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椎名高志SS投稿掲示板


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No.2440の一覧
[0] ああっ女神さんっ その1[かいず](2007/12/24 16:51)
[1] ああっ女神さんっ その2[かいず](2007/12/24 16:54)
[2] ああっ女神さんっ その3[かいず](2007/12/24 16:55)
[3] ああっ女神さんっ その4[かいず](2007/12/24 16:57)
[4] ああっ女神さんっ 「女神のブートキャンプ」その1[かいず](2007/12/26 01:58)
[5] ああっ女神さんっ 「女神のブートキャンプ」その2[かいず](2007/12/26 02:00)
[6] ああっ女神さんっ 「女神のブートキャンプ」その3[かいず](2007/12/29 10:32)
[7] ああっ女神さんっ その8[かいず](2008/01/12 02:54)
[8] ああっ女神さんっ その9[かいず](2008/01/24 02:12)
[9] ああっ女神さんっ その10[かいず](2008/02/05 02:02)
[10] ああっ女神さんっ その11[かいず](2008/01/24 02:24)
[11] ああっ女神さんっ その12[かいず](2008/02/05 02:21)
[12] ああっ女神さんっ その13[かいず](2008/02/15 01:15)
[13] ああっ女神さんっ その13 修正・追加版[かいず](2008/03/17 02:37)
[14] ああっ女神さんっ その14[かいず](2008/03/25 02:00)
[15] ああっ女神さんっ その15[かいず](2008/03/27 01:52)
[16] ああっ女神さんっ その16[かいず](2008/03/31 02:49)
[17] ああっ女神さんっ その17[かいず](2008/04/06 02:58)
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[2440] ああっ女神さんっ 「女神のブートキャンプ」その3
Name: かいず◆19b471f3 ID:79663dda 前を表示する / 次を表示する
Date: 2007/12/29 10:32
ほう、急にやる気を見せたな、横島め。
奴の全身からは、あふれんばかりのオーラが噴き出している。
私は、ジッと奴の目を見つめた。
奴は、私の視線をそらさない。
なんだか、照れるな・・・。いや、落ち着け私。
この何かを訴えかけるような、熱いまなざし。
これは、本気だ。本気の目だ!

しかし、横島の顔がにやけて見えるのは何故だ?
うむむ。話を聞いてみるか。

「横島、貴様のやる気は買うが、最初に決めたメニューにしたがってもらうことが優先だ。
第一、先ほどまではバテバテだったではないかって・・・ぁぁあああ!」

いつの間にか、横島は、私の足にすがりつきながら太ももに頬ずりをしている。
私は、魔軍名物「魔界駅伝・往路復路ビンタ」をかまそうという欲求を抑えながらも尋ねた。

「うーん、たいちょぉぉぉぉ~」
スリ、スリ、スリ、スリ、スリ、スリ、スリ、スリ・・・。

すまん、やっぱ無理。
私は欲求に負け、横島はビンタの嵐に飲まれた。

「たっ隊長!、たいちょー!トレーニングっちゅーのはバラエティーに富んでいたほうが、
飽きもこないし、バランスが取れていていいと思うっすよー。
それに、霊的格闘は立派なトレーニングっ、稽古じゃないっすかー。
隊長の霊的格闘は、軍でもピカ一だってジークから聞いてたし、ぜひこの機会にご教授をー。ああっ!」

横島は、追撃しようとする私に「ちょ、タイム!タイム!」といいながら、
息継ぎ一つせずに、わーっと私を説き伏せる。
ぬう、もっともらしいことを言っている。
しかし、ジークめ。
いらぬお喋りばかりしおって。
あいつは情報部のくせして、口が軽すぎるな。
今度実家に帰省した時は、再教育してやらんといかん。

「なるほど、貴様の気持ちはよく分かった。私としても、貴様のやる気をを買いたいと思う。
しかし、稽古内容の変更となると、剣術の稽古を担当している小竜姫の許可をもらわねば
なるまい。彼女は、お前の師匠でもあるしな」

私は、横島をシバキすぎてヒリヒリした手をもみながら「しばらく休憩していろ」と指示を与える。
横島は、「りょーかいでありますっ」と顔を倍に腫らして答えた。
うむ、相変わらず丈夫な奴だと関心しつつ、私はたき火にあたっている小竜姫とメドーサの
ところへ向かった。

