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No.5583の一覧
[0] サモナイ3〜我思う、故に動く〜[リン](2008/12/30 23:50)
[1] 教師と生徒と海賊と(1)[リン](2009/01/01 09:52)
[2] 教師と生徒と海賊と(2)[リン](2009/01/02 06:47)
[3] 教師と生徒と海賊と(3)[リン](2009/01/04 22:11)
[4] 教師と生徒と海賊と(4)[リン](2009/03/19 12:12)
[5] 教師と生徒と海賊と(終)[リン](2009/03/27 18:06)
[6] 間章と言う名の夜会話(1)[リン](2009/04/24 16:47)
[7] 四界の守護者・宿敵登場(1)[リン](2009/07/31 20:10)
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[5583] 教師と生徒と海賊と(1)
Name: リン◆51f2ae2f ID:036a65b4 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/01/01 09:52
「あ〜あ、偶然船に乗っていただけなのに、何でこうなるかな」

船の甲板。男、ローグは片手で床に押えつけている海賊に問い掛けた。

ローグの周囲には、海賊の仲間と思われる男が数人倒れていた。

皆、誰か分からないぐらいまで顔を殴られていた。が、ローグの腰に吊された剣が使われていたなら、それだけでは済されなかっただろう。

「ぐっ……」

「お、まだ意識残っていたか。おい、お前ら何の目的でこの船襲いやがった?答えろ」

「誰が…答えるかってんだよ…」

海賊はか細い声と共に唾を吐いた。

元々長くないローグの気はそこが限界だった。

「へぇ…いい度胸だな。覚悟は…っ!?」

剣の柄に手を伸ばしたローグは、突如響いた発砲音と同時にその場を飛びず去った。

「あんた、うちの仲間に何してんのよ!」

ローグから見て左前方。変わった形の銃を構えた少女が睨んでいた。

「何する、だと?それはこっちの台詞だ。
民間船に堂々と砲撃して、襲撃してきたのはそっちだろうが!殺されたって文句はねえはずだ」

うっと詰まる少女を冷めた眼で見ながら、ローグは逃げ道を模索していた。



その時、空が割れた。


「何っ!?」

暗雲が立ち込め、海流が荒れ船体を揺らす。

「な、何これ!?きゃっ!」

少女の悲鳴に、はっとしてそちらを見る。

傾いた船の甲板を滑り落ちて行く少女を瞳に捕らえた瞬間、身体が動いた。

「馬鹿野郎!」

毒づき、跳躍して落下していく少女まで飛び、その華奢な身体を抱き止める。

「え!?な、何で…」

「いいからしっかり掴まってろ!」

何か言おうとした少女だが、今はそれどころじゃない。

近付く海面を見、少女を強く抱き締め落下に備える。

数瞬遅れて衝撃が背中全体に走り、意識が途切れる。

意識の奥で、誰かが呼んだ気がしたが、返す前にブツリと意識が途切れた。


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