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No.43351の一覧
[0] EVAザクラ 新劇場版[まっこう](2019/08/30 22:14)
[1] EVAザクラ新劇場版 序の次 第一話[まっこう](2019/08/30 22:12)
[2] EVAザクラ新劇場版 序の次 第二話[まっこう](2019/08/30 23:59)
[3] EVAザクラ新劇場版 序の次 第三話[まっこう](2019/08/31 12:37)
[4] EVAザクラ新劇場版 序の次 第四話[まっこう](2019/08/31 19:23)
[5] EVAザクラ新劇場版 序の次 第五話[まっこう](2019/08/31 22:22)
[6] EVAザクラ新劇場版 破 第一話[まっこう](2020/06/01 21:04)
[7] EVAザクラ新劇場版 破 第二話[まっこう](2020/06/26 21:46)
[8] EVAザクラ新劇場版 破 第三話[まっこう](2020/07/05 16:22)
[9] EVAザクラ新劇場版 破 第四話[まっこう](2020/07/22 00:29)
[10] EVAザクラ 新劇場版 搭乗人物一覧[まっこう](2020/07/24 19:53)
[11] EVAザクラ新劇場版 破 第五話[まっこう](2020/08/12 15:01)
[12] EVAザクラ新劇場版 破 第六話[まっこう](2020/09/30 19:42)
[13] EVAザクラ 新劇場版 搭乗人物一覧 update[まっこう](2020/09/30 21:52)
[14] EVAザクラ新劇場版 破 第七話[まっこう](2020/10/06 17:44)
[15] EVAザクラ新劇場版 破 第八話[まっこう](2020/10/10 17:16)
[16] EVAザクラ新劇場版 破 第九話[まっこう](2020/10/15 14:10)
[17] EVAザクラ 新劇場版 搭乗人物一覧 update[まっこう](2020/10/15 14:22)
[18] EVAザクラ新劇場版 破 第十話[まっこう](2020/11/05 17:09)
[19] EVAザクラ新劇場版 破 第十一話[まっこう](2020/11/26 17:26)
[20] EVAザクラ新劇場版 破 第十二話[まっこう](2020/12/26 18:14)
[21] EVAザクラ新劇場版 破 第十三話[まっこう](2021/01/31 20:05)
[22] EVAザクラ新劇場版 破 第十四話[まっこう](2021/04/02 22:25)
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[43351] EVAザクラ新劇場版 破 第十一話
Name: まっこう◆048ec83a ID:a3fa2292 前を表示する / 次を表示する
Date: 2020/11/26 17:26
変態仮面の映画の第三弾は無いのかな?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 土曜日、トモヨは屋敷でお客様を待っていた。先日パーカーとケンスケをお供に、第三新東京市の郊外にあるジョスター不動産の日本支社を訪れていた。アメリカで飛ぶ鳥を落とす勢いのジョスター不動産のアジア進出第一番目の支社だ。大道寺家の海外の不動産の管理を任せたいという話をしたところ、支社長が飛びついてきた。条件として、契約は社長と直接交わしたいと言ったところ、直ぐに社長自ら自家用ジェットで日本に来ることになった。

「お嬢様、お客様がおいでです」
「今行きます」

 自室で待っていたトモヨの所にコノエが呼びに来た。コノエは珍しく背広姿で、最近は使っていなかった杖をついている。いつもの仕込み杖だ。二人で第一応接室に向かう。第一応接室に着くと大男が待っていた。

「初めまして、大道寺トモヨです」

 トモヨは優雅に一礼した。

「はじめまして」

 大男は綺麗な日本語で受け答えをした。

「ジョセフ・ジョスターです」

 ジョセフも優雅に一礼をした。




EVAザクラ 新劇場版

破 第十一話

修業PART2




 ジョセフは身長が百九十センチメートルはある精悍な大男だ。不動産会社の社長と言うより格闘家などに見える。年齢は四十代ぐらいだ。

「お座りください」

 トモヨが言うと一礼してジョセフはそはソファーに腰をかけた。トモヨも向かいのソファーに腰をかけた。コノエはトモヨの横に座った。

「まず、大道寺家の不動産管理については母に全権委任されてます。あとコノエさんは私が赤ちゃんの頃から世話をしていただいている、一心同体のような方ですのでお気になさらず」
「わかりました。では警戒なさらずにお願いします。女性に殺気を向けられるのは、浮気した時ぐらいにしたいですね」
「失礼しました」

