少年が相模川の水の流れを橋の上から見ていたところ、誰かに話しかけられた。
少女「あの...大丈夫?なんか見ててすごい元気なさそうだけど...」
女子高生くらいの年代の人だろうか。自分に声をかけてくれる人が居たなんて、と思いながら少年は言う。
少年「俺は今、川を見てた。なんで俺の親はこんなにもクソなんだろうなって思いながら。」
少女「へぇ。私もそんなことを思いながらきたんだ。偶然だね。」
少年「そうか、同じこと思ってたのか。そうだ、俺の名前は健人(けんと)。よろしくね。」
少女「そういや名前言ってなかったね。私は琴音(ことね)。よろしくね。」
健人「俺の親はやばい行動しかしてなかったから、今日家出してきた。
琴音「そっかぁ...。健人君の親はやばい人なんだね。私の親もやばいんだよね。話すだけでも辛いくらいのことをされてきたから、私も今日家出してきた。」
健人「琴音さん、辛いなら無理に話さなくても良いよ。話してくれてありがとう。」
健人がそう言い、琴音と一緒に川とかを眺めながら会話した。まだ何も知らない状態だったので、趣味とかのことで話した。
健人(琴音さん、割と趣味とか一緒だな。結構話盛り上がりそうだなぁ...。家出しただけなのにこんな事が起こるんだぁ...)
琴音(なんかすごい健人君と趣味同じだなぁ、やっぱ話しかけて良かったな。あの時話しかけてなかったら家出つまらなかったかも...)
そんなことを思いながら二人は話し、時は流れ、気がついたら晴れていて、日も西に傾き、時は午後4時半を過ぎていた。川も夕日を照らし、空も夕焼けで綺麗になっていた。
健人、琴音の携帯には親から「帰ってこい」などのLINEがかなりしつこく入っていた。健人・琴音がお互いのLINEを交換したっきりスマホを見ておらず、当然、親から来た連絡を無視していた(というより通知を切っていたため、気づくはずがなかった。)
健人「さて、もう4時半だ。そろそろ移動しないとヤバそうだから移動しよ。」
琴音「そうだね〜。私、出来るだけ遠いところに行きたいな〜。」
こうして、健人と琴音は自転車で移動し、周りにほとんど何もなさそうな広場に着いた。話しながら移動したり、寄り道したりしたためかなりペースはゆっくりだったが、かなり長い間自転車を漕いだ。
健人「もう真っ暗だね、周りに全然明かりもないや」
琴音「ここだったら警察にバレる可能性も低いかもね。もうここで野宿しよ〜。」
健人「よし、そうしよう。てかもう午後7時か。琴音さん、今日夜ご飯何か持って来た?」
琴音「いや、何も持って来てないんだよね。健人君は?」
健人「実は俺も持ってこなかったんだよね、家出とは言え持って来れば良かったね。たまたま近くにコンビニあるから、行こうか。」
琴音「そうだね、私達家出するって言うのにね(笑)。とりあえずコンビニ行こ〜。」
健人達はそう言って近くにあるコンビニに行き、そこで夕食を買って食べた。広場に戻った後、テントを張って荷物をテント内に置いた。
その後、健人と琴音はテント内で会話したりシャンプーをしたりした。小雨が降り出したので、外に出ることはしなかった。会話してる時に友人から心配するLINEが届いたが、友人達には大丈夫であるという返信をした(親には返信とかはしなかったが)。
しばらく時間が経ち、健人と琴音はベッドを敷いて就寝しようとなった時に健人と琴音は思った。
健人(あれ...琴音さんめっちゃ可愛くね!?めっちゃ美人じゃん...何で親には嫌われたんだろう...まじで可愛い...何だろう、すごい心臓がバクバクになってきた。これが恋ってやつか...)
琴音(あれ...健人君カッコ良くない!?すごいイケメンじゃん...まじでかっこいい...もう惚れちゃった...)
そんな事を思いながら健人と琴音は寝た。どうやら健人と琴音は互いに恋に落ちたようだった。外は小雨だったため、そんなに音はしていなかった影響ですぐに眠りが深くなった。
健人達が寝始めてしばらくした後、雨の勢いが増し、豪雨となっていた。健人達はテントの外にチェーンなどをつけて自転車を置いていたため、すごい濡れた。健人達は寝ていたため気づかなかったものの、すごい音を立てていた。その後、1時間くらい豪雨が降り、雨が止んだ。