二人は、たき火の前で、「あたたかーいー」「生き返るねー」と座り込んでいた。
ほのぼのとした空間をかもし出しているな。
たき火に近づくと、2人は私に気づいたのか、休憩は終わりだねと腰を上げた。

「あ、どうしました?隊長の分のお芋なら、ちゃんと2本とも入れてありますよ」

「そうそう。それに、まだ芋は焼けてないよ。やだねぇ、たいちょー。
食いしん坊さんなんだから。そう、あわてなさんな」

む、いきなり何をいいだすのだ、こやつらは。2人は寒さをやわらげるため両手をこすり、
たき火に手を当てながら、私に話しかける。
まったく、隊長ってば仕方ないなぁと言わんばかりだ。

「ち、違うわっ!それに、だれが食いしん坊か!?」

「あ、じゃあ、お芋は1本だけで充分ですね」

「半分だけでも、いーんじゃない?取り分が増えて、あたしゃ嬉しいよ」

「う、それは大変困る。ぜひ、現状維持で頼む」

私は、すぐさま前言撤回をした。仕方ないではないか、2本とも食べたいのだから。
戦士たるもの、冷静な分析と引き際が肝心だしな。
・・・いやいや、焼き芋の話をしている場合ではない、肝心なのは、稽古の話だ。

「すまん、小竜姫。稽古内容の変更だ。剣術をやめて、霊的格闘をしようと思うんだが・・・」

ようやく話は本題に入り、2人は私の話に耳を傾けた。やれやれ、こいつらと生活を共にし始めてから、
私の調子が狂いっぱなしだな。

「あら、別に私は構いませんけれど、どうしたんですか?」

「あー、あたしゃ、想像がついたよ。横島の策略だね」

「うむ、察しがいいな、メドーサ。奴め、霊的格闘にかこつけて、我々とスキンシップ
を測りたいらしい」

「え、ええっ。スキンシップですか?」

「へえっ、ヨコシマの奴、どんな時でも楽しみを見つけられる奴だね。まったく、大したもんだよ」

あきれて目と口が大きくなる小竜姫。
メドーサは、腕組みをして、うんうんと頷き、納得した様子。
こいつは何を納得しているのだろう、ずいぶん横島に寛容だな。

「まったくヤレヤレだ。まぁ、剣術にしても霊的格闘にしても、稽古には変わりあるまいさ。
それでどうだろう、小竜姫。横島の師匠として、稽古内容の変更をどうしようかと相談したくてね」

私がそう告げると、小竜姫は、じっと考え込む。

「は、はぁ。そうですねー。私は、格闘よりも剣術の方が得意なのですが・・・。格闘もできないわけではありません。
でもなぁ、横島さん、エッチだからなぁ・・・」

「だったら、キマリだね!やっちゃいなよYOU!師匠と弟子のスキンシップをはかるのも大切なことだよ?」

「どうだったらキマリなんだろう?」そうツッコミたい所だが、大体のニュアンスは分かるので、
流しておこう・・・。
メドーサは、ずばりそうだよーと、右手人差し指を立てて、決めポーズをしている。
でも、彼女の言うことも一理あるか。
それに、先ほど私をからかった仕返しもできそうだ。

「なるほど、メドーサの意見も一理あるな。稽古を通して、師弟の絆もより深まるというものだ。
小竜姫、私に代わって指導したらどうだ」

「え、スキンシップ・・・。師弟の絆かぁ・・・。なんか、そう言われるとやりにくいというか、恥ずかしいです・・・」

小竜姫は、モジモジとしだした。やはり、彼女はからかい甲斐がある。

「まぁねぇ、小竜姫は、ヨコシマスキーだからなぁ。」

「なんなんですか!そのヨコシマスキーって!」

「横島のことが、好き好き大好きっ!てことだよ。なぁ、たいちょーさま?」

「うむ、横島イズムとでもいっておこうか」

「もうっ、ワルキューレまでっ!みんなして、私をからかわないでくださいっ!」

小竜姫の感情スイッチが、入ってしまったようだ。
心の逆鱗に触れたのかもしれないな。
竜に変化してしまわないうちに、そろそろ話をまとめるとするか。
私は、メドーサに合図する。
彼女も私にウインクをして、小竜姫に話しかける。

「あはは、悪いねぇ~小竜姫。ちっとばかし、からかいすぎたか。まぁ、いいさ。小竜姫がやんないんだったら
あたしがヨコシマの相手をしてやんよ。こう見えても、私は、剣術・格闘なんでもこいだからね。あたしがやるよ」

