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No.40561の一覧
[0] 極悪世紀エヴァンゲリオン 俺の名を言ってみろっ(北斗の拳クロス、ジャギシンジ)[まーさ](2014/10/09 20:51)
[1] ふたりの悪党[まーさ](2014/10/06 02:28)
[2] ふたりの悪党2[まーさ](2014/10/07 00:50)
[3] ふたりの悪党3[まーさ](2014/10/08 01:17)
[4] その名はジャギ[まーさ](2014/10/10 00:57)
[5] その名はジャギ2[まーさ](2014/10/11 00:34)
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[40561] 極悪世紀エヴァンゲリオン 俺の名を言ってみろっ(北斗の拳クロス、ジャギシンジ)
Name: まーさ◆674153c6 ID:c5a8007c 次を表示する
Date: 2014/10/09 20:51
20XX年、人類はセカンドインパクトの災害に見舞われた。
人々の生命は奪われ、親を失った孤児と住む場所を失った難民が巷にあふれ、飢餓と貧困に治安は悪化の一途を辿っていった。
だが、人類は決して懲りることもなく、お互いを警戒し、争っていた。悲しい時代だった。あまりにも悲しい時代だった……

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最初にミサトの鼻を突いたのはアルコールの匂いだった。
鋲付きのレザージャケットから覗き見えるのは、隆々とした筋肉に覆われた上半身だ。
その筋肉に覆われた胸板と腹部には、まるで北斗七星のような傷跡が見えた。
革張りのソファーにふんぞり返った鉄仮面の男が、握りしめたジャックダニエルを煽りながら唇を歪める。値踏みするような視線を向けて。
「それでこの俺に何をしてほしいってんだ、姉ちゃんよ」
男の態度と口調は明らかに人を小馬鹿にしていた。
「……シンジ君よね?」
途端に男の隣に座っていたもう一人の男が笑い始める。
「ジャギよ、久しぶりに自分の名前を聞いた気分はどうだ?」
「うるせえぞッ、テメエは黙ってろ、アミバッ!」
なおもケタケタと笑いながらアミバと呼ばれた男がソファーから立ち上がり、ミサトに近づいた。
「それで女、ジャギ、いや、シンジに手助けをしてほしいという話だが、何か土産はあるのか?
まさか手土産もなしに助けを求めるような振る舞いはすまいな?」
生憎とミサトは土産など持ってはいなかった。
「今は何も持ってないわ……でも、助けてくれるなら報酬を払うわよ、ネルフがね」
ミサトが気丈に振る舞って見せる。ここで少しでも怯めば相手に付け込まれそうだからだ。
「話を聞かせてもらおうか。ああ、それとよ、姉ちゃん……俺の名はジャギだ」
男がソファーから立ち上がった。
「もう一度言うぜ、俺はシンジじゃねえ、その名はとっくに捨てちまったよ」
ジャギがジャックダニエルを空にし終えると同時にけたたましいサイレンが鳴り響いた。

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見たわす限り、瓦礫の山だ。倒壊したコンクリートに押しつぶされた通行人の亡骸がそこかしこに転がっている。
「まるで人がゴミのようだな、ジャギよ」
アミバが潰れた死体を一瞥しながら、つまらなそうにジャギに問いかけた。
「へへ、逃げ足が遅い奴、鈍くせえ奴から先にくたばっていくのさ」
コンクリートの粉っぽい煙に混ざって、辺りには血の匂いが漂っていた。くたばりぞこないが苦痛に呻き声をあげている。
「それで姉ちゃんよ、あとどれくらいでジオフロントに着くんだ?」
スクラップ化したアルピーヌの前に立ち尽くすミサトにジャギが声をかけた。
「車かバイクがあれば、あと十五分掛からずにつくんだけど……」
「それなら丁度いいのがあるぜ。そこにバイクが落ちてやがる」
道路の真ん中に倒れた大型バイクを指差し、ジャギはわらった。老人を下敷きにしたバイクを指差して、愉快そうにわらっていた。

