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No.39693の一覧
[0] 英雄達の邂逅(マブラヴ&ヤマトのクロスオーバー)  [油揚げ](2015/06/13 09:41)
[1] 第一話 「舞台袖にて」 2016年6月13日改訂[油揚げ](2015/06/18 21:37)
[2] 第二話 「第一歩」 2016年6月18日改訂[油揚げ](2015/06/18 21:38)
[3] 第三話[油揚げ](2014/03/23 00:15)
[4] 第四話[油揚げ](2014/03/23 00:16)
[5] 第五話[油揚げ](2014/03/23 20:46)
[6] 第六話 (14年9月16日更新)[油揚げ](2014/09/16 23:01)
[7] 第八話[油揚げ](2014/03/30 14:04)
[8] 第九話[油揚げ](2014/04/13 23:42)
[9] 第十話[油揚げ](2014/05/11 23:28)
[10] 第十一話[油揚げ](2014/05/11 23:38)
[11] 第十二話[油揚げ](2014/05/22 20:19)
[12] 第十三話[油揚げ](2014/06/22 00:07)
[13] 第十四話[油揚げ](2014/10/05 11:23)
[14] 第十五話[油揚げ](2014/11/09 20:46)
[15] 第十六話[油揚げ](2014/12/09 23:05)
[16] 第十七話[油揚げ](2015/01/07 14:40)
[17] 第十八話[油揚げ](2015/03/08 11:07)
[18] 第十九話[油揚げ](2015/04/08 09:12)
[19] 第十九・五話[油揚げ](2015/06/02 22:18)
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[39693] 第二話 「第一歩」 2016年6月18日改訂
Name: 油揚げ◆ce53145c ID:f1768497 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/06/18 21:38
四時間にわたる検査を受けたあと俺は香月博士の部屋に通された。
流石に三度目だからこの身体検査にも慣れた。よくよく考えたら検査といっても体力測定をするわけでもないしただあっちへ行ってCTスキャンしたり、あっちに行って血液を採集したりするだけで気楽にやれば簡単なものだった。
そりゃ四時間も気を張ってればただ椅子に座ってるだけでも疲れるもんだ。

「四時間も検査を受けたのに随分けろっとしているのね?」

俺が居るのは香月先生の執務室。
香月先生はいつものように傲岸不遜に座っている。
さっきまでは病院の患者が着るようなだぼついた薄緑色の服を着ていたが今は着慣れた白陵高校の制服だ。
こっちも検査されたようで家のにおいはすっかり消えてしまい少しだけ寂しさを感じる。

「まあ慣れていますから」

「ふぅん?まあいいいわ」

興味なさげに返事をすると自分の机の引き出しから早速拳銃を取り出した。
そしてそれを真っ直ぐと俺を見据えて片手で拳銃を構えた。

…なんか早くないか?

「じゃあ情報の出所を話してもらいましょうか」

やはり初めに銃を突きつけられなければならないのか。
銃を向けられるのは伍長の時もそうだがいい気はしない。
いや銃の恐ろしさを身にしみて知った今の方が嫌悪感を感じる。
香月博士の片手の構えで当てられる可能性は低いが。
だってもうかすかに震えてるじゃん。気丈な顔して睨んでるけどすっごくつらそうじゃん
予定よりか幾分か早い気もするが武は元々話す予定だったので素直に本当のことを話そう。香月先生なら制圧するのは簡単だし。

「香月先生に教えてもらいました。」

「あたしぃ?いつ教えたっていうのよ、まさか心を読み取ったとか言わないでしょうね?」

「いえいえ、第三計画とは関係ないのでそんな霞みたいなリーディング能力は持っていませんよ」

霞と言うと武には条件的にあの別れの場面が思い出された。
あの坂の桜の前で薄れゆく世界の中でまたねと――。

「そこまで知られているなんてね…私の情報管理が甘いせいかしらね」

だが回想に浸ることはできず香月博士の言葉で現実に引き戻される。
せっかくの回想シーンで良い雰囲気にしようとしたのに。
だがこんなことでぼうっとするなんて少し感傷的になりすぎかもしれない。

