<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

ナデシコSS投稿掲示板


[広告]


No.298の一覧
[0] ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/27 12:33)
[1] Re:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 18:35)
[2] Re[2]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 18:35)
[3] 設定資料(兵器)[KIKI](2006/03/24 21:01)
[4] Re[3]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 18:36)
[5] Re[4]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 18:37)
[6] 設定資料(人物)[KIKI](2006/02/25 11:01)
[7] Re[5]:ナデシコ・パニック[KIKI](2006/02/25 10:58)
[8] ナデシコ・パニック外伝[KIKI](2005/08/27 13:03)
[9] 桃色のグラップラー[KIKI](2005/08/27 13:04)
[10] Re[6]:ナデシコ・パニック[KIKI](2006/02/25 10:58)
[11] Re[7]:ナデシコ・パニック[KIKI](2006/02/25 10:59)
[12] 桃色のグラップラー(裏)[KIKI](2005/08/29 15:15)
[13] Re[8]:ナデシコ・パニック[KIKI](2006/02/25 10:59)
[14] Re[9]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 22:16)
[15] Re[10]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/02 15:20)
[16] Re[11]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 22:25)
[17] Re[12]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/07 22:33)
[18] Re[13]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/08 12:10)
[19] Re[14]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/09 19:31)
[20] Re[15]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/10 14:56)
[21] Re[16]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/12 23:35)
[22] Re[17]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/21 20:16)
[23] Re[18]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/18 14:54)
[24] Re[19]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/09/27 20:19)
[25] Re[20]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/01 13:14)
[26] Re[21]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/01 13:37)
[27] Re[22]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/07 22:07)
[28] Re[23]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/19 22:10)
[29] 機械たちのウィスパー[KIKI](2005/10/14 00:03)
[30] Re[24]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/19 22:14)
[31] Re[25]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/22 20:14)
[32] Re[26]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/23 07:34)
[33] Re[27]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/30 00:19)
[34] バッタなエブリデイ[KIKI](2005/10/24 22:56)
[35] Re[28]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/10/30 00:20)
[36] Re[29]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/01 23:38)
[37] Re[30]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/06 17:05)
[38] Re[31]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/12 19:54)
[39] Re[32]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/19 10:57)
[40] Re[33]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/23 19:18)
[41] Re[34]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/11/26 07:02)
[42] Re[35]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/03 14:41)
[43] Re[36]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/11 15:22)
[44] Re[37]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/18 09:50)
[45] Re[38]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/23 15:47)
[46] Re[39]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/25 21:03)
[47] Re[40]:ナデシコ・パニック[KIKI](2005/12/30 13:08)
[48] 言葉足らずのディレクター(前編)[KIKI](2006/01/05 00:13)
[49] 言葉足らずのディレクター(後編)[KIKI](2006/01/05 10:27)
[50] 皆さんにお聞きしたいことがあります。[KIKI](2006/01/14 21:32)
[51] ありがとうございます。[KIKI](2006/01/15 12:56)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[298] Re[33]:ナデシコ・パニック
Name: KIKI 前を表示する / 次を表示する
Date: 2005/11/23 19:18
0200時(日本標準時)
赤海埠頭 格納庫


 夜空が見えた。
 明人達は通路の終わりまで来ていたが、そこは吹き抜け構造になった場所だった。
 その中央――というよりは、その場所自体にソレは鎮座されていた。

「な、なにコレ」

 かなめは思わず呟いてしまう。
 そこには途方も無く巨大な赤い機械、従来の何倍にもなるASがうずくまっている。

「ナンセンスだわ」

 テッサも驚きを隠せない。

「こんな物が動き出したら……手のつけようがありません。たくさんの人が死んでしまいます」
「だから、コレなんなの?」

 再度、疑問をかなめが口にすると答えたのはテッサではなかった。

「ゲキガンガーか?」
「そうだよ」
 ・
 ・
 ・
 ・
 ・
「ゲキガンガーって何ですか?」
「さ、さあ?アニメじゃない…」
(ジャパニメーションか…)
『マスター、空気を読んで下さい…』

