今日は土曜日で休みなんだが、暇何で梅田まで来て能力者ファイトの相手でも探していたら、事件が起きた。
ドカン!! 大きなビルで爆発が起きた。
そのまま瓦礫が降ってくる。
俺は咄嗟にその瓦礫の下敷きになりそうになっていた女の子を助けた。
「大丈夫だったか?」
「ありがとうお兄ちゃん」
「それよりもここで何が起きたんだ?」
「なんか知らないけどフードを被った三人組の人たちが梅田第一ビルに入ってそこで爆発が起きたの……」
「そうかじゃあ俺行くから」
「えっお兄ちゃん警察とかアンチサイキックの人たちに任せようよ」
「駄目なんだ俺こういうの見逃せないんだ」
そして俺は駆けた。
目指すは梅田第一ビル。
そこには謎の集団が入っていくのを見たと言う少女の証言があった。
俺はそいつらの正体がわかっていた。
最近巷を騒がしている革命組織リバースだ。
団員数は不明だがかなりの大人数だと言われている。
この世界を作り直すことを目的としてさまざまな活動をしている革命系組織。
リーダーの正体は謎に包まれている。
だがそれでも俺は許せないことがあった。
不特定多数に対する暴力、町や都市を破壊する行為。
こんなこと許されていいわけがない。
こんなただのテロリスト集団なんて俺が倒してやる。
『その心意気だ竹男。我も久々に体が疼くわ……もちろん我にやらしてもらえるのだろうな?』
(ゼノかもちろんいいぞ。本気を出しても構わん)
『うむ……ならば超魔邪神戦闘状態(スーパーアトミックゼノグレネイドモード)の使用を許可して欲しいのだが駄目か?』
(なんだが凄まじいそうなのでもう少し抑えた奴はないのか?)
『うむ……ならば暗黒邪神人化(オーバーロードゼノモード)じゃ駄目か?』
(うーんまあそのくらいならいいんじゃないか? それ俺には使えないのか?)
『もちろん使えるぞ訓練すれば必殺の変身モードじゃからまあまあ強いぞなり方を伝授してやる』
(まあそのうちな)
そして梅田第一ビルの中では壮絶な戦いが行われていた。
俺は魔手化(エビルハンド)を起動させる。
警察が能力者対策用の銃で応戦しているが直ぐにやられていく。
「くそっ攻撃が当たっても効いてない!? 何故だ!?」
「こっちもダメだ。効いてない。だが諦めるわけにはいかない」
「アンチサイキックのほうには?」
「もうとっくに連絡済だ。しかも応援で各地の公正試合実行委員会のメンバーもつれてくるとか言っていた」
「そうかそれなら安心だな」
俺は警察官の話を盗み聞きしながら裏手に回る。
そして目標のテロリストどもの姿を確認したかったが確信できないでいた。
魔手化により、鋭敏化した身体能力に加えて嗅覚と聴覚と視覚がゼノなみになっているという新事実を最近知ったのでかなり便利だ。
嗅覚は象の約千倍。
聴覚は蝙蝠の約百倍。
視覚は鷹の約五十倍。
とても素晴らしい力だ。
これだけあれば何も不自由しない。
「……それで……………………もっとやるか?」
「…………………………まあいいだろう無力化したら撤収だ」
「駄目だ出来るだけ大けがを負わせて動けないようにしろ我らの力を示すために痛めつけてな」
声が聞こえた。
ここからかなり離れている距離は……約三百メートル。
だがおかしい警察は先ほど近くで応戦していたのに。
なぜこんなにも離れている?
