『脳髄の間』から三十分後・最深部--- 「ウォオォォォォッ!!」限られた空間内で飛翔し、突撃級・要撃級を撃破していくタケル『反応炉の間』も近い為、可能な限り殲滅していく。 『タケルちゃん、『反応炉の間』まで、あと600!!反応炉の周辺にもBETA反応は多数有るよっ!!』そして、『2人の純夏』のサポートもあり、タケルは戦闘だけに集中出来、いつもより鋭い動きで戦えていた。 『スミカ』がタケルの強化装備にある程度ハッキングし『スミカ』を通して『純夏』が周辺の戦域情報や分析を行い、タケルをサポートしていた。 その為、強化装備を装備していると同等となり、『純夏』にも映像や戦域情報を確認出来、サポートを可能としていた。タケル曰わく、『俺以上にチートだな…』らしい… 「純夏ッ!!」『『何?』』「…いや、2人共じゃないええぃ…!!2人共『純夏』だから、ややこしいなっ!!」『『しょうがないぢゃんっ!!』』……欠点といえば、2人共『純夏』な為、呼ぶ時2人共反応してしまう事だった。 「こうなったら…『今の世界の純夏』は『純夏1』『二度目の世界の純夏』は『純夏2』だっ!!」『エエッ!!嫌だよぉ~…そんな呼び方~…』『なんか『その他大勢A』みたいな呼び方になってるよぉ~…』「じゃ、『どりるみるきぃ1・2』だ」『『却下ッ!!』』グダグダと話をしつつも、戦闘には影響は無かったりする。「仕方ねぇな、今は『α-1』『α-2』で我慢すれっ!!」『しょうがないな~…今はそれで手を打ってあげるよ。』『次はちゃんとしたコールネームを考えてね。』仕方無しに今回は『2人の純夏』を『α-1』『α-2』で呼ぶ事になった 「凄いや…ついて行くのが、やっとだよ…」「なろぅ…また腕を上げやかって…」タケルとエレメントを組んでいた駿は驚きながらも、タケルに必死に着いて行き、孝志も闘志を燃やしながらも、タケルと競い合うように戦う。 だが、実際は『二人の純夏』のおかげで戦力アップしただけである。「タケル、随分と動きがいいな?まるで制限が無くなったような動きをしているぞ?」「まあな、理由は基地に帰ってから教えるよ。」「なる程。ならば必ず生きて帰るぞッ!!」「オウッ!!」(全く…何か隠してるな…?)冥夜から通信が入り、質問されるが、真実を今話す訳にはいかない為、誤魔化すだが、冥夜には誤魔化してる事はバレバレだった。 「タケルッ!!反応炉までどっちが早くに到着するか勝負だッ!!」「望む所ですよ、孝志さん!!」すると、孝志が部隊の士気を底上げを狙い、タケルに勝負を挑む。事実、前回の『本土侵攻戦』の時もタケルに勝負を挑み、部隊の士気を上げていた。「ちょーーっとまったぁっ!!その勝負、私も希望しますっ!!」「水月!?」そしてやはり水月がタケルと孝志の勝負に参戦を申し出る。 「…やはり名乗ったか…」「ほほぅ…ヴァルキリーズ代表は新人少尉か…」「…………………ハァ…やはりか…。」水月が名乗る事を予想していたタケルとみちるそして水月に興味がある孝志「タケルの教え子であり、未来のヴァルキリーズの突撃前衛長候補が参戦か…面白くなってきたな…」「ならば、私も志願します。」「冥夜もっ!?」「冥夜様!?」水月が志願した事により、冥夜の闘志にも火が着いた。流石に是にはタケルや真那も驚く。そして--- 「ならば、第16大隊代表は俺がいかせて貰うよ。」「兄貴ッ!?」予想外にも崇宰当主・隼人まで志願して来た弟・孝志もこの事には驚きを隠せないでいた「ハハハッ…なんか贅沢なメンバーになったなぁ…」「…流石にこれは予想外…兄貴まで参戦するとは俺も思ってもいなかった…」苦笑いをするタケルと孝志そして、タケル・孝志・隼人・冥夜・水月&遙の機体が横一列に並ぶ。 前方には、第2波としてやってくる突撃級の軍勢---合図も無く、突撃級との距離が300を切った所で、一斉にスタートする!! 白銀・紫・青・水色とカラフルな不知火・改が同時にスタートするが、やはり先頭は機体性能の差でタケルがトップそのすぐ後ろに冥夜・孝志が、更に僅か後方には水月&遙と隼人が続いていた。 そして、突撃級と接触すると、水月&遙が上がって来て、冥夜・孝志の二人を抜く (ヌゥ…!!流石は速瀬中尉か…タケルに教わったおかげで、あの頃の速瀬中尉には及ばないが、機動に関しては、向こうが上か…!!)尊敬すべき突撃前衛長の姿を思い出す冥夜あの頃の実力には及ばないが、その後ろ姿は、かつて見続けてきた後ろ姿だった。