アインは人間界へ帰還した。そしてアンダーリアもいるIGO本部に来た。
「茂松は死亡。NEOにはニトロの協力者もいるようです」
「そうか。悪いな、辛い役割をさせちまって…」
エリア8はグルメ界で唯一、無差別な捕食が認められていない場所。
「そうは言ってたけどそれって食物連鎖の下にいる猛獣は不利だよね。
上の人たちは自由に食べられるのにさ」
心音は窓の外を見ながらそう言った。車内に一匹の猿が侵入してきた。
ゼブラは真っ先に猿を仕留めにかかった。
「えぇ…大丈夫かな?手荒なことして…」
心音は小声で呟いた。その猿は何かを叫んだ。何を叫んだのか、明確に
察知したのは心音だった。
「マズイ!この猿の仲間たちが来るよ!!」
そう言ったそばから周りは猿たちに囲まれていた。心音は電シャークの中に
残り、他は外に出て応戦する。猿たちはタフ、そして数が多い。だが突如
猿たちは動きを止めた。大きな猿が下を見下ろしている。同時にトゲトゲした
花が一輪咲いた。数匹の猿たちはそれに怯えているようだ。地面が割れ
電シャークとトリコたちが下に落ちていく。電シャークの中から外を見ると
遺跡跡のような場所が見えた。
「地下、かな?大きな国があったみたいな…」
「その通りです」
現れたニトロはそう言った。味仙人、カカと名乗った。ここにはブルーニトロ
たちに奴隷にされていた人間が築いた国があったようだ。カカと行動を
共にすることになった。カカにとって小松は命の恩人だという。乾眠から
自身を目覚めさせてくれたからだ。
「貴方は…不思議な髪色をしていますね心音さん」
「これですか?あるときから白くなって…遺伝みたいなんです」
「そうなのですね。若い方で真っ白な髪をしているとは思いませんでしたので」