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No.37028の一覧
[0] 琥珀色の記憶(0083 stardust memory×マブラヴ)[きらりレスポール](2013/03/19 23:09)
[1] Dear my stardust[きらりレスポール](2013/03/19 23:14)
[2] Planet hell[きらりレスポール](2013/05/03 23:37)
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[37028] Dear my stardust
Name: きらりレスポール◆f40b2744 ID:7c27bde2 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/03/19 23:14
この拙作はBETAを地球から駆逐し、宇宙への人類への進出を宇宙開発黎明期に成し遂げ、宇宙人類の父と母となったガトー夫妻に捧げるものである。

2098年
月面都市スペースヨークの自宅にて
アンデラ・ナッシュビル


第一話 My dear stardust


西暦1987年、アメリカ合衆国陸軍のアナベル・ガトー少佐は、マグダエル・ドグラムから出向中のニナ・パープルトンと共に新型戦術機用大気圏突入殻の試験中に事故は起きた。

スペースデブリ(宇宙ゴミ)との衝突事故である。

桜花作戦が成功するまでの西暦2001年以前は、人類は月に進出するも、BETAに地球に押し返されていた。しかし、それでもアポロ計画などにより地球軌道脱出の際に廃棄された衛星等のスペースデブリが無いわけではなかった。

当時は北アメリカ航空宇宙防衛司令部により、約10cm以上のスペースデブリの登録がなされていたが、幸か不幸かこの事故時に衝突事故したのは後日の検証で分かったのであるが、7mm程度のものだった。

このスペースデブリの衝突によりUSSTサンタ・モニカは操縦不能に陥った。記録のために随伴している同じ戦隊のHSSTヨセミテに回収されなかったら、そのまま地球にどこともしれぬ所に落ちていたところだろう。最悪、BETAの支配圏にだ。もっとも、そうなる前に傷ついたHSSTでは、大気圏の突入すら叶わなかったであろう。

何はともあれ、この事件以降二人は仲を進ませた。この新型再突入殻開発計画の責任者であるジョン・H・ウォーケン大佐は後にこう語っている。

「この事件が起きたあと、二人はまるでお互いの人格が変わったかのように、急に仲が進展しました。まるで元ガールフレンドのようにね」

この事件の半年後、二人はニナ・パープルトンの生地があるカルフォルニア州のサクラメントにて入籍する。

1987年
アメリカ合衆国カルフォルニア州
州都サクラメント
ニナ・パープルトン自宅

20代後半の金髪の男、アナベル・ガトーは食卓を挟んで、彼の婚約者ニナ・パープルトンと朝食をとっていた。

「ニナ、私たちはHSSTの事故のあと2日間倒れたが、君も思い出したのだろう……? 我々の宇宙世紀での日々を……」

ニナは静かに頷いた。彼女もまた、宇宙での強烈な事故により前世・または異世界の自分とでもいうのだろうか? その記憶を思い出したのだ。

宇宙世紀0083。デラーズ・フリートの一員であったアナベルガトーは観艦式のために地球連邦の戦力の過半を集結させた艦隊群に核弾頭を投下する星の屑作戦を決行。星の屑作戦第二段階である人類の一大食料生産拠点である北米大陸にコロニー落としを決行しこれに成功する。しかし、残存の連邦軍艦隊によって乗機のノイエ・ジール共々撃破される。彼のスペースノイドの独立への道はここで絶たれたのだ。

一方、星の屑作戦ののちニナはアクシズに拾われ、アクシズにて技術仕官としてアクシズに勤めることになる。アナベル・ガトーに目と鼻の先で戦死されショックを受けた彼女であったが、スペースノイドである彼女自身もアルビオンや月面都市フォンブラウンで地球連邦軍の腐敗を目の当たりにしたことも加わり、恋人の意識を継ごうと歩き出したのだった。

このことはガンダム開発計画において主要なポジションを占めていた彼女だけに、人的資源が不足するアクシズは渡りに船だった。アクシズに貴重な人的資源を遊ばせている余裕はない。ニナも食い扶持を稼ぐために必死だったのだ。作業用でしかなかったガザA・ガザBをガザCとして戦闘用に作り変える計画に加わったりした。

彼女はその後、アクシズで研究開発をしている時に第一次ネオ・ジオン抗争は終了。第二次ネオ・ジオン抗争に身を投げるも、捕らえられその余生を虜囚として過ごすこととなった。

ニナは先のアナベルの質問に答えた。

「私も思い出したわ。……思い出したくもないおぞましい日々。地球連邦は最悪だった……。スペースノイドに対する差別は根強い。特に刑務所はその際たるものだった。スペースノイドは自立を唄っていても、結局食糧や資源は地球に頼らないといけなくて……。重力に後ろ髪を惹かれるって、こういう事を言うんでしょうね」

ニナは自嘲まじりのため息をついた。虜囚生活の陰惨な記憶を思い出したのだ。刑務所の中にも格差は存在する。まず最初に、アースノイドなのかスペースノイドの違いから始まる。部屋の待遇とまではいかないが、刑務所内の社会構造がスペースノイドを底辺に追いやるのだ。

このことが、スペースノイドの独立、差別の排除へと彼女を晩年まで動かす信念となる。

「私はあなたと同じ思いよ、ガトー。何故、私の記憶が戻ってきたのか分からない。でも、来るべきスペースノイドへの自治独立のために今からやれることをやるしかないわ。そのためにはBETAを地球から駆逐せねばならない」

手伝ってくれる……ガトー?