 警戒して視線がキツくなっていたのだろう。コノエは頭を下げ、筋肉を緩めた。

「で、当社に大道寺家の海外不動産資産の管理を任せていただけると」
「はい。大道寺家の不動産の全てです。それで実績が問題なければ、大道寺コーポレーションの不動産もです」

 トモヨはにっこりと微笑んだ。

「当社としてもアジアでの初めてのビックビジネスに成ります。ウインウインの関係を築きたいですね」
「はい。契約にあたって、実はお願いがあります」
「できる限りの事をさせて頂きます」
「ジョスターさんは波紋の一族と伺いましたが、あってますか?」

 次の瞬間コノエが思わずトモヨの前に立ち塞がり、腰を落とした。いつでも仕込み杖を抜ける体勢でジョスターを睨んだ。ジョスターの雰囲気がビジネスマンから変わったせいだ。ただトモヨが後ろからつついたのでコノエは横にどいた。

「いえ、別に私はそれをどうだと言う気はありませんわ。実は私に波紋法を伝授して頂きたいのです」
「ほう」
「話が長くなりますが説明させてください。この話は他言は無用で」

 トモヨはにっこりと微笑むと話し始めた。サクラがいたもう一つの世界で自分も波紋使いだったこと。容姿やその他が近いのなら自分も波紋の素質があるのではないかということ。もし有るのなら波紋法を取得したい等など。

「なるほど。そのもう一つの世界でも俺の弟子だったと」
「はい。向こうの世界では随分お年をめしていたようですけど」
「そうか。まあいいだろう」

 ジョセフが立ち上がった。

「一応確認をさせてくれ。波紋法は素質が無いと無理だ。その確認だ」
「どうすればよろしいですか?」
「ちょっと、俺の前に立ってくれ」
「はい」

 心配そうなコノエを手で遮り、トモヨはジョセフの前に立った。

「げふ」

 いきなりジョセフの拳がトモヨの胸に叩き込まれた。トモヨは胸を押さえて、口から舌を出し、変な声を出した。次の瞬間コノエの仕込み杖が鞘走った。ジョセフの頸動脈に向かって刃が飛んでいく。

「え?」

 鋼鉄でも切り落とす仕込み杖も、何故かジョセフの首で弾かれ、次の瞬間コノエの全身が感電したように痺れ座り込んでしまった。動けない。

「大丈夫だ。お嬢さんの横隔膜を刺激して波紋の呼吸に向いているか調べただけだ。ほう」

 次の瞬間トモヨの黒髪が反発したようにとがって広がった。トモヨは初め目を白黒させていたが、直ぐに荒い息だが自分で呼吸を再開した。

「どうやら、お嬢さんは見込みがありそうだ。日本にいる間マンツーマンで指導、残りは通信教育でどうだい?」
「それでお願いします」
「その前に。刀は納めてくれよな」

 ジョセフはコノエの肩に手を触れた。痺れていたコノエの身体も直ぐに元に戻る。コノエは仕込み杖を納め、立ち上がり、一礼してトモヨの後ろに下がった。

「では、ジョスター不動産をこれからもよろしく」

 ジョセフはビジネスマンの顔に戻っていた。




「トウジ。少し休もう」
「はい。師匠」

 その日一通りの修業が終わったところでトウジはカッシュに屋敷の裏庭に連れていかれた。そこは山に面していて薄暗い。そこで組手と成った。組手とは言ってもカッシュとトウジでは力量に差がありすぎる。カッシュはトウジの拳を軽く躱しつつ、軽い突きを入れてはトウジを吹き飛ばしている。トウジも慣れたもので直ぐに立ち上がっては再度カッシュに挑んでいる。組手を三十分ほど続けたところで、休憩になった。二人並んでベンチに座る。