俺は走った。
気づかれないように小走りで。
するとビルの頂上のほうから声が聞こえる。
俺は上の方に昇ると奴らも気づいたのか。
声を荒げた。
「なんだ誰か来るぞ!? 誰だアンチサイキックか!?」
「まさか奴らは最低でも来るのに十五分かかかるぞならば誰だ!?」
「俺だ!!」
「いや誰だよ!? お前!?」
「俺の名前は竹谷竹男だ! サラリーマンをやってるただの能力者だ!」
テロリストたちはあっけにとられている。
なんだこいつな感じで見られている。
そして急に笑い出した。
「あはははははっなんだこいつ俺達の前に一人で来たのか?」
「まさか仲間がいるに決まっているだろ」
「いや意外と一人で乗り込んできたのかも」
「そうだ俺一人だ!」
『アホか! ここは仲間がいるように見せかけるのがセオリーだろ竹男』
(しまったやっちまった)
「まあいい一人でやってきたことが運のつきだ行くぞやるぞ」
「おうよ」
「へい隊長」
すると一人の分身がこちらに迫ってきた。
半透明の分身体。
どうみてもそうだ。
それが速く迫ってくる。
俺は咄嗟に後ろに後退する。
そして魔手で波動爪を放つ。
だが分身体に当たると大爆発が起きた。
ドカ―――ン!!! 俺は後ろに吹っ飛ばされた。
そのまま擦り傷を受ける。
擦り傷ですんだのは安全装置のお蔭か。
それともゼノの力で守られているからか。
「もっともっと出すぜえ!」
と言いテロリストの一人が分身体を何体も出す。
それが俺目掛けて飛んでくる。
そのままゴーストのように形状を変化させて俺にぶち当たりそうになると爆発した。
大ダメージを受ける俺。
火傷のようなものを受けるがすぐさま再生する。
これはゼノが力を取り戻した影響のせいである。
邪神は少々の傷ぐらいなら再生してしまうとか。
それでも多少は痛いがまあ仕方ない。
そしてそろそろ反撃しないといけないなと思うがそうはさせてくれなかった。
「じゃあそろそろ消えてくれよ……竜砲撃(ドラゴンストライク)!!」
「なっ!?」
俺は竜の咆哮のような一撃を受けた。
そのままビルの外に放り出された。
コンクリートをぶち抜いて外にだ。
そのまま自由落下してしまう。
このままでは……地面に落ちてジエンドだ。
そうだ羽根を出せば……ダメだ力が入らない……
そのまま俺は地面に激突するかと思えた。
すると何かがふわりと俺を空中で受け止めるものがいた。
見ると杖に乗っている鈴子がいた。
「鈴子……お前飛べたのか……」
「助けに来たよ……私の元恋人さんなんて竹男は本当にまだまだだね……」
《ふむこの男なにやら我と同じようなものが隠れているな……》
「杖が喋った!?」
「ちょっとゴーマ何人前で喋ってるの!? ばれたらヤバいでしょ」
『うむお主の杖も一風変わった代物だな……』
《ほう我の脳内に直接話しかけることもできるのか……どれこっちからは》
『うむ……ゴーマと申すのかもともとはこことは違う異世界の? なるほど面白い気に入ったガハハ』
「ちょっと何勝手に話進めているわけ?」
◇◇◇
「アンチサイキックリーダーどのこちら公正試合実行委員会隊員の指場鈴子です。今日からアンチサイキックの仮メンバーですがよろしくお願いします」
「ああ頼むレベル6の能力者は貴重だからな」
「レベル6だって!?」
「そこのもの声が大きい」
「鈴子本当なのかお前何時の間にレベル6になったんだ?」
「つい先日測定したらレベル6だったんだ」
「つうかお前その杖とかどう見ても魔法使いじゃねーか」
「そうだよ私は魔法使いだよ」
「どういうことですか一体!?」
詳しく話すと長くなるので割愛された。
つまるところ独自の魔法理論を完成さして魔法なるものを生み出した。
ただ魔法は現状実はあるらしく名前を魔術に変えて存在すると言う。
ただ鈴子が考えた魔法理論は詠唱コマンドと詠唱説と本体の魔法名を唱えるだけで発動する魔法なんだとか練習すれば誰でも使えるようになるものなので今鈴子が書いた魔法理論という本が絶賛売出し中だとか。
国内6番目のレベル6の書いた本なので話題沸騰中だとか。
まあいいやそれよりもなんでしずくまでいるんだ?
「竹男さんお久しぶりです。今日はよろしくお願いします」
俺のことを覚えてないのにそんな挨拶をするしずく。
しすくもレベル4になったとか鈴子に教えられた。
どうやらみんなレベルアップしているようだ。
そして他のメンバー三人を入れてアンチサイキックメンバー7人で梅田第一ビルを攻略することになった。