「いえ、ここの警備と情報の秘匿性は最高レベルですよ。これ以上セキュリティを厳重にしたいのならば人が入れないようにすればいいかと」

横浜基地の地下施設の機密性はオルタネイティブ計画の最前線基地であるため最高レベルだ。
これ以上の機密性を持つところはそうそうないだろう。不審者が入れるはずはない。
まあ鎧衣課長は別だが…。

「ひとまず一つのおとぎばなしをきいてくれませんか?少し長くなるのでその重い銃は下ろした方がよろしいかと」

まずはこの話をしないといけない。たとえ信じてもらえなくても、いや相手はあの香月博士だ、きっと信じるだろう。
俺自身自分に起きたことを分かっていなかったのに因果量子論で説明したのは香月先生本人。俺なんかが作った言い訳より自分の中で結論を見付けてもらった方が信じてくれる。

「おとぎばなしですって?」

香月博士は拳銃を下ろさず構えたまま怪訝そうな顔をした。
どんなに省略しても長話になってしまうから椅子に座りたかったけども香月先生は座るのを許してはくれないだろう。

俺は香月博士の質問に答えることも無く半ば無理矢理語り始めた。

「―――それは とてもちいさな とてもおおきな―――とても、たいせつな―――あいとゆうきのおとぎばなし――――」




武はとても長いおとぎばなし、いや武の半生ともいえる数年間の話を大まかに話し終えた。

香月博士は最初こそ銃を構えていたが途中から銃を机に下ろして様々な可能性を思案しながら聞いていたようだ。
たぶん香月先生はもう因果量子論に乗っ取った理論的な説明を構築している真っ最中だ。

どうしよう、このまま数時間とかここのままだったら耐えられないんですが…。ていうか検査を含めて結構な時間歩き回ったりしたから足がしびれてきて…。

「その話の主人公があなたっていうわけ?」

話し終えて数分、香月先生はずっと閉じられていた口をやっと開いた。
そして紡がれた言葉は確信を含んだ質問だった。

「あっはい、自分で話すにはとても恥ずかしい話ですがね」

元の世界のこと、地獄のような世界への移動したこと、ループをしたこと、そして二度目のループ。
自分の半生について話しながら武は過去の自分のガキ臭さを痛感した。

それと足がつらいんですがそれは。
ちなみに香月先生は途中から座って居た。
ずるくない?こっちにはいすなんて無いのに。

「そんなおとぎ話よりまだあなたが第五計画推進派の工作員っていう方が信憑性が高いわね」

だがしかし確証は無い。一人の男のよく考えられた誇大妄想かもしれない。いまだ香月博士に信用されるものは提示できていない。
だが香月先生は自分の考えに確信めいたものを持っているはず。なぜならこれは因果量子論を証明しうる実証だから。

「霞に連絡をしてくれてかまいませんよ?あとループに関しては因果量子論で説明できるはずです」

そう言うと香月博士はパソコンを操作する。するとさも当然という顔をする。やはり霞にリーディングをさせていたようでいまその霞のリーディングの結果を聞いてほとんど話が本当だと確信していたようだ。

じゃあ少しいたずらをしてみようか。

「…あんた霞に何かしたわね」

「はて何のことでしょう」

いま俺の頭に強く思い浮かべているのはあるのは元の世界で見てきた様々なR18に属するものの数々。
さあ耐性の無い霞はどんな顔をしているか。いまごろ顔を真っ赤にしてうつむいているに違いない。

「今考えていつことを止めなさい?じゃないと…」

「分かりましたから本気で銃を構えないでください!?」

「霞の情操教育に悪いわ…。あの子はまだ幼いんだから」

香月副司令はおバカな生徒にやきもきする先生みたいだった。

「で、目的は何なのよ?まさか何度でもやり直せるから欲望のままに生きるなんていったらはったおすわよ」

「さすがにそんなことは思ってませんよ。俺だってまたやり直せたのは奇跡だと思ってますから」

「まあそうよね。あんたの話を聞く限り鑑と結ばれたんでしょ。それでもまだ満ち足りないなんてあんたの幼馴染みは相当強欲ね」

たしかに俺と純夏は結ばれた。あの丘の上で告白して身も心も一つになった。
桜花作戦で死に別れたてしまったがあいつは満足そうな表情で逝った。
そして何よりもあいつは俺がループで苦しんでいるのを知ってそれを心から悔いていた。

