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No.43450の一覧
[0] テスト[犬](2021/11/27 19:53)
[1] テスト[犬](2022/04/24 21:39)
[2] テスト[犬](2022/04/24 22:23)
[3] 魔人大戦[犬](2021/10/08 05:02)
[4] 積層魔界都市グゼルフェル[犬](2021/03/19 17:42)
[5] テスト[犬](2023/08/15 01:37)
[6] 辺境の英雄[犬](2023/11/19 22:58)
[7] テスト[犬](2023/08/15 10:29)
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[43450] テスト
Name: 犬◆ef72b19c ID:06be43e3 次を表示する
Date: 2021/11/27 19:53
打撃が走った。
それはただの拳というにはあまりにも重く、固く、まさに文字通りの鉄拳だった。
受け止めた腕が軋みを上げる。
しかし受け止めた。まともに当たったのなら頭蓋すら粉砕しかねない拳を。
「ほぅ」
男は驚くの声を上げる。その油断しきった顔つきに眼突きを放つ。が止める。
「いい判断だ」
相手は目つきの指を額へと向けていた。少しでも反らされれば指がへし折れている。
そして次の瞬間、受け止めた拳に更に力が入っているのがわかり、そして吹き飛ばされた。
くるくると木の葉のように回転しながらもなんとか足から着地して構え直す。
「ほうほう」
こちらは構えているというのに相手は構えもせずにただ適当に歩いて来やがる。
舐めやがって。と口の中で呟いてこちらも歩き出す。
ただしこちらは相手のような適当に歩き方じゃない。歩法。一歩ごとにタイミングをずらし、同時に相手からの攻撃のずらす足運び。
「お前若いくせに珍しいものを覚えてるな」
口には出さず、ただ死ねと内心で唱えながら踏み込む。
顎へと拳を放つ。少し体を反らされて交わされる。予測済み。
そのまま拳を放った体重移動のまま相手の懐に踏み込み、みぞおちに向けての肘うち。
体重をかけた肘うちは突き刺さり、そのまま体重移動、両手突きを心臓と胃に向けて放つ。
全部命中。しかし
「軽い軽い、いくら体重を載せようとも筋力が足りてない」
そんなはずはない。
100キロを超えるプロレスラーですら悶絶させる一撃をまともに食らって問題ないお前の方がおかしいんだと口に出したかったが、上から振り下ろされる拳にそれどころじゃなかった。
両腕を交差させ受け止めたのに、まるで鉄球でも落ちたかのように全身の骨が軋んだ。
殺気から思っていたことだが人間の腕力じゃない
このクソ野郎。
毒吐きながら体を沈め、更に拳で落ちるよりも早く、体を範囲から反らし、その回転のままに回し蹴りを男の側頭部に叩き込んだ。
確実にこめかみに突き刺さった蹴りは並みの人間なら脳震盪どころか脳挫傷すら起こす一撃を、男は
「だから威力がねぇって言ってるんだろうが」
明らかにつまらなそうな顔で言った。
「珍しいものを覚えてるから興味が出たが、なんだただの雑魚か」
雑魚。
その言葉に一瞬きょとんとし次の瞬間、脳みそは沸騰した。
「殺す」
奥義秘儀、秘術禁術を全部使っても絶対に殺す。拳を構える。
全身全霊をかけて襲い掛かった。


「やっぱ弱ぇな、お前」
「く、クソが…………」
普通の人間ならば既に数十回は死んでる。
いや打撃が通用しないのならまだわかる。しかし眼球破壊や鼓膜破壊すらも通用しないのはどういった理屈だ。
無茶苦茶すぎる。
人間を相手にしてるとは思えない。
「ぶっ殺す」
「おうおう、疲れ切ってヘロヘロしてるのによく啖呵はくわ。それなのになんでお前そんな弱いんだ?」
挑発というより素直な疑問という感じの男にあきれはてた声がかかった。
「こ、ころす」
侮辱よりも辛辣、いや、悪辣な同情。
体は既に疲労困憊。相手の剛腕から放たれる打撃を交し続けていたことで心も摩耗している。
しかし、その言葉を許せない。今まで犠牲にした相手の為にも許せない。
「ガアッ」
雄たけびを上げながら四肢を使って地面から跳躍、そのまま全身を螺旋上に練り上げ、下から上へ、心臓を打ち抜く渾身の膝蹴りを放つ。
当たれば肋骨の骨が変形し心臓に突き刺さる滅多に使うことが許されない禁術の一つ。
しかし、それを食らっても男は身動きもしない。
その男の瞳がひどく薄っぺらく、俺の方を見下して、そして拳が俺の顎を打ち抜いた。

俺の人生の理由が見つかった夜だった。




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