「今度俺は少し出かける」
「どこへですか?」
「ヴァイオレットさんの話、今度は相当確からしい」
「よかった」
「ただ取引の場所が彼女たちの祖国になりそうだ。皆の護衛に俺が行く。その際護衛のメカはTBNだけの予定だ」
「わいとイインチョ、それともナギサ姉さんとホノカ姉さんのどっちですか」
「俺はお前と洞木を連れて行く予定だ。そこでだ、一つその前に奥義を伝授する」
「奥義ですか?」
「ああ」

 カッシュは立ち上がった。トウジも立ち上がる。

「お前も何度も見た石破天驚拳だ」
「えっ」

 トウジが絶句したところで、カッシュは山の方を向いた。

「奥義は長いこと修業したから出来る物ではない。その者のセンスによって習得できるか出来ないかはほぼ決まる。努力だけで出来る物は奥義とはいえんからな」
「そやかて、わいはまだ一年も修業してないで」
「センスのある者の一週間はない者の何十年にもあたるさ。今からあの山の岩に向かって石破天驚拳を放つ。よく見ておけ。これからの一週間お前はそれを再現することだけを目指せ」
「はい」
「ではいくぞ」

 カッシュは山に向かって構えをとった。

「流派東方不敗は最終奥義」

 カッシュは全身に気を貯めていく。

「石破天驚拳!」

 カッシュの突き出された拳は膨大な気を纏い、大きな気の拳となって裏山に向かって突き進んだ。裏山の縦横高さ二十メートルほどの岩に当たって岩は粉みじんに砕けた。

「あとはお前次第だ」

 カッシュはそう言うと屋敷に向かって歩いて行った。トウジはその背中を見送った。見送った後、山に向かうと構えた。カッシュの構えを出来るだけ真似をする。

「石破天驚拳」

 不発だった。




「で、アスカちゃんのお願いは何かにゃ」

 その日の朝、朝食後アンズはアスカに二人だけの秘密のお願いをされた。お姉ちゃんにしか頼めないと言われては、アンズが断る訳無い。直ぐに二人でマンションの屋上に行った。

「実は狩りの秘訣を教えて欲しいのよ」
「それなら、アンズにお任せだにゃ」
「ただの狩りじゃないのよ」

 アスカは辺りを見回す。当然誰もいない。それでもアンズの耳の近くで声をひそめた。

「EVAには普通の戦闘法、普通の狩りの仕方以外に裏モードがあるのよ」
「裏モード?」
「詳しい説明は省くけど、普通EVAは人間の格好で戦うのだけど、その方法だと獣に成って戦うの。ようは猫のように四つん這いで戦う訳」
「それで?」
「戦闘力が凄く上がるのだけど、今までそのモードに上手く入れたことがないのよ」
「えっと、それで」

 そう言われてもアンズは良く判らない。ただアスカが困っているのは判るので真剣に聞く。

「なんで、アンズに猫の狩りの仕方を習えば、そのモードに成れるんじゃないかって。だから人間の姿のまま猫のようにどう戦ったらいいか教えて欲しいの」
「じゃ、この格好のままで狩りの仕方を教えればいいんだにゃ」
「その通り。これは秘密特訓だから、シンジやレイには秘密よ」
「わかったにゃ。アンズお姉ちゃんにお任せだな」

 アンズは胸を叩いてそっくり返った。




「じゃ今日は最終チェックよ」
「はい、よろしくお願いします」

 レイが頭を下げたのはホウメイだ。いつもは昼過ぎに来るのだが、食事会に出す料理の仕上げと言うことで、早く来て貰い全てをチェックして貰うことに成った。

「じゃ、料理の三つの基本は?」
「何かあったら手を洗う。調理器具の手入れはいつも欠かさずにする。いつも笑顔を絶やさない」
「そうよ。頑張ってね。では開始」

 レイは早速手を綺麗に洗い始めた。




「一休みしましょう」
「はい。師匠」

 ケンスケはコノエの部屋にいた。大道寺家の資産や帳簿などのレクチャーを受けていた。コノエは自分の知識の全てをケンスケに叩き込んでいる。トモヨの盾になる者は数が多ければ多いほどいい。とりあえずケンスケは友人としてトモヨに気に入られている為、好都合だ。

