし、素敵なオジサマにも会った覚えが無いんだけど……?
じゃあなんで私こんな所にいるんだろうか?
『帰ったぜー』
『おぅ、早かったな』
あ、さっきのオジサマとは別の声がする。
誰か来たのかな?視界も自然と声のした方へと向けて―――あれ?この人……。
『お、目が覚めたか嬢ちゃん』
ちょっと待ってよ、なんでこの人がいて、私が知っているのよ?
―だってこの人は……。
『向こうの空を見てみなアスナ。夜明けが綺麗だぜ』
―ネギのお父さん……ナギ=スプリングフィールドじゃ……?
―ザッ―
―痛ッ!?
『――ッタク――ズイブント――モノネ――』
ちょ、なんなのこの雑音!?聴いていると頭が痛くなるんだけど……!?
まるでテレビの砂嵐みたいに視界が霞んできて、頭痛がして、雑音も酷くなって……。
―誰?この人……?
『うるせーよ××××……悪かったよ、そんな怒るなって』
『――ッテ――ノナラ――ツシミナサ――』
視界が砂嵐まみれだけど、ナギはかろうじて解るのに、この人だけは凄く霞んで見える。
声だって酷い。雑音まみれで何言っているのか……ていうか、耳が痛い……!
強いて解る事と言えば、声の主が女の人ってぐらいで……。
―あ、こっち見た。
『アラ――メザメ――シラ――ヒメサマ?』
―この人……どこかで……?
―あ、金髪
―明日菜視点―
―パチリ。
「今の……夢……?」
目の前には見慣れた天井。
私が横になっているここは私のベット。
視線を前から横へ変えてみたら……見慣れた部屋の光景。
そっか。今日は日曜だっけ。だから部屋がこんなに明るいんだ。
―それにしても……変な夢ね……。
―なんの夢かは忘れちゃったけど。
―――――
「―――で」
あの後、ちょっとチョコをつまみ食いして、木乃香のお父さんから貰った手がかりが学園の地図で、
色々やらなきゃいけないことがあるってネギが言って、いつの間にかいろんな人が来てドタバタして、今に至る、と。
「色々やることがあるって何なの?」
今はこうして私とネギ(ついでにエロカモ)は並んで歩いている。
小川が流れているこの道……エヴァちゃん家に何か用なのかしら?
「その……僕、この間の京都旅行で力不足を実感しまして……」
確かにあの時は大変だったわよね~。
「けどさ、相手が相手なんだから仕方ないんじゃないの?木乃香のお父さんも言ってたじゃない」
だって聞いた話じゃ、あの白髪のガキって物凄く強いらしいし。
けど聞いた話じゃ、木乃香のお父さんがいくら励まそうとしても、結構落ち込んでいたみたいだしね~。
根に持ちやすいのかしら?
「確かにそうなんですが……今のままじゃ誰が相手であれ、明日菜さん達を守ることは叶わないと思ったんです」
言っていることに間違いは無いんだけど……。
けどネギは真剣そのもの。そこまで考えてくれるのね……って、ちょ、ドキンって言うな私の心臓!暖かくなるな私の顔!
「だから、今日はある人に弟子入りを頼もうと思うんです」
よかったー、ネギは気づいていないみたい……。
今日ほどこいつがニブチンでよかったと思った日は無いわー。
けど弟子入りって……そういえばエヴァちゃんって凄い魔法使いだったわね。
―まさか……ねぇ。
―ルーミア視点―
―お休みなのに突然な話をするねーネギ君って。
「何?私の弟子にだと?バカか貴様は」
うん。今回ばかりはマスターの言う通りなのかー。
2階にあるマスターのベットの上にはマスターが居座っていて、右にはルーミアと茶々丸さん、左にはチルノちゃんと大ちゃんがいる。
チャチャゼロはルーミアの頭の上。私の頭の上はチャチャゼロの定位置になっちゃったみたい。
んで、ルーミア達の前に居るのは、マスターからバカ扱いされたネギ君と明日菜さん。
ネギ君が突然来たから何の話かなーと思ったけど、なんでマスターに弟子にしてくださいって言うのかなー?
