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No.19794の一覧
[0] 天河くんの家庭の事情(逆行・TS・百合・ハーレム?)[裕ちゃん](2010/07/24 18:18)
[1] 天河くんの家庭の事情_00話[裕ちゃん](2010/07/23 17:46)
[2] 天河くんの家庭の事情_01話[裕ちゃん](2010/06/26 12:59)
[3] 天河くんの家庭の事情_02話[裕ちゃん](2010/06/24 07:53)
[4] 天河くんの家庭の事情_03話[裕ちゃん](2010/06/24 07:53)
[5] 天河くんの家庭の事情_04話[裕ちゃん](2010/06/24 07:54)
[6] 天河くんの家庭の事情_05話[裕ちゃん](2010/07/10 22:31)
[7] 天河くんの家庭の事情_06話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[8] 天河くんの家庭の事情_07話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[9] 天河くんの家庭の事情_08話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[10] 天河くんの家庭の事情_09話[裕ちゃん](2010/06/24 07:56)
[11] 天河くんの家庭の事情_10話[裕ちゃん](2010/06/24 07:56)
[12] 天河くんの家庭の事情_11話[裕ちゃん](2010/06/24 07:57)
[13] 天河くんの家庭の事情_12話[裕ちゃん](2010/06/24 07:57)
[14] 天河くんの家庭の事情_13話[裕ちゃん](2010/06/26 02:01)
[15] 天河くんの家庭の事情_14話[裕ちゃん](2010/06/26 11:24)
[16] 天河くんの家庭の事情_15話[裕ちゃん](2010/06/26 23:40)
[17] 天河くんの家庭の事情_16話[裕ちゃん](2010/06/27 16:35)
[18] 天河くんの家庭の事情_17話[裕ちゃん](2010/06/28 08:57)
[19] 天河くんの家庭の事情_18話[裕ちゃん](2010/06/29 14:42)
[20] 天河くんの家庭の事情_19話[裕ちゃん](2010/07/04 17:21)
[21] 天河くんの家庭の事情_20話[裕ちゃん](2010/07/04 17:14)
[22] 天河くんの家庭の事情_21話[裕ちゃん](2010/07/05 09:30)
[23] 天河くんの家庭の事情_22話[裕ちゃん](2010/07/08 08:50)
[24] 天河くんの家庭の事情_23話[裕ちゃん](2010/07/10 15:38)
[25] 天河くんの家庭の事情_24話[裕ちゃん](2010/07/11 07:03)
[26] 天河くんの家庭の事情_25話[裕ちゃん](2010/07/12 19:19)
[27] 天河くんの家庭の事情_26話[裕ちゃん](2010/07/13 18:42)
[29] 天河くんの家庭の事情_27話[裕ちゃん](2010/07/15 00:46)
[30] 天河くんの家庭の事情_28話[裕ちゃん](2010/07/15 14:17)
[31] 天河くんの家庭の事情_29話[裕ちゃん](2010/07/16 17:35)
[32] 天河くんの家庭の事情_30話[裕ちゃん](2010/07/16 22:08)
[33] 天河くんの家庭の事情_31話[裕ちゃん](2010/07/17 01:50)
[34] 天河くんの家庭の事情_32話[裕ちゃん](2010/07/21 01:43)
[35] 天河くんの家庭の事情_33話[裕ちゃん](2010/07/21 23:39)
[36] 天河くんの家庭の事情_34話[裕ちゃん](2010/07/22 04:13)
[37] 天河くんの家庭の事情_35話[裕ちゃん](2010/07/24 18:16)
[38] 天河くんの家庭の事情_小話_01話[裕ちゃん](2010/06/25 20:30)
[39] 天河くんの家庭の事情_小話_02話[裕ちゃん](2010/07/07 03:26)
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[19794] 天河くんの家庭の事情_05話
Name: 裕ちゃん◆1f57e0f7 ID:326b293b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/10 22:31
アオは放心していた。
記憶の吸い出しが終わったのだが、人生を2時間で見た為にぼぉっと座っている。

『アオ、アオ』

目の前でウィンドウが揺れるが呆けた表情でただ追ってるだけだ。
オモイカネはどうしたものかと考えたが、思いついたように電球マークを表示させた。

『アオ、後ろでルリが呼んでますよ?』

それを目にした瞬間ビクッと身体が震えると、次第に目の照準があってきた。
そのまま、後ろを見る。
そこには『冗談です』と書かれたウィンドウがあった。

「...」

一瞬呆然とするが、そのままオモイカネを睨む。

『アオが一向に戻ってこないので、ちょっとした冗談で起こしてみました』
「そ、ごめんなさいね、寝ぼすけで~」
『編集はどんな感じにしますか?』
「え~っと、シェルターの所からユリカが助かるまでを抜粋して2時間くらいにまとめてくれると助かる」
『難しいですが、頑張ります。
所で、涙やら涎やらで酷い事になってるので顔を洗ってきた方がいいですよ?』

