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No.35261の一覧
[0] サモンナイト~悲しみの先~[はぐれ召喚獣](2013/02/21 01:48)
[1] 第1話ナニかに喚ばれて~Called to a different world~[はぐれ召喚獣](2012/10/11 23:58)
[2] 第2話欠けてる何か~Missing heart~①[はぐれ召喚獣](2012/10/12 00:04)
[3] 第2話欠けてる何か~Missing heart~②[はぐれ召喚獣](2012/10/28 20:09)
[4] 第2話欠けてる何か~Missing heart~③[はぐれ召喚獣](2012/12/03 01:00)
[5] 間章マネマネ師匠参上!!~2P color ~[はぐれ召喚獣](2012/12/04 00:59)
[7] 第3話目指す場所~The place to aim at~①[はぐれ召喚獣](2013/02/21 01:43)
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[35261] 第2話欠けてる何か~Missing heart~①
Name: はぐれ召喚獣◆cf775fa6 ID:4a3e730f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/10/12 00:04
 ベルフラウたちが喚起の門まで来るとそこには1人の少年が倒れていた。辺りにはついさっきまで戦闘があったのか地面が荒れている。その様子からカイルは最小限辺りを警戒しながら小走りで少年――翔の元へ駆け寄る。ほかの面々は辺りを警戒しているのか喚起の門と森を中心に警戒を緩めず少しずつ少年の方へ歩み寄っていった。

「おい、大丈夫か!?」

 そう言いながらカイルは翔の体を抱き起こす。そして軽く頬を叩きながら眼を覚まさせようとしているが一向に眼を覚ます気配はない。ベルフラウたちが近づいてきたころには眼を覚まさせることはあきらめストラをあて擦り傷などの手当を始めていた。一方、彼女らは起きない翔を少し見るとやや距離をとり辺りを警戒し始める。

「ねぇキュウマ辺りになにかいるかしら?」

 アルディラは忍びであるキュウマに問いかける。キュウマは既に鋭目で辺りを見回していたが何も言わない。少しでも何かを探ろうと必死なのか目がどんどん細く鋭くなっていく。

「逃げ足が忍以上の者でなければ辺りにはいません。ですからこの者はおそらく亡霊に襲われたのでは?」

「そうね。多分それが正解かしら?」

 そのまま警戒を続けるキュウマに無なずきながらアルディラは軽く頷く。辺りの警戒はキュウマに任せたのかアルディラは警戒を少しだけゆるめ後ろを振り向く。そして、今もストラを使い翔の回復を促しているカイルを見ながら何か考えるように顎に手をやった。

「じゃあ、さっきのあれはこの人がやったことですの?」

「恐らくは……紅の暴君<キルスレス>を抜いたことにより亡霊が現れ、襲われたといった所でしょう」

「ちょっと待ってだったらこの人……」

 皆まで言う前に空気が一気に張り詰める。今まで見つかることのなかったもうひと振りの魔剣その適格者であろう少年がいきなり現れた。これが意味するところを考えるが全く出てこない。なぜ今になって現れたのか、なぜ換起の門の前に現れたのか、これにレックスは関係しているのか……

「ひとまずは彼と同じというわけね」

 レックスと同じ。それは翔もまた剣を使ってしまえばレックスと同じようになってしまうかもしれないというかの性を秘めている。遺跡の意思によって何かされるかもしれない。そう言ったことがその場にいる面々の脳裏に浮かんでは消えてゆく。