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物心ついた時には、ジャギは明けても暮れても血の滲むような修行に不乱し続けた。それがシンジの……ジャギの人生だった。
両親は幼いジャギを捨て、山門に置き去りにした。そこをリュウケンに拾われたのだ。
そして、リュウケンは拾った幼子にそれまでのシンジという名を捨てさせ、ジャギという名を与えた。
ジャギは邪鬼に通じる。邪悪なる鬼。成長するにつれてジャギの心はねじ曲がり、歪んでいった。
誰からも愛されず、誰からも顧みられることなく育ったジャギは人の愛や温もりを味わったことがない。
人を愛する事もなければ人に愛されたことも無いジャギの精神はどこまでも冷たく薄暗い。
嫉妬、劣等感、憎悪、渇望。ジャギの心を満たすのはドロドロとした滓のような負の感情だけだ。
だからジャギは、血の滲む包帯に覆われた痛々しい姿の少女を目の前にしても何も感じることはなかった。

(なんだ、この陰気くせえのは?)
ジャギの頭に浮かんだのはそれくらいのものだ。強い奴が生き残り、弱い奴は死ぬ。
大怪我を負ったのはそいつが弱いか間抜けだからであり、弱い奴はさっさとくたばりゃいい。それがジャギの考えだ。
弱肉強食。それがジャギの掟だ。
向こう側のモニタースクリーンでは実の父親であるゲンドウが大声で何かをわめき散らしている。

「臆病者はさっさと帰るがいいっ!」
「ジャギよ、あの趣味の悪いサングラスをかけた髭面の親父がお前に向かって何かを喚いているぞ。怒鳴っているのは女に振られた八つ当たりかな」
ニヤニヤしながらアミバがジャギを横目で見る。
「ああ、多分酒の飲みすぎか、ドラッグの打ち過ぎで頭がおかしくなってんだろうよ。だからあんなだせえサングラスをかけてられんだぜ」
ジャギとアミバの言い草に職員の何人かが唖然とし、あるいは必死で笑いを堪えた。
「なっ、キサマらッ!」
「おい、オッサンよ、人にもの頼むときゃ、頼み方ってのがあんだろうがよ。俺たちゃテメエの子分でもなんでもねえんだぞっ」

「その通りっ、どうやらお前は何か焦っているようだが、となるとよほど重大なことなのだろう。
そしてその問題を解決するには俺達の力が必要だということだ」
ゲンドウが再び怒鳴り散らした。
「おいっ、誰がそこの民間人をネルフの中に入れたのだ!」
ゲンドウがアミバに向かって指差しながらミサトを問い詰める。
「あ、いえ、これはその、行きがかり上やむを得ず……」
「オッサンよ、俺にあのわけわかんねえエヴァとかってのに乗ってほしかったらよ、頭を下げなよ。
そうだなあ、ジャギ様、どうかこの私に力をお貸しくださいって頼むなら乗ってやらなくもねえぞ」
ゲンドウが身を乗り出して叫んだ。
「ふ、ふざけるなっ!」
「ジャギよ、どうやらあのサングラスは俺達に用はないらしいぞ。こんな場所にいても面白くもないし、バーに戻るとするか」
「ああ、そうすっか。俺もまだ飲み足りねえしよ」
ジャギとアミバが踵を返すと慌ててゲンドウが食い下がってくる。
「わ、わかったっ、頼む、どうか我々ネルフに力を貸してくれっ」

「ふん、最初からそういや良いんだよ、アホが」
ジャギがモニター越しにゲンドウに向かって唾を吐きかけた。
「ふはははっ、そうだ、俺達に媚びろ、跪け、助けてほしければなぁっ」
アミバの哄笑が延々とフロント内で木霊を上げ続けた。

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ジャギの放った一撃が使途のコアを打ち砕いた。呆気ないと言えば呆気ない勝負だった。
だが、それは使途が弱いからではない。ジャギは曲がりなりにもかつては北斗神拳の伝承者候補の一人だった。
「へ、動かなくなったな。このデカブツ、くたばったか?」
パターン青消滅、使途を撃破しましたという職員の声がジャギの耳に届く。
エヴァから降機したジャギがモニター越しに映るゲンドウに向かって手を突き出して催促した。
「これで仕事は片付いたか。それじゃあ、俺たちゃとっとと帰らせてもらうぜ。腹が減ってしょうがねえんだ。
さっさと報酬をよこしやがれ」
「その事だが、今後についての話がある」
ゲンドウがジャギを見下ろしながら静かに呟いた。


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