「うむ、そうだな。いきなり小竜姫に押し付けてしまうのは、隊長の私としても心苦しい。すまなかったな。
ここはひとつ、私が軍隊仕込の体術を披露するとしよう。メドーサ、悪いが私にやらせてもらおうか」

先ほどまでモジモジしていた小竜姫が、ハッと我々に顔を向ける。

「え、ちょちょっと待ってください。私、やらないなんて言ってないです!私だって、師匠として
横島さんの成長を見守る権利と義務があるんですから!やるんなら、私がやります!」

「「どうぞ!どうぞ!」」

私とメドーサは、右手をそっと出して、小竜姫に譲るよ~のポーズをした。
小竜姫は、真っ赤になって、ポカンと口をあけた。







あー、痛てて。
ワルキューレのやつ、すっごいビンタかましてくれたな。
でも、あの太ももに触れることができて、えかった。ほんとーに、えかった。
俺はあの暖かく弾力のある感触を思い出しながら、夢見ごこちだ。

3人は、たき火の前で何やら話しこんでいるようだ。
えらい盛り上がっているようだな。
あ、なんか知らんが小竜姫さまのテンションがあがったぞ。

「もーっ!分かりましたっ!」

いきなり、えらいでっかい声で吼えた。
あとの2人がドッと笑う。
会話が終了したのか、プリプリ怒りながらこちらにやってくる小竜姫さま。
なんか、顔が真っ赤になってるなぁ。
何があったんやろか。

稽古の相手は、小竜姫さまに決まったらしい。
がぜん、ファイトが沸きますなー。

「では、横島さん。私が相手をしますね。真剣にやらないと、ケガをしますから、
気合をいれてください」

小竜姫さまは、フンと気合を入れて俺をにらむ。
なんか、すんごいいオーラを感じるんすけど・・・。

「あー、まったまった。稽古とはいえ、ここで取っ組み合いになったら
固い地面だしな。怪我をされても困る」

そう言って、ワルキューレは、左手をかざして何やら一言を唱えた。
そしたら、おおっ!
地面が少し柔らかくなったぞ!?
体育でよく使う、マットの上くらいぐらいの感触だろうか。
そういや、俺も前に地面を「柔」の文殊でフッカフカに柔らかくして、
西条に呆れられたっけか。

小竜姫様は、「ありがとう」とワルキューレに一言言って、
地面の感触を確かめる。
ううっ、自分で格闘したいと言っておいて、今更ながら緊張してきた俺。

「ようし」と腕まくりする小竜姫さま、そして「やります、やりますとも」と
ブツブツ言っているな。
ん?いきなりジャージの上着を脱ぎ始めたぞ。
おおっ、この寒空の下で上半身はTシャツ一枚に!

「組み合っていて、チャックの金具が目に入ったりしたら、危険ですからね」

そう言いながら、丁寧に上着をたたんで、ほいほいと近づいてきたメドーサにあずける。
おい、あいつ、上着を受け取る際に何やら笑って目線を送ってきたぞ。
「Tシャツ越しに、抱きついたれ」と言わんばかりの目だ。
くぅ、憎いあんちくしょう。
いいアドバイス、送ってくれるじゃねーか。

しっかし、小竜姫さまのTシャツ姿って、新鮮だなぁ~。
あの胸のふくらみは、大きすぎず、かといって小さすぎずの
ベストサイズっちゅーやつ?
シャツ越しだが形もくぅーって感じで、やぁわかそうだ。
ああっ、俺はっ。俺はっ。

俺も自発的に上着を脱ぎ始める。
寒さなんか、気にしてられんっ!
小竜姫さまは、「今回は、蹴りや突きは、やめておきましょう。では、横島さんも、上着を脱いで・・・
ああ、もう脱ぎ始めちゃってますね・・・」と呆れていた。
そんな顔をされてしまった俺だが、もう気にならない精神状態になっとります。

さて、はやる気持ちを抑えて、準備完了。
ワルキューレは、俺たち2人の間で審判のように立っている。
俺は距離をとり、小竜姫さまと向かい合う。
メドーサは、お芋当番として、少し離れたたき火のそばで
観戦を決め込んでいるな。
芋が気になるのか、時折、長い木の枝でたき火の中をかき回している。
芋じゃなくて、ちゃんと稽古を観てろよ、お前。

