第23話 「産業廃棄物処理作戦(前)」【2001年2月14日 AM7:00 新潟県・上越方面某所】「あ~~~~~ったくもう!辛気臭いったらありゃしないわよ!!」「水月~、我慢しなきゃだめだよ~」「やはり速瀬中尉は戦闘なしでは生きられない身体…」「む~な~か~た~、もう一度言ってみなさい」「…と、大咲中尉が言っておりました」「あんのアマ!自分の事を棚に上げて!」「…貴様ら、それくらいにしておけ」A-01 伊隅中隊隊長伊隅みちるの声が、フラストレーションを持て余していた部下たちの耳朶に響いた。「伊隅大尉~~~何時までこんな鬱っとおしい作業を続けなきゃいけないんですか~~?」「決まっているだろう、必要なデータを収集完了するまでだ」現在、伊隅大尉たちが行っている作業…数日前に香月副司令から命じられた新型の振動検知機(というよりは地底探査システムと言った方が正確かも知れない)のサンプルデータ収集と実験運用のために新潟と関東の間を地道に移動を続けていたのだが、あまりの単調さに堪え性のない水月が不満をぶちまけてしまったのであった。「水月~、これが完成すればBETAの地中侵攻の脅威が半減するかも知れないんだよ、我慢してちゃんとやり遂げなきゃダメだよ」「う~わかってるわよ」「成程、頭ではわかっていても身体の疼きは堪えられないと…」「む~な~か~た~、何ならあんたのその舌の疼きを永遠に止めて上げましょうか?」「いい加減にしろ!貴様ら!」遂に伊隅大尉の堪忍袋の緒が切れて、本気の怒声が響き渡る。その剣幕に、速瀬・宗像の喧嘩はぴたりと止んだ。だがしかし、速瀬水月の胸の中では未だに自分でも理解出来ないもやもやとした鬱屈が渦を巻いていた。(あ~、もう何なのかなあ…誰かがどこかで許せない事をしてるような気がして仕方ないんだけど…別に心当たりはないし、遥にでも後で聞いてみようかな?)そして涼宮遥もまた、自分でも理由が分からない黒い思考に囚われていた…(ブツブツブツブツブツ………せない………許せない…………ブツブツブツブツブツブツ………)「……涼宮…涼宮!!」「えっ…あっはい!」「…一体どうした?さっきから呼んでるのに、返事もないからどうかしたのかと思ったぞ」「……えっ?…そうですか、済みません大尉」「…まあいい、それより反応はどうだ?」「は、はい…やはりこの下まで地下茎が到達しているのは間違いないです…ただ…」「ただ…何だ?」「この解析映像…これは本当に現実なんでしょうか…本当にこんな巨大なBETAが大深度地下に…」「……それを判断するのは香月副司令だ、我々の任務はそのためのデータを可能な限り集めることにある」「はい…えっ…この反応は…大尉!佐渡島の方からBETAの大規模な移動が始まったようです!」「よおおっし!ようやく暴れられるわね!」「…哀れな異星起源種たちが、速瀬中尉の慰み者になるためにのこのこと出てきた訳ですな」「む~な~か~た~!!」「待たんか貴様ら!自分の任務を忘れたか!」「でも大尉!せっかくX2を搭載してるのに…」「今回それは碓氷たちの役割だ。 我々は我々に与えられた任務を最優先にしなくてはならない…涼宮、横浜基地に連絡しろ。BETAの侵攻が始まったと」「了解!」 【AM7:05 国連軍横浜基地・B19フロア】「…そう、ならあんた達はそのまま観測を続行しなさい。 どうせ3機じゃ大したことは出来ないし、それに今はデータの収集の方が重要だしね…ああ、速瀬が欲求不満をおこすでしょうけど上手く抑えなさいね」そう言って夕呼は伊隅たちからの通信を切り、自分の思考に突入した。(あのコウモリの“予言”通りにBETAが佐渡からやって来た…か。 