「ところで、変態仮面EVA3の件だけど、私のパンティーを被った瞬間に私の技が使える様に成ったのよね」
「はい」
「となると、さらなる能力の拡張には他の能力者のパンティーがいるわね」
「それは有りますが、僕が修業すればいいいのでは?」
「修業が目的ではないわ。トモヨちゃんの為に能力を得るのに回り道をする必要はないわ」
「そうですが、何枚もパンティーを被るのは単なる変態です」

 普段のケンスケは変態的思考は収まっている為、この話題は恥ずかしい。特にコノエのような美人に言われればなおさらだ。

「いまさら何を言っているのよ。ケンスケ君の変態性をアップする為なら、私の処女だってあげる覚悟があるの。わかる?」
「はあ」
「ともかくトモヨちゃんの為よ」




 今日は朝からいい天気だ。そんな訳でシンジは洗濯をしていた。アスカは自分の分は洗うのでいいのだが、ミサトとアンズはシンジ任せだ。アンズ自体は洗濯を手伝う気はあるのだが、折りたたんだりするのが不器用なので結局シンジが全部している。マンションのベランダに三人分の洗濯物を干す。アスカの真っ赤な下着や服はすでに干してある。

「それにしてもミサトさん下着が派手だよな」

 紫色のほとんど紐の様な下着を摘まんでシンジはため息をつく。

「多感な中学生男子に下着を洗わすって凄い人だよな」

 シンジはため息をつきながら干していく。

「これ加地さんに会う時着けるのかな」

 先日、加地と農作業をした時のことを思い出した。加地に少し付き合わないかとジオフロント内のスイカ畑に連れてこられた。加地が借りている農地で日本に戻った時は自分で手入れをしているそうだ。そこで葛城を頼むと言われた。ああ見えても繊細な奴だからとの事だ。

「繊細かなぁ。でも頼られるのは悪くないな」

 ぶつくさ言いながら全て干し終えた。

「とりあえずお茶にしてっと。そうしたら昼寝しようっと」




「次は短距離ダッシュ十本」
「はい、先生」

 サクラはタバコ代わりにシガーチョコなどをくえたクキコと体育館にいた。体育館といっても大道寺家の屋敷にあるみんなの施設だ。体育館の半分ではメイドや執事達が体力作りの為の運動をしている。サクラとクキコは反対の半分を使っている。

「木之本お~、魔法も煎じ詰めれば精神力、体力だぞ~。お前は持久走的なスタミナはあるが、短距離走的な体力が無い。だから無理をすると心臓が追いつかない、ともかく短距離ダッシュを倒れるまでやれえ~」
「はい」

 サクラは体育館を横切るように何回もダッシュを繰り返している。指示を出しているクキコは気楽な物だ。海水浴に使うような椅子に座ってお付きのメイドに飲み物を頼んで気楽に指導している。

「終わったらこちらに来て休憩」
「はい先生」




「何をされているのですか」

 あまり驚かない質のヴァイオレットではあるが、目の前の光景には少し驚いてしまった。今日の午前中の帳簿をつけて、裏の倉庫の在庫を確かめた後、しかだ駄菓子店の奥の部屋に戻ると、ホタルが椅子に座って自分の胸を揉んでいた。

「おっぱいトレーニングよ。初産の時は乳腺が詰まっておっぱいが出にくいって聞くから。揉んでおくといいらしいわ」
「それは妊娠後期にするといいと聞きます」
「そうなの?」
「妊娠後期に乳房が増大してきてからで良いのではないでしょうか」

 ホタルは揉むのをやめた。

「確かに今からすると柔らかく成りすぎる気がするわ」
「そうですね」
「話はまったく変わるけど、ヴァイオレットさんの大事な方の名前はなんていうの」
「ギルベルト・ブーゲンビリアです」
「その方も花の名前なんだ」
「ええ」
「私の名前は少佐がつけてくださいました」
「少佐?」
「当時少佐でしたのでそう呼んでいました」
「そうなんだ。今度会えて二人で日本に来たら結婚するの?」
「少佐の愛しているが、私の物と同じならば。それに記憶障害もあるようですし、こちらに来たとしても、どうなるかは判りません」
「大丈夫よ」

