マリはスマートフォンをインカメラに設定し、レイの横に座って画面の中を確認していた。
レイはその様子を不思議そうにまじまじと見ていた。
マリはスマートフォン画面内の赤い録画ボタンをタッチした。
レイはその瞬間、彼女の雰囲気が変わったのを感じ取った。
「もうちょっとこっちおいでよん♪」
そう言うと彼女はレイのくびれた腰に右手を回した。
掌に柔らかな肉の感触を感じながら彼女の身体を引き寄せた。
驚いた表情を見せるレイにマリの可愛がるような視線が甘く絡んだ。
戸惑いから不安そうに握られたレイの右手をマリの左手があやすような手つきで解き指を絡めた。
「何……?」
驚き、戸惑い、不安、恐怖…。感じた事がない感情の波に彼女は当惑していた。
そして絡んでくるマリの不気味に甘い視線が彼女の発育途上の身体を縛りつけた。
密着した身体からマリの体温が感じられる。レイにとってそれは彼女からの侵蝕のように思えた。
他者からぶつけられた事のない歪んだモノ。それが愛情なのかそれともたんなる動物的な欲望なのかは分からない。
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マリの足がレイの足に絡み、腰に回していた右手は制服のシャツに伸びて器用にボタン一つ一つを下から外していった。
「っ! やめっ…。」
マリは、はだけた胸元から首筋に向かって舐った。
逃さんばかりにレイの身体を抱き寄せてさらに密着させ、お前は自分のものだと言わんばかりに首筋を吸う。
身を捩って拒否する彼女を宥めようと手は彼女の胸を侵入する。滑らかな肌触りとその細身からは想像し難い豊かな膨らみ、そして香りたつ甘い匂いに彼女はさらに興奮した。
絡めた指に力が入る。
「あっ…! んん…っ! ぃやぁっ!」
「んへへ。良い声で鳴く子じゃん?もっとも〜っと鳴かせてあげよっかにゃ?」
耳元でそう囁くとレイの身体は諦めたように力が抜け始めていった。
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マリは本能の赴くままなりふり構わずしたいようにレイの身体を弄んだ。
「………。」
シャツ、リボン、スカートに下着…。完全に脱がされずに絡んだようにされたのはマリの性癖からだろうか。
嬲られた身体は力なく本当の人形のようにベッドに横たわっていた。
「ふふっ。良かったよ、レイ♪」
「………。」
「反応無しかよ〜?まぁ無理もないか?ごめんよ〜。でも我慢できなくてさ〜。」
「あの人に似ててね…♪」
「まぁ悪いようにはしないからさ!安心しにゃ〜♪」
そう言って服を着ながらマリは上機嫌に古い歌謡曲を口ずさんだ。
その後手早くスマートフォンと三脚をしまい、レイをそのままに部屋を後にしたのであった。
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