俺にはどうしても純夏が俺をまたループさせたとは思えないんだ。

「それなんですけど…俺自身が原因ってことはあり得ませんか?」

俺でも莫迦な話だと思う。だけどもこれが一番現実的だと思える。

「…また突飛の無いはなしね」

「俺は経験上三度、世界を超えました。一度目は元の世界からこの世界へ、二度目は未来から過去へ、そして今回。
もしかして俺は元の世界との関係が薄弱になったんじゃ無いでしょうか。伸び切ってしまったゴムのように。
それともう一つ、ループの原因は純夏とG元素なんでしょう?繰り返しG元素で繰り返すうちに俺自身が…」

「あなた今からでも遅くないから医者に見てもらいなさい。私の姉を紹介するわよ。外科だけど認知症でも真摯に向き合ってくれるはずよ」

「って俺は認知症じゃねーーー!」

「じゃああんた莫迦なの?そんなわけあるはず無いじゃ無い。あんたがG元素って言うなら凄乃皇の燃料にでもしてあげましょうか」

あっこれ完全に馬鹿にしてる表情だ。
物理の授業のあとに質問に来た生徒を見る目だもの。

「あんたの馬鹿話は生ゴミにでも出しておいて、あんたは今からどうするつもり?私としては拘束して人体実験をしてもいいのよ?」

生ゴミってあんた粗大ゴミぐらいでもいいじゃないか。

「俺が欲しいのは身分と香月先生との対等な関係です」

香月先生は俺の言葉を鼻で笑った。

「なかなかでかいものを要求するわね。この日本で死んだ人間を生き返らせることがどれだけ手間と人脈があれば良いのか分かる?しかも私との対等な関係?国連軍横浜基地副司令、天才物理学者の私と対等になりたいのなら政威大将軍にでもなったらどう?」

香月先生はこんなことを言っているが前者は香月先生ならばすぐに可能なことだ。
日本の戸籍を改ざんすることなんてすぐにできるはずだ。前は斯衞のデータベースまではいじれなかったそうだが鎧衣課長を使えばそれでさえ改ざんできる。
だが問題は後者。香月先生は肩書きなんてものは関係ない。問題にするのは人間そのものだ。

「夕呼先生のお手伝いならできますよ」

「資料の印刷とかの雑用ならできそうだけどそれなら誰でもできるんじゃ無い?」

「純夏の精神安定…手っ取り早いオルタネイティブ4の戦果…そして理論の提供」

夕呼先生は一度だけぴくりと眉を動かした。

「理論の提供ね、でも良いのかしら。その理論は00ユニットを完成させるためのものよ。つまりあなたが理論を持ってくることで鑑を殺すことになるのよ。前は知らなかったで済まされたかもしれないけど今回はあなたがあなたの意志で殺すことになるんだけど」

夕呼先生の言葉で血の気が引いていくのを感じる。足が震えなかったのは事前に自分に言い聞かせていたおかげだ。
そうだ、俺が渡すこの理論は純夏を生物学的に殺すものだ。
精神的に死んでしまった純夏にとどめを刺す。
一番好きな人にとどめを刺される、物語の中なら美談だろうが現実ならどれほどの悲劇だろうか。

だがもし俺がこの理論を提供しなければ人類が終わる。
そして俺が理論を提供しなければ夕呼先生が理論を完成して00ユニットを完成するかもしれない。
なら俺がやらなくちゃいけない。夕呼先生でも誰でも無い俺が、だ。

元の世界の俺なら激怒して幻滅するかもしれない。
「なんで愛した恋人を殺すんだ」って。

「それは俺自身が十分に理解しています。だからこそです。さっきいったじゃないですか。もしかするとこの世界は俺が望んだからやり直したのかもしれない。だからこそ俺は俺自身のしたいことをしたい。結果として純夏を殺すことになってしまっても俺はもう一度話をして告白した。」

