A組の出し物は大成功だ。エリにとってもかなり楽しめたようだ。
「ノアさんのね最後の氷がぶわぁって!!妖精さんとかチョウチョになって
キラキラぁってなってね!!」
言葉がまとまらないほど嬉しかったようだ。その様子を見ていたイザナが
笑顔を浮かべた。
「ご機嫌だなエリちゃん。まだまだ回るところは沢山あるぜ、みんなで
回るか」
エリを肩車するイザナ。その姿を見て緑谷、ノア、通形は笑い出した。
「イザナとエリちゃんは親子みたいだね。エリちゃん、いいなぁ!カッコイイ
お父さんがいるなんて」
通形に言われエリは頬を赤く染めている。「父親、ね…」小さくイザナが
呟く。彼はエリに目を向けた。
「そうだな…ならエリちゃんに俺の名前をあげよう。新しい家族だ」
「新しい…家族?」
「そう。俺の名字は天羽だからエリちゃんの名字も俺と同じになる。だから
これから天羽エリだ」
エリはポカンとしている。ノアは紙に名字を書いた。
「天羽ってこうやって書くんだよ。天使の羽って書いて『あもう』って」
「天使の、羽!可愛い…!」
ミスコンを見終わって、別れの時が来た。エリに緑谷は手作りのりんご飴を
渡した。