 ホタルは立ち上がった。右拳を握り締め、言った。

「愛は全てを救うわ。ヴァイオレットさんと少佐さんが幸せに成れることにぶためん一万個かけるわ」
「はい。そうですね」

 ホタルの訳のわからない励ましにヴァイオレットは微笑んだ。

「ところで、ヴァイオレットさんは少佐さんに対して性的な愛情はあるのかしら」
「あると思います。私は処女ですので具体的な性的欲求については、あくまで想像ですが、あると思います」
「そう、それならば問題は無いわね。妊娠は体力があるうちにするのがいいと聞くわ。ヴァイオレットさんは私と同じ歳だし、丁度いい年齢だわ」
「まだ、少佐と決まった訳ではないので」
「そうだったわね、でも」

 ホタルはまたポーズをつけた。

「私はあえて宣言させて頂くわ。大丈夫。私の勘が囁くの。fireflyを立ち上げた時のような上手く行く勘よ」
「なら、大丈夫ですね。ホタルさん、励ましてくれて有り難う」
「なんのこれしき」




「じゃクルミちゃん。今度はジャンプ力の計測ね」
「はいです」

 大道寺島のTB2が発進する為の滑走路にクルミはいた。滑走路と言っても偽装の為普段は椰子の木が左右に生えていて、セスナぐらいしか降りるスペースはない。クルミの他にはレインと助手のイクヨがいる。

「これ持って思い切りジャンプして」
「はいです」

 イクヨから渡された文庫本ぐらいの測定器を持つと、クルミは思い切りジャンプした。椰子の木のてっぺんを遙かに超えて飛び上がり、しばらくして降りてきた。

「垂直跳び、二十一メートルと」

 レインは手元の端末で確認した。

「次は短距離走ね。イクヨちゃん用意して」
「はい」

 イクヨはスタート位置に横線を引いた。その横線の端に機械を置く。そこに測定器を向けつつ滑走路を歩いて行く。百メートルの位置で測定器が合図したのでそこにまた線を引き、その端に機械を置いた。

「準備出来ました」
「じゃクルミちゃん、その測定器を持ってこの線からあの線まで私がハイって言ったら走って」
「ハイです」

 クルミが返事をしたのでレインは微笑んだ。端末を操作し始める。

「はい」

 いきなりレインが合図したが、クルミは聞き逃さず素早くスタートした。あっという間に百メートルを走りきった。

「百メートル、4.1秒っと。仮面ライダー並ね」
「クルミ凄いです」
「次は力の測定よ」




 その週の金曜日の放課後、喫茶エンドウでの打ち合わせは随分人が多かった。ネルフからはシンジにアスカ、レイもいたし、WWRからはトモヨにサクラにケンスケ、トウジにヒカリがいる。ミサトとパーカーはカウンターで話し込んでいるし、クキコはすでにカクテルを啜りつつ、子供達の側にいた。アンズは風邪気味なので来ていない。

「なんかお前達疲れてるな」

 クキコがほろ酔い気分で辺りを見回す。確かに子供達は疲れた感じだ。トモヨとアスカはほっぺたに絆創膏を貼っているし、サクラは眠そうだ。トウジやケンスケも何か悩んでいる感じだ。

「ま、何でも特訓はいいが、休養も重要だぞ」
「ホントみんな疲れてるよね」

 特に特訓をしている訳ではないシンジだけ健康状態がいい。

「シンジは脳天気よね。ま、そこがシンジのいいとこかもね」
「酷いなアスカ」
「事実でしょ。ともかくそれは置いておいて、ヒカリ達はヴァイオレットさんの祖国にいくんでしょ。トモヨも行くんだって」
「はい。私とお母様とヴァイオレットさん、ケンスケさん、土門さんはナイト財団から借りましたパーソナルジェット機スカイナイト号で向かいます。護衛はTBNでヒカリさんと鈴原さんですわ」
「大丈夫?危険は無いの?」
「スカイナイト号は新素材をふんだんに使ったジェット機で核兵器の直撃でも食らわない限り安全だそうです。それにギミックてんこ盛りだそうです。AIも優秀だとか。それに土門さんが一緒ですから、使徒でも出ない限り問題ありませんわ」
「ふーん。ヒカリは大丈夫?なんか暗いわよ」
「私は大丈夫だけど」