「つまり自分がしたいから鑑を殺すってわけ?そんなの殺人鬼か狂人のそれと同じね」

どんな大義があろうとも殺人には変わりない。

「だけど俺は純夏ともう一度出逢って、そして自分の周りの人間だけでも救いたいんです。」

俺の吐露がとまり夕呼先生はじっと俺を見つめる。眉一つ動かさずにじっと。

山の端から朝日が顔を出すのを待つかのように、水平線の向こうから船が訪れるのをまつかのように。

言いたいことはいった。

最善は素直に俺を認めて近くにおいてくれること。たとえ夕呼先生が俺を狂人だと判断しても監視のために俺を近くに置いておくはず。

何秒たっただろうか、いや数分だったかもしれない。

夕呼先生は口の端をニィと釣り上げた。

「いいじゃないその覚悟。どこまでのものかは知らないけど合格点は出してあげましょう。」

張り詰めていた緊張が切れて肩でゆっくりと呼吸をする。

「でもまだあんたを対等だとは認めてないわ。やっと私の足下に来たって所ね。そこからはあんたの態度次第。行っておくけど赤点を取ったら即落第。自白剤でも何でも使って必要な情報を聞き出した後にポイね。」

香月先生はそこらにあった紙を丸めてゴミ箱に投げつける。
はいらなかったのはご愛敬。

「ひとまず何したい?さすがにまた訓練兵からやり直すのもつらいでしょう、まるで大学生が小学生をやるようなものね。A-01にはいってもらえれば階級とかをでっち上げるのが楽で良いわ。」

「たしかにA-01の底上げも念頭に置いているのでA-01にはいるのも良いですね。ですけど訓練小隊も強化させたいんですね。このままでは合格できても戦場でやっていけるか…」

「ちなみに聞くけどその訓練小隊の連中って元の世界ではクラスメイトだったんでしょ」

「そうですけど何か?」

夕呼先生は眉をひそめて心配そうな顔をしている。
夕呼先生がこんなに心配そうな顔をするのは珍しい。

「いやもしかして元カノがその中にいてそのことで鑑がキレてるとか無いわよね」

これには盛大にずっこけた。

「ははは、何言ってるんですか先生。そんなことあるはず無いじゃ無いですか?」

なぜか乾いた笑いしか出てこなかった。

「そう?それにしては随分と訓練兵を気に掛けるから。しかも元仲間の安全を思うなら試験に不合格にさせて戦場に出さなければ万事解決よね?つまりあんたはどうにかしてその娘らを自分の周りにおいておきたいってわけじゃない?じゃあ恋仲を疑うのがとうぜんよ」

確かに夕呼先生が言うことはもっとも。今回はA-01の底上げを念頭にして戦死者をなくそうとしているからわざわざ人員を増やすことも必要ない。
逆に増えると護るものが増えて苦労する。
だが果たして冥夜が、委員長が、彩峰が、たまが、美琴が総技演に合格できなかったからといってBETAと戦うことをあきらめるか?
鳥かごにいる鳥は鳥かごにいることを望んでいるか。

「恋仲になった女の子は純夏だけですよ。さっきも言いましたがあいつらはオリジナルハイブに突入した猛者です。今のままではそこらの衛士にも劣りますが成長すれば一騎当千の猛者になることが確約された宝くじですよ?夕呼先生にとっても使える手駒は多いことに越したことは無いでしょう。青田買いだと思ってください。」

「じゃあどうする?いっそのこと教官にでもなっちゃう?そうした方が教育もしやすいでしょ。」

「じゃあ教官をやりましょう。しかしまりもちゃんは?」

「そのままね。どうせアンタ座学とかはできない口でしょう?餅は餅屋へってもんよ」

「二人の優秀な教官が居ればあいつらは天井なしにのびますよ」

自然に顔がにやけるのが分かる。
まりもちゃんは良い教官で総計できる教官だった。だが苦渋をなめさせられたことは数えきれず。

白銀訓練兵、随分と余裕があるな。完全装備でもう十周!

おまえは体が軽そうだな。では私が上に乗ってやろう。さあ腕立て伏せあと百回!

おまえは鎧衣訓練兵がウサギ跳びで十往復する間に十五往復しろ!