「アルディラ殿早く彼をラトリクスへ運びましょう」

 重くなった空気をキュウマが切り裂く。それによって氷かけていた空気が溶けていく。それに合わせるかのごとくカイルのストラをやめた。

「あらかた治療はしておいた。だがどうにも体力の消耗が激しいらしい。目覚めるのはいつになることやら」

「そう、分かったわ。ひとまず彼をラトリクスで治療をしましょう。彼の処遇については後で話しましょう」

「では、私は辺りに何かないか探してみます」

「それじゃ、あたしはほかのみんなにこのこと伝えに行ってくるね」

 そう言うと、キュウマとソノラはすぐに走っていってしまった。残されたカイルたちはすぐに翔を背負いこれからのことを考えながらラトリクスへと向かったのだった。







 全てが飲み込まれてしまうような暗闇。それに包まれたところに翔はただ立ち尽くしている。何をするでもなくただいるだけ。このままなにかに飲み込まれてしまいそうなほど儚げにただ立ち尽くす。その空間に声が響きわたる。

『ねぇ、そろそろ起きたほうがいいよ』

 急に響きわたった声に反応し翔は辺りを見回す。しかし何も見えないし見当たらない。だが今までの儚げな雰囲気が消から消え去ったことは確かだ。その正体を探るため翔は虚空へと声を上げる。

「お前はなんなんだ?」

『僕?僕はただ死ぬことができなかった愚か者さ。いろんな犠牲を払った結果がこれさ。まぁ君にはわからないだろうけどね』

 そう1人つぶやく声はただひたすら虚しさを滲み出しながら1人語る。その意味をわからない翔でさえ物悲しさが伝わったのか軽くうつむくようにしている。

『そんなことより剣は抜かないほうがいいよ。死にたくないだろ?どっかのお人好しみたいにもなりたくないだろうし。おっとどうやらここまでみたい。もう合わないことを祈るよ。君はなんだかあのお人好しと似た雰囲気があるからね。じゃあね』

「おい、ちょっと待てよ!!一方的に話されてもいみがわかんねぇって」

 翔は去ろうとしている声に向かってただ声を張り上げるがただ闇にむなしく消えていく。どうやら声の主はそんなこと知ったことじゃないと言わんばかりにどこかへと消え去ってしまったようだ。

「おいおいなんなんだよ本当にッ!!」

 そう叫ぶ翔は突如現れた光の波に消え去ってしまった。







 翔が次に眼を覚ますと少し冷たい雰囲気のある病室だった。どこもかしこも金属材料で作られているせいかどこか寂しい雰囲気を感じる。翔は自分につけられたコードや心電図が写っている機械を見て病院だということを悟った。だがどこか近代的な雰囲気のデザインにただただ困惑をしていた。

「おはようございます。目が覚めて何よりです」

 辺りを見回しながら軽くパニックになっている彼にクノンが声をかける。その声に驚いたのか翔は身を縮め驚く。

「えっと君は?あとここはどこ?」

「私は医療看護用機械人形<フラーゼン>のクノンといいます。そしてここは機界集落ラトリクスです。聞き覚えはございますか?」

「ふらーぜん?それに機械集落ラトリクスって?」

 ただそう返す翔は今のただただ困惑するしかなかった。聞き覚えのない単語に機械の集落という現代日本では全く考えられないことである。翔はすぐさまドッキリかと思いカメラをさがすが全く見つからない。その行動を不思議に思っっているであろうクノンはただただ彼を見ているだけであった。

「そろそろよろしいですか?あとお名前をおききしてもよろしいですか?」

 カメラが見つからずどうしたものかと考え始めた翔に向かってクノンは淡々とそう告げる。その言葉でクノンに見られていたことを思ったのか、ばつの悪そうなかおで頭をかく。

「あ、あぁ。えっと俺の名前は花重 翔<ハナシゲ ショウ>。高校2年生だ」

「それではショウ様、お聞きしたいのですがあなたはどこから喚ばれたのですか?」

「え?どこって?」

 意味がわからないといった表情でクノンを見るがクノンは何かを見定めようという目でただ翔を見るだけだった・

「では、封印の剣を知っていますか?」

「いや、だから意味わかんねぇよ!!ここはどこで君はなんなんだよ!!」

 ただ淡々と続けるクノンにしびれを切らしたのかついに翔は叫んでしまった。その姿を見るとクノンの表情が少し変わった。そして、何かボタンを押すとアルディラが部屋の中に入ってきた。