そう表示するとその下にアオの顔が映し出された。
思わずうわっと自分の顔にひいたアオはシャワーも浴びてくると言って出て行った。
それをオモイカネは『いってらっしゃ~い』と見送る。

「凄い疲れたな、人生をもう一回やった気分だな...」

そうごちるが、2時間で人生を追体験したのと変わらないのだからしょうがないだろう。
そして、思いついたようにオモイカネを呼ぶとルリとラピスへ繋げて貰った。

「あ、アオさん。大丈夫でしたか?」
「アオ、終わったの?」
「うん~。心配してくれてありがとう。今からシャワー浴びに行くよ」
「ご飯食べれそうですか?」
「うん、大丈夫。ただ、先にシャワー浴びるよ」
「はい、準備しておきます」

ウィンドウを切ると嫌な記憶を振り払うように背伸びをすると足早に部屋へと向かった。
部屋へ着くと挨拶もそこそこにシャワーを浴びる。
汗や涙、涎を流すだけなので数分で終わった。
シャワールームから出ると着替えを用意してくれていた。
今度は細身のスラックスに女性用のシャツだ。
ネルガルへ交渉に行く為に見繕ってくれたのだろう。

「服用意してくれてありがとうね、ルリちゃん」

部屋へ戻るとそう言ってにっこりと微笑んだ。

「いえ、それと凄い似合ってますよ」
「アオ、格好いい!」

155cmの身長で顔立ちは幼いが、身体は細身で引き締まり目や表情が顔立ちに似合わず落ち着いた大人の雰囲気をしているため、スーツが似合うのだ。
口々に褒められても自覚はないので、そんなもんかな?と身体を見まわす。
とりあえず感謝をすると、食事を用意してくれていたテーブルに座る。

「しっかり出来てるみたいだね、お味は食べてのお楽しみだね」
「私とルリで作った」
「ラピスが一杯手伝ってくれて助かりました。ちょっと、緊張しますが、沢山食べて下さい。」

食べて驚いたのが、自分の作る料理よりもホウメイの味に似ている事だった。
ちゃんとした手料理がほぼホウメイさんと自分だけなのだから自分に似るのはしょうがないとしても弟子の自分よりもホウメイに似ている事に疑問を感じた。

「ルリちゃん、ホウメイさんの味に似てるけどもしかして習ってた?」
「やっぱりわかりましたか。ホウメイさんからアオさんはもうアオさんの味が出来ていたけど私はまだ習いたてだから教えられたまま作ればいいと言われてたんです」

そこで疑問が解けた。
ルリは本当にそのまま作っているからこそ習ったホウメイの味に似ているんだという事。
そして、自分は自分独自の味が出来ていると褒められていた事にも嬉しかった。
それからは楽しげに会話をしながら食事が進む。
食事が終わると昨日は後片付け任せたからとアオが一人で後片付けをした。
それも終わり寛いでいると。

「アオさん、記憶の方どうでした?」
「ん?え~っとね、なんて言えばいいかな。
物凄いリアルな映画を見てた感じだったよ。
それも自分が覚えていない事まで出てきてびっくりした。」
「覚えてない事...ですか?」

ルリは興味が湧き尋ねた。
ラピスも同じく興味津々に聞いている。

「そう、アキトが火星で産まれた事は知ってるよね?
実は、生まれた場所が極冠遺跡研究所の中だった」
「「え!?」」

いきなりの発言に二人ともびっくりする。

「自分でもびっくりしたよ。極冠鉱山生まれとは知ってたけどまさか研究所だったとはね。
しかもね、物心ついて一人で留守番出来るようになるまでは研究所で育てられてたんだ。
両親に連れられて遺跡を間近で見た事もあったしペタペタ触ってたこともあったな。
他にも色々細かい事があったけど一番びっくりしたのがそれだった」
「アオさんって生まれた時から遺跡と関係していたんですね」
「そうみたいだね、なんかあれ見たら腐れ縁なんだな~って逆に親近感湧いちゃった」

遠い親友を思うような、そんな表情をアオはしていた。

「遺跡が腐れ縁ですか」
「うん、そんな感じ。映像の編集は頼んであるし、だいじょぶ。
オモイカネ、どう?」
『はい、あとは再確認してデータに読み込ませれば終わるので、1時間程で終わりますよ』
「流石オモイカネ♪」
『当然です!ついでにこんなのも作ってみました』

オモイカネのウィンドウが消えると突然照明が薄暗くなり、壁際に大きなウィンドウが出た。
オモイカネプレゼンツと表示された後に出てきた題名にアオは絶句し、ルリとラピスはアオに冷たい視線を送る。

『テンカワ・アキト女性遍歴』

そう表示されていたのである。
アオは咄嗟に立ち上がって止めさせようとしたが、両腕を掴まれていた。
そして...