「忘れていないか?私と貴様は敵同士なんだぞ?その敵を強くするバカがどこにいる」
そうだそうだー。マスターの言う通りだー。
ルーミアとネギ君はお友達だけど、敵でもあるんだぞー。
ついでにマスターにネギ君の血をよこせー。呪いを解けー。残ったらルーミアに食べさせろー。
「それを承知の上で」
「第一」
言いかけたネギ君をマスターの手が止める。
そしてマスターはルーミア達を親指で指差し、疲れたように言い放つ。
「うちにはバカが3人もいるんだ。これ以上バカを引き入れてたまるか」
あいたたたー。ルーミア、バカだと自覚しているからなんとも言えないなー。
チルノちゃん、そこはドヤ顔していい所じゃないよー?
戸惑っているようだけど、大ちゃんも数に入っているからねー?
けれどネギ君はその程度じゃ引かないみたいで、正座のままその場に留まっている。
その目はとても強いもので、諦めるかっていう意思がルーミアでも解るほどに伝わってくる。
「京都での闘いを目の当たりにし、ルーミア達から話を聞いて思いました!強さを知り、戦い方を学ぶならエヴァンジェリンさんしかいないと!」
―あ、少しだけどマスターが反応した。
あの闘いの後、ネギ君(と、同志こと夕映さん)から色々と質問攻めされたんだよね。
夕映さんには悪いけど詳細を省いて(というかチルノちゃんが相手だったから諦めた)、ネギ君には色々と話したの。
どうしてあんなに強くなったのかって聞かれたから、マスターが鍛えてくれたんだよって。
あ、ちなみにこの時からチルノちゃんと大ちゃんもネギ君のお友達になったよ。
―あれ?もしかしてこうなったのってルーミアのせい?……そんな怖い目で睨まないでよマスター。
「……つまりあれか?私に地獄を見せろ、と言っているのか?」
顔はほんのり赤いけど、ネギ君を見る目が狩る者のそれだー。
ネギ君も明日菜さんも引き気味だけど、それでもネギ君は引かない。強い子だー。
「それで強くなることが出来るのなら……!」
「……本気なんだな?」
「ハイ!」
おー、どうやら覚悟は本物だー。マスターもどこか嬉しそうだよ。
茶々丸さんとチルノちゃんが拍手を送っている。チルノちゃんは解っていないんだろうけど。
すると、大ちゃんがすすすっと前に出て手を挙げる。控えめな行動だけど、ネギ君はそれに気づいたみたい。
「あの、ネギ君、エヴァンジェリンさんの修行って凄く厳しいんだよ?あまりオススメ出来ないんだけど……」
大ちゃんが心配そうにネギ君を見て言うのも、無理ないかなー。
私達は復活できる術があるからいいんだけど、人間がやったらどうなることやら。
お友達を危険な目に合わせたくないっていう気もあるし、本気で死ぬかもしれないからね。
「ぶっちゃけネギヤベェ!」
うん。チルノちゃんの言うとおり、確かにヤベェかもー。
茶々丸さんのネギ君を見る目がどことなく心配そうだし。
三人からの意見や視線があるからか、少しネギ君が息を呑んだけど……主マスターと向き合う。
「……そこまで言うのなら、私も無視はできんな」
「じゃあ……!」
「ただし」
またしてもネギ君を止めるのはマスターの一言。
「私は仮にも悪い魔法使いだ。それなりの対応をさせなければな……ルーミア」
おー、マスターが凄く悪い顔をしているー。かっこいー。
ルーミアがマスターを見ていると、マスターはルーミアを見て、顎をしゃくってネギ君を指す。
おー、あの新技をここで試していいのかなー?