どうやって予測が出来たのか…そして涼宮が送ってきたこのデータと映像…このデカブツを発見することさえ、もしかしたらあの男にとっては予定の内?…もしそうならあの男とんでもないバックが存在する筈だけど…ピアティフが調べても何も出てこないなんて…X1と2の共同試験もすんなり行き過ぎたわね…つまり現在の状況は全てあのコウモリの手のひらの上って事!?…ふざけんじゃないわよ! そうそういつまでもあんたの手の上で踊ってるあたしだと思ったら大間違いよ…取りあえずはこの男…あのコウモリが帝国軍に送り込んだ仮面の衛士…利府陣徹とかいう奴がとっかかりになりそうね…)夕呼は机の上に置かれた一枚の報告書…『帝国軍技術廠所属衛士・利府陣徹中尉に関する報告』を見ながら正体不明の男に対する次の一手を模索し始めていた。 【AM7:30 帝国軍・相馬原基地】「ふえ~~~~っくしゅん!」「利府陣中尉、風邪ですか?」「いえ違います御名瀬中尉、これはただのくしゃみ……っくしゅん!」どういう訳か利府陣徹こと鳴海孝之は朝からくしゃみが止まらなかった。本来なら改造人間の彼が風邪をひくことなどありえないのに、何故かくしゃみと悪寒が止まらず周りから心配されていたのであった。「…本当に大丈夫なのだろうな?中尉」「あ、はい大丈夫です碓氷大尉」(なんだ!?まるでどこからかとんでもない殺気が送られてきているような…)「ふ~ん、ひょっとして誰かに噂されてるとか…たとえば彼女とか?」「ぶ!…冗談はやめて下さい大咲中尉、そんな訳ないでしょう」「あら、もしかして彼女いないの?」「え、そうなんですか?中尉」「あ、いえ…その…」「ほほう、どうやら彼女はいないが気になる女はいるようだな…まさかと思うがうちの御名瀬ではなかろうな?」「大尉!…やめて下さい、利府陣中尉が困ってるじゃないですか」「も~純のばか、もっと積極的にならなきゃだめでしょ?」「真帆~~~!!」「ははは…」(やれやれ、この二人は変わってないな…)「…ところで利府陣中尉」「は?」「先日から気になっていたのだが…以前に我々と会った事はないかな?」(げっ!!)いきなり碓氷大尉にそう言われて絶句する孝之だが、碓氷の彼を見る目は鋭さを増していた。「どういう理由でその仮面を被っているのかは我々が知ってはいけない事かも知れないが、貴様とはどこかで会っているような気がしてならないのだが…」「あ、やっぱり大尉もそう思いますか」「ふ~ん、じゃあその仮面を取って貰えばいいんじゃないの?」「あ!いやちょっと!それは勘弁して下さい!」昔の仲間に正体を気付かれそうになった孝之はなんとか誤魔化そうと必死になっていたが、その時突然基地内に警報が響き渡った。「碓氷大尉!」「BETA共が来たか…大咲!御名瀬!部屋で待機していろ!私は司令部へ行ってくる!」「自分も行きます!」そう言って孝之は碓氷とともに司令部へと向かって行った。 「…どうしたの、純?」孝之たちが立ち去った方をぼ~っと見ていた御名瀬中尉を、大咲中尉が小突いて正気に戻した。「似てる…やっぱり」「え?誰に?」「鳴海少尉に…」「鳴海って…まさか!」思いもしない名前に驚いて声を上げる大咲だったが、それでも御名瀬の視線は孝之の後姿を追い続けていた。「似てる…でも、ありえないよね…」 【同時刻 土管帝国・某所】《モロボシさ~ん!始まりました~!》「ああ…わかってるよ、タチコマくん」明け方付近から動きが激しくなり始めていた佐渡島ハイヴのBETAたちが遂に海を渡り、本土に向けて侵攻を始めたようだ。その数はおおよそ1万…まず間違いなく本土の奥深くまで侵攻されるであろう規模の侵攻だ。