「「逃がさない」」

そのまま凍るような視線に晒されながらの観賞会が始まった。
落とした女性が一人増える毎に抓られる。
それに加え「男性の友達はいないんですか?」とか「アキトは昔からアキトだったんだね」など嫌味を耳元で囁かれるのである。
そんなアオ曰く地獄の1時間が終わると。

『ご視聴ありがとうございました。それとデータ完成しました~!』

と表示が変わる。
そんな悪気の全くないオモイカネに対して

「覚えてろよ」

アオは恨みたっぷりに返した。
しかし、そんな事がアオに許されるはずもなく。

『ルリ!ラピス!このままだとアオにいじめられる!助けて!』
「な!ずるいぞオモイカネ!」
『助けてくれたら二人にプレゼントあげる!』
「それはモノによりますよ、オモイカネ?」
「うん、私達は安くない」
『わかった。アキトがルリとラピスを思い浮かべてxxxxしてる時の映像と考えてた内容の映像を合わせたデータだよ』

それを見た瞬間のアオは一瞬で真っ赤になり「オモイカネ!」と怒鳴るが、二人には敵わなかった。

「...アオさん?」
「...アオ」
「ぅ.....」
「あの、私を考えてって本当ですか?」
「私の事考えてたの?」

そう言って真っ赤になり見上げる二人に対して嘘ですとも言えず、本当と認めるのも恥ずかしく。
オモイカネのウィンドウを視線で殺せるくらいに睨みつける事しか出来なかった。
オモイカネの協力が不可欠だったためにしょうがなかったが記憶のデータを渡した時点でアオの運命は決まっていたのかもしれない。
その後も詰め寄られたアオは真っ赤な顔をして認め、「これ以上は生き地獄です勘弁して下さい」と土下座をして解放された。
ちなみにそのデータはアオに消されないよう、ルリ・ラピス・オモイカネ合作のプロテクトがかけられることになった。

それからオモイカネにデータを貰うと3人でお土産のお菓子を作った。
シュークリームとチーズケーキを焼いて包む。
資料を入れたビジネスバッグを右手に、ケーキを入れた籠を左手に持つ。
準備が出来ると、オモイカネを呼んでネルガルの会長室へ音声のみで繋いで貰う。

「やぁ、君が誰だか知らないけど何の用だい?」
「初めまして、先日そちらの非合法研究所を襲ってIFS強化体質実験被験者を一人誘拐した後にホシノ・ルリを誘拐したものです。
要件は、アカツキ・ナガレ、貴方と交渉をしたい」

息を呑む音がして数瞬沈黙したが、すぐに返答が帰って来た。

「そうかい、それでうちに何を求める?」
「...そうですね、電話越しではやり辛いので、直接そちらに伺ってもいいですか?」
「あぁ、わかった。いつにする?」
「こちらで指定してもいいので?」
「構わないよ、いつでもいい」
「そうですね、5分後にそちらへ行きます。エリナ女史とプロス氏、ゴート氏も呼んでおいて下さい」
「...どういう事だ?」
「すぐわかりますよ。お願いします」

そこまで言うと一方的に通話を切った。
ふぅ...と息をつくとラピスが抱き締めてきた。
アオは安心させるように頭を撫で、そのまま二人に挨拶をする。

「さて、いってくるね。明日の火星会戦が終わった後で戻る事になるからそれまでよろしくね」
「くれぐれもお気をつけて、アオさん」
「いってらっしゃい」

挨拶が終わるとルリに口づけをして、ラピスの頭をわしわしと撫でる。
そのまま目を閉じると会長室のイメージを浮かべる。
ベルトに偽装したジャンプユニットが稼働し、身体中にナノマシンの軌跡が浮き上がる。
イメージが終わると、目を開き、二人に向かって手を振った。
二人が振り返すのを見たアオは呟いた。

「ジャンプ」

その頃ネルガルの会長室は慌ただしい事になっていた。

「会長、いきなり来るなんてどういう事ですか!」
「それをボクに言われてもねぇ。先方が来るってもんを止められないしね」
「そういう問題ですか!」
「そういう問題だろう?」
「大体なんでそういう話になるんですか!」
「それはさっき説明したと思うけど?」
「あんなのは説明と言いません!」

横で会話を見てた会長秘書であるエリナ・キンジョウ・ウォンが話を聞いた時からずっとこんな感じである。
その時、会長室入口のカウンターからコールがかかった。
それを聞いたエリナは居住まいを正した。