「では、横島さん、行きますよ。さあ、かかってらっしゃい!」

それが開始の合図。
小竜姫さまが、俺をっ、俺を呼んでいるー。
うぉぉぉー、突撃じゃー。
でも、その刹那。
きらめいたぜ、俺の本能。
落ち着くんだ、俺の煩悩。
このままマトモに飛び掛ったんじゃ、単なるセクハラやし、
これは仮にも(?)霊的格闘の稽古だ。
真面目にやらんと、この3人に軽蔑されてまうし、
せっかく稽古に付き合っているのに悪い気がするな・・・。
俺は、格闘技の経験なんて、体育の授業でやった柔道くらいやし、
とりあえず相手の襟元を取ればええんかな?
Tシャツが、ヨレヨレになりそうやなぁ。
まあええ、後で、謝ればええか。
よし、決めた。とりあえず、真面目にやろ。
ここは偶然の流れで、チチ、尻、太ももに触ってしまうくらいの
淡い期待を持つくらいでええな。
という考えをコンマ0何秒で終えた。


そして、押さえ込んでいた俺の煩悩が霊力に変換、いや、霊力が煩悩に変換されるのか?
とにかく、俺は小竜姫さまに飛びかかる。
小竜姫さまは、「えっ、早い!!」と驚愕している。
ワルキューレとメドーサも、信じられないといった顔だ。
そして、俺は小竜姫さまとの距離を瞬時にしてゼロとし、
彼女の襟元を取ろうとしたのだが。



「あの・・・、横島サン?」



なんだ、俺の両手の感触。
この暖かく、かつ経験したことのない柔らかさ。
まるで俺のものであったかのように、手のひらになじむ大きさ。
え、もしかして、コレは・・・。

俺はしっかりと両手で小竜姫さまのチチをガッチリとつかんでいた!
うぉぉおおおおお!!!
ヤバイが、嬉しい。
でも、これはいかん!
小竜姫さまの顔が真っ赤。うっすら笑顔を浮かべながら、ヒクヒク痙攣している。
これは偶然なんや!
何か、何か言わないと。

「え、えっと・・・。これは間接っ、間接技っす!」

そう言いながら、無意識のうちに、俺の両手はチチを揉みしだいている。
なんというライブな感触!
俺は、どーなってしまうんやろう。
俺の手は、このままチチに吸収されて、一体化してしまうんじゃないだろーか・・・。
ハッ!まて、これはスケベ心なんかやない!
みんな信じてくれ!
関節技がかかっている状態なんや!!


「よっ・こっ・しっ・まっ・さぁぁぁぁーんっ!!!」


「胸に間接なんかあるかー!!!」という叫びとともに、
俺は小竜姫さまの左アッパーで、神社の鳥居の上まで吹き飛ばされた!
飛ばされた俺は、鳥居をくるっと背面跳びみたいに飛び越して、そのまま落下。
後で見せてもらったが、この瞬間をメドーサが携帯のカメラで撮影してた。
おー、我ながら綺麗な背面跳びだったな・・・。
痛てて・・・、この話の中の出来事じゃなかったら、死んでたぞ。
みんなは、真似するなよな。

その後、あれは本当に偶然だったんだということが、
必死の弁解もあってか、小竜姫さまに伝わって事なきを得た。
(揉みしだいた件については、納得されなかったが・・・)
でも、ワルキューレが、「いいスピードで飛び込んだな」と褒めてくれた。
自分では分からんが、少しは才能があるんかな?
少しいい気分になったが、「過信するんじゃない、貴様は全てがチャランポランすぎる」
と付け加えられた。確かに過信や慢心は、いかんなぁ。

メドーサには、「どうやった?感触は、ええっ?この果報者っ!」と頭をグリグリされながら
言われた。もうどうにでもしてくれっ。

その後、小竜姫さまと稽古の続きをした。
俺は、また取っ組み合ったりしようとしたのだが、
相手の身体にかすりもしない。
小竜姫さまからは、背負い投げやジャーマンスープレックスをされた。
あと、本当に関節技をされた・・・。
こっちはシロートなんや、手加減してくれっ。
冷静に考えると、これって霊的格闘なんやろうかという疑問もあるが、必死にやった。
組み合っている最中は、チチ、尻、太ももに触る機会もたくさんあったが、煩悩全開にする前に
コテンパンにされたよ。俺は、良いとこないやったなぁー。トホホ。
その後、小竜姫とワルキューレが組み合ったのを見たが、あれはすごかった。
目にも止まらぬ攻防ってやつか?
霊的格闘の実力は、ワルキューレのほうに分があったみたいだ。
あーあ。小竜姫さま、悔しそう。