おそらくこのままでは相馬原基地あたりも戦場になるだろう…ほぼ予想どおりか。「オシリス!廃棄物処理作業の準備は出来てるか?」≪すでに全ての準備は完了しています。 あとはあなたの作成した書類の内容に準拠した作業を実行するだけです≫…よろしい、では後はその時がくるのを待つだけだ。 【PM2:00 帝国軍・相馬原基地司令部】「支援砲火が足りん!もっと撃ち込まねば突破されるぞ!」「しかし!もうこれ以上は砲弾が…」「BETAを帝都に向かわせるよりはマシだろうが!」「新潟より入電!BETA群の第2波が防衛戦を突破しました!」「なんだと!」基地の数十キロ手前で防衛線を構築し、必死の防衛戦を指揮していた相馬原基地司令部に最悪の知らせが届くと、司令部の面々は一瞬絶望の色を顔に出した。凄まじい勢いで侵攻してくるBETAに対して相馬原基地の衛士たち、特に新型OSを搭載した機体に乗った面々は正しく獅子奮迅の活躍を見せていた。従来に機体では不可能と思われるような状況での攻撃や離脱を見事にこなしながら、BETAを陽動し、あるいは仕留めて見せるその姿は共に戦っている衛士だけでなく、戦場にいる全ての兵士に新しい力の誕生を確信させていた。だがしかし、今回押し寄せてきたBETAの数に対して迎え撃つ相馬原基地の備蓄してある砲弾の数が不足気味になっていたのだった。どれほど戦術機の性能が優れていても、支援砲火がなくなってしまえば数でBETAに押し切られる…第1波のBETA群を殲滅出来たとしても、その次がくればもう戦線を維持することは不可能だった。「帝都からの増援はまだか!」「第5師団の一個大隊をこちらに向かわせているそうですが…」「それだけか?」「現状でこれ以上の戦力は割けないと…」(…それが本土防衛軍のお偉方の本音か!)相馬原基地司令官の胸中に怒りの籠った言葉が湧いた。確かに帝都の護りを固めなければいけないという理屈は一見正論だ。だがしかし、それなら現状破綻しかかっている防衛線に雀の涙程の増援を派遣してくる理由は何か?つまり彼ら本土防衛軍首脳たちはこう言っているのだ“増援は出したのだから基地を放棄して撤退することは許さん”と。(所詮は命惜しさに徒党を組んだ連中に牛耳られた組織…か)決して本土防衛軍の全てが無能でも腐敗している訳でもない。だがその組織の設立当初からいる古株たちの殆んどは、はっきり言って我が身可愛さが最優先と言ってもいいような連中だ。おそらくはその連中が自分たちのいる帝都…いや自分たちだけを守るために増援を取りやめ、言い訳する分だけの部隊を送ってきたのだろう。この相馬原基地が落ちればどの道帝都の目の前までBETAは来る…それが解っていながらこんな真似をするということは、つまりはこの基地にいる全ての人間を防波堤として使い潰すつもりなのだ。本土防衛軍上層部のエゴのために、ここにいる全員が死ななければならないのか…だがしかし、ここで撤退して帝都の手前でBETAを食い止められるという保証もない。(せめてもう少しでも新型OSが搭載出来ていれば…)言っても愚痴にしかならない一言を基地司令が心の中で呟いた時…「司令!斯衛軍から通信です!援軍をそちらに向かわせていると!」「国連軍横浜基地所属のA-01部隊が援軍として到着しました!」「なに!?斯衛に…横浜だと?」突然の予想もしなかった援軍に基地司令は一瞬呆然となったが、この場合四の五の言ってる場合ではないと思い直して通信回線をつなげた…すると出てきたのは予想もしない大物だった。 「わしが帝国斯衛軍大将 紅蓮醍三郎である!」 (紅蓮…醍三郎…大将だと!! 