「はいはい?」
「プロスペクター、ゴート・ホーリの両名が参りました」
「はい、入れていいよ」
「かしこまりました」

それからすぐに会長室がノックされる。

「聞いてるからそのまま入っていいよ~」

そうアカツキが答える。
そして、扉が開かれた時に丁度アカツキが座っている机の前に光が現れ始めた。
それが始めるとアカツキ、エリナそして入ろうとしたプロス、ゴートも動きが止まる。
その数瞬後には10代半ばに見える少女、アオが現れていた。
現れたアオがゆっくり目を開くとそこには金色の眼があった。
そして正面に座るアカツキと目が合うと、その目がにっと笑った。

「よっ、アカツキ。あ、こっちじゃ初めましてになるか」

と彼女以外には訳が分からない事を言い出した。
だが、余りの出来ごとに頭が動かないのか4人とも全く動かない。
それを見て困ったような表情を浮かべる。

「お~い、アカツキ~?生きてる~?こら~、アカツキ~。大関スケコマシ~。昼行燈~。さっさと起きろ~」

そこまで言うとアカツキは頭を振って息を整える。

「えっと、君はボクを知ってるようだけど、ボクは君を知らない。誰なんだい?」
「自己紹介したいんだけど、アカツキ以外動かないからどうしようもない。お土産にケーキも持って来たんだけど...」

そう返されて周りを見渡すと納得したようにため息をついた。

「わかった、応接室へ案内しよう。」

そう言うとアカツキがアオを応接室へエスコートする。
紅茶まで入れて出すと「3人を呼んでくるから少し待っててくれ」と3人を呼びに行く。
アオはその後ろ姿を眺めていたが、「秘書の仕事なはずなんだけどな」とごちているアカツキを見て苦笑していた。
しばらくするとエリナが戻ってきたのかわめいていたが、たしなめられてすぐに黙った。
それから数分経ち、4人が連れだって部屋に入ってきた。
4人共に目線はかなり厳しく、一挙手一投足見逃さないようにしている。
テーブルの向かいの席にアカツキが座ると、その後ろへエリナ、ゴートはアオの後ろ、プロスはテーブルの横に立っていた。

「改めて自己紹介といこうか」
「そうですね。初めまして、テンカワ・アオと申します。
火星の研究所で18年前に非合法で生まれたIFS強化体質者です。
ちなみに、基にされた受精卵の提供者はテンカワ夫妻、火星極冠遺跡で研究をしていた研究者です」

そこまで言うと、アカツキ、エリナ、プロスの目が見開いた。

「...その証拠はあるのかい?」
「はい、この書類です。DNA検査して貰ってもいいですよ?」

アカツキはさっと書類に目を通すとプロスにも目を通して貰う。

「そうですなぁ。流し読みではありますが、データには不備がないように思います」
「そうかい。それで、今日は交渉が目的と言っていたが、その前に一つ尋ねていいかい?」
「はい、現れた時の事ですね。あれはご想像通りボソンジャンプですよ」

それを聞いて納得したような表情のアカツキとプロス、ゴートは表情が変わらないが、エリナは目線が更にきつくなる。

「何故というのは後にしようか。それで、うちに何を求める?」
「その前に、ホシノ・ルリとIFS強化体質実験被験者を誘拐した件申し訳ありませんでした。理由については後ほどお話します。」
「...ふむ。といっても君がやったという証拠もない訳だしね。こちらには確かめようがないが?」
「それでもやった事はやった事なので、それとそちらの質問に答えたのでこちらも質問を、彼女以外の実験者はどうなりました?」
「エリナ君?」
「はい、それについては私から説明します。彼女たちは我が社の病院で保護してあります。
助け出されてから日にちも経ってないので体調が整うまでは病院にいる事になりますわ」
「ありがとうございます。彼女達、水を怖がると思うので注意してあげてください」

そういうと、アオは座ったままぺこりと頭を下げた。
その行動に拍子抜けしたのか一瞬ぽかんとするエリナだったが、気を引き締めると硬い表情に戻した。

「まずですね、私としてネルガルに対して何か求めようとは考えてません」

その言動が明らかに矛盾しているので4人共怪訝な表情を浮かべる。

「それは、どういう事だい?矛盾してるじゃないか」
「矛盾していませんよ、アカツキさん。私は電話で言った言葉覚えてらっしゃいますか?」

そう言われて思い返すと浮かんできたのは『アカツキ・ナガレ、貴方と交渉をしたい』という言葉。

「...ボクと?」
「そうです、アカツキ・ナガレと交渉がしたいのです。申し訳ありませんが、私はネルガルという企業は信用していません。
ですが、アカツキ・ナガレという男の事は信じています」

その言葉を聞くとアカツキはスッと目を細めた。真意を測りきれないからだ。
今までの経験則からは、嘘をついているという印象が全くない。だからといってこんな事を言われる覚えもない。
そんな内面の葛藤がわかるのか、アオはアカツキの目を見てくすりと笑った。

