トミーロッドと対峙するサニーはサタンヘアを使っていた。しかし
まだ操作になれていないようだった。それをトミーロッドが見逃さないはずが
ない。斬り落とされたトミーロッドの手が動いた。しかしサニーの首を
掴む前に何かに阻まれた。トミーロッドも。
「これは…!まさか心音が…ッ!」
サニーは後ろに目を向けた微かに見えた心音の姿はそこには無かった。
だが確かに声が聞こえた。
「愛の女神の宮殿よ、英雄たちに癒しの間を…!フォールクヴァング!」
その声と白い壁、透けた姿はグリンパーチーと戦うココやスタージュンと
戦っているトリコにも認識できた。
「これは…心音ちゃんが…?」
「心音が張ったのか…さっきの壁は!」
たった一回だけだがその壁は全員の命を繋ぎ止めた。
「人間を生かすために体を張る…か。随分と芯の強い娘だ」
スタージュンは鼻で笑う。最終ラウンドというところで全員が何かを
感じ取った。新たな敵の登場だ。名をジョア、闇の料理人だ。更に
彼は再生屋、鉄平を洗脳していた。
「こっちの方がもっと厄介って事かよ…!」
「わぁっ!アンダーリアさん、ボロボロじゃないですか…」
アンダーリアが血反吐を吐きだした。地面に四つん這いになった。
自慢の脚力もかなり落ちている状態だ。
「…お前の力…トリコたちの命を繋ぎ止めたみたいだな…。よくやったな
心音嬢」