訓練だからしょうが無いと自分の中で折り合いをつけていたがどうしても何で俺だけが、と思う時が多少あった。
その立場に俺が立つのだ。
つまりあいつらをいじ…訓練させ放題。たぶんいままで二回まりもちゃんの訓練を受けてきたことに対するご褒美だな。うん、そうだ。

「何気持ち悪い顔してんのよ。気持ち悪いわよ」

ちょくちょく夕呼先生がとげを刺してくる。
とげを刺してくるのはいつものことだが少し頻度が高くないか?
いや俺は慣れ親しんでいるけど夕呼先生にとってはまだ謎の人物だからこれが普通のなのか?

「教官をするなら階級は軍曹ね。あの部隊も私の子飼いだから根回しがらくでいいわ。」

うん、教官になるのは決定事項だ。
だがもう一つ、A-01の底上げもやらなくちゃならない。

「A-01にも入るっているのはダメですか?」

「教官をしながらA-01にも入るの?まためんどくさそうなことを。べつにそんなにはどうにでもできるけど折り合いをつけられるの?」

たしかに掛け持ちするのはつらそうだ。両方ともやっかいな奴らの集まり、とくに彩峰とか速瀬中尉、だがら精神的にも、体力的にもつらそうだ。
だがXM3を完成させるにはA-01で実験することが一番早いし、俺が居なくちゃXM3の正しい使い方を教えられない。

「そこの所は大丈夫です。体力はありますから。ほらさっきオルタネイティブ4の戦果っていいましたよね。それの関係でどうにかしてA-01にもはいっておきたいんですよ。」

「その戦果ってXM3ってやつでしょ?でもそんなOSが変わるだけで戦術機が劇的に変わるなんてにわかには考えづらいわ」

「俺の機動を見てくれれば分かりますよ。XM3は俺の動きたい動きをしやすくするものですから」

「チッ。なんか自信満々なところが気にくわないわね。もし私が見て使えそうもなかったら速攻で開発計画は破棄よ」

おうどんとこい。逆に夕呼先生の度肝を抜いてやるわ。
一文字さんとのカーチェイスでさんざん冷や汗をかかされたからその文をお返しだ。

夕呼先生は机の上にあったメモ帳を引き寄せるとすらすらと決まったことを書き出す。
俺の教官就任、A-01への入隊、XM3用のOSの製作などなど。

書き終えると電話に手を伸ばしてどこかに電話を掛けた。
話しぶりからピアティブ中尉だろう。なんかシミュレーターの使用許可とか言ってるしまた何かめんどくさいことが起きそうな。だがシミュレーターは他の部隊が訓練に使う予定だったらしくピアティフ中佐も大変だな。こんな上官を持って。こんど愚痴でも聞いてあげるべきだな。

「シミュレーターの使用許可を取ったわ。そこでさっそくXM3が使い物になるか聞かせてもらうわ。ちなみに理論とか過去のこと、私たちにとっては未来のことね、そういうのはレポートにして詳細に報告してもらうから覚悟しておきなさい」

おう。やっと黒歴史を思い出さなくてすむと思ったのにあとで報告しなくちゃいけないのか。でもレポートなら話している途中に夕呼先生に笑われたりすることもないし気が楽になるかな?

「シミュレーターが使えるまで一時間ぐらいあるから幼馴染みと霞に会ってきたらどう?あんまり会ってないと幼馴染みに愛想をつかれるわよ」

あの状態の純夏に会うのは随分とひさしぶりだ。
それとこんなに早く霞とであうのか。この世界に来ていろいろ早まって滑り出しは好調そうだ。
しかしまた一から霞と仲良くならなくちゃいけないんだよな。ゲームみたいにキーアイテムで一気に好感度が上がったりしたら楽なんだけど。

武は「思い出の貝殻」を使った!

霞の好感度は100上昇した!

「ほらこれ。借りのパスよ。これを使えば期間限定だけど最深部にも入れるわ」

俺は投げ渡されたパスを持って純夏と霞のまつ、あの部屋に向かった。

夕呼先生はパスをなげてきたがノーコン過ぎて落としそうになった。


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