 ヒカリは横で目を瞑って座っているトウジを見た。よく見ると本当に寝ている。疲れた顔をしている。

「ともかく、何とかなるわ」




 翌日の早朝、スカイナイト号とTBNが出発した。両機ともVTOLで大道寺家の庭から離陸した。途中の空路はすでに申請済みでそのまま直進してヴァイオレットの生まれ故郷に向かう。ほぼ地球の裏側だがスカイナイト号もマッハ3が出るので、五時間ほどで着いてしまう。TBNはマッハ6まで出るので余裕だ。元々長時間の作戦行動にも耐えられるような設計に成っている為、両機とも無給油で往復できる。
 スカイナイト号の操縦はパーカーがする。実はAIが全部操縦は出来るが、人間がいる時は人間の意思を尊重する基本設計に成っているそうだ。副操縦士は大道寺家でFAB-1以外の乗り物を運転する車両部の隊員、見延が担当となった。見延に操縦を任せると、パーカーは客室に向かった。土門は仮眠を取っていたがそれ以外は皆起きている。

「パーカーお茶をお願い」
「はい、奥様」

 トモヨ達はともかくヴァイオレットは目が赤い。昨夜眠れなかったのだろう。スカイナイト号は超音速機の為極小さな窓だが、そこから外の流れる雲を見ている。

「ヴァイオレット、貴方も仮眠した方がいいわ。現場で何があるか判らないし」
「はい」
「向こうで何かあっても自分のこととブーゲンビリアさんのことだけ考えて行動するのよ。私たちはカッシュがいるし、トモヨにはケンスケ君がついてるし、TBNもついてきている。何かあっても自分達で何とかするから。わかった?」
「はい。そうします」

 ヴァイオレットは静かに微笑んだ。

「じゃ、後ろの寝室で仮眠しなさい」
「はい。そうさせて頂きます」

 ヴァイオレットは立ち上がると一礼し寝室に向かった。ヴァイオレットが寝室に向かったので、パーカーは四人分のお茶を用意した。

「トモヨ、そう言えば修行の効果はどうなの」

 ソノミがお茶を啜りながら言う。ソノミは緑茶、トモヨとケンスケは紅茶、カッシュはコーヒーだ。カッシュも起きてきた。

「ええと、才能があるらしく、それなりに使える様に成りましたわ」
「面白いな、ケンスケちょっと組手をやってやれ」
「ここでですか」
「そうだ。お前は普通に打ってさばいてやればいい。波紋法抜きでもお嬢さんは護身法はそれなりの腕だしな」
「じゃトモヨちゃん、いいかい?」
「いいですわ」

 広い客室の真ん中辺りでトモヨとケンスケは相対した。

「じゃ初め」

 カッシュの合図で、いきなりトモヨが正拳突きを放った。とは言ってもそれほど早い拳では無くケンスケなら簡単に避けられるし受けられる。ケンスケはわざと前進して、突きの威力が出る前に手で受けた。

「うぎゃ」

 ケンスケの口から変な声がした。思わず膝をつく。感電したように身体が震えて上手く動かない。波紋を流され、体機能が軽く麻痺した

「大丈夫ですか」

 トモヨが慌ててケンスケの手を掴んだ。

「あまり大丈夫じゃない」

 ケンスケはやっとの事で立ち上がると側の椅子に座った。

「これ使えますね。普通の暴漢なら一撃で昏倒しそう」
「ほう、波紋とは面白い物だな。これでますます無敵のお嬢様だな」
「それほどでも」




「鈴原、調子はどう?」
「まあまあやな」

 TBNはスカイナイト号より少し先行して飛んでいる。今のところ自動操縦で飛んでいる為パイロットのヒカリもやることは無い。スカイナイト号と違いコックピットは狭いが、長時間の作戦行動にも耐えられるようにシートはよく出来ている。長距離を飛ぶ時の為のマッサージ機能もある。

「まあまあじゃないでしょ。鈴原の言い方悩んでいる時のだもん」
「そやな」
「ねえ、言ってみて」
「師匠に奥義を伝授されたが、上手くできんのや」
「石破天驚拳?」
「そや。何かが足りんのや」
「そうなの。なんなんだろう」
「さあな」