「いくら考えても今は答えが出ないと思います。
なので、まずはこちらの要望をお伝えしますね」
「.....わかった。聞こう」
「ありがとうございます。
まず最初は、誘拐しておいてなんなのですが私とホシノ・ルリ、そしてIFS強化体質実験被験者の保護をお願いします。
そして二つ目は、こちらが考える計画に協力して頂きたいという事です。
何故貴方にそれを頼むかの理由となる物もちゃんと持ってきてあります」
「...ふむ。エリナ君はどう考える?」
「率直に申し上げますと明らかに危険ですわ。ですが、彼女が生体ボソンジャンプをした事実を考えるとこちらの手の届く所に置いておくのがいいと考えられます」
「プロス君?」
「そうですなぁ、ボソンジャンプが実質どこにでもいけるならこちらの陣営に欲しいですなぁ。敵に回られたら何処にいても防ぎようがありませんな」
「ゴート君?」
「私もミスターと同意見です。危険だからこそ敵には渡せない」
「うん、ボクもおおむね同意見。そこで、アオ君と言ったね。君はうちにどんな利益を持ってきてくれるんだい?」
「それは、企業として?それともアカツキ・ナガレとしてですか?」
「ふむ、難しいね。ボクはアカツキ・ナガレでもあるし、ネルガル会長でもある訳だ。
...そうだね、ネルガル会長アカツキ・ナガレとして...これじゃ駄目かい?」
「...わかりました。
こちらが出せる情報としてはボソンジャンプの原理、条件、方法とチューリップクリスタルを資料として。
遺跡の研究データ。
遺跡ナノマシンの資料とデータ。
そして社長派の全データ。
これらをお渡し出来ます。」
「...君はそれ程のデータをどこから手に入れたか聞いてもいいかい?」
「それについては後でお話しします」
「...まだ話せないという事ね」

そう言うとアカツキは目の前の少女を観察する。
先ほどから感じている不可解さの答えが全くわからないのだ。
会った事などないはずなのに既知のような振る舞いをする。
自分だけではなく、エリナ、プロス、ゴートを見る目つきもそうだ。
そして今この部屋では一般人では耐えられないような重圧になっているだろうにも関わらず平然として話をしている。
研究所で18年間過ごして対人の免疫など皆無だろうに交渉でさえしてみせる。
かなり危険だとは考えられるが、何故か自分の直観は危険だと思っていない。
そしてアカツキ・ナガレという自分と交渉に来たと言い切る彼女自身にも面白みを感じていた。
そこまで考え、ふと彼女の事が気に入ってしまったらしい自分に苦笑した。

「...わかったよ。これ以上考えても答えは出ない。君に協力する事にしよう」

その答えを聞いた瞬間安心したようにほうと息をつくとにっこりと笑いぺこりと頭を下げる。

「ありがとうございます」
「いいよ、かしこまらなくて。ボクとの交渉なんだ、それは必要ない」

アカツキはそう返すとアオの頭を上げさせ、握手をする。
そしてお互いよろしくと伝えあう。

「さて、アカツキさんはどうして私が4人の事を知ってるか疑問に思ってるでしょうが、その答えをお教えする前に...」

アオは持ってきた籠をアカツキに差し出す。

「チーズケーキとシュークリームを作ってきたので小休止入れさせて下さい。これからちょっと長くなるんです」

それを見たアカツキは一瞬キョトンとするが、おかしそうに笑うとエリナに寄りわけるよう頼む。
エリナが戻ってくるまで、どんな料理をするのかなど他愛もない話をする。
エリナが戻ってくると、アカツキは左隣にエリナを、右隣にプロスを座らせた。
ゴートは席がないからと立っていようとしたが、客であるアオから隣いいですよと言われ、アカツキからも彼女が言ってるからと半ば強制的に座らされてしまった。
4人は一口食べると余りの美味しさに口々に賞賛をあげる。
それに対してアオは照れながら感謝を返していく。
それからはまた食べながら料理などの談笑が続いた。
みんなが食べ終わり、一息つくと改めてアオが切り出した。

「こちらのディスクにある映像データが入ってます。
内容としてはある男の記憶になり、大体2時間くらいでまとめてあります。
見て頂いて色々疑問に思うでしょうが、ひとまずそういう物だと考えるようにしてまずはただ見て貰えればいいです」
「ふむ、それはいいけど、変な洗脳とかされない?」
「そんな無駄な事しませんよ。作るのに結構苦労しましたしね。とりあえず見て貰えればいいですよ。
あ、あとエリナさんは見るのに辛い場面があると思うのでその時は余り無理しないようにして下さい」
「?え、えぇ、わかったわ」