さっそくルーミアは地面に……正しくはルーミアの影に手を当てる。
「……?」
ルーミアのやっていることがわかんないみたいで、ネギ君も明日菜さんも首を傾げている。
そんなの関係ねー。ルーミアは実戦投与できなかった新作のスペルカードを掲げる。
―じゃあ行くよー。高音さん直伝の影スキル技ー。
「影符『シャドウデーモン』」
安直だけど『影鬼』って意味。
ずるり、とルーミアの影から真っ黒い手―大人ほどのでっかいの―が生えてくる。
明日菜さんもネギ君も声を出せないほどに驚いているけど……。
そんなの関係ねーパート2。
「うわひゃーっ!?」
「ネ、ネギーっ!?」
ごめんねネギ君、新技の餌食になってねー。
おっきな黒い手はネギ君を身体ごと掴んで宙吊り状態に。
ちなみにこのスペルカは、本来は大人サイズの悪魔を作り出して攻撃する奴隷系弾幕。
高音さんのを真似てみたら出来たんで、そのままマスターの推薦で強化したの。
結構便利だよー。疲れるけど、お掃除とか片付けとか楽になるしー。
そのまま、ネギ君を影の手で掴んでマスターに献上。ネギ君の首筋をマスターに見せつける。
「貴様の血を差し出せ、ネギ=スプリングフィールド。私の眷属となりて忠誠を誓え」
といって牙を剥き出しにして笑うマスター。かっこい~!
ネギ君もビビっているよ!いけいけ!そのまま血を吸っちゃえ!
「やめんかーっ!」
「ぶげらーっ!?」
あー、明日菜さん酷いー!
あのハリセンで叩かれたら影の手が消えちゃったー。
ついでにマスターも引っ叩かれた。素早い。けど障壁どうしたんだろ?
おかげでネギ君が抜け出して、明日菜さんに救出されちゃったよ。残念。
「子供相手に何怖いことやってんのよー!」
「だから真祖の魔法障壁をたやすく貫通するなー!」
うーん、どっちもどっちに聞こえるのはなんでだろー?
頬を押さえて涙を流すマスターは茶々丸さんに任せるとして、
興奮気味で真っ赤な明日菜さんをどうしよっかー。
「……チルノちゃん、レッツゴー」
―熱くなった時には冷やすのに限るよねー。
「凍符『お仕置き冷凍』!」
チルノちゃんから放射状に放たれる冷気が明日菜さんに襲い掛かる。
ちなみにこれは魔法で発生させた冷気ではなく生粋の冷気なので……。
「寒いーっ!」
このように、魔法が効かない明日菜さんにも有効だってマスターが言っていたけど、本当だったねー。
明日菜さんの身体中に霜が走っているよ。これは寒そうだー。
「何すんのよー!」
「冷やした!」
「それぐらいわかるわ!」
チルノちゃんに明日菜さん、クールダウンクールダウン。逆効果だったかな?
明日菜さんもタフだなー。ガチガチ震えているのに割と平気そう。
「大体、ネギがこんなに頼んでいるのに嫌がらせするエヴァちゃんが悪いじゃん!」
「なるほどそれもそうだ!弟子入りしてあげてよ、ししょー!」
―チルノちゃん簡単に流されないでー。
「私は仮にも吸血鬼だぞ!?威厳ってものがあるんだよ威厳ってものが!」
「それもそーだ!レミリアみたいにいばりん「いけチャチャゼロ!」『アイサー』b」
―ピチューン!
チャチャゼロのナイフ投げがチルノちゃんにヒットー。
呆気なくピチュったよ。懲りないねぇチルノちゃん。
「大体なんでそんなに坊やの肩を……?」
「な、なによ?」
「……もしや坊やに惚れたか?」
「な……っ!?」
マスターと明日菜さん、何気なくチルノちゃんをスルー。
ついでにネギ君と、ネギ君を介護する茶々丸さんと大ちゃんもスルー。
見慣れちゃったから仕方ないかなー?
それよりも、マスターの言ったことは本当みたいだねー。
明日菜さんが言われて真っ赤になった途端、体中の霜が溶けちゃったもん。
「へー、明日菜さんってネギ君に―」
「違う違う違うーっ!」
「へぶーっ!?」
「あいたーっ!?」
明日菜さん、恥ずかしいからってハリセンを連打しないでー!
