目を覚ましたのはその戦いから数日後。マグナガイアの体は全身包帯で
包まれていた。
「全く、勝手に毒薬を持ち込むとは…」
「悪いなメディスン」
メディスンは呆れたような顔をする。顔を下に向けるとマグナガイアの手に
小さな手が添えられていた。
「手は…動かなくなっちゃうの?」
エリは心配そうに聞いてきた。そんな彼女をそっと撫でた。
「動くさ。無くなったわけじゃないからな」
そう伝えると彼女は柔らかい笑顔を向けて「よかった」と呟いた。
その日は妙な夢を見た。
不気味な男は拘束されている青年の顔に手をかざした。
それはなんだ?その青年の拘束は解かれて彼は振り向いた。その顔は実の
父親、新輝そっくりだ。彼はそっと私を抱きしめた。
「貴方?どうしたの?」
優佳里は新輝に声を掛けた。優佳里に笑顔を向け彼は大丈夫だと言った。
「ノアは…俺の事を知ったらなんて思うかな?嫌われちまうのかな」
「まさかノアは良い子です。絶対嫌いません。私も大好きですもの」
優佳里は新輝の大きな手を握った。容姿は20代後半あたりから何も
変わらない。唯一変わったのは大事な家族が出来たこと。命と引き換えに
守りたいほど愛しい妻と娘が出来たこと。