突然呼ばれたエリナはとりあえず頷いた。
そして、アカツキは映像データを流し始める。
今回はオモイカネプレゼンツといった変に凝ったものは入れなかったようだ。
火星のシェルターから始まり、チューリップの落下、アイとの出会いそしてボソンジャンプ。
地球での暮らし、ユリカとの出会い、ナデシコへの乗艦、成り行きでの出撃。
火星への道中、火星での出会い、別れ、チューリップでのジャンプ。
地球への帰還、8ヶ月の経過、アカツキとエリナとの出会い。
地球での日々、木蓮人との遭遇、和平への旅。
火星への旅路、草壁の謀略、そして火星極冠遺跡の奪取。
地球に帰ってのナデシコ長屋の生活。
ユリカ、ルリとの生活。
結婚。
誘拐。実験体としての日々。
月臣・プロス・ゴートらによる救出。訓練。
自身のテロ。
火星の後継者のクーデター。
ユリカの救出。

それらがすべて終わった時、アカツキ、プロス、ゴートは苦み切った顔を、エリナはうずくまって嗚咽していた。
しばらくすると厳しい顔をしたアカツキがアオを見据えて尋ねた。

「...もしかして、君は」
「はい、この本人である未来でのテンカワ・アキトです。これは私の記憶から引き出しました」
「...そうかい。エリナ君...は無理だね。すまいない、プロス君水を持ってきてくれないかい?」
「はい、かしこまりました」

それからしばらく重い沈黙のまま時間が過ぎた。
アカツキはエリナが落ち着きを取り戻したのを見ると、切りだした。

「とても信じられないが、あれは作り物にしては出来が良すぎるし趣味が悪すぎるから疑う余地がない。
それで、君がボクに求める協力を聞こうかな」
「はい、それに答える前にまずホシノ・ルリとIFS強化体質実験者の2名を誘拐した理由をお話します。
彼女たちは私と一緒に未来からボソンジャンプしてきました。
それぞれに未来の彼女たちの魂というべき物が入ったために記憶なども間違いなく未来の物です」
「だからこそ、君たち3人の保護を頼んだ訳だね」
「えぇ、そうなります。そして、アカツキさんに頼みたい事は今見て頂いた歴史を変える事に協力して欲しいんです」
「ふむ...そうだね言葉は悪いがあんな下種が作り出したような歴史はこちらとしても胸糞が悪い。
変えられるなら変えたいが、それは大丈夫なのかい?」
「私達が来ている時点で既に歴史は変わっていますし、もし何か揺り返しが来るとしてもそれで苦労するのは主に私達3人です。
そちらへ迷惑はかからないようにするので安心して下さい。
ただ、会社の全株を売りに出したとかそういうヘマをうちのせいにされても困っちゃいますけどね」
「それを聞いて安心した。それならこちらに断る理由は特にないな」
「ありがとうございます。それで、さしあたってのお願いがあるんですが」
「ん、なんだい?」
「私達の戸籍です。それと住む場所後はちょっとややこしいお願いもあります」
「...そうか、プロス君お願いできるかな?」
「かしこまりました。え~、では、アオさん...でしたな。ご希望はありますか?」

プロスが答えると何処から出したのかメモ帳とペンを用意する。
相変わらずだなぁと苦笑すると答えていく。

「まず、私とルリちゃん・ラピスの3人共に親権をネルガルへ移譲して下さい。
次に私は遺伝子としてテンカワ・アキトの姉妹になります。精神年齢は私の方が高いので私を姉に。
ルリちゃんとは別の子、名前はラピス・ラズリと言うんですが彼女はルリちゃんの単相クローンになるので、彼女の妹にして下さい。
住居は3人で住めてキッチンが広ければなんでもいいですよ?」
「ふむふむ、了解しました。戸籍の件も住居の件も今日中にご用意出来ますな。住居へ住まわれるのは何時からになさいますか?」
「えっと、まだ少しやる事があるので、明日からにします」
「かしこまりました。しっかりとご用意させて頂きますよ」
「あと、この口座なんですけど、逃げてきた所の所長が社長派の手を借りたのか両親のパテントやら資産を根こそぎくすねてたのよ。
それで、こっちに来る際に口座のデータ改竄してネルガル系列の銀行にお金集めてあるんだけどパテントも含めて後の手続きお願いしてもいいですか?」
「それは私の一存ではどうにもなりませんな...会長どうされますか?」
「いいんじゃないか?彼女の事だから改竄の痕跡残すような事もないだろうし問題が内容にしておいてくれ。
特許の件についてもこちらでやっておくよ」
「という事ですが、よろしいですかな?」
「はい、お手数おかけします」
「いえいえ、テンカワご夫妻には私もお世話になりましたからね。せめてもの恩返しですよ」