痛い痛い!頭痛い!あ、マスターが叩かれてぶっ飛んだ。強いなー明日菜さん。
「ほんとだー。真っ赤っかー。明日菜さんはネギ君にお熱なのかー」
「違うって言ってんでしょー!ネギはまだ子供じゃん!」
「ムキになって否定とはカワイイではないか!図星か?図星なのか!?」
「違うーっ!」
「はぷらーっ!?」
「何度もマスターを叩かないでよ、このおバカー!」
「おバカにおバカ扱いされても痛くも痒くもないわー!」
「やったな神楽坂!このショタコンめが!」
「いいんちょと一緒にするなヘボ吸血鬼ー!」
「もうやめてー!マスターのライフはゼロだよー!」
「アタイ巻き添え!」
ワーワー、ギャーギャー、ドタバタ、騒がしくなってきたー。
チルノちゃんが巻き込まれているみたいだけど、気にしていられないよー……って痛!
ほっぺぶたれたー!マスターにもぶたれたことないのに!主に手で!
「あああ、あの、止めなくていいんですか茶々丸さん?」
「ああなったマスターと明日菜さんを止めるのは私にも難しいかと」
『従者トシテノ職務ドコロカ突ッ込ミデスラ放棄シテンジャネーヨ』
「あ、あのー、弟子入りの件については……?」
外野が何か言っているみたいだけど、ハリセンの叩く音で聞こえないよー。
―ピンポーン
あ、それでもチャイムは聞こえたよ。
「すみません大泉さん、ネギ先生、マスター達をお願いします」
あー、茶々丸さん行かないで。誰がこの喧嘩を止めるのー?
というか、いい加減に喧騒から出してー。痛い痛い。
ルーミアが防戦一方なのに、マスターと明日菜さんは取っ組み合いをやめない。二人ともタフなんだなー。
「あわわわわ、どうすれば~!?」
「ち、チルノちゃん大丈夫?」
「平気。アタイサイキョーだから……」
―あ、チルノちゃん抜け出してずるい。ルーミアもなんとか抜け出して……!
「マスター、お客様です。綾瀬夕映さんが来ています」
―ピタリ。
取っ組み合ったままとはいえ、ようやくマスターと明日菜さんが止まった。
茶々丸さんの呼びかけが遅かったら、ルーミアも危うくピチュるところだったよー。
「へ?夕映ちゃんが?」
「またか……しつこい奴だな……」
明日菜さんは意外そうに、マスターは面倒くさそうに立ち上がる。
ネギ君も不思議そうに首を傾げているよ。何で夕映さんが来るのかって。
―夕映視点―
先ほどから玄関前でドタバタと騒がしく聞こえていたので何事かと思いました。
しかし理由はわかりました。原因は明日菜さんとの喧嘩だったんですね。
「おはようございますエヴァンジェリンさん、ネギ先生。朝早くからすみません」
「お、おはよーございますネギせんせー……」
「お、おはようございます。夕映さん、のどかさん」
のどか、いくらネギ先生がいるからとはいえ、緊張しなくてもいいですよ。
付き添いで着てもらったとはいえ、ネギ先生に会えるとは思わなかったのでしょうが。
「まったく、坊やと明日菜だけでも面倒なんだがな……」
「ちょっとエヴァちゃん、そんな言い方ないでしょー?」
いえ、エヴァンジェリンさんの言うとおりです明日菜さん。
朝早くからお邪魔した上、他に客人がいるとは思わなかったので。
それにしても二人とも、なんでそんなにボロボロなんですか?
同志ことルーミアもボロボロですし……何を揉めていたのでしょうか?
―まぁいいです。本題に入らせてもらいましょう。
「エヴァンジェリンさん、お話があるのですが」
「知らんな」
「先に言うのは邪道です!」
「突っ込む所はそこか!?」
用件も聞かないで話を終わらせようとしてもそうは行きません!
