子どもたちは大きな鳥を見て自然と集まってきた。
「わぁ!サンタさんだ!!」
「みんな、お腹いっぱいになるまで食べていいからね」
心音とココは子どもたちに食料を配り始めた。一人の少女が気まずそうに
心音の近くにやってきた。彼女の手には見覚えがある本があった。
「その本…私が書いた本。読んでくれてるの!?」
「うん…このお話が大好きなの」
本を見せてくれた。冒険記の第一巻、フグ鯨を見つけに行った時のことを
元にした話を載せていた。心音は屈み込んだ。
「本を読んでくれてありがとう。実はね、その本に出てくる占い師には
モデルになった人がいるんだよ」
「…あ!」
少女は目を見開いてココを見た。ココも彼女を見て笑顔を見せた。
貧困国にも心音の本は広まっていた。それが心音にとってはとても
嬉しい事だった。ココは一人で寂しそうにしている子どもを見つけて
パンを差し出した。
「大丈夫、君には明るい未来が待ってるよ」
そう言われた子どもは嬉しそうにパンを受け取り礼を言った。彼の存在も
また知られていた。彼の占い結果は良く当たる。キッスが何かに気付いて
鳴き始めた。上を見上げると綺麗な雪が降ってきた。それも食べられる
味雪だ。
「最高のクリスマスだね、みんな」
心音に驚きの報告が入ってきた。伝書風船鳩が心音に手紙を運んできた。
鳩はすぐに飛んで行ってしまった。その手紙を見るとパッチ氏からの手紙。
心音が小松の近くで彼を支え特殊調理食材の調理に僅かながら手伝い
関わったことがあるので料理人として認められ順位は一気に100位圏内に
入るだろうということだった。心音にも最高のプレゼントが届いた。