そう伝えるとアカツキに目線を返す。
目線を受けたアカツキは話を進める。

「さて、後こちらが出来る事は?」
「そうですね、こちらの件もいくつかあります。
まずは、ボソンジャンプの人体実験の停止とボソン通信技術、及びに無機物のボソン技術の確立です。
これは火星生まれしか出来ない事と未来で使われている人工的なジャンパー化のナノマシンデータと実験データを持ってきてあるからです。
ボソン通信と無機物のボソン技術についてはこちらの都合ですがで早期に使いたい事があります。
技術の詳細と実機のデータをお渡しするので、チューリップクリスタルを使用すればすぐ制作が可能になると思います。

そして、非合法に続いているIFS強化体質実験の停止と被害者の保護。
これはネルガル自体にマイナスですし、隠れて行っている社長派のデータも今日持ってきてあります。

次に私が今乗っている戦艦、ユーチャリスに搭載しているバッタとコバッタという無人機があります。
バッタについては主に兵器、コバッタについては汎用性が凄い高くて土木や建築、建造や修理などの作業用になります。
後ほど詳細なデータと実機として1台ずつお持ちしますので、それを量産出来るようにして欲しいんです。
これもこちらで必要になるので早期に量産体制を整えて欲しいのですが、木星側が使用しているのと同じ形なので外見はちょっと変えた方がいいかもしれません。

ボソン通信のユニットやバッタ、コバッタの資金はさっき頼んだ口座のお金が使えます。
エステが2-3台買える金額が入ってたのである程度はなんとかなると思います。

続いて、私達が火星で隕石の情報をリークした結果こちらへ避難してきている6万人程の人達の保護。
これはジャンパー可能者の確認が容易になる事。そして、火星への生存者探索に協力して貰うとなればナデシコ関係の研究・開発・建造に協力してくれるからです。

後は、スキャパレリプロジェクトでの設計の変更ですね。
ただ、これは下手に余所に流れたり、最初から全開で動くと敵さんが頑張って開発速度が上がるのでかなり厳しく隠さなきゃなりません。
ひとまず、これくらいですね」

アオはアカツキにして欲しい事をあげていく。
どれもかなりの機密にかかわることばかりなので、不用意な事は出来ない。
アカツキは少しの間考えをまとめると、それぞれの事に関わっている者へ確認していく。

「ふむ...ボソンジャンプについては、エリナ君?」
「えぇ、今までやってきた事が全て無駄になったのはショックですが、データがあるなら問題ありません。データの正しさは映像を見れば一目瞭然ですからね。
ボソン通信と無機物のボソン技術に関しては了解したわ。そちらの技術を先に確立させるように指示します」

エリナはそう答えると、火星の後継者が行った人体実験の内容を思い出し、苦々しい顔をする。

「非合法なIFS強化体質者研究被害者の保護についてはこちらとしても願ったりだよ。
その上社長派を潰せるデータがあるならなおさら文句をつけようがない。
これについては、プロス君とゴート君頼むよ?」
「はい、承知しました。すぐに事に当たらせて貰いますよ」
「了解」

「それとバッタとコバッタだっけ?特にコバッタの方がそんなに汎用性高いならうちで商品化含めて検討してみるよ。
量産整えたらすぐ伝える事にしよう。それと資金についてだが、未来でうちが作ったとしてもこちらへの提供者は君だ。
パテントは君にあるんだし、後々うちはそれを使って儲けさせて貰う、だからそんな事は全く気にしてくれなくていいよ」
「ありがとうございます」

「次は避難者の保護なんだが、隕石の情報が流れてきて火星全域で避難が開始されたっていうのも君が原因だったのかい?」
「えぇ、木星からの侵略だなんて誰も信じませんからね。もっともらしい事をでっちあげて流したんです。
下手な学者からも文句が出ないようなレポートを流してやりました。でも、本当なら知ってる貴方や政府、軍の方がしないといけないんですよ?」
「これは、耳が痛いね。それについてもわかったよ」

そこまで確認すると一度言葉を切る。
またしばし、考えを巡らせたアカツキは答えていく。スキャパレリプロジェクトは2090年から動き出していているのだ。
木星が攻めてきている今の状況で今更仕様を変更して、それが原因で遅れが出てしまうとネルガルとしては大きな痛手になるのだ。

「スキャパレリプロジェクトは結構難しいんだよね。もう知ってるんだろうけどプロジェクト自体は2090年に動き出している。
その稼働実験の目処がようやくついた所なんだよ。そこへ改良とはいえ新しい技術が入ってくると大幅に遅れの出る可能性がある」
「それについては私の持ってるデータは実質稼働していた物ですし、稼働実験のデータも含まれています。
なので、実験を踏襲すればいいだけなのでかなり工程は短縮出来ると思います」
「プロス君、どうだい?」
「本当にギリギリでしょうな。期間内に終わる可能性は、避難して来た方にうまく頼んでプロジェクトに参加して頂いた状態で7割程度でしょうな」

