1998年・10月31日仙台・第二帝都--- 「失礼します。」「待ったわよ、白銀。」香月博士が待つ臨時研究所にタケル・真耶・椿・沙耶の四人が入室する。 「アンタも知っての通り、本土侵攻戦が終わったわ…『横浜ハイヴ』が建設される形でね。」沈黙するタケル達わかってたとはいえ、『ハイヴ建設阻止』を変えれなかった事に歯を食いしばる真耶・椿・沙耶「とはいえ、むしろ佐渡島ハイヴ・横浜ハイヴに関しては、絶対必須だったから、少なくとも、佐渡島ハイヴ・横浜ハイヴ建設は阻止出来なかったわ。勿論、『人として、日本人として』の感情や気持ちはわかる。けど、その結果オルタネイティヴ5や『BETAによる人類滅亡』なんて未来の危険性もある訳だから、ゴロッと変える訳にもいかないの。」「ハイ…その事は身を持って知りましたから…。」『二度目の世界』の事を思い出すタケルしかし、覚悟を決めた表情で話を聞いていた為『…良い覚悟よ、白銀』と、香月博士に感心される。「…けど、やはり白陵基地の防衛戦に『参加出来なかった』のは痛かったですね…」「仕方無いわよ、アンタ等は1ヶ月以上戦い続けたんだもの。搭乗してた不知火・改だって、この仙台に運び込まれた時点で、もう戦えないぐらいダメージを蓄積してたんだから…それに、不知火・改は愚か、不知火や陽炎すら、余分な戦術機も無いもの…それ以前にアンタは今の所、不知火・改じゃないと全力で戦う事も出来ないわ不知火だって、せいぜい八割程度よそんなのに乗せて、アンタを失う訳にはいかないのよ。」…そう、タケル達第17大隊や第16大隊は愚か、九州・四国・中国の部隊は、関東防衛戦には参加出来なかった。京都での防衛戦で、1ヶ月以上の防衛を続けた為、機体の蓄積ダメージが深刻な程負っていた。それでも長野県での戦闘には参加したが、1日防衛したのち、戦闘不可能と判断し、第16大隊と第17大隊は、仙台に退却したのだ。九州・四国・中国の部隊は、元々京都防衛成功の時点で戦闘不可能だった為、タケル達が長野県に向かう時に東京に退却した。 他の京都・大阪・名古屋等の帝国軍や、岩国・三沢・白陵基地の国連軍は、関東の防衛戦に参加するが、大半以上のBETAを殲滅するものの、防衛は失敗。生き残った部隊達は東関東の防衛線に着く。斯衛軍は、仙台で防衛の為、参加はしなかった。「今回の被害状況は、犠牲者600万人、日本の全人口の5%で済んだわ。『二度目の世界』に比べれば、六分の一に減ったから、それに比べればまだマシな数字よ。帝国・斯衛・極東国連軍の犠牲者は、全体の40%を失ったわ民間人に関しては、避難を拒否した者達や逃げ遅れた者が殆ど他には、自殺志願者・避難を拒否した者達を説得してた民間人あと、さっき言った逃げ遅れた民間人っていうのは、大半が中国地方の民間人よ…さすがに数日間だけじゃ、中国地方の民間人全てを避難させるには足りなかったわ…」『二度目の世界』に比べて犠牲者が少なくなったとはいえ、600万人もの犠牲者が出た事に悔やむタケル達… 「戦術機などに関しては、撃震は問題無し、ただし不知火・改や不知火・吹雪はまだ生産中でまだ足りない状況陽炎や瑞鶴に関しては、絶望的陽炎は生産はしてないし、瑞鶴はおいそれと簡単に作れる物ではない支援車両や戦車などに関しては問題無し明星作戦迄には揃えるわ。」「痛いですね…」「まったくよ。」深い溜め息を吐くタケルと香月博士「あと、御剣の身分だけど…今回の本土侵攻戦が終わった事で、特例として斯衛軍に所属するわ」「冥夜様がっ!?」冥夜の斯衛軍入隊に驚くタケル達特に真耶は驚愕を隠せないでいた。 「一応、御剣入隊の改竄として、紅蓮大将や神野大将が秘密裏に教育してた事になってるわそして、白銀も戦術機の教育に関わってる事にもなってるから、話を合わせておきなさいよちなみに所属は第17大隊第1中隊第弐小隊…つまり、白銀と同じ小隊よ。」「ハイ、わかりました!!」嬉しそうに返事を返すタケル再び一緒に戦える事に喜ぶ。 「…白銀、嬉しい?『207B小隊』の仲間と再び戦える事に…?」「勿論一緒に戦える事に喜びはあります。けど、それ以上に『再び仲間として』歩める事の方が嬉しいですね。」「フフッ…そうね…207B小隊の中じゃ、御剣がアンタを良く見てたし、理解してたし、一番支えてたにも見えたわ。それに、『白銀武』にとって、『鑑純夏と御剣冥夜』は、切っても切れない『縁』だしね。」「先生との『腐れ縁』も切れませんよ。」「ま~ね♪その事に関しては、私も同感だわ。」「「………」」クスクスと笑う二人を見て、羨ましく思う真耶と沙耶その様子を見て、イタズラ心が騒ぎ出す椿は--- 「お二方、それまでにしないと、『誰かさん達』が嫉妬しちゃいますよ♪」「えっ!?」「「椿様ッ!!」」「アラアラ、ゴメンナサイね~♪」驚くタケル椿に怒鳴る真耶と沙耶それを見てクスクス笑う香月博士その様子を見て、椿は笑いながら満足すると… 「そうそう、白銀…コレにサインして。」「わかりました。ええ…と…名前と生年月日………ってこれ…………『婚姻届』ってナニ?」「「「ハッ?」」」この瞬間、時間が止まる!! 「ええ……と…『複重婚姻届』…?ナニコレ…?」「白銀~…喜びなさい。遂に改正したのよ…『一夫多妻制』の法律が実現したのよっ!!そして、アンタが、その第一号よっ!!」「なんですとぉぉぉぉっ!!!」衝撃の事実に驚愕するタケルそして、真耶と沙耶がビクンッと反応する。 「ホラ、妻の欄の名前…見て御覧なさい。」椿に婚姻届を見せると…クスクスと笑い出す。「妻の欄は未記入だけど…立会人の欄には、九條由佳里と白銀影行と白銀楓…と書いてるわ。」「「見せて下さいっ!!」」シュパッと凄まじいスピードで婚姻届をマジマジと見る真耶と沙耶タケルは未だに衝撃で石化していた。 「あとは、白銀とアンタ達二人の名前と拇印だけ。それだけで、アンタ等三人は『夫婦』になれるのよ~そうすれば、子供をポンポン産んでも問題無しいつもラブラブな関係になれるわよ~」正にあくまの囁きしかし、そんな囁きより、既に妻の欄に名前を記入し、拇印を押す真耶と沙耶を見て爆笑する椿。 そして、石化するタケルを正気に戻し、逃げれないように腰を真耶と沙耶の二人で拘束する。 「「さあ、タケル…名前と拇印を…」」天使のような微笑みでタケルにペンを持たし、説得する真耶と沙耶(ハァ…やっと覚悟を決めたか…)(タケル…お前も同じ道を歩むか…)隣の部屋で、その様子を見ていた白銀夫妻タケルがサインをするのを見て、一安心する楓だが、影行は昔の自分と同じ状態になってるタケルを見て、シクシクと涙していた。