彼女はそういうやいなやガトーに抱きすくめられた。



1988年

ニナ・パープルトンは周囲の反対を押し切り、マグダエル・ドグラムに辞表を提出。アナハイムエアロスペース社を設立する。

彼女の周囲は、どこに彼女が勝算を見出しているのか全く理解できなかったし、ニナから自信の程が伺える様子もなかった。

だが、その評価はニナ・パープルトンの立身伝に華を添えるものにしかならなかったのである。

彼女はまず、グリプス戦役以降にモビルスーツの標準装備となった、全周囲モニターを開発し、これを発売した。

全周囲モニターが全世界に導入されると、戦車級による被害が著しく減る大戦果を挙げた。なぜならば、以前までの戦術機の機体は人間と同様の視野角しか持っていなかったため、背後や足元から密かに忍び寄る戦車級には注意がいきづらかったのだ。

背後や足元への敵に対応するため、自動警戒システムが導入される。これは死角から接しつつある敵を前面に表示し警戒を促すうえに、音声もしくは視線入力装置により兵装担架を起動し脅威を排除できるというものだ。

この全周囲モニターはアナハイムエアロスペースの最初のドル箱商品となった。

商品自体の魅力に加えて、この商品がドル箱となったもう二つの理由が存在する。

一つ目に戦術機のコックピットは国際共通規格の塊である事が関係している。つまり、全世界の4000機以上の戦術機をアフターマーケットとして期待できるのだ。

二つ目に、改修費がかなり安価で簡便なことである。全周囲モニターを購入すると、カメラ12台(機種によって多少増減する)、プロジェクターとその配線類しかついてこない。作業時間も二人掛かりであれば一時間で終了してしまう。

予想通り、全周囲モニターは莫大な利益をあげた。また、純利益は戦術機のハードウェアメーカーにしては相当に利益率が高い。

何故か。

それは開発部門と特許に関連する法務部門以外の極端な圧縮、外注化にある。これは後年2000年代以降にアメリカの経営学会で発表されたコアコンピタンス戦略と言われるものである。これは自社が他社と比べて圧倒的な強みを持つサービス、技術、その他インフラストラクチャetcにおいて積極的な資源の投入を行い、不得意分野に関しては積極的に外注し資源の節約を図るという戦略である。

しかし、1980年代当時においては出来うる限り、自社で自社関連の部門を持とうというのが経営の流行であった。その根拠とされたのが、マージンである。他社に外注しマージンを取られコストが高くなるぐらいであれば、自社で部門を持つのが効率的であるとされた。

しかし、それは後年間違いだったとされる。良い例が運輸・運送部門である。マブラヴ世界でない2013年の我々の世界は今、運輸・運送部門が経営のフロンティアとされている。

商品の価値だけでは売ることが出来なくなりつつある現在、コスト削減の大きなターゲットとして運輸・運送部門が存在する。今までは物流は注目されていなかった。何故ならそんな事をしなくても商品が右肩上がりで売れていたからである。

しかし、20世紀末期に入り競争が激化すると商品が売れなくなった。しかし、企業とは営利団体である。利益を求め成長し続けなければ待っているのは倒産だ。

そこであらゆる効率化を企業は図った。その対象となったのが運送部門である。モノの流れを最適化することで資源を無駄にすることが無くすことを、21世紀の経営者は考えた。この最適化の事をロジスティクスといい、諸兄が見かけるであろう大型トラックに、「?ロジスティクス」と結構な頻度で書いてあるのはこのためである。



アメリカの巨頭、アナハイムエアロスペースはその黎明期を経営学の格好の研究材料、成功例として熱心に扱われ企業の成功例の一つとして扱われるのであった。


――――――――――――――――――――――――

こんにちは。きらりレスポールです。

どうでしたでしょうか? (個人的に面白いと思っている)stardust memoryとマブラヴを組み合わせたらもっともっと面白い話になるんじゃないかと、愚考した次第でございます。え? 誰もその組み合わせに魅力を感じない? ……すみません。

マブラヴ世界には何だか変なところに無駄が多い気がするんですよね。アンチとまではいきませんが、マブラヴにガンダム世界(宇宙世紀)から切り込みを入れていきたいと思っています。

ガトーとニナの組み合わせは賛否両論あるかと思います。……けど、コウとニナだとどうにもコウは子供っぽくて、コウの成長物語になってしまう気がしたんですよね。それもそれで面白そうですが……。

しかし自分は(あまり好きではないとはいえ)経営学をかじっている身なので、個人的には経営学的な話をしながら切り込んでいけたら面白いんじゃないかとちょっぴり思ってます。 自分も皆様と同様にSS大好きで13歳のときからSS読みふけってた記憶があります。……が、その中で一度たりとも経営学的な視点から企業を切っていくSSとか見たことないんですよね。広いインターネットの世界です。もしかしたらあるかもしれませんが……。

実力が無いので軸がぶれて迷走していくかもしれませんが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。


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