 トウジはまた黙った。

「ねえ鈴原、私の身体興味ある?」
「な、何をいいだすんや」
「前格闘漫画で見たの。若い格闘家がセックスしたらいきなり強くなったって。私かまわないわ」
「今、できんやろ」
「そうだけど」
「えーと、お二人さん」

 いきなりスピーカーからアヤカの声が聞こえて、二人は顔が真っ赤になった。

「TB5のモニター回線はオフにして、そういうことは話そうね」

 アヤカの声が何かにやついている。

「イオスです。私が世界中のデーターベースにあたりましたが性交渉の後強くなった格闘家の情報はありませんでした。性交渉については公にされないデータも多いですが、確率的に低いと思われます。あくまで漫画の中の話と考えられます」
「わ~お願い、忘れて」

 ヒカリはマイクのスイッチをオフにした。

「お姉様からの忠告。初めてはきちんとした宿泊施設や家でノーマルの方法でした方が後々の為よ。私結構特殊なシュチュエーションで初めてしちゃったから、後々大変だったのよ」
「いじわる」

 ヒカリとトウジは真っ赤になったままだった。

「なあイインチョ。セックス怖いだろ。言ってくれてわいは嬉しかったけどな」
「うん。興味はあるけど怖い」
「わしらは絶対生き残る。もう少し大人になってからにしよ」
「うん」




 サクラはその日はゆっくり起きた。遅めの朝食を食堂で取っている。食べ終わった頃にコノエが食堂にやってきた。一仕事終えてコーヒーを飲みに来た。

「ご一緒してよろしいですか?」
「もちろん」

 朝食を食堂のメイドがかたづけたので、ついでにコーヒーを貰った。サクラはその体格からすると異常に食べる。一日二万カロリーと一流のスポーツ選手と同じぐらいのカロリーを摂取する。どうやら魔法を使う際に極端にカロリーを使うらしい。特に最近魔法の特訓や体力をつける為の特訓をするため、より一層食べる。今日も自分の頭ぐらいあるホットケーキに山ほどジャムをかけた物をオレンジジュース二リットルと共に平らげた。大道寺家にお世話になっていなければ食費で破産しそうだ。

「コノエさん今日は一緒に行かなかったんですね」
「ええ。お嬢様がこちらの守りを固めてくださいと」
「守り?」
「最近波紋法のせいで少し自信がついたようです。確かに土門師匠が一緒ですし、ケンスケ君もいますし、TBNも一緒ですから心配は少ないのですが」
「土門さんがいれば安全ですよね」
「ええ、ただ土門師匠も万能ではないですから」

 コノエは物憂げにコーヒーを啜った。トモヨが心配なんだろう。

「ところでサクラ様、実は折り入ってお願いがあるのですが」
「なんですか?サクラが出来ることなら何でも言ってください」
「変態仮面EVA3の事ですが」
「えっと、はい」
「どうやら、パンティーを被るとその人の能力が身につくらしいんです」
「そなんだ」
「凄く頼みづらい事ですが、サクラ様の使用済みパンティーをいただけないでしょうか」
「ほ、ほえ~~」

 サクラは絶句しその後叫んでしまった。少し後ろにのけぞる。コノエの口調や表情がどう見ても真剣な物だったからだ。

「いま変態仮面EVA3はトモヨ様のパンティーによるパワー、私のパンティーによる拳法を身につけています。これにサクラ様の魔力が加わればほぼ無敵。トモヨ様の護衛として完璧です」

 コノエは右手を握り締め変な方向を向いている。とにかくコノエはトモヨが可愛い。トモヨの為なら何でもやる。時々暴走する。

「えっとえっと、それならサクラのパンティーより九段先生のパンティーの方がいいです。先生の方が百戦錬磨だし」
「確かに、九段様の霊能力も使えますね。ですが能力者のパンティーは多ければ多いほどいいです。サクラ様ぜひパンティーを」
「ほえ~~」




 変態仮面の映画の第三弾はやはり無いのだろうか?変態仮面とメインヒロインは結ばれないのは映画も同じなのだろうか?




次回「EVAザクラ新劇場版 破 第十二話」
さぁて、この次もサービス、サービス!

つづく


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