何故、こんな大物が!?)慌てて敬礼しながら相馬原基地司令官は内心頭を抱えていた。(なんという皮肉だ…国連軍はまだしも斯衛がこの場所に、それも紅蓮大将自らが援軍に現れるとは…そもそもあの上層部の連中が恐れていたのはBETAだけではなく、斯衛軍もそうだったのだ。 自分たちが戦力を使い減らした時に統帥権の確立を大義とした斯衛による反乱…常識で考えれば馬鹿馬鹿しい限りだが、上の連中は本気でそれを恐れていた…だからこそ帝都の戦力を保つためにここへの増援を渋っていたのに、逆にその斯衛軍が援軍として現れるとは…この援軍を受け入れれば後で上の連中は文句を言ってくるだろう。 斯衛に手柄を上げさせたくない…そんな愚かな理由のために。 だが現状はそんなことを言っている場合ではない…斯衛や将軍家にどんな思惑があろうと、上層部が後で何を言おうと、今この場には戦力が必要だ)数瞬の苦悩の後、基地司令は斯衛軍による増援の受け入れと感謝の言葉を紅蓮に告げたのだが… 「全力で支援砲撃!? いやしかし、すでに弾薬が心許なくなっていてしかも第2波がやがてこの基地まで到達すると思われますが」「分かっておる、それは我らが引き受けよう。 だが今はその第2波が来る前に目の前のBETA共を片付け、体勢を立て直す事が先であろうが」(引き受ける…だと? 戦術機部隊のみのようだが、何か手があるというのか? だがどの道現在交戦中のBETAを殲滅しなければさらに状況は悪化する…ならば)紅蓮に告げられた言葉の内容を頭の中で吟味しつつ、現状を分析した基地司令は彼の言葉に従う事にした。「…大丈夫なのですな?第2波の迎撃は」「うむ、我らに任せておくがいい」「了解しました……砲兵隊に連絡!全力で支援砲撃を行え!後の事は考えるな!」「は、はい了解!」基地司令のこの決断によって、相馬原基地に向かっていた第1波のBETA群はほどなく全滅した。第2波に備えるべく補給と休息をとる衛士たちの中で、孝之は自分の機体…改修型吹雪の中で来るべき時に備えるべく心を落ち着かせていた。(もうすぐか…モロボシさん、ヘマだけは勘弁してくださいよ) 【PM3:30 土管帝国・某所】≪管理者(マスター)、このままですとあと10分ほどでBETAの第2波が迎撃ポイントに到達します≫「そうだね…だがその前に紅蓮大将たちが見せ場を作る筈だ、我々の作業はその後になるよ」《ね~先生、モロボシさん、鳴海さん大丈夫でしょうか~》「まあ、心配ないだろう…彼も一人前の衛士だし、こういう状況でも生き残れるように紅蓮閣下に鍛えてもらったんだからね」「うむ、彼も明星作戦の時のような無謀なことはもうしないだろう」《そうですか~?》信じてあげなさいって、君たちも…とは言ったものの、やっぱりちょっと不安だけどね。なにせ彼は肝心なところでヘタレというかドジっ子というか…本当に大丈夫だろうな? 【PM4:00 帝国軍・相馬原基地手前 第二防衛線】「うおおっっ!!」「このお!」「こなくそ!!」「せいっ!」「…そこですわっ」「風間~、ナイスアシスト~!」「むうっ!雑魚はもういい!大物はまだ来んかあ!!」斯衛軍やA-01の増援部隊が必死の防戦を行う中、宇宙乃王者だけが能天気な台詞を吐きながら突撃級や戦車級を葬り続ける。小型種ならいざ知らず、これらを雑魚と呼ぶのはこの男だけかも知れなかった。((本当に人間かしら、この人…))斯衛の衛士たちは慣れていたが、あまり知らないA-01部隊の面々は、密かに心の中で同じ疑問を口にしていたのだった。