「流石はタケルの教え子じゃねぇか!!機動がそっくりだっ!!」「当たり前ですッ!!私は白銀中尉の一番弟子ですよ?これぐらい出来なきゃ、恩師の顔に泥を塗る事に等しいですから…って邪魔よッ!!」『教え子』として、負けられない水月水月を支えるように、遙が的確なサポートで支援する。しかし、徐々に水月&遙の不知火・改の横に冥夜機・孝志機が並び、拮抗していた。「クッ…流石は現役の突撃前衛長か…けど何故御剣少尉まで!?」「油断しましたな、速瀬少尉タケルに教えを受けたのは貴女だけではないと言う事です。」「なっ、なんですってッ!?まさか…御剣少尉もっ!?」驚愕する水月だが、真実はちょっと違うのだが、『嘘は言ってないぞ…多分』と心の中で呟く冥夜冥夜の場合は、『二度目の世界』でタケルの機動特性のデータを参考にして訓練した事や、タケルとエレメントを組み続けた結果、メキメキと冥夜の機動特性も成長し、タケル寄りな機動になったのだ。それに、一応一緒に訓練し、あれこれ教えて貰った事も多少はあるから、一応嘘はついてない…とちょっと複雑そうに思う冥夜三人が互いに奮戦していると---三人の頭上から、『蒼い影』が横切る。 「あ、兄貴ッ!?」「御苦労様、孝志兄の為に『道』を三人で作ってくれるとは…感謝する。」「し、しまったぁぁっ!!」三人の頭上を倒立反転で超え、三人が奮戦した結果出来た『空間』に着地し、一気に三人を抜いてタケルの背後まで迫る。 「流石は孝志さんのお兄さんですね。三人を利用して、一気に抜き去るなんて…」「一応突撃前衛長だからね。それにこれぐらい出来なければ、戦場では生き残れぬよ。」「確かに。」苦笑しながら隼人の言葉に同意するタケルすると、『反応炉の間』の入口近辺で、津波のような突撃級の突進攻撃が来る!!「やれやれ…反応炉直前でこの数とは…」「恐らく別ルートの道から反応炉に通じる道を通ってきたんでしょう。」前方に映る突撃級の大群にも怯まない態度でいるタケルと隼人左右に分かれて、各々の道を通る。 「クッ…流石にこの数の隙間を探して進むのは無理か…?」最初の第一波の突進を倒立反転と噴射地表面滑走で回避したのち、突撃級の頭上を超える高さを保ちながら水平噴射跳躍で抜けようと試みる隼人だが、突撃級を回避したのち、水平噴射跳躍をした所、要撃級が天井から『落下』し、隼人の進路を邪魔する 一旦滑空砲で着地出来る空間を作り、再び来る突撃級の攻撃を回避すると、背後から要撃級・戦車級の『偽装横坑』スリーパードリフトをされるが、辛うじて要撃級の奇襲を回避する。「是では単独で先には………な、何ッ!?」その時、隼人は我が目を疑う。 「それっ!!」突撃級を回避したのち、隼人と同じように水平噴射跳躍で進行するタケル。しかし、天井から降ってくる要撃級を撃退しながら着地する際、既に床に降りた要撃級の背中や突撃級の頭上を『足場』として先へと進める。 『足場が無いなら、作ればいい』その考えは皆同じだったが、タケルに至っては、中身が少し違った。『BETAを足場にする』なんて考えを思いつく奴は居ないだろう。『死骸となったBETA』ならまだしも、『生きて動いてるBETA』を足場にしようなんて、危険過ぎて誰も考えない。だが、タケルにしてみれば、危険はどこに居ても同じ戦場に安全な場所など無いのなら、『生き残れる可能性』を優先すべきだと考える。 タイミングを間違えれば、『死』に繋がるしかし、そんなリスクの高いからこそ、『活路』は見えて来る---!! 「イグニス10、反応炉に一番乗りを果たしました。」「良くやった、イグニス10先に反応炉周辺のBETAを一掃しろっ!!」「了解ッ!!」『反応炉の間』に到着したタケルその報告を椿に伝えると、反応炉周辺の一掃を命じられる。「邪魔だ、お前等ッ!!」反応炉にへばりついてるBETAを突撃砲で撃破していくタケル反応炉に傷つけないように単発撃ちでBETAを仕留めていく。 「白銀中尉ッ!!今お供しますっ!!」「タケル、今行くぞッ!!」すると、少し遅れて冥夜・水月&遙の二機がやってくるそして、タケルの左右に並び、次々とBETAを撃破していく。 「……良いのか、孝志?勝負に負けてしまったぞ?」「いいんだよ、勝負より兄貴の方が大事だからよ。」