「おーい。芋、焼けたよー」

メドーサの声で、今日のトレーニングは、終了。
タオルで汗を拭きつつ、一息つく。
みんな火の消されたたき火の周りにあつまってくる。
ようしと、俺は拾ってきた木の棒で芋を取り出した。
銀紙に包まれた芋が顔を出すと、みんな「おーっ」と声が上がる。
さて、うまいこと焼けてるかな。
アツアツの銀紙を破り、中のサツマイモを取り出す。

「アツっ、アツ、ほれ隊長、1本目の芋をどうぞ」

「うむ、すまんな、横島」

「小竜姫さまもどうぞ、はい」

「あ、横島さん、ありがとうございます。
あ、あのっ、さっきはごめんなさい!少し、やりすぎちゃって・・・。私、取り乱してしまいました」

「いやいや、いいっすよ。こちらこそ、すんませんっす」

「おいおい、ヨコシマ。あんたらがアツアツになってどーすんだよ。早くあたしにも、芋をよこしな」

「わーってるよ。ったく。ほれ、アツアツだから気をつけろよ」

俺と小竜姫さまの顔が赤くなる。えい、メドーサめ、はよ芋食って黙ってろ!

「ほいほい、ヨコシマ。わおっ、こりゃうまいね。さすが小竜姫のサツマイモ、いい仕事してるわ。
あと、あたしの調理の腕のおかげでもあるな」

「お前、さぼって火の番してただけじゃねーか」

「チッチッチッ・・・、甘いね。ヨコシマ。火加減こそが、料理の極意よ。出直しきな」

「まったく、あなたって人は、あーいえばこーいうんだから」

「小竜姫も、つれないねぇ。師弟そろって、困ったもんだよ」

さて、俺も食うか。アルミホイルを破り、芋を両手でキャッチボールみたくして熱を冷ましつつ
一口かじる。
うん、こりゃ、うまいな。皮ごと食べたろ。
ワルキューレは、はやばやと1本目を平らげ、2本目に突入している。
お、小竜姫さまが、神社の関係者の方から、お茶を頂いてきたようだ。
少しぬる目に入れたお茶が、渇いた喉にありがたかったな。
ワルキューレの「今日はこれにて解散!」という号令により、
今朝のトレーニングは、これにて終了。
その後、火の始末をちゃんと確認して、帰宅する。

空もすっかり明るくなって、都会にしてはうっそうと茂った木々から
鳥の鳴き声が聞こえる。
もと来た道を戻る時は、軽くジョギング。
この時間帯になると、通行人も少なからずいる。
なんか俺、見られている気がするなー。
まぁ、こんな美人のねーちゃん
3人も連れてジョギングしてたら、誰でも見るわな。
モテる男は、つらいなー。
しかし、今日もしんどかったけれど、小竜姫さまのチチ・・・えがったな~。
今思い出しても、ニヤけてくるな。
あ、いかん、顔に出てると、また3人からどやされるぞ。
小竜姫さまに「どうしたんですか?横島さん」と尋ねられたので、
「小竜姫さまの作ってくれた、朝ごはんが楽しみっすよー」と答えたら、
「そんな大したものじゃないんですよー」と照れていた。
うーん、ちょっと反省。

俺たち4人は、ワイワイ言いながら家路を急ぐ。
ワルキューレは、すでに明日のトレーニングの構想を練っているし、
小竜姫さまは、今日の夕飯の献立を考えているようだ。
メドーサは、まだ俺にちょっかいをかけている。
この野郎・・・、おもいっきり屁をかましてやろうか。
さて、家に帰ってから、汗をかいた身体を拭いて、メシを食べてから
学校に行かねば。
うーん、うちに風呂が付いていればええんやけれど。
引越ししたいが、金ないしな~。
あ、食費とか色々の生活費として、3人からお金をもらっちゃいました。
別にいらないと言いたいところだったけれど、正直助かるなー。
人間、素直が一番やからな。
こんな日は、学校サボりたいけれど、そうはいかんわなぁ~。



ふと、「あれが、横島か」と言う声が聞こえた気がした。




続く


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