私は注意をこちらに向けるべく、机を叩きます。……ちょっと痛いですけど。
ここにネギ先生が居るのは好都合です。ついでに聞きたいことがあったので。
「単刀直入に聞きます。ルーミアさん達は一体何者なんですか?」
「だから知らん」
むむむ、平然と……やはり手ごわいですね。
京都旅行の時にも聞いたので予想はしていたのですが、微動だにしません。
私はふと同志ことルーミアさん、チルノさん、大泉霧夏さんを見ます。
三人揃ってキョトンとしている姿は可愛らしいですが……油断なりません。
京都旅行のあの夜……木乃香さんの実家で起こった事件が起こった頃。
私はこの子達の力を目の当たりにしました。
チルノは巨大な氷の怪獣を作り出し、それを一瞬にして転送する力を持つ霧夏。
そして同志は……身の毛も弥立つどす黒いオーラを放っていました。
あの見ていて恐ろしいと思えるオーラは、厨二的な言い回しになりますが『闇』なのでしょうか?
ともかく、私達はこの子達が知りたい。
そう思って問いただすものの……同志達(特にチルノ)相手では疲れるだけでした。
なのでこうしてエヴァンジェリンさんに問いかけるのですが……。
「でしたらあの時の光景はなんだったのですか!?」
「あの時?あの時ってなんだ?」
「とぼけないでください!木乃香さんの実家で起こったあの事件での出来事を……」
「夕映、貴様疲れていたんだよ……」
うぐぐ、手ごわい……手ごわすぎます……。
何言っているんだこいつ?みたいな冷たい眼差しが痛すぎます……ですが!
「ネギ先生!明日菜さん!」
「は、はい!?」「ふぇ!?」「ひゃぅっ!?」
おっと、のどかとお話中でしたか。失礼いたしました。
ネギ先生が持ち出した学園の地図について話していたのでしょう。後で私にも見せてくださいね。
それにしても、のどかは解るとして、なぜ明日菜さんの顔が赤いのでしょうか?
そんなことより、失礼ですが、お二人に協力をお願いするです。
「この際だからお二人にもお聞きしたいです。木乃香さんの実家で起こったあの騒動は一体なんだったのですか?」
「あ、えっと、それは……」
「えーっと、ねぇ……」
ふむ、やはりエヴァンジェリンさんと比べるとお二人はわかりやすい反応ですね。
む?どうしてあなたまでそんなに慌てているのですか、のどか?
「ならば、ここでハッキリと言わせてもらいます。……正直まだ解らない点や有り得ない点が多すぎて確定はできませんが、あの夜を見て思い知りました」
そう、私はあの夜、様々な出来事をこの目で見てきました。
―石になる現象
―妖精
―氷の怪獣
―狗神と呼ばれる黒い犬
―闇を操る少女
―白い羽根の少女(誰かは見えなかったですが……)
―魑魅魍魎の妖怪達
―そして四ツ手二ツ面の大鬼
これらの存在が結びつく答えは……!
「ネギ先生、エヴァンジェリンさん。あなた達は妖魔、または妖精といった、幻想的生命体の存在を知っているのですね?」
―完―
今回から弟子入り編です。
移転に辺り、少し修正や変更点を増やしました。
惚れ薬イベントはここでも発生。
原作と違い、カモの改心やネギの冷静さもあったので無しにしようかと思ったのですが、あえてそのままにしました。
特に理由はありません。
そして今回、夕映は踏み切らせてみました。
七巻を見る限りでは、ここで踏み切っても流れ的には原作に沿えると判断できたので。
それに加えて、夕映が京都の夜に目撃したのはルーミア達達です。
魔法使いや陰陽師の存在よりも、妖魔や妖精の存在に見入ったといっても過言ではありません。
夕映は魔法だけでなく、幻想郷にも踏み込もうとしている、という展開にしたかったのです。
遅かれ早かれ、多かれ少なかれ、ネギ達が幻想郷に触れ込む基点は増やしておきたいと思い、書きました。
楓と古が幻想郷について知るのはもう少し先です。
また、にじファンではこれより前に東方キャラが麻帆良入りしているのですが、もう少し先になります。
時期が早すぎることや、閑話としてまとめて投稿する理由があります。
期待していた方には申し訳ありませんが、もう少しお待ちください。
では皆さん、また次回にお会いしましょう。
ご意見、ご感想、ご指摘など随時歓迎します。