「貴方は小松君ね」
「?はい…そうですけど」
白髪の女性は彼に声を掛けた。
「私は寿葉、こっちは夫のロクドウ。実はね貴方のよく知る子の親なの。
貴方、死んじゃったのね…」
「まだまだ必要とされていると言うのに哀しいなぁ」
ロクドウと呼ばれた男はそう言った。小松はふと声を聴いた。
「…聞こえる?貴方を呼ぶ声。さぁ私たちが案内しましょう、ここの出口へ」
そして寿葉に連れていかれて明るい光の元へ歩いていったのだ。
一度死んだことで食材の声がより聞こえるようになった小松。サンドリコを
食べることで花粉による症状が一気に消えた。山は突然崩れ中から家が
見えた。引っ張られるような感覚だ。どうやらあれは墓らしい。
「もしかすると恋人の墓なのでは?これは私の考えだけどモンキーダンスは
成功していたんだ。顔を近づけたときに見えたんだ。嬉しそうな
バンビーナの顔。キスをしようとしたんだよ」
「確かに…キスをしている壁画がある。心音ちゃんの考えは当たっているみたい
だよ」
ココは笑顔を向けた。全員の元に電シャークが戻ってきた。とは言っても
電シャークは今、自力で動けないのだ。どうやって下山すればいいだろうか?