 上からテッサ、かなめ、カリーニン、バッタの順である。
 ちなみにタクマは思考が追いつかない。

「ち、違う!!何なんだそれは!!これはべヘモスだ!!!!」

 肯定してしまうような自分の発言を必死に撤回するタクマ。
 見るといつの間にかキャット・ウォークの左右をマシンガンで武装した男達が銃口を向けている。
 右に二人。左には三人。
 明人とカリーニンは右手の敵からかなめとテッサを背後に庇う。
 バッタは左手の敵を警戒している。
 そしてタクマは右手の男達二人の背後にいた。

「やっぱり来たのね」

 そう言ったのはタクマの後ろにいたセイナであった。
 タクマと同じ白いパイロットスーツに身を包みさらに続ける。

「銃声が聞えた時、ピンときたわ。貴方達は必ずここに来るって」
「一応、誉め言葉と受け取っておこう」
「貴方達はまともじゃありません!こんな物を動かすなんて」

 テッサの言葉にタクマは感情的になっていた自分を落ち着かせながら答える。

「僕達は、テロリストだからさ、テスタロッサさん」
「……」
「僕個人としては、別にこれを使って何かを得たいわけじゃないんだ。ただの表現。ただの主張。その程度の物さ。一年も経ったら多分殆どの人がこれの事も忘れてしまうと思う…」
「武知征爾のようにかね?」
「そうだよ。でもねぇ、先の事はどうでもいいんだ。僕は選ばれた戦士なんだ」

 タクマはチラリと赤いAS<ベヘモス>に視線を送る。

「僕がこのベヘモスに乗れば、これは無敵になる。たくさん壊して、たくさん殺すんだ。そうすれば姉さんも喜ぶし、僕も満足なんだ」
「……」

 タクマは笑っていた。その顔は邪心のない子供の笑みだった。
 その時―――

「笑わせるな…」

 タクマの言葉を聞いていた明人がそう言い放った。

「何だって?」
「笑わせるなと言ったんだ」

 明人…いやアキトは殺気の籠めながら続ける。

「お前達がテロリスト?冗談じゃない!テロは政治的主張や理想を達成する目的で行われる行為だ。「ただの表現。ただの主張。その程度」などといっている時点でお前達がやってるのはテロじゃない。子供のお遊びにすぎん」
「お、お前なんかには分からないよ!」
「ああ分からんな。自分達の主張があやふやなテロリストなど見たことがないからな」

 かつての自分には目的があった。
 『妻を助ける』という目的。
 だが<A21>には目的がない。
 ASに乗り、町を破壊する。
 ただそれだけだ。それに何の意味がある。

 アキトにとってタクマの言葉は子供のワガママにしか聞こえなかった。
 だが一方で<A21>という組織自体には何か得体のしれないものを感じていた。

「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!」

 アキトの言葉を遮りタクマは叫ぶ。セイナは錯乱する弟を止めようとするが、

「タクマしっかりして!あんな言葉に惑わされてはいけないわ」
「タクマなんて呼ばないでよ!そう呼んで良いのは姉さんだけだ!!」
「!!」

 拒絶の言葉をセイナに向かって言い放つ。 
 自分の言ったことに気づいたタクマはあわててセイナに駆け寄る

「あ…ね、姉さん。僕取り乱しちゃって…」
「………」

 その時格納庫を衝撃と轟音が襲った。
 前後左右に船体を揺さぶられ手すりの側にいた敵の一人は階下に投げ出される。

「なんなの!!」

 その場にいた者全員まともに立っていられずしゃがみ込んだ。






赤海埠頭 桟橋前

「なんだ!」
「どこが爆発した!!」

 騒ぐ警官達の前でマオはタンカーの中から聞えた爆発音を聞いて機体を背後に振り向かせた。

「始まったわね」

 船体の底から大きな煙が上がっている。
 このままではじきに船は大量の海水が浸水して沈没してしまうだろう。






格納庫


「タクマ、早くベヘモスに乗りなさい!」
「う、うん」

 頷くとタクマは駆け出しセイナも後に続いて奥のキャット・ウォークへ走りかなめ達から離れて行く。
 そして、タクマ達の前にいた敵の二人は身を起こしアキト達を狙ってトリガ―を引き絞る。
 しかし二人よりもアキトとカリーニンが早かった。
 連続した銃声が聞えたと思うと、前に立つ敵の二人が倒れる。
 背後にいた敵の二人はバッタによって倒されている。
 そんなバッタを見て驚きの声が上がる。

