プロローグ「傭兵と桃色の少女」
ここはネルガル社長派の秘密研究所、ここでは非合法のマシンチャイルドの研究が行われていた、目的はただ一つ会長派のマシンチャイルド
ホシノ・ルリを越えるマシンチャイルドを作り上げることだった
しかし、そんな彼らの野望もついえてしまった
………そう、黒衣の傭兵の手によって………
ネルガル社長室
今ここには三人の人物が居た
「さて、傭兵君、報告をしてくれたまえ」
高価そうな会長の椅子に座っている長髪の軽そうな男アカツキ・ナガレがそう言った。
「……良いだろう、取り合えずお前の依頼通り社長派の研究施設はそこ
にあったデータもろとも完全に破壊した研究者も全員排除した、
……研究に使われていた子供達だが……この子以外の子供は全員死んでしまっていた。」
そう言ってアカツキの正面にたっている男が傍らにいる桃色の髪に金の目が特徴の少女の頭を撫でた、少女はずっとその男の服の裾を掴んで放さなかった
「そうか……、じゃあその子はどうしようか?」
「この子に決めさせれば良い………お前は今から自由だ、どうしたい?」
「……ワカラナイ、デモアキトトイッショニイタイ」
少女がそう言ったのに対して男の方は驚き、アカツキは大笑いした
「ハハハハハ。いや~、どうやら気に入られたみたいだねぇ、テンカワ君、どうだい?いっそその子の家族になってあげたら?」
「しかしだな……」
「ダメ?アキト」
「……良いだろう、じゃあ名前を決めないとな」
「ナマエ?」
「ああ、名前だ、そうだな………ラピスってのはどうだ?」
アキトがそう言った
「ラピス?……ソレガワタシノナマエ?」
「ラピスねぇ、いいんじゃないの、じゃあその名前で戸籍を作っておくよ、立場はどうしようか?」
アカツキが首をひねる
「俺の娘と言うことにしておいてくれ」
「わかった、そうしておこう」
「………頼む」
「いいってことさ、じゃあ次の依頼だ」
アカツキが仕事の顔に戻る
「またか……、それで?」
「『スキャバレリプロジェクト』、その計画に君に参加してもらいたい」
「『スキャバレリプロジェクト?』なんだそれは?」
「詳しい話はプロス君よろしく」
アカツキがそう言うとアキトの後ろに赤いベストにちょび髭をつけたいかにもサラリーマン風の男が居た
「なっ(全然気付かなかったぞ、なにものだこいつは?)」
「どうも。わたくしプロスペクターと言う者です、プロスとお呼び下さい早速ですが説明させて頂きます。『スキャバレリプロジェクト』と言うのは………」
火星
「はっ、今誰か説明って言わなかった?」
そんなことを呟いた女性がいたそうな
「なるほど、で?俺になにをしろと」
アキトがきくとプロスが答えた
「ええ、ですからテンカワさんには我がネルガルで開発中の戦艦ナデシコにエステバリスのパイロットとして参加してもらいたいのです。
あと、できればラピスさんの方にもサブオペレーターとして乗って頂きたいのですが……」
「まあ、そういうことさ、どうだい?受けてくれないか?」
「いいだろう、ラピスもいいか?」
「ウン」
「では、ここにサインを」
そう言ってプロスが用紙を何処からともなく出した
「わかった………」
アキトがプロスから用紙を受け取り目をとおす
「プロスさん、ここの内容削除してもらってもいいか?」
「どれどれ、ん-ー、まあ良いでしょう、ではサインを……」
「ああ、……ほら、ラピスも……」
「ウン」
「では、ナデシコの出航は来月となりますので」
「ああ。わかった」
こうしてアキトとラピスのナデシコ乗船が決まった