「バイタルに異常はありませんでした。どの質問にも興奮はしていたものの嘘をいている訳ではありません。よってこの方はたまたま喚起の門から召喚されただけでしょう」

「そう、ありがとうクノン。下がっていいわよ」

「はい、それでは失礼します。ショウ様、怒らせるような行動を申し訳ありませんでした」

 クノンはそう言っておじぎをすると部屋から早々に退出してしまった。翔は状況が飲み込めず、ただ呆然としているだけだった。

「ごめんなさい。あなたの素性がわからなかったから少し調べていたの」

 アルディラはそう言うと頭を下げた。翔は回っていない頭で頭を下げ返すが今の状況が分からずただヘコヘコするだけだった。

「え、っと説明をお願いできますか?」

「えぇもちろん。その前に私は機界集落ラトリクスの護人、アルディラよ」

「俺は翔って言います。それじゃぁお願いします」

「分かったわ」

 アルディラは快諾すると時間がかかるからと椅子をベッドの近くまで持ってきて座った。翔はこのままの格好で聞くのもと思ったのか服を正しベッドの上に座るようにしてアルディラが話し出すのを待った。

「まずこの世界について話をしておきましょうか。この世界はリィンバウムといって召喚術が発達している世界なの。それでその周りに機界・ロレイラル鬼妖界・シルターン霊界・サプレス幻獣界・メイトルパといった世界があるの。召喚術はリィンバウムにこれらの世界の召喚獣を喚ぶ術なの。ここまではいい?」

「はい、でも俺はどれも聞いたことないしそんなの初耳ですよ」

「実はこれら以外にもう一つ世界があるの。それが私たちは名もなき世界と呼んでいるわ。あなたはおそらくそこから召喚されたのだと思うの。その世界なら召喚術何かを知らなくて当然のことだしね」

 真剣な表情のアルディラの話をただひたすら聞く翔だが眉間に手をやり唸るような声を上げている。その姿を見てアルディラは少し苦笑いをしながらただただ見ているだけだった。そして、翔が回復するとまた説明を開始していった。







「で、ひとまず俺は帰れないし危ない剣の持ち主になっちゃったと」

 いままでのことを頭のなかでまとめながら話す翔は眉間に右手をやり左手はアルディラの方へと向けている。時々その手を動かしながら空中に浮いている何かを整理しているように見える。

「えぇ、帰るのは諦めるしかないわ。けど剣の方は使わなければいいだけだからそっちはそこまで考える必要はないわ」

 そう言って微笑みかけるアルディラの顔をみて翔は少しだけ気持ちのもやもやとした気持ちが少し晴れたのか少しだけだが顔が明るくなったのがわかる。ふとドアが開く音が病室内に広がる。翔は別途の上で体を大きく倒しながらドアの方を見るとベルフラウと目があった。

「こんにちは。これから島を案内するベルフラウよ」

 ベルフラウはアルディラの横に立ち軽く胸に手を当てながら挨拶をする。ベルフラウはそのまま翔の体を頭から指の先まで数回、目だけで見ていく。そして、ほんの少しだけ小首をひねるとアルディラの方を向く。

「お姉さま、島の説明は終わりました?」

「いまちょうど終わったところよ。このまま彼がいいなら島を見せてあげて頂戴」

 アルディラはそう言いながら翔に目だけで確認を取る。翔は軽く首を縦に振る。それを確認するとアルディラは頷き返すとベルフラウの法を向き直る。

「いいみたいだからこのまますぐに外を案内してあげて頂戴」

 その言葉を待っていましたと言わんばかりに翔はベッドから飛んでおり、すぐそこにあた自分のスニーカーに足を入れる。その間ベルフラウはアルディラとなにやら話していたが翔は気にするでもなく体をほぐしていた。

「それじゃ、行きましょう」

 そう言って2人は病室の外へと出ていった。


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