「なんだこりゃ!?」

 向かい側のキャット・ウォークにはこちらに銃を構えたクルツ、そしてその背後では、

「宗介!」
「相良軍曹!」

 マシンピストルを連射している宗介の姿があった。

「千鳥」

 かなめは宗介が駆け寄ると、その胸に飛び込んでいた。
 死んだと思っていた宗介が目の前に彼がいるのだ、余計な考えなど吹き飛んでしまっていた。

「心配したんだからっ!」
「すまん」
「怖かったんだから!」
「それもすまん」
「ばか…」

 そんな二人をよそにクルツはバッタを不思議そうに見つめている。

『なんですかおにーさん?』
「し、しゃべった!?」






ベヘモス頭部脇


 タクマとセイナはベヘモスの頭部へ横付けされた広めのキャット・ウォークまで来ていた。
 この巨大なASベヘモスの搭乗用のコクピットへは頭部から入るのだ。

「早く搭乗しなさい」
「姉さん、さっきは…」
「…気にしてないわ」
「でも…」
「いいから!」
「!!」

 その言葉にタクマは呆然とし、目の前にある顔を見つめた。

「もう私達には道がないの」
「……」
「わかるでしょう。タクマ」
「…うん」

 タクマはセイナの言葉に頷くとベヘモスの搭乗用の階段に足をかけて登っていった。
 そしてコックピットに乗ろうとした時、タクマは身を翻すと叫んだ。

「セイナさん!」
「!!」
「ごめんなさい」

 そしてベヘモスコクピットブロックは閉鎖される。
 それを合図に頭に繋がっていたケーブルが次々と切り離されベヘモスは起動を開始した。

「タクマ、貴方記憶が…」






格納庫


 船内は崩壊の兆しを見せ始めていた。
 ベヘモスの重量に金属床が耐えかねて折れ曲がる。
 船そのものがどんどん傾いていった。

「こりゃエライこった…」
「脱出だ。外へ出るぞ」

 宗介達は明人の言葉に無言の視線で了承したがテッサはベヘモスを見続けていた。

「タクマ!それを動かしてはいけません、貴方はきっと、それの虜になってしまうわ!!」

 大声で叫ぶが聞える筈もなく、カリーニンは彼女の肩に手を置き言った。

「大佐殿」

 止める事は、もはや不可能。
 彼等のいるキャットウォークのすぐ下まで流れ込んだ海水の水位は上がっている。
 テッサは仕方なく通路へ向かって走り出した。






ベヘモスコクピット内


「セイナさん、思い出したよ……そして僕たちにはもうこれしかないって…」
『ベヘモス。重量過多により沈降中。ラムダドライバを起動してください』
「行ってくるよ、よく見てて……。これで喜んでくれるよね…」

 右腕を軽く動かす。

『ラムダドライバ。ファーストファンクション。起動を確認しました』
「さようなら」

 泣きながら寂しい笑い顔を表情にすると、タクマは長い間姉を演じていてくれたセイナに別れを告げた。






船内

 倉庫の中ではベヘモスが動き始め、海水や、へし曲げられた構造物の山で無茶苦茶な有り様になっている。
 船の傾きがますます急になり、手すりに掴まっていないと足を滑らしてしまうだろう。

「大佐殿と千鳥君を連れて脱出しろ。急げ!」

 すぐ横の通路をカリーニンは指して示す。しかし、まだ自分は残るつもりのようだ。

「了解。少佐は?」
「俺はそう簡単には死なん。行け!」

 カリーニンは背を向けて歩き出す。

「カリーニンさん!」
「……」

 宗介は呼びとめるテッサの肩を強引に押して通路へ急がせた。時間は、もうほどんどない。

「…相良。かなめちゃんを頼む」

 唐突に明人が言う。

「何をする気だ?」
「怪我人を一人にするわけにもいかんだろ」
「しかし…」
「バッタ。後は任せた」
『了解しました』

 バッタに指示を出すと明人は行ってしまった。






あとがき
原作知らないとわからないと思いますがタクマが記憶を取り戻しました。
明人はカリーニンを追っかけるのでこの後は宗介が活躍することになります。

ちなみにタクマの記憶が戻った理由は聞かないでください
いろいろ伏線入れてますから。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.027675151824951