このプロジェクトこそ失敗なんて事は許されない。
まさに会社上げてのプロジェクトであり、相当につぎ込んでいるからだ。

「アオ君、君が監修をしてくれるなら考えようじゃないか」
「元々そのつもりです。データを作っているのは主にルリちゃんとラピスですし、二人にも監修に加わって貰います」
「よし、それで決まりといこう」

アカツキの言葉にアオは安堵する。
そこでようやく笑顔が戻ってきた。

「よかったです。今日私からお話す事は以上です」
「わかった。それじゃあ、データを頂いてもいいかな?」
「はい。あ、ナデシコのデータはまだルリちゃん達が頑張ってるので明日か明後日になりますよ」
「それくらいなら構わないよ」

そう言うと約束通りデータを渡していく。
データを渡し終わった後は一度ユーチャリスへ戻ってバッタとコバッタも連れてきた。

「へぇ、こんな感じになってるのかい」
「えぇ、OSはうちのルリちゃんとラピスが弄り倒した特注品で凄い事になってますよ。
特にコバッタは船の修理修繕全てまかなってたので水回りから宇宙空間での作業までなんでも出来ます。
飛べるし、自動で位置把握もしますからペットや老人の移動用としても使えるかもしれない」
「それはまた...ほんとに汎用性高そうだな」

その使い勝手のよさにアカツキは半ば呆れていた。

「とりあえずこれで全部だと思います、変な使い方したら怒りますからね?」
「わかってるさ。女性との約束は破らないよ」

そういうと歯を光らす。
それを見たアオはキョトンとする。

「中身が元男って知ってよくそういう事が言えるね。感心しちゃった」
「雰囲気、喋り方、それに君も今言っただろう?"元"男だって、ボクは女性の過去にはこだわらないからね。
君は頭がいい。それに立場にこだわらない。そして料理もうまいし、何より綺麗だ。
そんな君が元男性だろうと何も問題はないよ」
「凄いね。流石大関スケコマシだわ」

それを見ていたエリナは呆れたような目でアカツキを見ていた。
プロスとゴートは相変わらずといったように笑っている。

「それで、これから君はどうするんだい?時間があるなら食事にでも誘いたいが...」
「ん~、アカツキの薦めるお店なら美味しいから行きたいけど、またにするわ。
弟、アキトの様子を見に行かないといけないから」
「そうかい、どちらにしろ部屋の手続きがあるから明日会えるしまたの機会にするよ」
「そうして下さい」
「あぁ、アオ君。ボクの事はナガレでいい」
「ほぇ?」
「君の事が気に入った。だからナガレでいい」
「わかったよ、ナガレ。といっても私も親友だとは思ってたから問題ないよ」

アオは一瞬呆けた顔をしたが、すぐに笑顔で返す。
しかし、ここまで聞いての親友発言である。
鈍感な度合いは全く変わらないらしい。
アカツキも親友発言にはショックだったのか少し哀しそうだった。

「まぁ、ちょくちょくお土産持って遊びに来るよ」
「あぁ、期待してるよ」
「エリナもプロスさんもゴートさんも、また来ます」
「えぇ、次は後の二人も連れてらっしゃいな」
「楽しみにしてますよ」
「あぁ」

4人へ別れを言うと、すっと目を瞑ったアオは火星へのイメージを固める。
次第に身体中にナノマシンの軌跡が現れ綺麗な黒髪が漂いだす。
それを見た4人は始めて見るジャンプをする光景におぉ...と感嘆する。
イメージが固まると目を開き、手を振った。

「それじゃ、また明日来ます。...ジャンプ」

そして4人の眼前からアオが消える。

「いやぁ、今日は有意義な日だね」
「色々驚きすぎて、疲れたわ」
「それにしてもエリナ君、今日は静かだったじゃないか?」
「交渉事に首を突っ込むような馬鹿じゃないわ。そこについては信頼してますから」
「お、嬉しい事いうねぇ。ほんとに珍しい」

アカツキはエリナを見ながらニヤニヤとしている。
そんな二人のやり取りを見ながら、顎に手をやって物思いに耽っていたプロスが口を開いた。

「しかし、会長。いい子でしたな。あれだけの過去にも関わらずあれだけ明るいとは...」
「そうだね、まさにいい子だ。それに利己的にもならず、自己犠牲が激しい訳でもない。希有だよ彼女は。」
「...惚れたの?」
「気になる存在って所だね。じっくりと育てるさ」

そう言って、アカツキが会長室へ戻っていくと、それに併せて3人もそれぞれの仕事へ戻っていった。


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