「いや~、あの人本当に噂どおりのバケモノなんですねえ」「こら、大咲…とはいえ確かに凄まじいな、いくら武御雷にX2を搭載しているとはいえ…」「本当に信じられないような機動ですわね…」「さて、と…あたしらも頑張らなくちゃね」「…大咲、あまり気負うなよ」「え?」「増援の本土防衛軍第5師団所属の部隊…お前の姉だろう?」「あら…あはははは、お見通しで…」「どうせ我々のことは身内にも知らせられんから、心配や疑念を抱かせとるんだろうが?」「いや~、うちのお姉は勘がいいもんだから…」大咲中尉がそう言った時、まるでタイミングを計ったように噂の本人から通信が入った。『こちら本土防衛軍第5師団所属・大咲大隊指揮官、クーガー1だ』「こちら国連軍横浜基地所属A-01連隊所属・碓氷中隊指揮官フレイム1です」『かなり無理をしているだろう、しばらく後ろに下がっていてくれ。 少しの間なら我々だけでなんとかする…ああそれと、私と同じ名字の聞き分けのない馬鹿がいるかも知れんが、首根っこ掴んででも後ろに下げてくれ…自分の限界というものが分からん馬鹿でな』(お姉~~~~!!!!後でシメルからねえ~~~~~!!)「了解した…なに、わざわざ首根っこなど掴まなくてもちゃんと言う事を聞く素直な良い子だよ」「大尉~~~~~!!」「ほら、下がるぞ大咲…」「覚えてなさいよお姉~~~~!!」『ん~~~?聞こえないなぁ~~~~』 「むう、そろそろか利府陣よ」A-01部隊が後方に下がり大咲大隊がそれに代わって前面に出た直後、何かを待っていた紅蓮大将が孝之にそう問いかけた。「はい、BETA群の後続も後方に現れようとしています…場所も事前にタチコマたちが確認して正確な位置情報を送っていますから、あとはタイミングだけですね」「うむっ…聞けい!皆の者!これより暫しの間この場にBETA共を釘付けにした後、我が合図に従い全力で後方へ下がれい!!」「なっ!」「ええっ!」「何ですって!?」「この状況で!?」支援砲撃がない以上ここで後退すれば一気に基地まで攻め込まれるだけ…誰もがそう思っている中での紅蓮の言葉に戦場にいる全員が愕然となるが…「心配は無用!!すでに我が方で彼奴等を壊滅させる準備は出来ておる! 合図と共に巻き込まれぬ位置まで後退せい!!」あまりにも自信たっぷりの紅蓮の言葉に反論を返す者はいなかった。そのまま懸命の防衛戦を続けること数分……遂に紅蓮が吼えた。 「…今だ!退けえええええいいっ!!!!」 その言葉を合図に戦術機群が一斉に後方へと撤退を開始する…がしかし1機の不知火が遅れていた。「しまった…跳躍ユニットをやられたか」大咲大隊指揮官・大咲大尉の機体が跳躍ユニットの不調でスピードが出ないのだった。「大咲大尉!」「バカ者!戻ってくるな!早く後退しろ!」「お姉!」「ダメだ大咲!ここからでは間に合わん!」周囲が悲鳴を上げる中、一人の馬鹿が彼女の機体に向かって行った。「死なせるかあああああっ!!!!」「むうっ!利府陣か!」孝之の乗った機体“吹雪改”が大咲大尉の機体に辿りつき支える。「バカ者!その吹雪では私の機体を支えて逃げるのは無理…」「そうでもないんですよ!これがね!」そう言って孝之は吹雪改の出力を最大に上げて飛び始める。通常の吹雪よりもさらに軽く、そして跳躍ユニットの出力を上げた吹雪改は大咲大尉の不知火を支えながらどうにか飛んでいく…だがしかし、そんな2機に向けて光線級の視線が届こうとしていた。「くっ!…すまん、私のせいで貴様まで巻き添えに…」「諦めるのは早いですよ…4・3・2・1・ゼロ!!」孝之が意味不明なカウントダウンを終えた瞬間…その場にいた全ての衛士たちがありえない光景を目の当たりにしたのだった。 第24話に続く