そして、反応炉の間入口周辺で、要撃級を掃討していた孝志と隼人元々隼人はタケル達を守る為に勝負に参加し、ワザと後方に着いていた一度、孝志達を抜いたのは、単騎のタケルを守る為しかし、タケルの機動を見て『とりあえず大丈夫だな』と判断し、再び孝志達の護衛に回るそれを途中で見抜いていた孝志は、兄・隼人を守る為に勝負を捨て、隼人と共に入口周辺を死守していた。「フフ…相変わらずだな、孝志さて、久しぶりに二人で崇宰家の二刀を披露しようではないか」「良いねぇ。崇宰の二刀は日の本と民を守護する剣しかし、BETAにとっては生を刈り取る死神の一撃…」「「我等崇宰の剣で散るがいい、BETAよっ!!」」孝志機と隼人機の二機が二刀流となり、反応炉へと引き返して来る要撃級を斬り刻む!!お互いの背中を守るように背を向け合い、要撃級の首や前腕部を斬り落とす。 「まったく…相変わらずね、孝志」「椿!?」すると、孝志達のそばに、椿率いる第17大隊が到着し、参戦する!!「イグニス1からイグニス各機へ。我々は日の本の『篝火』として道を照らす存在第16大隊や国連軍を安心して反応炉まで辿り着けれるように、『影』となるBETAを殲滅し、道を照らすのだっ!!」「「「了解ッ!!」」」「イグニス10とイグニス26(冥夜)は、そのままヴァルキリー5(水月)と共に反応炉にへばりついてるBETAの掃討。それが終わったら、ヴァルキリーズとオーディン隊が守護する輸送隊を護衛しつつ、反応炉を死守せよ」「「了解ッ!!」」椿の指示に従い、各自自分の役目を果たす為、配置に着き、BETAを殲滅する!! 「まったく…次から次へと…邪魔よッ!!」「ムゥ…!!是ではキリがない…!!」しかし、反応炉に繋がる複数ある道からBETA達がウジャウジャと湧いて出て来る事にイライラする水月流石に三機だけでは殲滅が難しいと判断する冥夜は、苦痛な声を放つ すると--- 「コラァッ!!何弱音を吐いてるかぁっ!!!貴様、それでも衛士かぁっ!!」「「ッ!?」」ビクンと反応する水月と冥夜その前方には、『猟犬』のように現れ、BETA達を次々と刈り取っていく一機の不知火・改 シンボルカラーと部隊マークを見てヴァルキリーズと判断するが、その強さに圧倒される。 「この程度で弱気になるとは情けないぞ、速瀬!!貴様帰ったら特別に扱いてやるっ!!」「神宮司軍…じゃなかった、大尉!?」水月&遙機と冥夜機を守ったのは、A-01の『母』にして、恩師であるまりも恩師の喝を聞いて反応する三人まりもの声を聞いて、気を引き締め直す。 「隊規を忘れたのかっ!!貴様はそれで死力を尽くして任務にあたってるのかっ!!その程度で最善を尽くしてるのかっ!!この程度で犬死になるつもりかぁっ!!」「「--ッ!!」」ヴァルキリーズの隊規を思い出す三人先程までの自分達がそれを反してる事を悟る。 「情けないな、水月もうへばったか?」「だ~か~ら~不安だったんだよな~…」「孝之、慎二!?」そして孝之と慎二の参戦に水月の闘志に更なる火が灯る!! 「怖いなら、其処でジッと--「ふざけるんじゃないわよ!!アンタ達こそ、足を引っ張るんじゃないわよっ!!」……ハァ…やっとらしくなったか…。」更に孝之が挑発するが、水月の闘志が大爆発を起こし、本来の水月『らしさ』を取り戻す。 「なら、サッサと反応炉にへばりついてるBETA達を殲滅して、その証明を見せてくれ出来なかったら『口だけ』って事になるぞ?」「孝之、アンタ絶ッッッッ対に泣かすッ!!覚えて起きなさいよッ!!」ブツンッ!!と通信を切る水月その様子を見て、やれやれ…と溜め息を吐く孝之と慎二 「流石は鳴海と平だ。速瀬の士気を取り戻すとは、関心したぞ。」「いつもの事ですよ、神宮司大尉」「訓練兵の頃に嫌って程体験したからね」孝之と慎二の言葉に『確かに』と苦笑いするまりもその後直ぐに輸送隊を護衛していたヴァルキリーズ・オーディン隊も合流し、輸送隊が反応炉に装置を設置しだす。 「輸送隊が反応炉に装置を設置し、起動するまで絶対に死守するのだっ!!」「「「了解ッ!!」」」そして、最後に合流した第16大隊の大隊長であり、突入部隊の隊長である伊織が、突入部隊全員に指示を出す!!あとがき--- 明けましておめでとうございます、騎士王です。やっと反応炉に到着しました。予定では、あと1・2話で明星作戦を終了する予定です。 その後は簡単な設定(オリジナルキャラの設定等…)を書く予定です…………もしかすると、外伝でヴェナ太郎再び出るかもしれない…